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【長野】泊まってみたらサイコーだった!山本小屋ふる里館
こんにちは!たびこふれライターの中尾です。
今回紹介するのは「山本小屋ふる里館」です。
宿泊施設名を聞いてご存知の方はほんの一握りの方だろうと思います。僕も行くまではその1人でした。『行きたいところ⇒長野県の美ヶ原高原』、『やりたいこと⇒冬の星空を観たい』からの逆引きで宿泊施設を選択してたどり着いたのが「山本小屋ふる里館」でした。
特にこの旅の中で宿泊施設はノーマークだったのですが、泊まってみたらサイコーだったというラッキーパターンでした。ということで、僕の中ではリピート確定です。
山本小屋ふる里館のキャッチコピーは「美ヶ原 星空へ続く宿」そして「標高2,000m 信州美ヶ原高原 星空と雲海の絶景宿」です。そうなのです。その通りなのです。こんな素敵な宿を内緒にしておくのはもったいない!良いところをみなさまにご紹介しますので、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
- 美ヶ原高原
- 山本小屋ふる里館
- 山本小屋ふる里館の館内
- 山本小屋ふる里館の客室
- 夕食前に付近を散歩
- 山本小屋ふる里館の夕食
- 山本小屋ふる里館の天体観測会
- 山本小屋ふる里館の雪上車体験ツアー
- 山本小屋ふる里館の餅つき体験
- 山本小屋ふる里館の朝食
- 【結論】ではなぜ山本小屋ふる里館がサイコーだったのか!
- このサイコーな宿・山本小屋ふる里館の予約方法
美ヶ原高原(うつくしがはらこうげん)
『八ヶ岳中信高原国定公園の最北に位置する「美ヶ原高原」は、長野県松本市、上田市、長和町にまたがっています。日本一広い高原大地として知られ、中心には日本百名山のひとつ、標高2,034mの主峰・王ヶ頭があります。かつて火山によって侵食されてできた台地は周囲にさえぎるものはありません。そのため、富士山や北アルプス、南アルプス連峰、御嶽山など、日本百名山(日本百名山の紹介記事はこちら)のうちの40山以上を見渡すことができます。<長野県公式観光サイトGo NAGANOより引用>』
このため美ヶ原高原は360度の大パノラマを楽しむことができ、整備された遊歩道を散策。グリーンシーズンは高山植物や放牧された牛を柵越しに見ることができます。
ウィンターシーズンは一面真っ白な平原が広がります。
山本小屋ふる里館
- 住所:長野県小県郡長和町和田5101-1
- チェックイン・アウト:15:00・10:00
- 公式サイト:山本小屋ふる里館
※山本小屋ふる里館は連泊ができません。1泊のみの予約になります
※一人部屋の利用も時期が限定されています
アクセスについてですが、マイカーと送迎車による2通りのパターンがあります。
1. マイカーの場合
レギュラーシーズン(4~11月)は中央自動車道の岡谷ICから国道142号経由、和田山峠からビーナスラインを通り、扉峠経由する場合と、長野自動車道の松本ICからアザレアラインを通り、扉峠経由する場合の2通りあります。
ウインターシーズン(12~3月)は雪が積もるため、岡谷ICから国道142号経由、和田宿ステーションの駐車場から山本小屋ふる里館の無料送迎バスを利用するパターンを推奨しています。
※ウインターシーズンでもマイカーで行くことはできます。ただし、通行止めがあるので、ルートは1本のみになります。そしてウインターシーズンは雪道になるため、スタッドレスタイヤ装着の4WD車にチェーンを持っていかなければ危険です。
手前でこんな看板が立っています。車は4WDでありチェーン持参、そして雪道運転が慣れている方限定です。(スタッドレスタイヤを装着していてもチェーンは必携です)
