兵庫県の最高峰 "氷ノ山" を望む棚田とハチ高原オートキャンプ場で自然に浸る

<TOP画像:別宮の棚田から氷ノ山を望む/撮影:西谷久司さん>

こんにちは!たびこふれ編集部のシンジーノです。

兵庫県養父(やぶ)市という町をご存じでしょうか?

市のキャッチフレーズは「なにかと"読めない"まち」です。

兵庫県最高峰の氷ノ山(ひょうのせん)から流れてくる清らかな水に恵まれた自然豊かな土地で

  • 空気がきれい
  • 星がきれいに見える
  • お米が美味しい町

です。

都会の喧騒に疲れた人を優しく包んでくれる、穏やかで落ちついた町とも言えるでしょう。

そんな養父市の観光地といえば「別宮の棚田(べっくのたなだ)」です。

この記事では、養父市の棚田、自然を満喫できるハチ高原オートキャンプ場、棚田を守っているオーナーが経営するロッジをご紹介します。

↓養父市の概略を紹介した記事も併せてお読みください。

>>【兵庫県】養父市は、なにかと "読めない" まち。。。いったいどんなところ?

目次

別宮 棚田

養父市内から鉢伏(はちぶせ)山へ向かって国道9号線(但馬アルペンルート)を車で登っていくと、しばらく続く狭いカーブ坂から一転、視界が開けてきます。

そこに現れるのが別宮の棚田です。

別宮の棚田
<別宮の棚田 撮影:西谷久司さん>

棚田は鉢伏(はちぶせ)山の中腹、標高700mの場所に位置しています。

そこには約100枚の田んぼが棚田を形成しています。

棚田の背後には兵庫県最高峰の氷ノ山(ひょうのせん)を望む、絶景スポットです。

「棚田を観に来るにはいつの季節が良いですか?」と棚田を耕作している西谷久司さんに尋ねたら
「田植えの頃ももちろんいいけど、1年中いいよ。私は毎日ここに来てるけど毎日写真撮りたくなるほど美しいからね」と答えられました。

西谷さん
<棚田を守り続けている西谷 久司さん>

西谷さん
<別宮の棚田から氷ノ山を望む 撮影:西谷久司さん>

多い時は30人くらいのカメラマンが並んで絶景のチャンスを待っているのだそう。

天の川と棚田
<撮影:西谷久司さんのお友達の写真家 竹下重一さん>

天の川と棚田の競演!

冬の棚田
<冬の棚田 撮影:西谷久司さん>

訪れた時はやや曇りでしたが、動画でも棚田の様子をご覧ください。

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    おきな草
    <高山植物おきな草 撮影:西谷久司さん>

    ひょうごの景観ビューポイント150選

    別宮の棚田は「ひょうごの景観ビューポイント150選」「つなぐ棚田遺産」に選ばれています。

    さてそんな美しい棚田ですが、この場所に作られた理由は傾斜地だったからではありません。

    棚田の水源 大カツラ

    田んぼで一番大事なのは何でしょうか?

