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インドでトラブルに合わないための3つのルール
今年は大型連休が取りやすい年で、お盆は最大9連休で海外旅行に出かける人も多かったと思います。YouTuberやSNS内では、インドへ一人旅をした動画がたくさん出ています。
旅人が増えるとなぜかインドはトラブルにあったという話もよく聞くのです。
しかし、記事や動画を見ていると中には「このトラブルは回避できる」と思えるケースがあります。
たくさんの人が楽しくインドを旅行して欲しいので、インド在住者からのインド旅行中のトラブル回避のアドバイスをお送りします。
目次
インド旅行で自覚してほしいこと。
私は、インド以外にもアメリカ、スペイン、タイ、スリランカ、ネパールなどの旅行経験があります。海外旅行に共通して言える事は、どの国にいってもトラブルは起きるということです。
正直、海外の情報を取り扱うメディアの中には「インドは危険」というイメージをわざと作っているものもあります。
海外旅行客を狙った犯罪はインドだけではなくどの国にもあるということを最初に申し上げておきたいです。
安全をお金で買う感覚を身に付ける
インドはもちろん他の海外旅行でも同じく言えることですが、海外旅行先の安全はお金で買うと思ってください。
旅行会社はそのためにあるものです。現地スタッフや会社が何度も視察して快適な旅をお約束しているのでそれ相応の価格帯なのです。
日本に住んでいるだけだと、その「安全をお金で買う」という感覚は乏しいかもしれません。
日本ほど水がきれいで安全な国はない、のが現実です。
旅行も一緒で、予算を削れば削るほど安全面も不安要素が増えます。
「優しい」「親切」な人は声をかけたりしない
海外に行くと、つい日本での常識を忘れてしまいます。
日本でやらないことはインドでもしないでください。
冷静に考えて、知らない人に声をかけられその場で信用する人はいないのではないでしょうか。
インドでも同じことです。
観光地には、観光客と観光客を狙った人しかいないのです。普通のインド人はそんなに暇ではありません。
あなたが必要ともしていないのに、インド人が日本語で話しかけてくる、この状況をおかしいなと思ってください。
トラブルをトラブルと思うかチャンスにするか
インドにおけるトラブルは2種類あると思っています。
- 狙われてトラブルに巻き込まれるケース
- コミュニケーション不足による勘違いのケース
1. はいろんな手口があります。異常におびえる事はありませんが、ポイントを押さえてアンテナを張っておけばある程度防げます。
対処方法もたくさんあります。
2. の場合は、「もう少しきちんと話しあえばトラブルにはならなかったんじゃないか」と思われるケースです。
特にお金の支払いに関するケースやレストランや電車、一般のインド人も使うような場所でのトラブルです。特にサービスを提供してもらう時は、事前に料金を確認する。思い込みは通用しません。
予め聞かれないことはインド人は説明しません。聞かれなかったから、と言われます。
日本人の「察して文化」は世界でも珍しいものです。
これは文化の違いであり、彼らは意図的にだまそうとしてはいません。
被害者意識が強いとインドを楽しめません。相手は人間ですから、コミュニケーションをとって話をすることでピンチがチャンスになることもあります。
一方的な要望ばかりを押し付けて、自分でトラブルを作らないことも大切です。
1. 女子インド一人旅は自覚が必要
インドでトラブル、と聞くと女性に対するケースがよく取り上げられます。
これは、インドの特定の地域やインド人男性の特有な考え方を知っておくと予防できることが多いです。
インド人女性は足をださないことを知っておく
実は、デリーや大都市の一部を除いて女性がミニスカート姿で外を歩いているのは非常に珍しいことです。
ゼロではありませんが、近年ショッピングモールでみかけるようになったぐらいです。
もちろん着たい服を着ることは悪いことではありません。それなら5つ星ホテルやリゾートの敷地内がベストです。
インド人女性は、原則足を出す服装をしません。お寺にも入れないことがあります。
日本でできるファッションがインドでもできるとは思わないでください。
せっかくですから、サリーやパンジャビドレスを購入しインド人女性のように歩いてみてください。
インドで起こる女性に多いトラブルとその対処法
ボディタッチは回避するコツがあります。
観光地に群がっているインド人男性は、いろんな外国人とかかわった経験があります。彼らはわかって近づいているのです。
大声を出さない、なにかされても言い返せない、にこにこしている、色が白くて優しそう、こんな共通点だけで寄ってきます。反対に、そうじゃない女性には近寄りません。
彼らは自分が悪いことをしていると理解しています。しかし、それをはっきりと「悪いことだ」と言われなければ「もう少し大丈夫なんだ」とエスカレートするのです。
なので、気のせいだと放っておかずに、にらみつけて「DON'T TOUCH(さわらないで)」と怒るなど初手が大事です。
残念ながら、私たちの常識が彼らの常識ではありません。
はっきりと声をあげ、はねのけましょう。そしてその場で対処するのがポイントです。