標高2,000mの高地まで道路が続きます。道路には雪が積もり、ところどころでアイスバーンになっています。急な坂道や急カーブが連続しますので、4WD以外の車では危険です。また電気自動車も登っていけない可能性が高いので無料送迎バスに乗り換えましょう。
2. 無料送迎バスの場合
レギュラーシーズン(4~11月)の行きはJR松本駅アルプス口を14:15発、山本小屋ふる里館に15:30頃着。帰りは昼食ありの場合は山本小屋ふる里館を10:30発、途中、桜清水茶屋(そば昼食/別料金)を経由して、JR松本駅に13:00頃着、昼食なしの場合は山本小屋ふる里館を10:15発、途中、王ヶ頭ホテルで乗換休憩し、JR松本駅に12:30頃着となります。
ウインターシーズン(12~3月)の行きはJR上諏訪駅前を14:00発、和田宿ステーションを15:00発、山本小屋ふる里館に15:30頃着。帰りの1便目は山本小屋ふる里館を10:15発、和田宿ステーションに10:45頃着、JR上諏訪駅に11:45着、2便目は山本小屋ふる里館を12:20発、和田宿ステーションに12:50頃着、JR上諏訪駅に13:50頃着になります。
※和田宿ステーションはマイカーの乗換用
※美ヶ原高原には少し先に「山本小屋」という宿があります。同じ山本小屋という施設名ですが、経営は異なりますので、まったく別の宿泊施設になります。ご注意ください
山本小屋ふる里館の館内
館内は3階建でとてもシンプル。
1階:客室と男女別大浴場
大浴場はそれほど大きな湯舟ではありませんが、展望風呂になっているので、ついつい長湯してしまいました。
※大浴場は温泉ではありません
2階:フロント・食事会場・売店
フロントではスタッフが笑顔で出迎えてくれます。
館内は靴を脱いで上がります。部屋ごとに靴箱が用意されています。
フロント前にはアメニティコーナーがあります。必要なものを必要な分だけ持っていきます。
3階:フリードリンクコーナー・客室・貸切風呂(ウインターシーズンは閉鎖)
フリードリンクコーナーです。浴衣はこちらでピックアップします。
フリードリンクコーナーの奥には談話室があります。
談話室からは南アルプス、富士山、八ヶ岳の大パノラマを楽しむことができます。
チェックイン時に渡される館内案内がこちら。
山本小屋ふる里館の客室
僕が泊まった部屋は一番スタンダードな『和風モダンツイン18.5平方メートル(3階南アルプス側)』です。
部屋に入るとこんな感じ。いやいや、良いじゃないですか!標高2,000mの山の中の宿とは思えない、モダンな感じの部屋です。
ほら!カーテンを開けると南アルプスの絶景が広がります。天気が良ければ富士山も部屋から眺めることができます。とても贅沢!
部屋の奥の窓側から入口をパチリ。入口ドアの横には洗面所、左側にはトイレがあります。
テレビ、湯沸かしポット、マグカップ、冷蔵庫...。必要なものは全部そろっています。
なんと冷蔵庫にオリジナルチーズケーキが入っていました。夕食までですが濃厚な口当たりでパクリと食べてしまいました。
部屋には風呂がありませんが、トイレはあります。トイレが清潔なのが一番重要です。
クローゼット内には丹前が入っていました。結構、重宝しました。
夕食前に付近を散歩。。。
山本小屋ふる里館の目の前に牛伏山(うしぶせやま)があります。標高1,990mですが、無冠雪期なら徒歩10分程度で登ることができます。夕食前の運動がてら登ってみました。登り始め、後ろを振り返ると山本小屋ふる里館が見えます。
3月上旬...。雪中登山です。チェーンスパイクもアイゼンも無しで登るにはちょっときつい...。それにしても雪の模様がとても綺麗です!
はるか彼方に夕日を浴びた王ヶ頭(おうがとう)の鉄塔が見えます。王ヶ頭は標高2,034m、美ヶ原とも呼ばれ日本百名山のひとつです。
※日本百名山に関する記事はコチラ
見よ!この道を。天空から下る道(夕食会場へと続く道とも言う)のようです!