    答えは"水"です。

    水が田んぼに潤沢に流れてこないといいお米は育ちません。

    この棚田がこの場所にできた最大の理由はこの大カツラの木です。

    IMG_9738.jpg

    主幹を中心に大小100本の幹で成り立っており、木の周囲14mにも及ぶ老巨木です。

    この大カツラから水が湧き出ているのです。

    棚田から少し登ったところにこの大カツラは鎮座しています。

    IMG_9735.jpg

    ひんやりしていて空気が澄んでいるのがわかる心地良い空間です。大カツラの周りは真夏でも涼しいのだそうです。

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      <豊かに大カツラから湧き出ている水>

      湧き水の平均温度は8度。

      夏でも冷たく、西谷さんらは子供の頃、この湧き水に何秒間、手を浸けていられるかを競ったりして遊んだそうです。

      棚田の課題

      観光客として訪れて美しい景観を見られるのはありがたいことですが、今この棚田は大きな問題を抱えています。

      それは担い手不足です。

      水田は平坦で広大な土地を大きな機械で一気にやった方が効率良くたくさんのお米を作ることができます。

      棚田は土地が狭いですから大型機械は入りにくい。

      棚田は"あぜ"が大きく、平坦な土地に比べて草刈りもたくさんしなければなりません。それだけ手間もかかるのです。

      棚田には急な坂道もたくさんあり、田んぼに来るだけでも大変です。

      つまり手間がかかる割にそれに見合うお米を量産することは難しい。

      現在この棚田をやっている8名の方々は「農地を守っていかなければ」という熱い使命感に駆られてやっておられる方々ばかりだそうです。

      話は変わりますが、棚田は「山の保水」という面からも大きな役割を果たしているそうです。

      棚田が無くなったら山の保水力が落ちて、大雨が降った時、一気に洪水となる危険性を孕んでいます。

      実際、山の中の田んぼが休耕地となり、下流で洪水が発生することが増えた町が日本各地にあります。

      単なる観光スポットとしてだけではなく、自然体系を守り繋いでいく意味でも棚田が果たす役割は大きいです。

      この美しい棚田をこれからも守っていくためには、新たな担い手の確保が必要です。

      過疎高齢化に悩む地域だけの人手では、すでに限界が来ています。

      ハチ高原オートキャンプ場

      別宮の棚田をさらに登っていくとハチ高原にたどり着きます。

      関西圏では冬のスキーのメッカとして有名なところですが、スキーシーズン以外はキャンプ(4~11月)や学生の合宿などで賑わっているそうです。

      今回、ハチ高原の一番奥に位置するハチ高原オートキャンプ場を訪れました。

      私はキャンプ場と聞いて「はは~ きっとこんなところだろうな」と思っていた想像を良い意味で大きく裏切られました。

      そこに現れたのは、広々とした解放感のある草原で、まるで夢の国のような、それまでの風景とは別世界でした。

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          <ハチ高原オートキャンプ場草原オートサイトの風景>

          オーナーりゅうさんとスタッフのはるさん
          <ハチ高原オートキャンプ場のオーナーりゅうさんとスタッフのはるさん>

          「ここには何もいらないでしょう?」

          オーナーりゅうさんの言葉です。

          このひとことにオーナーがここでやりたいこと、お客さんに見せてあげたいもの、感じてほしいことが凝縮されています。

          触りすぎた自然は嫌いなんです。ここにある自然の魅力を最低限触り、最大限引き出すよう意識し、お客様に提供しています」

          寝ころびデッキ
          <丘の上の寝ころびデッキ>

          星が見える寝ころびデッキ
          <星が見える寝ころびデッキから兵庫県最高峰氷ノ山をはじめ峰々を眺める>

          星が見える寝ころびデッキからの風景を360度動画でご覧ください。

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              養父市(旧八鹿町)は「星が最も輝いて見える場所」第1位に選ばれたこともあるそうです。

              林間フリーサイトのこだわり

              ハチ高原オートキャンプ場には、2つのエリアがあります(草原オートサイトと林間フリーサイト)。

              ここの林間フリーサイトにもオーナーりゅうさんのこだわりが詰まっています。

              「林間スペースはテントがたくさん張れるように木を切ったり、傾斜地を平らにしたりするキャンプ場が多いです。うちはできるだけ自然の地形を触らず、それを生かすように意識しています」

              それによっていわゆる人工的なキャンプ場の匂いがしない、本当に林の中に居るような感覚の立体的な空間が生まれます。

              自然

              林間フリーサイト

              林間フリーサイトでは、他のキャンプ場では禁止されていることが多い直火もOKです。

              うちの林間サイトの野営感を求め、京阪神をはじめ県外からのお客様にもたくさん来ていただいています。自然が好きなお客様にゆっくり過ごしていただきたいです

              広葉樹も多く、紅葉の時期には落ち葉のじゅうたんで埋めつくされるのだとか。見てみたいですね。

              林間フリーサイトの360度動画をご覧ください。

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                >>ハチ高原オートキャンプ場の公式サイトはこちら

