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フランスの素敵な城7選! 雰囲気抜群の古城や川の上に立つ城など
フランスには、栄華をきわめた歴史と文化、芸術性を今に伝える城が数多く残されています。その計算された美しさ、建築様式はどれも目を見張るものばかり。言葉にできないほどの荘厳さです。
そんなフランスの城の中から、ぜひとも訪れたい7つの城をピックアップしました。フランスに旅行するときには、ぜひ訪れてみてください。
目次
1. シャンボール城
<出典元:写真AC>
フランスのロワール川沿い、ロワール渓谷に建つシャンボール城は、ルネサンス時代の空気を今に伝え、ロワール川流域最大の規模を誇る古城です。
シャンボール城の歴史
シャンボール城は、フランソワ1世が狩猟の際に滞在する邸宅として、1500年代半ばごろに建造されました。住んでいたわけではなかったため、富と権力の象徴ともいわれる城です。
ルネサンス建築の様式を色濃く残す城としても知られ、贅を尽くした構造となっており、設計の一部にレオナルド・ダ・ヴィンチが携わったという説もあります。フランソワ1世がここで過ごした日数はわずか数十日程度ともいわれていますが、その後は、フランスの偉人や権力者が受け継いできました。
建築当時からほぼ手が加えられていないことも特徴のひとつで、1981年には、ユネスコの世界遺産に登録されています。
シャンボール城の観光
シャンボール城への入城には、城内と庭園を見て歩くことのできる有料チケットが必要です。当日の購入も可能ですが、混雑する時期は並ばなければならないので、事前に手配しておいたほうがよいでしょう。
城内400を超える部屋のうち、60室を自由に見学できます。各部屋に並ぶ数千点の装飾品や調度品には、華やかだったころのフランスの歴史が垣間見られるでしょう。もうひとつ見逃せないのが、城の中央に位置する螺旋階段です。人とすれ違うことなく上り下りできる二重構造で、レオナルド・ダ・ヴィンチの設計と伝えられています。
2. シュノンソー城
<出典元:写真AC>
シャンボール城と同じロワール地域に建つ城で、ロワール川の支流であるシェール川をまたぐように建てられた古城です。
シュノンソー城の歴史
シュノンソー城の建築が始まったのは、16世紀。建築を指揮したのは、当主ではなく、その夫人でした。以降、城主として君臨したのは女性ばかり。19世紀までに6人の女性が城主となったことから「6人の奥方の城」という異名があります。
城の規模は、決して大きいとはいえませんが、シェール川の水面に映える姿は美しく「シェール川の宝石」とも称されるほど。2000年には世界遺産にも登録され、訪れる人を歴史の彼方へといざなってくれます。
シュノンソー城の観光
シュノンソー城の入城は、訪問日時を指定したオンライン予約が可能です。予約は無料でできるので、観光を予定している場合は、予約をしておくといいでしょう。
見どころは、舞踏会のために建設したと言い伝えられている、幅6m、長さ60mの回廊(ギャラリー)です。そのほか、歴代夫人の居室に施されたインテリアや家具、美術館に匹敵するほどのコレクション、厨房や薬局など役割別の部屋も必見です。庭園には、季節ごとの花が咲き誇ります。見学の所要時間は、城内で2時間前後、庭園で1時間前後です。
3. シャンティイ城
<出典元:写真AC>
ヴェルサイユ宮殿にも引けを取らないといわれるほどの優美さを備えたシャンティイ城は、パリ郊外の森の中、湖のほとりに建っています。内部には美術館を併設し、芸術愛好家にも親しまれている城です。
シャンティイ城の歴史
シャンティイ城の礎が築かれたのは14世紀。その後、増改築を重ねた長い歴史を誇る城ですが、実は現在の形となったのは19世紀後半のこと。フランス革命に巻き込まれ、大きく破壊されてしまったためです。政治的な介入もあり、改修までには長い時間を要しましたが、建築様式も含め、古き良き時代の美を再現し、現代に伝えています。
シャンティイ城の観光
シャンティイ城には、大きく分けると「城内」「庭園」「大厩舎」という3つの見どころがあります。チケットは、すべて見学できるもの、庭園だけのものなど種類があるので、目的や滞在時間に応じて選ぶとよいでしょう。
城は、童話の挿絵のような佇まい。内部の華やかな装飾はもちろん、フランス国内でも名のあるコンデ美術館の作品も必見です。
ちなみに、収蔵の美術品については、「外部への貸与と展示方法の変更をしないように」と、最後の城主が遺言したとか。すべてにおいて、往時の雰囲気を感じられることでしょう。
庭園の造営を手がけたのは、ヴェルサイユ宮殿にもかかわったアンドレ・ル・ノートル氏。城と美しく調和した見事な庭園で、庭園から眺める城の外観も美しさ満点です。
3つめの見どころとなる大厩舎には、馬の博物館があります。馬とともに生活してきた当時の様子に触れられる点は、シャンティイ城をならではの魅力といえるでしょう。
4. ブロワ城
<出典元:写真AC>
ロワール川流域に建造されたブロワ城は、増改築により、さまざまな時代の建築様式がミックスされていることが特徴です。
ブロワ城の歴史
13世紀、ブロワの地に築かれた城で、約100年もの間、フランス王家において主要な位置を占める宮殿でした。何度かの増改築を重ねたこともあり、ゴシック、ルネサンス、バロックという複数の建築様式を備えた城としても名を知られ、「建築の博物館」とも呼ばれているほどです。
暮らしていたのは、7人の王と、9人とも10人ともいわれる王妃ですが、現在ではユネスコの世界遺産に登録され、その歴史を後世に伝えています。
ブロワ城の観光