山本小屋ふる里館の夕食
夕食は2階の食事会場にて。18時スタートの1回転です。早すぎず、遅すぎずちょうど良い時間です。
夕食のお品書きがテーブルに置かれていました。イラスト入りなのでとても見やすいです。
右上に食前酒として『オリジナル赤ワイン』。
前菜です。左の籠の手前から『木の実チーズ』、右上に『胡麻豆腐』左上に『小松菜の胡桃和え』、手前の皿には左から『鶏ちまき』中央が『鴨の燻製』右に『もち米クレープ』、右のお椀に造りとして『安曇野サーモンサラダ仕立て』があり横に置いてある『オリジナルヨーグルトドレッシング』をかけて食べます。
1人で乾杯しようとしていたら、すかさず「お写真をお撮りします!」とスタッフが駆け寄ってきました。何気ないサービスが一番うれしいですね。
そしてこの前菜...。完全にやられました。美味しい。すべてが地元長野県産の地産地消。一口ずつじっくりと味わっていただきます。サラダにかけるヨーグルトドレッシングがとても美味。買ってかえりたかった...。
普段ならビール飲んで、日本酒というパターンですが、顔に似合わず今回は白ワインにしてみました。地元長野県の井筒ワインのハーフボトルです。
ワインのことは分からないので、メニューに載っている説明を見ると「信州塩尻特産のナイヤガラを使用。爽快な味とフルーティーな芳香が特徴のワインです。」このワイン、フルボトルで1,450円、ハーフボトルで950円、グラスで400円ととてもリーズナブルな価格でした。
ドリンクは、ビール、焼酎(牛乳割があった...)、日本酒、ワイン、梅酒、ハイボールと何でもそろっています。何よりも旅館にありがちな高額な価格設定ではなく、お手頃な価格設定だったのが好印象でした。
吸い物です。『姫鯛、梅麩、花人参』が入っています。前菜が食べ終わる頃を見越して、固形燃料に火をつけてくれます。
蕎麦です。『打ち立ての十割蕎麦、とろろ、おくら』です。作るのが面倒な十割蕎麦を出してくるとは...。シェフの顔が見たい(笑)
焼き物です。『岩魚の炭火焼き』です。骨までボリボリと食べきりました。
焼き物です...え、2品目???『信州牛の溶岩焼き』です。あっさり柔らかく、ワサビをつけていただきました。
え?まだ出てくる!
蒸し物と揚げ物です。右に『鰻ときび餅の蒸し物』、左に『季節の味覚盛り合わせ』です。旅館によくある天ぷらではなく、揚げたて熱々の串揚げをソースで食べるとは発想が楽しいですね!
そして御飯です。『きのこの混ぜ込み御飯』『味噌汁』『香物』です。旅館の御飯って白御飯が多いよなぁ~。手のかかる混ぜ込み御飯にするなんて最後まで食事を楽しんでもらいたいということなのでしょうね。
デザートは『オリジナルデザート』。この日は柑橘系果物のゼリー仕立てでした。今日もいっぱい食べたなぁと思いつつ、デザートはしっかり別腹です。
「一口サイズのおにぎりです。どうぞお部屋に持ち帰ってお夜食にどうぞ!」
え、すごい。夜食まで用意してくれるなんて感動です。部屋で星を見ながら美味しくいただきました。
食事会場にはひざ掛け毛布が用意されていて、スタッフが声をかけて回っていました。当たり前のようですが、置いておくだけでなく、必ず声をかけて回るところが良いサービスの証拠です。
山本小屋ふる里館の天体観測会
玄関に置いてある望遠鏡と双眼鏡。これは晴れていれば毎晩開催される天体観測会で使うもの。
毎晩20:00~20:30の間に開催されています。天体観測会というと難しそうに思えますが、簡単に言えば星を観ましょう!的なノリです。参加費はもちろん無料です。宿泊者なら誰でも参加できます。
この美ヶ原一帯は星が綺麗な地でも有名なところ。ミニ三脚を立てて、iPhoneで撮影してもこれだけの星が写ります。中央やや左に冬の星座の代表格・オリオン座が見えています。
この山本小屋ふる里館の天体観測会は、サーチライトを使ってスタッフが星の説明をしてくれるのですが、面白おかしく話してくれます。一度聞いたら忘れないような話し方をしてくれるのでいつまでも頭に残っています。
さらにクイズ形式で星空の説明をしてくれ、当たった人には翌日朝、売店で行われるガラポン抽選会の参加券をいただくことができます。それも惜しげもなく何十枚も配っていて、当たらなかった人や恥ずかしくて参加できなかった人にもまんべんなく配布していました。
望遠鏡を使って星雲などの説明を行っていました。普段、望遠鏡で星を観ることなんてほとんどないので、参加した人たちは大喜びでした。
天体観測会に参加すると各グループそれぞれ2枚程度、星空をバックに写真を撮ってくれます。撮った写真はQRコードをもらえますので、自分のパソコンなどで後日ダウンロードすることができます。