観光地には、セキュリティがいます。周りのインド人に助けを求めてください。言葉の問題は関係ありません。指差しでも必死さは伝わります。
宿泊先で気を付けるポイント
女性1人での宿泊は、在住者が旅行する時でもトラブルにならないように気を付けています。
インナーロックはもちろんですが、極端に安い宿に泊まらない、常に知り合いに自分の居場所や連絡先を伝えておくのもポイントです。
最近は、AirbnbやAgoda、Booking.comなど予約アプリが増えました。
事前にやり取りができるように設定されているので「予約あるから大丈夫」と考えず、リコンファーム(事前確認)のメッセージを送る、電話で確認するなどをおすすめします。
特に初日の宿泊先は安心安全を優先した方が、疲れもとれます。
また、むやみに人を部屋に入れないことです。
仮にホテルのスタッフとはいえ、許可なく不用意に入ろうとしたら、声を出しましょう。
貴重品がはいったスーツケースは、ロックしてクローゼットの中にいれておく、セキュリティボックスに保管するなど、最低限できることをしておきます。
2. 観光名所では油断しない
残念ながら、観光客をターゲットにしている犯罪者は世界中のどこにでもいます。
冗談ではなく、インド人も騙されます。
以下のことに注意していれば、少なくてもトラブルには巻き込まれないと思います。
観光名所での注意事項
1つ目は、「知らない人についていかない」です。相手は複数で犯罪を犯しているケースもあります。一人旅の醍醐味でもありますが、知らない人がフレンドリーに話しかけてくるのは何か相手にメリットがあるからだ、と考えてください。
「そんな風に考えたら旅を楽しめない」と思う人もいますが、なにかあってからでは遅いのです。
旅行中の荷物管理
日本は、落としたお財布が交番に届く国です。しかし、それを「当たり前」と思わないでください。インドは窃盗はほかの罪より重く、現行犯だとかなり警察以外の人からも戒めを受けたりします。
つまり気を付けてさえいればある程度予防できます。
女性に多いのですが、どんなカバンでもチャックがない布製のバックやかごバックなど明らかに鞄の中身に手が届くバックはやめましょう。
また、リュックは後ろから知らないうちに開けられたりしますので、背負う時は前に抱えるなどの工夫が必要です。
- 自分の体から離さない
- 現金や貴重品は分散させる
など、聞いてると当たり前と思うようなことでも意外と忘れがちです。
空港の中だからと言って、油断はできません。しかし一人旅の場合トイレに大きな荷物を持ち込めるほど面倒なことはありません。
そんな時は、「周りの人に一言みててもらうように頼んでおく」のです。
ここは、インド。こうした事は「自分から声をかける」ことでトラブルを防げます。相手はだいたいOKしてくれるでしょう。
もちろん、家族連れのお母さんとか、ビジネスマンなど相手をきちんと見極めることも必要です。
あなたのリクエストは相手にとって迷惑ではありません。ここがインドのいいところです。
混雑する場所に行くならこれは知っておくべき
観光名所や主要駅、お祭りやイベントなど、人が多い所は現地人を頼りましょう。エージェントに頼んでガイドさんをお願いするとか、ホテルのスタッフに相談してみるとか(もちろん少しのチップを忘れずに)方法はいくらでもあります。
混雑しているエリアに行く場合、誰か一緒にいる方が早くてスムーズです。
そしてその土地の人ならいろんなことを知っています。私の主人はインド人ですが、国内旅行する時は、タクシーの運転手さんからホテルのレセプション、ガイドさんまで情報収集しまくり、次に行くときも同じ人に頼むなどしています。
誰かを頼ることは迷惑ではありません。むしろインドでは1人で生きていく方が難しいと思います。
助けてもらったらお礼をいう。自分が困っていることを伝えてお願いをする、断られるのも悪意はありません。次の人にいけばいいだけです。
適度な距離感は必要ですが、なんでも1人で解決しようとせずに、適切な相手にお願いをすることも必要です。
3. 旅行中の支払いトラブルはこう避ける
インド旅行をしている人が、結構困るのが換金です。
空港には、もちろん両替所がありますがレートが悪く小額紙幣はほとんどないため、不便なことが多いです。
コロナ禍以降、キャッシュレス化が進み、おつりを出さないタクシーやお店が増えました。支払いのトラブルは多いので、私が1人で旅行するならこうする、というアドバイスを書きたいと思います。
クレジットカードの安全性はない
インドのクレジットカード(以下、クレカ)の主流はアメックスかVISAです。大都市を除いて、地方のホテルなどではまれにマシンが不具合を起こしたりすることがあります。
また、ホテルだからといってカードを見えないところで決済するのは非常に危険です。スキミングの手口ですので必ず決済は本人の目の前でタッチ決済で行ってもらいます。
インドでの買い物はショッピングモールや外国人観光客がよくいくお店ならカード払いはほぼ可能です。カード控えをくれるところ、ある程度信用がありそうなところでのお買い物以外はカードの使用は控えましょう。
クレカのマシンは日本と比べると非常に不安定です。銀行によっては海外からのアクセスがあるとすぐ使えなくなる設定になる金融機関もあります。カード会社や銀行の国際サービスを調べておくことをおすすめします。
インドのATMは現金が出てこない?
