世界遺産に登録された「建物」だけ集めました! 歴史や観光の魅力を紹介

世界遺産に登録された「建物」だけ集めました! 歴史や観光の魅力を紹介

世界遺産は、遺跡や建造物、自然地域などが対象となり、毎年数十件ずつ増え続けています。現在登録されている世界遺産は、なんと1,000件以上! その中でも今回は「建物」に絞って、有名な世界遺産を10か所厳選してご紹介します。世界遺産に登録された理由や見どころもあわせて紹介しているので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

目次

<1. モン・サン・ミッシェルとその湾(フランス)>

<2. ル・コルビュジエの建築作品(フランス、日本など)>

<3. クロンボー城(デンマーク)>

<4. ケルン大聖堂(ドイツ)>

<5. タージ・マハル(インド)>

<6. アントニ・ガウディの作品群(スペイン)>

<7. ヴェルサイユの宮殿と庭園(フランス)>

<8. シドニーのオペラ・ハウス(オーストラリア)>

<9. 昌徳宮(韓国)>

<10. 姫路城(日本)>

<11. 世界遺産に登録された建物を見に行ってみよう!>

1. モン・サン・ミッシェルとその湾(フランス)

モン・サン・ミシェル
<出典元:写真AC

モン・サン・ミッシェルは、1979年に世界遺産に登録されたサン・マロ湾にある修道院です。周囲約960m、高さ約80mの岩山の上に建ち、フランス語で「大天使ミカエルの山」を意味する名前を持っています。フランス随一の巡礼地でもあり、1年を通して多くの人々が訪れています。

世界遺産に登録されている理由

モン・サン・ミッシェルは、自然景観と建物の組み合わせによる独特の美しさがあること、小さな島の中に修道院と集落が共存しており、建造物群の配置がユニークであること、中世キリスト教の文明における重要な場所であることなどが世界遺産の登録理由として挙げられます。

観光時の見どころなど

モン・サン・ミシェルは、数世紀にわたり増改築を繰り返してきたため、さまざまな建築様式が混在しています。

見どころは、13世紀に建設された「ラ・メルヴェイユ」と呼ばれる居住部分です。ここは「ゴシック芸術の傑作」とも評されており、美しい建築や装飾などを楽しむことができます。

また、モン・サン・ミシェル周辺は潮の干満差が激しいため、満潮時は絶海の孤島になったり、干潮時は陸続きになったりと、さまざまな表情を楽しめるのも見どころのひとつです。

2. ル・コルビュジエの建築作品(フランス、日本など)

ロンシャン礼拝堂
<出典元:写真AC

ル・コルビュジエは、20世紀を代表する建築家で、近代建築の基礎を築いた人物として広く知られています。

「住宅は住むための機械である(Machine a habiter)」という思想のもと、建築の機能性を追求し、数々の革新的な建築を設計しました。その中でも、7か国にまたがる17の建築作品が2016年に世界遺産に登録されています。

世界遺産に登録されている理由

ル・コルビュジエの建築作品が世界遺産に登録されたのは、20世紀における建築や社会の問題に対する新しい解決策を提案し、近代建築の発展に大きく貢献したからだとされています。これらの作品群は世界的にも大きな影響を与えており、「普遍的に価値がある」と認められたため、世界遺産として登録されました。

観光時の見どころなど

ル・コルビュジエの建築作品の中でも、とくに有名なのがフランスのロンシャン礼拝堂です。流線形の外観が特徴で、屋根のデザインは蟹の甲羅をモチーフにしていると言われています。

当時の教会建築としては異例のデザインで、ル・コルビュジエの斬新なアイデアを楽しめます。また、日本で唯一の作品である国立西洋美術館は、「無限成長美術館」というコンセプトに基づいて設計されており、自然光を取り入れるための窓や照明が多数設置されています。展示物だけではなく、建物自体をひとつの作品として楽しむことができます。

3. クロンボー城(デンマーク)

クロンボー城
<出典元:写真AC

クロンボー城は、2000年に世界遺産に登録された城で、シェイクスピアの戯曲『ハムレット』の舞台としても知られています。元々、エーレスンド海峡を通る船から通行税を徴収するために建てられましたが、現在ではデンマークを代表する観光地のひとつとなっています。

世界遺産に登録されている理由

クロンボー城が世界遺産に登録された理由は、その美しい建築様式と歴史的背景にあります。1574年にルネッサンス様式で建てられたクロンボー城は、北ヨーロッパのルネッサンス建築の優れた例として高く評価されています。また、増改築の際には500年前と同じ技法が使われており、その歴史的価値が認められて世界遺産に登録されました。

