奈良といえば何だろう? 奈良の観光前に知りたい基礎知識

奈良といえば大仏様、由緒正しい寺社仏閣、そして可愛らしい鹿などが思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか。しかし、奈良の魅力はそれだけでは収まりません。1300年以上も続く伝統行事があるかと思えば、グルメやおしゃれなパッケージのお土産物など、今どきの楽しみも盛りだくさん。奈良県は悠久の歴史を今に受け継ぐだけではなく、時代に合った進化を遂げています。

この記事では、「奈良といえば?」をさらに深く掘り下げてご紹介します。ぜひ次回の旅の参考にしてください。

目次

<1. 奈良といえば?>

<2. 奈良の観光スポットといえば>

<3. 奈良のお祭りやイベントといえば>

<4. 奈良で有名なグルメ、伝統料理といえば>

<5. 奈良のお土産といえば>

<6. 奈良の方言といえば>

1. 奈良といえば?

近畿地方に属する奈良県は、紀伊半島のほぼ真ん中に位置しています。内陸県なので海はないものの、山、盆地、高原などに恵まれ、気候も温暖な自然豊かな地域です。

日本史の中で「奈良時代」と呼ばれる1つの時代を築いたほどの歴史ある日本の古都であり、大陸の影響を受けた多様な文化遺産の宝庫です。奈良と言えば、法隆寺をはじめとした名刹の数々、大仏、奈良公園の鹿などが有名ですが、その他にも多くの観光スポットや伝統行事など見どころが満載で、グルメやお土産選びも見逃せません。

2. 奈良の観光スポットといえば

奈良は観光スポットの宝庫で、世界的にも有名な名所旧跡が数多くあるため、どこから訪ねていいか迷うほど。ここでは必ず押さえておきたいスポットをご紹介します。

法隆寺

著名なお寺が多い奈良県の中でも、別格ともいえるのが日本の寺として初めて世界遺産に指定された法隆寺。

聖徳太子ゆかりの寺として知られ、世界最古の木造建築で国宝の金堂や五重塔などを含む巨大な寺社です。

その歴史はすでに1400年以上で、見逃せない歴史建造物や文化遺産が目白押し。救世観音立像、聖徳太子坐像などの秘仏は開帳される時期が決まっていますので、事前に調べて行ってみてくださいね。

  • 住所:生駒郡斑鳩町法隆寺山内1-1
  • 公式サイト:法隆寺

東大寺

東大寺大仏殿
<出典元:写真AC

奈良といえば真っ先に思い浮かぶ大仏様。正式名は廬舎那仏坐像(るしゃなぶつぞう)といい、東大寺のご本尊として祀られています。

高さ15メートルの大仏様が安置される大仏殿は世界最大級の木造古建築物で、大仏様と同様に国宝に指定されています。さらに名建築と謳われる南大門、二月堂、三月堂、また、「あ・うん」で知られ、運慶・快慶が造り上げた金剛力士立像(いずれも国宝)など、東大寺に来たら必ず寄っていきましょう。

  • 住所:奈良市雑司町406-1
  • 公式サイト:東大寺

興福寺

興福寺
<出典元:写真AC

奈良県のシンボルとも言える五重塔を擁するのがこの興福寺。

現在五重塔は修復中で見られませんが(2031年までを予定)、それ以外にも、2018年に再建が完了し創建時の姿を取り戻した、華やかな赤い柱が印象的な中金堂、東金堂、三重塔など、見どころ満載です。

さらに興福寺といえば、何といっても国宝の阿修羅立像などをはじめとする仏像を通常拝観できる国宝館が必見です。国宝の数々をぜひ間近でしっかり拝んでいきましょう。

  • 住所:奈良市登大路町48
  • 公式サイト:興福寺

春日大社

春日大社
<出典元:写真AC

全国に3000社ある春日神社の総本山となる、世界遺産の春日大社。

緑豊かな森の中に朱塗りの社がそびえる姿は荘厳そのもの。特に大社の中心部を取り囲む回廊と、その内部の社殿(特別参拝、別料金)は、春日大社の真髄とも言える部分なのでぜひお参りしてみてください。

