【四季と宿をめぐる旅】香川県〜小豆島 三都の郷と河津桜〜

小豆島 三都の郷の河津桜

春の気配も感じられる3月。早咲きの桜の絶景を求めて、1泊2日で穏やかな瀬戸内離島を旅してみるのはいかがでしょうか?

今回ご紹介する「小豆島 三都(みと)の郷」は、香川県小豆島の南部にある古民家をリノベーションしたお宿。レトロモダンなお部屋に泊まって、島の味覚が詰まったお料理をいただきながら、心ゆくまで癒されます。

目次

密かに活気づく小豆島・三都半島

三都半島

小豆島南部にある「三都(みと)半島」。小豆島を一周する国道436号線から逸れ、島の中心部から離れたエリアですが、風光明媚な島の自然や、古き良き漁村景観が守られています。

一周約30kmの半島はアップダウンと景色変化に富んでおり、近年はサイクリングを目的に訪れるお客さんも多いです。

アート作品

小豆島の中でも穴場な三都半島ですが、近年密かに活気づいています。その理由は半島内に点在するアート作品です。小豆島は瀬戸内国際芸術祭の会場の一つであり、島の自然に調和したユニークな作品が制作されます。

会期が終わった後にも、一定期間展示される作品も多く、三都半島の見どころの一つです。

古民家をリノベーションした癒しのお宿

小豆島 三都の郷

今回ご紹介する「小豆島 三都の郷」は、三都半島の西側・神浦(こうのうら)に佇むお宿です。古民家ならではの趣を残し、リノベーションを行っており、快適に宿泊することができます。

神浦の漁村集落に溶け込むロケーションも素晴らしいです。お宿の前にはオリーブが植えられ、綺麗な瀬戸内海を一望できます。

自転車で小豆島めぐり

季節は3月上旬。敷地内には梅の花も咲き誇り、彩りを加えていました。瀬戸内は比較的温暖なエリア。日中はポカポカと暖かく、一足早い春の訪れを感じます。

今回、筆者が交通の足として選んだのは自転車です。学生時代、自転車で初めて旅をした小豆島の美しさに魅せられて、かれこれ8年以上通い続けています。

レトロモダンで粋なお部屋「風穴」に宿泊

レトロモダンで粋なお部屋 風穴

筆者が宿泊したのは、2階にある「風穴」。古民家の梁や型板ガラスなど、随所に古民家らしさを残しながら、現代的にリノベーションされています。

空間としての古さは感じられず、木の温もりがあり、とても居心地の良いお部屋でした。机と椅子も用意され、Wi-Fiもサクサクと快適。古民家宿が初めてという方にもおすすめです。

寝室 出水徹さんの絵画作品

こちらはお部屋と一体になった寝室。枕の上に掲げられているのは、画家・出水(いずみ)徹さんの絵画作品です。実はリノベーションをした古民家は出水さんのお宅だったそうで、お宿のいたるところに出水さんの作品が飾られています。

小豆島のアート作品が集まる三都半島らしい雰囲気を館内でも楽しめますよ。

地元の幸が詰まったお料理。食との一期一会に感動!

地元の幸が詰まった料理

小豆島 三都の郷に宿泊する醍醐味は、なんと言っても地元の幸が詰まったお料理です。小豆島のホテルで腕を振るった4人の料理長が、日替わりで担当し、地元の幸をふんだんに使った懐石料理が振る舞われます。

訪れる季節や仕入れの状況によって、食材との一期一会を楽しめるのもポイントです。上の写真はなんと、1人前の舟盛り。小豆島ならではのオリーブ塩でいただくコリコリとしたアコウの身が絶品でした。

他に鴨鍋やマナガツオの照り焼き、車海老の天ぷらやお寿司まで、すごいボリュームと一品一品の美味しさに感動しました。

オリーブ牛の醤(ひしお)焼き

中でも忘れられない一品が、小豆島のブランド牛「オリーブ牛の醤(ひしお)焼き」。口の中でとろける旨味に、醤油ならではのキレと芳醇さが加わります。トマトが添えてあるので、意外とさっぱりいただけますよ。

家庭的な朝食

続いてこちらが朝食です。ご飯にお味噌汁、鮭に卵焼きと、まさに家庭的な内容ですが、小豆島の食材がしっかり散りばめられています。

ご飯は小豆島の中山千枚田で作られている棚田米。市場に出回らない貴重なお米を、おかわりもさせていただき、朝からたっぷり活力を補充しました。

三都半島の先端に咲く河津桜へ

釈迦ヶ鼻園地からの眺め

宿泊の前後には、お宿から約2.5kmほど離れている「釈迦ヶ鼻(しゃかがはな)園地」へ。三都半島の最先端に整備されている公園です。

園地へアクセスする分岐を越えてつづら折りまでいき、展望の開けた高台まで辿り着くと、真っ青な海を一望する絶景が広がります。 一見遠いように感じられる四国や淡路島も目と鼻の先です。

河津桜

園地へ下りてみると、そこには見事な河津桜が咲いていました。本数は少ないですが、瀬戸内海とのコラボレーションが見事です。メジロも蜜を啄みにやってきていました。

実は釈迦ヶ鼻園地は、知る人ぞ知る一足早いお花見名所。小豆島の春は、この三都半島から始まるのです。桜を眺めながら、園地の芝生で寝転がって、穏やかで癒しのひとときを過ごすことができました。

早春の小豆島へぜひ足を運んでみてください。

小豆島 三都の郷

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土庄雄平

1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍ら、自転車旅&登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。春は桜を愛でながらサイクリング、夏は冷涼な北日本へ自転車で大冒険、秋は秘境の紅葉を求めて山登り、冬は輝く樹氷と白銀の世界に魅了される。そんな自然の中へ身を投じる旅がルーティーン。

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