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【スペイン】2024年バレンシアの火祭りプログラム
バレンシアが1年でもっとも華やぐ火祭りのシーズンがやってきました。2016年にユネスコの無形文化遺産に登録されたお祭りで、世界中から多くの観光客も見物に来ます。今回は今年の火祭り公式プログラムから、特に押さえておきたいポイントをお届けします。
目次
今年の開会式典は中止に
火祭りの開始式典は現地ではクリダと呼ばれ、毎年2月の最終日曜日の日暮れ後にかつてバレンシアを囲んでいた城壁の門のひとつだったセラーノスの塔で催されます。花火やプロジェクションマッピングも取り入れ盛大に祝うのですが、今年は、2月22日にバレンシア市内で発生した死者を伴う大規模な集合住宅火災を受け、急遽中止が決まりました。
<セラーノスの塔で開かれる開始式典の様子/©VisitValencia>
それ以降のプログラムは予定通りに行われます。
火祭りの名物爆竹ショーはマスト
3月1日(金)~19日(火)の期間、連日14:00に火祭り名物の爆竹ショー"マスクレタ"が市役所広場で開催されます。約5分にわたって爆音が轟くだけなのですが、これが大人気。週末と15日以降は非常に混み合うので、時間がある方はそれ以外の平日に行くと比較的見やすいです。
ただ、最前列で爆音を体感したいなら30分前には着いておくことをおすすめします。火祭り期間中はこの爆竹ショーに限らず、一般の人(大人も子どもも!)も町中で爆竹遊びをする習慣があるので、苦手な方はご注意を。
<市役所広場が爆音と煙に包まれる ©VisitValencia>
3月2日(土)は、17:30に人形のパレード(Cabalgata del Ninot)があります。ルートはラ・パス通り(Calle de la Paz)からサン・ビセンテ・マルティール通り(Calle de San Vicente Mártir)、市役所広場を通って北駅前まで。24:00には市役所広場で夜間爆竹ショーも開かれます。
この市役所広場の夜間爆竹ショーは翌3日(日)の20:00、8日(金)9日(土)の24:00、10日(日)20:00にも開催されますので、ぜひ足を運んでみてください。
これまでの例から考えると、8日(金)からの週末あたりにはルサファ地区のイルミネーションも始まると思われます。
15日~16日からお祭りの本番スタート!!
15日(金)からは火祭りも佳境に!! 朝9:00には300を超える子どもの小さなファジャ(最終日に燃やす可燃性のオブジェ)がバレンシアの町のいたるところで完成します。
この夜24:00には市役所広場で花火ショーがあります。大きなオブジェは夜通しで組み立て作業が続きます。
16日(土)の朝8:00までには、さらに300を超える大きなファジャも完成。バレンシアの町は火祭り一色に染まります。中心部には大道芸人も多く集まり、また揚げ菓子の屋台もお祭りムードを盛り上げてくれます。今年は週末に当たっているので、中心部はかなりの人混みになることでしょう。
24:00には芸術科学都市にある芸術宮殿(Palacio de las Artes)周辺で花火大会があります。
17日(日)15:30からは献花パレードが始まります。色鮮やかで華やかなバレンシアの民族衣装をまとった人々が、大聖堂横の聖母広場(Plaza de la Virgen)に設置されたバレンシアの守護聖母デサンパラードスの巨大なレプリカに花を捧げに、楽隊を引き連れて向かうのです。
ルートは2つあり、ひとつはサン・ビセンテ・マルティール通り(Calle de San Vicente Mártir)から、もうひとつはラ・パス通り(Calle de la Paz)から、どちらもレイナ広場(Plaza de la Reina)を通って聖母広場へ至ります。このパレードは参列者が多く、日付が変わっても続きます。
また、この日も24:00に芸術宮殿周辺で花火大会が開かれます。
18日(月)も前日同様15:30から同じルートで献花パレード、24:00には同じ場所で花火大会が催されます。
情熱的に燃え尽きて終わりを迎える
いよいよ最終日の19日(火)は、カトリック教会では聖ホセ(ヨセフ)の日です。聖ホセは聖母マリアの夫でイエス・キリストの養母にあたり、大工だったので昔から大工たちの守護聖人とされています。何百年も前に大工たちが聖ホセの日を祝うために不要な木材や木くずなどを燃やしたことが、火祭りの起源だとのこと。
19:00には祭りの終わりが近いことを告げる火のパレードがラ・パス通り(Calle de la Paz)を通ります。そして20:00、いよいよファジャへの点火です。まずは子どもの小さなものからスタート。20:30には今年1位に輝いた子どものファジャ、21:00には市役所広場の子どものファジャが燃え始めます。
続いて22:00には大きなファジャへの点火。四方八方から爆竹や花火の音が聞こえてくる中、ファジャは炎に包まれていきます。22:30には1位になったファジャ、そして23:00には市役所広場の大きなファジャに華々しく火が点き、大勢の人に見守られながら灰になっていきます。燃え尽きて終わるというのは、情熱の国スペインにふさわしい最後ですね。
多くの人が点火を見るために集まってくるので、あらかじめどのファジャを燃やすところを見るかを決め、少なくとも30分前にはスタンバイしておきましょう。
<前列で燃やすところを見ると、延焼防止に放水する水や灰が降りかかる>
まとめ
以上、火祭りの主な公式プログラムをざっとあげてみました。闘牛の火祭り興行も10日から開かれますので、観戦したい方はネットか闘牛場の窓口で入場券をお求めください。
一度は目にしたい、ユネスコの無形文化遺産にも登録されたバレンシアの火祭り。今年来られない方は、ぜひ来年の計画を立て始めましょう!!
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田川敬子(Keiko Tagawa)
- 1996年スペインにひとめぼれ。以後何度も渡西し、2002年春に夢がかなってスペインで日系企業に就職。その後現地企業を経て、現在はオリーブオイルソムリエ/テイスターやライターとして活動中。