また、境内には本社以外にも多くの神社があり、願い事に合わせてお参りできます。色々な神社を巡ってみましょう。

  • 住所:奈良市春日野町160
  • 公式サイト:春日大社

平城宮跡

平城宮跡
<出典元:写真AC

奈良時代に日本の首都であった平城京の史跡である平城宮跡。

国の特別史跡、かつ古都奈良の文化財の構成資産の1つとして世界遺産にも登録されており、美しい正門の朱雀門や最重要施設である宮殿の第一次大極殿(だいいちじだいごくでん)など、奈良に都があった時代を彷彿とさせる旧跡を訪れることができます。

周辺は国営平城宮跡歴史公園として、広々とした緑地が広がり、散策にも最適。その敷地の広大さと建物の壮麗さに、当時の奈良の繁栄ぶりがしのばれることでしょう。

  • 住所:奈良市佐紀町
  • 公式サイト:平城宮跡

石舞台古墳

石舞台古墳
<出典元:写真AC

日本最大級の方墳で、飛鳥時代の豪族、蘇我馬子の墓と言われる石舞台古墳。

特徴は、その桁違いの巨石ぶり。地表には名前の由来ともなった、舞台のように上面が平らになっている天井石が露出し、重さはなんと約77トン。石材の総重量は2300tというスケールの大きさで、当時の技術の高さに驚かされることでしょう。ぜひ、石のすき間をくぐり、内部まで見学可能な石室まで覗いてみてください。

  • 住所:高市郡明日香村島庄254
  • 公式サイト:石舞台古墳

奈良公園

奈良公園と鹿
<出典元:写真AC

その面積が約660ha、敷地内に東大寺・興福寺・春日大社といった有名寺社や国立博物館まで擁する奈良公園は、奈良の中心を成すエリアです。

芝生に覆われた若草山や猿沢池などの自然も豊かで、季節ごとの美しい景色と、そこに溶け合う歴史的建造物の雅な姿を堪能することができます。

約1,100頭生息しているといわれる天然記念物の鹿にもここに来れば、いつでも会うことができます。奈良観光の拠点として最適の場所と言えるでしょう。

谷瀬(たにぜ)の吊り橋

谷瀬の吊り橋
<出典元:写真AC

奈良県の最南端に位置し、県内の自治体の中でも最も広い面積を有する吉野郡十津川村のシンボルとも言える存在が、この谷瀬の吊り橋です。

生活用の吊り橋としては日本一の長さ(全長297m)。ダイナミックさと繊細さが同居する橋の美しさは必見です。高さ54メートルから清流を見下ろしつつ、山と山をつなぐ吊り橋を渡るのは、安全とわかっていてもなかなか勇気がいるチャレンジかも!? 吹きわたる心地よい風を感じながら、ここでしか味わえない空中散歩を楽しんでください。

  • 住所:吉野郡十津川村上野地65-2
  • 十津川村観光協会公式サイト:谷瀬の吊り橋

奈良国立博物館

奈良国立博物館
<出典元:写真AC

奈良に来たら楽しみたいのがミュージアム巡り。中でも国内最高レベルの仏教美術品が収蔵されている国立博物館は外せません。

特に、建物自体が代表的な西洋建築として国の重要文化財に指定されているなら仏像館は、国宝や重要文化財クラスの仏像が目白押しの必見のスポットです。

また、国立博物館は毎年開催される正倉院展(正倉院の宝物を一部公開)の会場にもなります。ぜひ日程をチェックしてから出かけていきましょう。

3. 奈良のお祭りやイベントといえば

奈良には、その歴史や宗教的背景に根付いた伝統的な行事が今でも受け継がれています。

その多くは、平和や豊穣を祈り、先祖を慰霊するなど、人々の安寧な暮らしを願うものです。時期が合えばぜひ参加してみましょう。奈良らしさをより深く体験する絶好の機会となるはずです。

若草山焼き

若草山焼き
<出典元:写真AC

毎年1月の第4土曜日に開催される若草山焼きは、東大寺・興福寺・春日大社の神仏が習合して先祖を慰霊し、奈良の防火と、世界の平安が祈られる奈良の冬の風物詩です。

奈良市内を見下ろすなだらかな若草山で、盛大な打ち上げ花火に続いて33へクタールもの草地に一斉点火され、空が真っ赤に染められる荘厳な光景は一見の価値ありです。

修二会(お水取り)

