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ストップオーバーとは何のこと? その意味や上手な使い方について解説
航空券を探しているときなどに「ストップオーバー」という用語を見聞きしたことがあるかもしれません。実はストップオーバーは、知る人ぞ知る、お得に周遊旅行を楽しむテクニックのひとつ。
ストップオーバーとは何なのか、ストップオーバーの意味やトランジット・トランスファーとの違い、ストップオーバー航空券を予約する方法などについて解説します。
目次
<2. ストップオーバーとトランジット・トランスファー の違い>
<6. オープンジョーという選択肢も! ストップオーバーとの違いは?>
1. ストップオーバーとは何のこと?
<出典元:写真AC>
ストップオーバーは、飛行機で最終目的地に向かう途中、乗り継ぎ地にて24時間以上滞在することをいい、「途中降機」と呼ばれることもあります。
乗り継ぎというと、「面倒」「余分な時間がかかる」など、ネガティブなイメージがあるかもしれません。ところが、ストップオーバーは知る人ぞ知るお得な旅のテクニック。上手にストップオーバーを活用することにより、気軽に周遊旅行ができるため、旅のプランニングの幅がグッと広がるのです。ストップオーバーなら、東京からパリに向かう途中、フィンランドのヘルシンキで2~3日滞在するといった旅程も簡単に叶います。
2. ストップオーバーとトランジット・トランスファー の違い
<出典元:写真AC>
ストップオーバーと似た航空用語に「トランジット」「トランスファー」がありますが、ストップオーバーと何が違うのでしょうか。
狭義の「トランジット」は、最終目的地までに必要な燃料等を補給するために途中空港に立ち寄り、同じ機体で最終目的地に向かうことを指します。トランジットの際、乗客は機内でそのまま過ごすことも多いですが、機内清掃を行う場合などは、一旦飛行機を降りなければなりません。
一方、「トランスファー」は、最終目的地に向かう途中で飛行機を乗り換えることをいいます。「出発地と最終目的地を結ぶ直行便がない」、あるいは「直行便はあるものの、経由便のほうが安い」などの理由でトランスファーが利用されます。このように、トランジットとトランスファーは本来違う意味ですが、実際には「トランスファー(飛行機の乗り継ぎ)」の意味で「トランジット」という言葉が使われることもしばしばあり、トランジットとトランスファーの境界はあいまいになっています。
※トランジットについて詳しくは「トランジットとは? 乗り継ぎってこと? その意味と注意点を解説」の記事もご覧ください。
トランスファー(トランジット)もストップオーバーも「途中空港で乗り継ぐ」という点においては変わりません。では何が違うかというと、経由地での滞在時間です。「トランスファー(トランジット)」の場合は、乗り継ぎの空港に到着してから24時間以内に次の目的地に向かう飛行機に搭乗しますが、前述の通り、「ストップオーバー」なら、乗り継ぎ地に24時間以上滞在することができます。
都市によってはトランスファー(トランジット)であっても空港外に出て観光を楽しむことも可能ですが、空港と街の行き来にかかる時間等も考慮すると、経由地でゆっくり観光を楽しみたいなら、トランスファー(トランジット)よりもストップオーバーの利用がおすすめです。
3. ストップオーバーのメリット
ストップオーバーのメリットとして、無料あるいはわずかな追加料金で経由地に滞在できることが挙げられます。よりお得に、より自由に旅を楽しみたいなら、ストップオーバーを上手に活用したいものです。
一度の旅行で複数地域の観光が楽しめる
ストップオーバーのメリットのひとつが、「1度で2度おいしい」こと。通常、周遊旅行というと、同一国内、あるいは隣接する国の都市を巡るイメージですが、ストップオーバーなら、航空会社が定める一定のルールのもと、離れた国の都市を周遊することもできるため、1度の旅行でまったく雰囲気の異なる複数の都市を観光することが可能になります。
別々で行くよりも費用が安くなる
各区間の航空券を別々に購入するより、大幅に費用が抑えられるのも、ストップオーバーのメリット。航空会社や航空券の種別等にもよりますが、場合によっては無料あるいは数千円程度の追加料金で、経由地での滞在が楽しめます。
また、ストップオーバーを利用すれば、別々に行った場合と比べて、費用だけでなく時間も節約できることがほとんど。周遊旅行を楽しみたい人にとって、ストップオーバーは非常に魅力的な選択肢なのです。
4. ストップオーバーが含まれる航空券の予約方法
<出典元:写真AC>
ストップオーバーが含まれる航空券はどのように予約すればいいのでしょうか。複数都市に滞在したい場合、航空券予約サイトで「複数都市」「周遊」などのメニューを選択すると、ストップオーバーに対応した航空券が検索できます。
例えばJALの公式サイトでは、以下の操作方法で2都市以上に滞在(ストップオーバー)する航空券の予約が可能です。
- 国際線の予約メニューで「自由旅程(複数都市)」を選択
- 「区間を追加」より希望の旅程に合った区間数に設定
- 搭乗日、出発地、到着地、搭乗クラス、人数を選択し、「検索する」を押下
ストップオーバーにかかる料金は?