観光時の見どころなど

クロンボー城は、シェイクスピアの戯曲『ハムレット』の舞台となっていることから、城内にはシェイクスピアの胸像や『ハムレット』に関する作品が多数展示されています。また、城内には豪華な装飾や歴史的な家具が展示されている大広間や礼拝堂などがあり、当時の暮らしを垣間見ることができます。クロンボー城のすぐ近くには海事博物館があり、エーレスンド海峡の歴史や海運に関する展示が見られます。

4. ケルン大聖堂(ドイツ)

ケルン大聖堂
<出典元:写真AC

ケルン大聖堂は、1996年に世界遺産に登録されたゴシック様式の大聖堂です。高さ157mの2本の塔が大きな特徴で、世界最大級のゴシック建築として知られています。1248年から建設が始まりましたが、資金不足やその規模の大きさから何度も工事が中断され、600年以上もの年月をかけて完成しました。

世界遺産に登録されている理由

ケルン大聖堂が世界遺産に登録された理由のひとつに、中世、及び近代ヨーロッパにおけるキリスト教の信仰の強さを示したものであることが挙げられます。1164年、神聖ローマ皇帝フリードリヒ1世がイタリアのミラノから「東方三博士の聖遺物」を持ち帰って以来、大聖堂は多くの巡礼者が訪れる聖地となりました。

また、6世紀以上にわたって建設され、大聖堂として頂点を極めた建物であることなどが挙げられます。

観光時の見どころなど

ケルン大聖堂の見どころは、ステンドグラスと黄金の棺です。ステンドグラスは、1260年代から2000年代にかけて作られたさまざまな時代の作品があり、建築の歴史を追うことができます。

とくに有名なのは「バイエルンの窓」と呼ばれるステンドグラスで、「東方三博士の礼拝」や「精霊降臨」などの場面が描かれています。色鮮やかな光が大聖堂内部を照らし出す様子は、圧巻の美しさを誇ります。また、東方三博士の遺骨が安置された黄金の棺も見逃せないスポットです。

5. タージ・マハル(インド)

タージ・マハル
<出典元:写真AC

タージ・マハルは、ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが、王妃ムムターズ・マハルのために建設したお墓で、1983年に世界遺産に登録されました。ペルシア風の外観をしていますが、内部はインド的な造りで、世界的に最も美しいイスラーム建築のひとつと言われています。

世界遺産に登録されている理由

タージ・マハルは、美しいバランスと対称性でイスラーム建築の中でも最高峰の美しさを誇ります。建築的および芸術的な傑作として高く評価されており、ユネスコが定める「人類の創造的資質や人間の才能を示す」という基準を満たすとして、世界遺産に登録されました。

観光時の見どころなど

見どころは、正面に広がる庭園「チャールバーグ」です。この庭園はペルシア様式で設計されており、コーランに描かれた楽園を再現したものだと言われています。水路と園路で区切られた庭園は、タージ・マハルの霊廟が最も美しく見える人気の撮影スポット。

また、タージ・マハルのドーム内には、大理石を使用した繊細な装飾や美しいレリーフが施されているので、ぜひ細部にも目を向けてみてください。

6. アントニ・ガウディの作品群(スペイン)

サグラダ・ファミリア
<出典元:写真AC

アントニ・ガウディは、バルセロナを代表する建築家です。「モデルニスモ」と呼ばれる折衷様式の建築技法で知られており、独特の曲線を用いた斬新なデザインが大きな特徴です。

1984年にはグエル公園とグエル邸、カサ・ミラの3つがまず世界遺産に登録され、2005年にはカサ・ビセンス、カサ・バトリョ、サグラダ・ファミリア、コロニア・グエル教会の4つが追加されました。

世界遺産に登録されている理由

アントニ・ガウディの作品は、19世紀後半から20世紀初頭にかけての建築の発展に大きな影響を与えたとされています。彼の作品には、当時の新しい技術やデザインが数多く取り入れられており、とくに住宅建築や公共建築の優れた例として創造的な貢献を果たしたとされています。

観光時の見どころなど

アントニ・ガウディの作品群を観光するなら、代表作であるサグラダ・ファミリアは外せません。サグラダ・ファミリアは、1882年に建設が始まりましたが、ガウディが没して約100年経つ現在も工事が続いています。世界遺産として登録されているのは「生誕の門」のファサードと地下聖堂のみですが、その内部のステンドグラスや彫刻の美しさも見逃せないスポットです。

7. ヴェルサイユの宮殿と庭園(フランス)

ヴェルサイユ宮殿 鏡の間
<出典元:写真AC

ヴェルサイユ宮殿と庭園は、1979年に世界遺産に登録されたフランスを代表する名所のひとつです。1661年、ルイ14世の「有史以来、最も大きく、最も豪華な宮殿を」という計画のもとに建設が始まりました。フランス絶対王政を象徴する建物として広く知られています。

