【スイス】今もなお007が潜伏中?シルトホルンとピッツ・グロリア

<TOP画像:ビルク駅のスカイライン・ウォーク展望台から見えるアイガー、メンヒ、ユングフラウ>

近年ヨーロッパでも猛暑が続いている夏。こんなに暑いと地下に潜るか、山に登るぐらいしか思いつかないのですが、ふと、しばらく山へ行っていなかったことを思い出し、2023年の夏、スイスの名峰の一つであるシルトホルン展望台(ベルン州)まで行ってきました。

目次

ジェームス・ボンド、実はスイスにルーツあり

シルトホルンといえば、007映画「女王陛下の007(1969年/原題: On Her Majesty's Secret Service)」のロケ地になった場所ですが、シルトホルンだけではなく、スイス国内の様々な場所で映画「007シリーズ」が撮影されています。 

1969年公開映画「女王陛下の007」の当時のポスター
<1969年公開映画「女王陛下の007」の当時のポスター>

ところで映画「007シリーズ」の主役といえば、もちろんジェームス・ボンド。

2021年に公開された最新作「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(原題: No Time to Die)」まで25作品が公開されており、歴代のボンドもショーン・コネリーからダニエル・クレイグまで7名の俳優たちによって演じられてきました。

ジェームス・ボンドは英国のMI6(秘密情報部)の諜報員で、あの特徴ある英国風アクセントでの話しっぷりから、いかにも"英国紳士"というイメージがありますが、実は父親がスコットランド出身、そして母親がスイス人という設定なのだそう。

ジェームス・ボンドがスイスにルーツを持っている、と言われてもいまいちピンと来ない私ですが、なんでも007の産みの親である英国の作家イアン・フレミングはスイスの大学で学んでいたそうで、そのためスイス事情に詳しかったのだとか。

いざシルトホルンへ!しかし道のりは遠かった

頂上シルトホルンまでの道のり
<頂上シルトホルンまでの道のりは長そう>

今回シルトホルンへ行くにあたり、まずシュテッへルベルクにてチケットを購入することにしました。そしてチケットを買った後、ここからロープウェイを3回乗り継いで頂上までいざ!

我々がロープウェイに乗りこんだ時は、北米からの観光客が多く来ている印象でした。

ロープウェイ
<ロープウェイは大きく、一度に100人ぐらい乗ることができるそう>

まもなく途中駅で乗り換え。この日スイスの気温は27℃ぐらいでしたが、途中駅で気温が既に18℃にまで下がっており、ヒンヤリした空気。ここからさらに上までロープウェイで上がって行き、今度はビルク駅に到着です。

ビルク駅で途中下車をして、そこにある展望台から景色を見てみたかったのですが、この日ロープウェイは遅延(ロープウェイでも遅延ってあるのですね)。この日頂上にあるレストランでランチの予約をしていたため、下山時に途中下車することにしました。

中間駅ビルクのスリル・ウォーク
<中間駅ビルクの「スリル・ウォーク」>

それにしてもレストランへの予約時間に余裕を持たせて、早めに着くよう計算しロープウェイに乗ったのですが、その予想を上回るほどの混みっぷり。終点のシルトホルン駅行きのロープウェイも遅れており、乗客みんな辛抱強く待っていました。

ところで、シルトホルンは2026年まで大リノベーション中。山の頂上近くに、大きな重機やクレーンがそこかしこにある風景が新鮮でした。3,000メートル弱ある標高での工事は容易ではないだろうな、と思いました。

数年後には3つの新しいロープウェイラインができるのだとか。

そうなると現在のように時間がかかったり、人手でロープウェイの運転をすることもなくなり、自動操作できるので、スタッフと観光客のストレスも減りそうですね。

回転レストランで「007ランチ」

回転レストラン「ピッツ・グロリア」
<回転レストラン「ピッツ・グロリア」外観>

こうしてようやくシルトホルン頂上に到着、そこにある有名なレストラン「ピッツ・グロリア」へ。「ピッツ・グロリア」は45分で1周する回転レストランです。

このレストランのハイライトの一つといえば、アルプスの山々が360°のパノラマビューで楽しめることなのですが、私はどちらかというと、アルプスの景色よりもレストランの内側(不動部分)を眺めている方が面白かったです(笑)。

スタッフの方たちは慣れているでしょうが、レストランで食事をしていて、途中で階下のお手洗いに立ったりすると、戻ってきた時どの場所に自分のテーブルが移動したか分からなくなり、探し迷っている人たちの姿もありました。