残念ながら、首都デリーの大都市でも国際キャッシュカードが対応できない店はたくさんあります。ATMも絶対はありません。なるべく外資系銀行のATMを使うことです。
インドには銀行のタイプが3つあります。
- 国営銀行(公的銀行)
- 民間銀行
- 地方銀行
首都を離れれば、両替も空港以外で見つけることが難しくなります。小さな地方の空港ですと、両替所があっても人がいないことが多いにありえます。
ATM機関は民間銀行を選びましょう。公的銀行や地方銀行は国際キャッシュカードの引き出しができないケースが多いです。
また、ATMは日本と異なり「引き出しのみ」。そのため、週末やお祭り前などはATMにお金が入っていないこともあります。
あまり古びたATMマシーンだと使えるカードでもエラーがでたりする時もあります。
慌てず騒がず、その日に何度も行わずに平日、日本の営業時間にあわせて別な日にトライしてみてください。
できれば、日本から到着した主要都市内で両替をすませるか、あらかじめ日本から両替を依頼して受け取りする用意をしておくと安心です。
旅行会社のツアーはそのあたりはしっかりサポートしてくれます。そうした手間やストレスを感じずに旅を楽しめるツアー旅行は、魅力的に感じる時があります。
国際キャッシュカード対応のATMは、ショッピングモール内以外に以下の銀行ならトラブルが少ないです。
- HDFC BANK
- ICICI BANK
- SBI BANK
- KOTAK BANK
- AXIS BANK
両替トラブルの解決は現地旅行会社を頼る
ツアーではなく、一人旅で両替が必要なら、一部を空港で行い、首都デリーならいくつかのサービスがありますのでそちらを利用しましょう。
近年、日本人観光客が減っているため円を持っている両替商が減ってきています。深夜到着などで、お店が閉まっている場合は最初の宿泊施設に両替対応できるか聞いておくのも1つの方法です。
デリーでは、シゲタトラベルという現地旅行会社が送迎を頼むと日本円の両替も行ってくれるサービスがあります。しかもできるだけ少額紙幣を配慮してくれるのがうれしいです。
日本語での対応が可能ですので、渡印前に相談しあらかじめ送迎と一緒に両替も予約しておくと初日からスムーズです。
インドルピーは原則持ち出し厳禁の貨幣のため、インドで両替をする必要があります。
まとめ
私がインドに初めて来たときも、ずっと「インドは危険」と言われていました。今10年以上住んでみて、インド旅行は格段に便利で安全になりました。でも、インドは危険と呼ばれる理由は、「その人が持つ固定観念」が大きく影響していると思います。
トラブルは、世界中旅行していても起こります。
でも、合わないようにするには最低限のリスクと予防をしっかりしていればどの国でも安全です。
マスコミが特にインドをレイプ大国などと揶揄しますが、きちんとルールさえ守っていれば、危険な目にはあいません。
スキをみせない、つくらない、そして怖い時は日本語でいいから声をだす。
そんな基本的なことを守っていれば、必ずインド旅行は楽しいものになります。
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田澤ともき
- アーユルヴェーダがきっかけでインド在住。ハイテクから古代伝統まで、100人100色楽しめますよ。インドならではの出来事や、インド生活についてお届けします。