世界遺産に登録されている理由

ヴェルサイユ宮殿と庭園が世界遺産に登録された理由は、フランスバロック建築の象徴として、その壮麗なデザインが高く評価されたためです。とくに、ヴェルサイユ宮殿は1世紀以上にわたり、フランス王朝の権力の中心地として重要な役割を果たしてきました。その歴史的価値と影響力などが評価されて、世界遺産に登録されました。

観光時の見どころなど

ヴェルサイユ宮殿は、1日では回り切れないほどの見どころがあります。なかでも有名なのが、豪華絢爛な「鏡の間」です。73mもの大回廊の壁一面に鏡が張り込まれた空間は、ヴェルサイユ宮殿を象徴する大きな見どころです。

また、庭園はフランス式庭園の傑作として知られており、幾何学模様のデザインが大きな特徴です。定期的に噴水ショーなども行われているため、ゆったりと庭園を散策するのもおすすめです。

8. シドニーのオペラ・ハウス(オーストラリア)

オペラ・ハウス
<出典元:写真AC

シドニーのオペラ・ハウスは、2007年に世界遺産に登録された20世紀を代表する近代建築のひとつです。ヨットの帆が海に浮かんだような独特のデザインで知られ、その複雑な構造ゆえに完成まで14年もの年月を要しました。オーストラリアが世界に誇る芸術の拠点として、演劇やバレエ、コンサートなど、年間1,600以上もの公演が行われています。

世界遺産に登録されている理由

オペラ・ハウスは、20世紀の偉大な建築作品として高く評価され、「人類の創造的資質や人間の才能を示す」という基準を満たすとして世界遺産に登録されました。また、周囲の環境や自然と調和している点も、その価値をさらに高めています。

観光時の見どころなど

オペラ・ハウスでは、公演を鑑賞するだけではなく、建築ツアーも人気があります。ツアーは日本語にも対応しており、専門ガイドから世界遺産に登録された経緯やその魅力について詳しく学ぶことができます。

オペラ・ハウス内にはレストランやラウンジが多数あり、オーストラリアの伝統料理を味わうこともできます。シドニーの海を眺めながらの食事は、ここでしか味わえない特別な体験になるでしょう。

9. 昌徳宮(韓国)

昌徳宮
<出典元:写真AC

昌徳宮(チャンドックン)は、朝鮮時代の宮殿の中で最も多くの原型を残していることから、韓国の五大古宮の中でも唯一世界遺産に登録(1997年)された歴史的な宮殿です。

昌徳宮は、当時の王が最も長く居住した場所として知られ、朝鮮王朝の生活様式を感じられる部分が随所に残っています。

世界遺産に登録されている理由

昌徳宮が世界遺産に登録された理由は、東アジアの宮殿建築史において特異な美しさを持つ宮殿として高く評価されているためです。昌徳宮は一般的な宮殿とは異なり、周囲の山々や自然の地形に調和するように建物を配置しています。

また、何世紀にもわたって韓国の建築、庭園のデザイン、景観計画、関連芸術の発展にも大きな影響を与えてきたとされています。

観光時の見どころなど

昌徳宮の広大な敷地には、13棟の宮殿が建ち並んでいます。ソウルに現存する最も古い門である「敦化門(トンファムン)」や最古の石橋「錦川橋(ウムチョンギョ)」など、歴史的な建造物が点在しており、韓国の造園技術が詰まった美しい景観を楽しむことができます。

10. 姫路城(日本)

姫路城
<出典元:写真AC

姫路城は、1993年に法隆寺とともに日本で初めて世界遺産に登録されました。現存する城郭と遺構は、関ヶ原の戦いで功を立てた池田輝政によって築かれたもので、白い漆喰の美しさから別名「白鷺城(はくろじょう、しらさぎじょう)」とも呼ばれています。

世界遺産に登録されている理由

「日本の木造城郭建築の最高峰」とされ、その重要な特徴がすべてそのまま保存されていることが理由の1つとなっています。また、機能的な役割と美的魅力を兼ね備えている建物としても評価されています。

観光時の見どころなど

姫路城の見どころは、その美しい外観だけではなく、防衛の工夫が随所に見られる要塞としての側面です。城内の各門には独自の防御策が施されており、それぞれの工夫を楽しむことができます。外観は5重、内部は地下1階・地上6階の壮大な構造をしており、天守閣の最上階からは姫路の街並みを一望できます。

11. 世界遺産に登録された建物を見に行ってみよう!

今回は、数ある世界遺産の中でも「建物」に注目して、10か所厳選してご紹介しました。世界遺産に登録された背景を知ることで、さらに理解が深まり、新たな発見にたくさん出会えるはずです。旅行プランを立てる際は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

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