レストラン ピッツ・グロリア内部
<レストラン「ピッツ・グロリア」内部。バーもあります>

レストランにはバーもあり、シャンパンのボランジェが販売されていました。何と言っても007映画ではラグジュアリーな小道具が必須!高級時計のオメガが<ボンドウォッチ>に採用されたりしています。

夫が「007でシャンパンといえば、ドン・ペリニョンじゃないの?」と言っていましたが、そういえばシリーズ初期の頃はドンペリがお目見えしていたような。

時計も昔はロレックスやらセイコーやら色んな時計が出演(?)していたように記憶しています。時と共にMr.ボンドの好みも変わっていったのでしょうか。

360°の絶景パノラマと食事
<360°の絶景パノラマと食事が同時に楽しめます>

007バーガーセット
<ランチは「007バーガーセット」>

さて、レストランでのランチは「007バーガーセット」。――なんてことはない、普通のバーガーとフライドポテト、サラダ、デザートのセットで、お皿とハンバーガーのバンズに「007」とあるだけなのですが...(笑)。

味と量はちょうど良く、味もそれなりに美味しかったです。

2970mの標高から見る景色
<2,970mの標高から見る景色は最高>

ンチの後は広い展望台に出て、パノラマで楽しめる絶景とアルプスを眺めた後、展望台から階段で降りたところにある「ウォーク・オブ・フェーム」に行ってみました。

2015年夏にオープンした、ちょっとした遊歩道のような場所で、ここには「女王陛下の007」の出演キャストやスタッフ15名分のプレートがあり、それぞれの写真や手形、サイン、メッセージなどを見ることができます。

ウォーク・オブ・フェーム
<「ウォーク・オブ・フェーム」エリアを散策>

誰でも無料で楽しめる007ミュージアム「スパイ・ワールド」

007ミュージアム スパイ・ワールド
<007ミュージアム「スパイ・ワールド」内部>

シルトホルンでのハイライトはまだあります。それは2013年夏にオープンした「スパイ・ワールド」。

007シリーズに関するミュージアムで、特にシルトホルンとピッツ・グロリアがロケ地となった「女王陛下の007」に関するトリビアなどを知ることができるようになっています。

ミュージアム入り口から暗く長い通路を通って行くと――そこもやっぱり007の世界!

007シリーズに関する様々なトピックや舞台裏が展示やゲームと共に紹介されており、なかなか凝った作り。きっとたいしたことないミュージアムだろう、と期待せずに来たのですが(ごめんなさい)、実際は老若男女楽しめる場所でした。

館内に入ると、それぞれの映画の主なロケ地に関する大きな世界地図がまず目に入り、その奥にはヘリコプターでアルプスを飛ぶシミュレーションゲーム、ミニシアターまであります。

またタッチスクリーンで「女王陛下の007」制作時のトリビアや秘話を知ることもできます。

ちょっとしたゲームの数も多く、特にファミリー層に人気がありそう。私自身「女王陛下の007」の映画をしっかり見たことはないのですが、それでも007の世界を堪能できて面白かったです。

ちなみに「スパイ・ワールド」への入場料は無料。ミュージアム近くにあるお手洗いも遊び心たっぷり!007ワールド満載になっていますので、こちらもおすすめです。

お手洗いの中も、ボンドワールド
<お手洗いの中も、ボンドワールド感満載でびっくり>

シルトホルン&ピッツ・グロリア(Schilthorn - Piz Gloria)

※新ロープウェイへの切り替えやメンテナンスでロープウェイが利用できない日があります。詳しくは公式サイトでご確認ください

※注意:2024年10月14日~2025年3月15日まで、新ロープウェイへの切り替えのため、ビルク駅からシルトホルン山頂駅へのアクセス不可。この期間中はレストラン「ピッツ・グロリア」も休業になります

まとめ

個人的に白雪のスイスアルプスが好みなのですが、迫力ある夏のスイスの山々もカッコいいなと思った体験でした。涼しい山の空気をいっぱい吸うことができ、ロープウェイをいくつも乗り継いだ甲斐がありました(笑)。

シルトホルンとピッツ・グロリア2025年夏の旅行先にいかがですか?ぜひご検討ください。

※この記事の情報は2023年9月現在のものです

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小島瑞生

1998年~2009年まで暮らしたアイルランドから、2009年スイスへ移住。面白そうなコト・モノを求め、スイス国内や欧州の国々をウロウロしながら、雑誌やウェブサイト、ラジオ等のメディアに様々な情報を発信中。趣味は旅行とハープ&ピアノ演奏。

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