入城は、6歳未満は無料ですが、それ以上の場合は、料金がかかります。城内観光のチケットと、この後で紹介する音と光によるショーも鑑賞できるチケットがあるので、事前に手配しておくとよいでしょう。
ブロワ城は、中庭を中心に「フランソワ1世棟」「ルイ12世棟」「オルレアン公ガストン棟」「三部会の間」という4つの建物から成っています。
フランソワ1世棟の見どころは、中庭に張り出した螺旋階段です。ルネサンスを象徴する彫刻も施され、ブロワ城ならではの傑作ともいわれています。色鮮やかな装飾の室内、暗殺事件の舞台となった部屋も、必見です。
ルイ12世棟は、ゴシック様式とルネサンス様式を融合させた造りで、16~19世紀ごろのタピストリー(室内装飾をさすタペストリーのこと)、絵画、彫刻をはじめ、数々の装飾品が展示されています。
三部会の間は、ゴシック様式の建物です。壁や天井を埋める均整のとれた設計に、当時の息吹が感じられるでしょう。なお、4月~9月までの夜間は、「音と光のスペクタクル」というイベントが中庭で催されます。城を光で彩るプロジェクションマッピングは圧巻です。
5. フォンテーヌブロー城
<出典元:写真AC>
世界遺産でもあるフォンテーヌブロー城は、パリの南東部の広大な森に位置する、フランス最大の宮殿です。ナポレオンゆかりの城でもあり、パリから日帰りで訪れることもできます。
フォンテーヌブロー城の歴史
フォンテーヌブロー城が建つ森は、もとは狩猟の場でした。その地に王の館を建て、増改築を繰り返してきましたが、基本的な設計は、フランソワ1世によるものです。その後、歴代の王によって大切にされ、拡張工事、庭園や運河の造営などが行われました。
フランス革命により装飾品などは失われましたが、建物を気に入ったナポレオンが、自身の権威の象徴として利用するため、さらなる改築や増築を実施、現在の城と庭園は、その当時のものです。
フォンテーヌブロー城の観光
入城にはチケットが必要ですが、フォンテーヌブロー城は、パリ市内や近郊の観光スポットにフリーで入場できる「パリ・ミュージアム・パス」の利用が可能です。パリ滞在型で観光をするなら、お得といえるでしょう。
フォンテーヌブロー城の建築様式は、ルネサンス後期のもので、中庭を囲むように建造されています。彫刻、絵画、木工などを繊細に組み合わせた「フォンテーヌブロー様式」とも呼ばれる装飾は、必見です。ルネサンスを象徴する「三位一体堂」は、王族の結婚式やナポレオン3世の洗礼式などが行われた場所としても知られています。そのほか、いくつもの回廊、舞踏会の間、王や王妃の寝室など、見どころが目白押し。広大な庭園は、憩いの場として整備されています。
6. アンジェ城
<出典元:写真AC>
ロワール川の支流であるメーヌ川のほとりに建つ城で、世界遺産のひとつでもあります。
アンジェ城の歴史
12世紀にフランス王国とイングランドを統治したアンジュー伯の住居として建造された城です。
現在の城の原型は、13世紀、ルイ9世が軍事要塞として再建したもの。17におよぶ強固な塔が結ぶ城壁の高さは、実に800mにもおよびます。その外観は、まさしく軍事要塞の名にふさわしく、ロワール川一帯でも指折りの規模を誇るといってよいでしょう。
アンジェ城の観光
アンジェ城に入るには入場料がかかりますが、観光案内所で扱っている「アンジェシティパス」も使えます。アンジェに半日以上滞在して、複数の施設を見る予定があるなら、パスの購入がお得です。
アンジェ城は、ほかの城とは趣を異にする外観もさることながら、ヨハネの黙示録を題材にしたタペストリーが展示されていることがポイントです。現存する装飾織物としては最古のものとされているだけでなく、長さ100mを超えるというサイズも、中世のタペストリーとして世界最大といわれます。美術品としての価値も十分ですが、日本語訳の聖書と照らし合わせながら鑑賞すると、より理解と感動が深まるでしょう。
7. コンタル城
<出典元:写真AC>
フランス南西部、スペインとの国境近くにある城塞都市であり、観光地としても人気のカルカソンヌ(カルカッソンヌとも)。シテと呼ばれるその都市の中に建造されたのが、コンタル城です。
コンタル城の歴史
シテそのものは紀元前から存在していたという説がありますが、コンタル城が建設されたのは12世紀で、歴代伯爵が住む洋館でした。
もとはフランス領ではありませんでしたが、フランス領となって以降、国境に近かったという事情もあり、優美さよりも、防衛力の強化に力が注がれました。まさに「要塞」「城塞」と呼ぶにふさわしい姿です。その後、ピレネー条約によりフランスとスペインの国境が定められ、カルカソンヌにも、コンタル城にも、防衛の役割は必要なくなりました。そのため、街全体が衰退していきましたが、1800年代の中ごろから修復工事が開始されて復活、現在に至ります。
コンタル城の観光
シテ内部には無料で入れますが、コンタル城は有料です。
外からの攻撃に耐えうる城壁、工夫を凝らした造形、高台から見下ろす街並みなど、戦うために建造された城であることが、ひしひしと伝わってきます。そういった意味では、戦国時代の日本の城と似た面があるかもしれません。城の内部にある石彫美術館には、石像や彫刻などが展示され、こちらも見ごたえ満点です。
フランスを代表し、なおかつ個性もあふれる城を紹介しました。どの城にも、背景には独自の歴史や文化があります。入城すると、その重みを実感できるでしょう。王族やナポレオンなど、名だたる人物も歩いたかもしれない城、フランスに行ったなら、ぜひ訪れてみてくださいね。
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