ストップオーバーにかかる料金は、航空会社や航空券の種別等により異なるため、一概に「いくら」とはいえません。「1回までストップオーバーが無料」という場合もあれば、追加料金がかかることもあります。追加料金がかかる場合も、費用は数千円~数万円程度ということが多いため、乗り継ぎ地までの航空券と最終目的地までの航空券を別々に購入するよりは、はるかにお得といえるでしょう。
5. ストップオーバー利用時の注意点
気軽に周遊旅行が叶うなど、メリットも多いストップオーバーですが、利用する際にはいくつかの注意点があります。
入国に関する注意点
ストップオーバーを利用する際に注意したいことのひとつが、経由地での入国です。トランスファー(トランジット)の場合、乗り継ぎの待ち時間をずっと空港内で過ごすことも多いですが、ストップオーバーは経由地に24時間以上滞在することを指すため、原則として経由地で入国することになります。
入国にあたっては当然入国審査があり、国によってはビザも必要です。事前にビザを取得しておく必要があるにもかかわらず、取得していない場合、せっかくのストップオーバーなのに入国できないということにもなりかねません。最終目的地の国はもちろん、ストップオーバーで滞在する国の入国要件もしっかりと確認しておきましょう。
荷物に関する注意点
ストップオーバーを利用する場合、出発地の空港で預けた荷物は、経由地の空港で一度受け取り、最終目的地に向かう前に再度預け直すのが一般的です。ただし、航空会社によっては経由地での荷物の受け取りができない場合もあります。
航空券を予約する前、あるいは出発地の空港で荷物を預ける際に、途中空港での荷物の受け取りが必要(可能)か、必ず確認しましょう。いずれにしても、経由地での滞在に必要な最低限のものは機内持ち込みにしておくと安心です。
6. オープンジョーという選択肢も! ストップオーバーとの違いは?
ストップオーバーは周遊旅行の便利な選択肢ですが、運賃や旅程によってはストップオーバー不可の場合もあります。複数都市を周遊したいなら「オープンジョー」という選択肢も知っておきましょう。
「オープンジョー」は直訳すると「開いたあご」。オープンジョー航空券とは、往路と復路の発着地が異なる航空券のことです。例えば、往路が「成田発・パリ着」、復路が「バルセロナ発・成田着」のような旅程で、パリ~バルセロナ間は陸路、あるいは別途航空券を購入して飛行機で移動します。
オープンジョーのメリットは、往路の目的地と復路の出発地のあいだの交通手段を自由に選べることです。上記の例であれば、パリ~バルセロナ間は自力で移動することになりますが、途中の都市にも立ち寄りながら、鉄道でのんびりと旅をすることもできるのです。陸路の交通機関も使ってさまざまな都市を周りたいという人には、ストップオーバーよりも小回りの利くオープンジョーが合っているのではないでしょうか。
自由度の高い旅程が設計できるオープンジョー航空券ですが、航空券の種別としては往復航空券に該当します。往復運賃が適用されることから、往路と復路の航空券を別々に購入した場合に比べ、大幅に費用が抑えられるのも、オープンジョー航空券の魅力です。
7. ストップオーバーでの乗り継ぎにおすすめの国・都市
ストップオーバーを利用して複数都市を周遊したい場合、ストップオーバーで滞在する都市は、多くの航空会社が就航するハブ空港がある都市や、ストップオーバー客向けのサービスが充実している都市、空港と都市間のアクセスが良い都市などがおすすめです。
ドバイ
<出典元:写真AC>
ストップオーバーでの滞在におすすめの都市のひとつが、ドバイ。空港から市街地へのアクセスが良く、主要観光地がコンパクトにまとまっているので、短い日数でも見どころをおさえた観光が楽しめます。
ドバイの絶景を楽しめる展望台「スカイビューズ・ドバイ」、地上100mに浮かぶダイニングの集合施設「ザ・リンク」、中東らしい雰囲気が感じられるスーク(市場)のある旧市街、砂漠サファリが体験できるドバイ砂漠保護地区など、新旧のスポットを巡ってドバイを遊び尽くしましょう。
シンガポール
<出典元:写真AC>
ドバイ同様、空港から市街地へのアクセスが抜群で、短い日数でもさまざまな体験ができるのがシンガポール。東京23区よりもやや大きいくらいの都市国家でありながら、多民族国家でもあるシンガポールでは、狭い範囲にチャイナタウンやリトルインディア、アラブストリートといった異なる文化に触れられるスポットがあり、それらを巡るだけでも世界旅行気分が味わえます。
シンガポールのアイコン的存在となった高級リゾートの「マリーナベイ・サンズ」や「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」など、ベイエリアの見どころも豊富で、1~2日程度の日程でも大充実の時間が過ごせること請け合いです。
アブダビ
<出典元:写真AC>
近年、ヨーロッパ方面への乗り継ぎ地点として人気が高まっているのが、アラブ首長国連邦のアブダビ。アブダビを拠点とするエティハド航空の搭乗券は「アブダビ特別パス」として利用でき、アブダビのレストランや観光スポット、ホテル、スパなどで最大30%の割引が受けられます。
乗り継ぎならではの特典を生かしつつ、豪華さと壮大さに圧倒される「シェイク・ザイード・グランドモスク」、フランスのルーブル美術館初の海外別館「ルーブル・アブダビ」、世界最速のジェットコースターに乗れる「フェラーリ・ワールド」、巨大な海のテーマパーク「シーワールド・アブダビ」などの多彩な見どころを巡ってみましょう。
エティハド航空のストップオーバーパッケージを利用すれば、対象のホテルに2泊まで無料で宿泊できるという太っ腹なサービスも。ただし、無料宿泊枠には限りがあり、希望しても必ずしも利用できるとは限らない点に注意が必要です。
ストップオーバーは旅行好きなら必ず知っておきたい、お得に周遊旅行を楽しむテクニックのひとつ。ストップオーバーで複数都市に滞在する旅程を組めば、わずらわしい乗り継ぎが楽しみに変わりそうですね。
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