お松明
<出典元:写真AC

東大寺の修二会(しゅにえ)は、奈良に春の訪れを告げる伝統行事。

現在は3月の前半に開催され、12日深夜には、井戸から観音様にお供えする水を汲み上げる「お水取り」が行われます。また、童子が大きな松明を担いで二月堂へ送る「お松明」は観客の頭上に火の粉が舞い散る圧巻の光景。こうして二月堂の本尊である十一面観世音菩薩に、人々に代わって僧侶が旧年の穢れを払い、国家の安寧と豊穣の祈りを捧げます。

灌仏会(花まつり)

お釈迦様の誕生日とされる4月8日には、多くの寺社で灌仏会(かんぶつえ)、または花まつりと呼ばれる儀式が行われます。

灌仏会では、お釈迦さまの立像を立てた盆を、花で飾り付けた御堂の中に安置します。そして参拝者は、甘茶を柄杓ですくってお釈迦様の像に注ぎ、お釈迦様の誕生を祝います。寺によってしつらえが異なりますので、見比べてみると楽しいですよ。

奈良大文字送り火

奈良大文字送り火
<出典元:写真AC

毎年8月15日に、戦争の犠牲者の魂を慰めるために奈良公園の高円山で開催されているのが奈良大文字送り火です。

「大」の字の大きさは日本最大級という、迫力ある大文字。定番の鑑賞スポットは、春日大社境内の芝生エリアである飛火野(とびひの)です。荘厳な中に静謐さが漂う終戦記念日の大文字。平和へ想いを込めたひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

4. 奈良で有名なグルメ、伝統料理といえば

奈良に来たなら、絶対味わいたいのがご当地グルメ。伝統的な郷土料理を中心とした、個性豊かな奈良グルメをご紹介します。

柿の葉寿司

柿の葉寿司
<出典元:写真AC

塩で締めた魚と酢飯を合わせ、柿の葉でくるみ熟成した柿の葉寿司。柿の葉には防腐効果や乾燥を防ぐ効果もあり、日持ちするグルメとして昔から愛されてきた奈良の郷土料理です。

一口サイズで食べやすく、持ち歩いたり取り分けたりするのにもとっても便利。定番の具材は鮭や鯖ですが、キンメダイやアナゴなどの変わり種も。ぜひ食べ比べてみてください。

奈良漬

奈良漬
<出典元:写真AC

塩漬けにした野菜をさらに酒粕に漬け込み、何度も酒粕を替えつつ黒っぽくなるまで漬け込んだ漬物が奈良漬です。

中身の定番は白ウリですが、その他にもさまざまな野菜で楽しめます。ほんのりマイルドな甘みを感じる奈良漬は、ごはんのお供に最適なのはもちろん、日本酒とも相性はバッチリ。お気に入りを見つけたら、ぜひお土産にも持ち帰りましょう。

茶がゆ

地元では「おかいさん」と呼ばれる奈良の茶がゆは、煮出したほうじ茶の中にごはんを入れて炊いたもの。「大和の朝は茶がゆで明ける」と言われたほどの日常的な郷土料理で、県内の飲食店では至る所で食べることができます。

キノコや豆などの具材をアレンジしたものや、ほうじ茶ではなく緑茶を使ったものなど、見た目や味にこだわったお店ごとのオリジナルな茶がゆを食べることができますので、ぜひ試してみてください。

三輪そうめん

三輪そうめん
<出典元:写真AC

奈良時代からその製法が受け継がれる手延べの三輪そうめん。特徴はその細さですが、一方でハリやコシもしっかりしていることに驚かれるでしょう。

その秘密は、奈良盆地に吹き降ろす冬の冷たい季節風。この季節風がしっかりそうめんを乾燥させて、歯ごたえを生み出すのです。そうめんは三輪でないと、というファンが多いのも納得です。煮崩れしにくいので、冬の温かい麺もおすすめですよ。

飛鳥鍋

飛鳥鍋は、鶏肉や野菜を牛乳とだし汁(鶏がらなど)、白みそなどで煮込んだ奈良県の伝統的な鍋料理です。

飛鳥時代に唐から奈良へやってきた使者によってもたらされた乳製品によって日本で乳飲料が飲まれるようになり、やがて鍋料理へと発展していきました。古くは僧侶の栄養補給に、現代では奈良県の学校給食に用いられるほど、滋養たっぷり。初めて牛乳を味わって驚いたであろう飛鳥の人々に想いを馳せながら、味わってみてください。