山本小屋ふる里館の雪上車体験ツアー
山本小屋ふる里館には雪上車を保有しています。ウインターシーズンには雪上車の体験ツアーを実施しています(宿泊者限定)。所要時間は40~50分。参加費はもちろん無料です。雪上車体験ツアーは1日2回実施していて、到着後の16:10発または翌日の6:30発がありました。僕は翌朝の6:30発に参加しました。
車は初体験です。運転席を見るとハンドルはなく、2本の操縦桿?があります。運転難しそう...。
雪上車の車内です。10人くらい乗れそうです。
目指すは王ヶ頭...。でしたが、到着したら真っ白でした。
帰り道、美ヶ原のシンボル「美しの塔」に立ち寄り写真タイム。スタッフは常に「写真を撮ります!」とお客さんに声をかけていました。
このような幻想的な光景を見ることができました。雪と木と光の芸術美です。
山本小屋ふる里館では無料で長靴を貸してくれます。長靴を履いていかないととても行けません...。
山本小屋ふる里館の餅つき体験
雪上車体験ツアーから戻ってきたら、次は餅つき体験です。売店で7:45から8:00頃に開催しています(宿泊者限定)。もちろん体験は無料です。
最初にスタッフがついて整えてくれます。その先は希望者が餅つきします。餅つきなんて今の時代、なかなか体験できないので、皆さんとても喜んでいました。
できあがったお餅は朝食でふるまわれます。
山本小屋ふる里館の朝食
朝食は8:00スタートです。席は夕食と同じ席となります。
最初に出ていた朝食です。
サラダ、フルーツ、ヨーグルト。朝からたっぷりの野菜は元気が出ます。
陶板はハムエッグです。固形燃料でじわじわと焼きます。焼き加減が調整できるのが良いですね!
温かいスープです。
パンは温かいまま提供されます。常におかわりはいかがですか?と回ってこられます。
え???できたてのピザが出てきました(笑)朝からピザが出てくるなんて...。これがまた美味いのです。
食後のコーヒー。ふうお腹いっぱいです。朝から欲張ってピザを1枚食べたから...。食べきれなかったピザは持ち帰りできるように用意してくれます。
さきほどの餅つき体験でできたお餅。「今、召し上がりますか?」と聞かれたので、「お持ち帰りで...」と。。。このきな粉餅めちゃくちゃ美味しかったです。
食事会場は窓側だと南アルプスの眺望を楽しむことができます!
【結論】ではなぜ山本小屋ふる里館がサイコーだったのか!
1. スタッフがホスピタリティにあふれていて、お客を常に喜ばせようと考えながら行動している。
⇒経営者の自己満足のサービスではなく、本当にスタッフ一人一人がお客に全力投球しています。若手もベテランもとても働きやすそうな職場環境だなと思いました。
2. 標高2,000mの高原に位置するので空が近い。
⇒まさに天空の大パノラマが楽しめます。
3. 客室はスタンダードの部屋でも十分に満喫できる。
⇒客室に関する詳細はこちら
4. 宿泊者限定の無料ツアーが充実している。
⇒無料ツアーに関する詳細はこちら
5. 食事がとても美味しい。
⇒食事に関する詳細はこちら
6. 大浴場が24時間いつでも入浴できる。
⇒大浴場・貸切風呂に関する詳細はこちら
【逆に残念なこと...】
- 17室しかないため予約が取りづらい...。
- 1名利用は限定されている...(4~6月・11月は平日のみ/7~10月は不可/12~3月は年末年始と連休は不可)
- レギュラーシーズン(4~11月)は連泊ができない...。
★公式サイトに掲載されている社長のこだわりがまさにその通りだと思いました!
このサイコーな宿・山本小屋ふる里館の予約方法
★予約は山本小屋ふる里館の公式サイトからの予約が一番便利です。
※注意※インターネットからの予約はクレジットカード事前決済のみ
★現地決済の場合は電話での予約になります。
★予約は180日前の午前0時から、電話は午前9:00からです。
※休館日にご注意ください。
※山本小屋ふる里館のよくある質問はこちらからご確認ください。
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※当記事は2024年3月(ウインターシーズン)に泊まった時のものです。
※グリーンシーズン(4~11月)は一部内容が異なりますので、詳細は公式サイトにてご確認ください。
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中尾勝
- 旅が大好き!国内海外を問わず飛び回っていますが、海外へは2011年に渡航して以来、出国していません。今は原点に戻り国内を旅しながら日本の良さを体感中。