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【中国シルクロード】上海から夜行列車38時間!ウイグル自治区「トルファン」探索
<TOP画像:桂林の民家の奥には独特な岩山があり、そこから朝日が昇ってきます>
独特な形をした岩山が並ぶ「桂林」は中国人にとっても有名な観光地です。今回は「観光地の裏側」という切り口で記事を書いていきます。世界的に有名な漫画『ドラゴンボール』の孫悟空が子供時代を過ごしていそうな、非日常的な世界を少し違った視点で見ていきましょう。
目次
夜行列車38時間ってどんな感じ?上海~吐魯番(トルファン)
<出発直前の上海駅のホーム。寝台車両の廊下と部屋の様子(2段ベッドになっている)>
席のグレードについて
<参考一覧表。2023年12月上海~吐魯番北まで。時期や車両によって席の有無が違うので注意>
夜行列車には5つのグレードがあり、今回は最高グレードでの移動だったのでストレスフリーでした。一番良いグレードは2人部屋で、部屋の中に洗面台と洋式トイレが付いています。2番目のグレードは4人部屋で、このグレード以降、トイレは車両共有になります。
数十人で2つのトイレを使うことになるので、衛生的に自由に使えなくなります。3番目のグレードはカーテンで仕切られた3段ベッド、4番目は座席、最低グレードは座席無しになります。座席無しチケットだと、連結デッキなどで過ごす必要があります。満席の時の最終手段になります。
食事について
<弁当と食堂車両。食堂車両は車掌さんのミーティングや休憩スペースとしても使用されている>
厨房付きの食堂車両があり、朝昼晩の弁当の車内販売もあります。どちらも作りたてで温かいです。800円以下で大人1人が満足できる量を食べることができます。
移動時間の過ごし方について
<移動風景。大地の色、植生が変わっていく>
上海から内陸へ北上し、植物の多い景色から赤茶けた砂岩の景色に変わっていきます。景色の移ろいは楽しめますが、冬は日没時間が早く、スマホやパソコン作業が増えます。風景を楽しむなら夏がおすすめです。
年末の5つ星ホテルに約5,000円で宿泊!?
<ホテル外観と部屋の様子>
12月31日の北京時間午前8時に「吐鲁番火山红酒庄」ホテルに到着しました。オフシーズンのため、2泊合計445元(1万円以下)で宿泊できました。
夏から秋が繁忙期なので、冬は他のお客さんも少なく、安く宿泊できます。
吐鲁番火山红酒庄
- 住所:242Q+HMQ, Gaochang District, Turpan, Xinjiang, 中国 838000
- 電話:(0995)7620000
チェックイン:14:00~
帰りはヒッチハイク「火焔山」
<牛魔王の銅像の後ろには「火焔山」。ラクダに乗り近くを目指す>
ホテルからタクシーで70元ほど(約1,500円)を支払うと火焔山(かえんざん)の施設まで行くことができます。入場料が40元で、1時間もあれば施設内を全て周ることができます。
火焔山近くは原則的に観光客の立ち入りが禁止されていますが、私は施設に入った後、160元を支払ってラクダに乗り、火焔山の直ぐ近くまで連れて行ってもらいました。
このアクティビティを活用することで火焔山に近づくことができます。ラクダに揺られながら荒野を進むと、古代の旅を追体験できるので、シルクロード好きにはおすすめです。 火焔山観光を約2時間楽しんで、ホテルに戻ろうとしたところ問題が発生しました。
市内から出発する際は簡単にタクシーを捕まえることができましたが、市内に戻る際には配車アプリを活用して数十分待ってもタクシーを捕まえることができませんでした。そのため、急遽ヒッチハイクで帰ることになりました。無料で車に乗せてくれた親切な中国人曰く、オフシーズンでは17時を過ぎるとタクシーはほとんど捕まらないとのことでした。
オフシーズンに火焔山を訪れる際は、タクシーに待ってもらうために多少の追加料金を支払う、車のチャーターサービスを利用する、または午前中に訪れるなど、帰りの交通手段について事前に準備をすることをおすすめします。
火焔山景区
- 住所:WG97+HRM, Gaochang District, Turpan, Xinjiang, 中国 838015
遺跡好き必見の世界遺産「交河故城」
<迷路のようになっている。展望台に着いてからも更に奥まで進むことができる>
交河故城(こうかこじょう)は今回の旅で一番心の踊る場所でした。ホテルからタクシーで30元ほどの場所にあり、入場口で130元を支払えば施設内の移動バスや博物館入場も含めたチケットを買うことができます。交河故城は土で築かれた都市遺跡としては、世界最大で最古、紀元前2世紀頃に築かれた全長約1,650メートルのシルクロードの拠点で、2時間以上飽きずに散策しました。
迷路のような無秩序な道を奥に歩き続けていると、計画された都市構造に気づくことができます。住居エリアや寺院エリア、仏塔などの全体像を実感してから広場に佇むと、古の風景に思いを馳せることができます。
交河故城
- 住所:X338+7CV, Gaochang District, Turpan, Xinjiang, 中国 838005
- 電話:(0995)8687885
- 開館時間:9:30~20:30(19:30入場停止)
- 入場料:70元(1,400円程)~
街並み
<電光掲示板にはウイグル文字が並記。夕日は現代建築を照らしている>
街の中心部にはモスクがあり、周辺には建設途中の高層マンションと土壁で作られた集落が広がっていました。
<白いのは積雪。灼熱を思わせる砂漠地帯の積雪は不思議な感覚だった>
路地の壁には、イスラム風お年寄りと漢民族風青年のイラスト、社会保障に関するスローガンが掲げられています。道は綺麗に清掃されて車の通りも多かったです。
街を赤く染める夕日は非日常的な雰囲気を醸し出していて、旅の情緒を感じさせてくれます。
まとめ
西遊記や漫画の舞台になった「火焔山(かえんざん)」、シルクロードの要所であり世界有数の古代遺跡「交河故城(こうかこじょう)」、他にも今回紹介できなかった名所・名物が吐魯番(トルファン)にはまだまだあります。
夜行列車での移動は2日間かかりますが、直行便であれば上海から5時間のフライトで行くことができます。中国内陸部を体験することで、古今東西の物語がもっと身近に楽しくなります。
この記事を読んでトルファン旅行に興味を持っていただけたら嬉しいです。
▼トルファンの様子を動画でご覧ください
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AIKEITA
- 青年海外協力隊等でアフリカ3年、エッチな映像制作会社3年、商社転職して上海駐在3年以上の変なおじさんです。ドラクエBGMを聞きながら探検とかします。人生初海外は22歳から。九州山奥出身。濃い眉毛が特徴。年間漫画予算30万円。ゲテモノを笑顔で美味しそうに食べることができます。死ぬまでにしたいことの1つが切腹です。