                ロッジニュー桂屋

                今回私が宿泊したロッジニュー桂屋は、別宮の棚田とハチ高原オートキャンプ場の間にあります。

                ロッジニュー桂屋

                オーナーの大林勝幸さんは棚田でお米を作っておられます。

                また山岳救助隊員でもあり、バイクをこよなく愛するアクティブなオーナーです。

                大林勝幸さん
                <ロッジニュー桂屋のオーナー 大林勝幸さん>

                玄関を入るとまずはこれに目を奪われます。

                西洋風暖炉

                で、でかい!西洋風暖炉です。すごい存在感です。

                泊まったお部屋

                私が今回泊まったお部屋です。

                シンプルですが、機能的で広々して居心地のいい空間でした。

                お風呂

                こちらがお風呂です。やはりお風呂には足を延ばして入りたいですよね。

                鴨鍋御膳

                ロッジニュー桂屋の夕食「鴨鍋御膳」

                山菜のてんぷら

                地元で採れた山菜のてんぷら(だんじ(いたどり)、たけのこ、よもぎなど)。

                衣薄めでサクサクして食べやすい。苦味もほとんどありません。

                わらび

                わらび。こういう滋味溢れた料理が嬉しい年頃になりました。

                こしひかりのお米

                大林さんが棚田で作られたお米(こしひかり)がお櫃で供されます。

                お米がもっちりジューシーで甘い 優しいうまみが口に広がります。

                大カツラから湧き出る清らかな水のおかげでしょうか。。。

                大林さんのお米は特上評価を受けました(食味値87)。

                お米評価

                また食堂に流れるBGMがとっても落ち着いて心地良いんです。

                ボサノバかな?大林オーナーのご趣味だそうです。

                「お話の邪魔にならないBGMを選んでいます」と。

                朝食
                <ロッジニュー桂屋の朝食>

                朝からこのバリエーションです。

                朝もお米はお櫃で共されます。4杯も食べてしまいました笑。

                お米

                大林オーナーにこの養父の魅力を尋ねたところ、こう答えられました。

                「東京で働いたこともあるんですが、地元に戻って良さがわかりました。ここは周りに流されず自由に生きられるところが好きですね」と。

                トイレ
                <遊び心満載のトイレ>

                >>ロッジニュー桂屋の公式サイトはこちら

                棚田 ハチ高原オートキャンプ場まとめ

                棚田はまさに芸術です。日本の宝です。

                多くのカメラマンが絶好のシャッターチャンスを狙って早朝深夜待ち続けるのも理解できます。

                この美しい風景を受け継いでいくには大きな課題もありますが、なんとか次の時代にも繋いでいってもらいたいものです。

                ハチ高原は想像以上に気持ちのよい空間でした。

                外国の高原リゾートにいるかのようでした。

                いたずらに開発を進めることなく、自然の恩恵を受け、共存し、子供たちに素敵な世界を見せてくれます。

                個人的にもここにテントを張って爽やかな朝を迎えてみたい、そう思いました。

                あなたも都会の暮らしに疲れたら、自然に包んでもらいたくなったら、大切な人と幸せな時間を過ごしたくなったら、ひとりで色々考えてみたくなったら、それを大きく受け入れてくれる養父市へ訪れてみてください。

                >>やぶ市観光協会の公式サイトはこちら

                またこの記事を読んで、棚田地域をはじめとした養父市での農業・暮らしに興味を持たれた方はぜひ養父市役所に連絡してみてください。

                新規就農希望者向けの研修制度等、さまざまな支援メニューが用意されているみたいですよ。

                養父市産業環境部農林振興課:079-664-0284

                また養父市での「農ある暮らし」の体験会も企画されているそうですので、ぜひ参加してみてください。

                >>養父市産業環境部農林振興課の情報はこちら

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                シンジーノ

                3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。

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