かき氷

氷業界の神様を祀る氷室神社がある奈良市内、実は「かき氷の聖地」であることをご存じでしたでしょうか。市内には多くのかき氷店があり、パティシエが創意工夫を凝らしているもの、老舗和菓子店が展開するものなど、バラエティに富んだ味わいやトッピングのかき氷が楽しめます。

純粋な氷で作ったかき氷はふわふわで、さっと溶けるくちどけ。一度試したら病みつきになることでしょう。オフシーズンは閉店しているお店もあるので、事前に調べて訪ねてみてくださいね。

5. 奈良のお土産といえば

お土産選びは大きな旅の楽しみの1つですね。奈良のお土産といえば、スイーツやそれに合う大和茶がおすすめ。パッケージにも奈良らしい可愛いものがたくさん選べます。

奈良こんふぇいと(砂糖傳増尾商店)

創業170年になるお砂糖菓子の老舗の金平糖は、香料不使用、こだわりの厳選素材。淡い色合いは見て楽しく、食べれば自然な甘さが広がります。

日持ちする上、軽くてかさばらないのでお土産にぴったり。プレーン、ほうじ茶、煎茶、ブルーベリーなどフレーバーも豊富です。五重塔や鹿などをデザインしたキュートなパッケージも喜ばれること間違いありません。

鹿の角バームクーヘン(鹿野)

奈良に行ったら絶対買いたい!と評判なのがここのバームクーヘン。

可愛い鹿のイラストの包装紙の中には、ちょっと変わった形のバームクーヘン...これが切ってみるとビックリ、鹿の角がちょこんと2本立った形に見える!もちろん味も折り紙付きで、材料は県産の小麦粉や新鮮な卵、はちみつを使用した優しいスイーツです。季節ごとの限定フレーバーもあるので、色んな種類を食べ比べてみてください。

まほろば大仏プリン(株式会社大仏プリン)

最高級生クリームなど、素材に徹底的にこだわったプリンのお店。

昔ながらの固めプリン、絹のようになめらかなプリンなど定番のカスタードのほか、大和茶、ショコラ、モンブランなど種類も豊富。商品は種類ごとに蓋の色やイラストが異なる瓶に詰められていて、愛らしい大仏や鹿の表情にふっと心が和みます。相手の好みを考えながらお土産として選ぶのも楽しいですね。

大和茶

奈良県と言えば、実は全国でも指折りのお茶の産地。その歴史は1200年以上も前に弘法大師が唐からお茶のタネを持ち帰り、奈良の宇陀に植えてその製法を伝えたことにまで遡ります。

大和茶は現在、主に奈良の山間部で栽培されており、その豊かな土壌と清らかな水、朝晩の大きな寒暖差などが薫り高く爽やかなお茶を作り上げています。食事にもスイーツにも合わせやすい大和茶は、和紅茶やハーブブレンドティーなど、バリエーションも豊富。ぜひ試してみてください。

6. 奈良の方言といえば

京都弁や大阪弁に比べると、奈良の方言はイメージが湧きづらいかもしれません。

イントネーションは大阪弁と大きく変わらないのですが、異なるのは語尾と言い回し。語尾は、「~やよ」「~やん」などがよく使われるので、全体に優しい印象を感じます。例えば有名人で言えば、明石家さんまさんや堂本剛さん、笑い飯さんが奈良弁を話すと言われています。

変わった言い回しでは「おとろしい=面倒くさい」「まわりして=準備して」「せんど=何度も」など、他県ではあまり使われない面白いもの。これを聞いたら「あっ奈良県に来た!」と感じられるかもしれませんね。

日本の歴史に燦然と刻まれた奈良は、古さと新しさが同居する独自の魅力を発信し続けています。知れば知るほど奥深く、何度訪れても楽しみが尽きることはないでしょう。ぜひ実際に訪れて、「奈良といえばね」と誰かに教えたくなる、あなただけのお気に入りを見つけてくださいね。

関連記事

奈良」に興味わいてきた?あなたにおすすめの『奈良』旅行はこちら

※外部サイトに遷移します

Related postこの記事に関連する記事

Ranking奈良記事ランキング

ランキングをもっと見る

この記事に関連するエリア

この記事に関連するタグ

プロフィール画像

国内の人気観光地研究部

定番、流行、穴場、全国のあらゆる観光スポットをご紹介!

Pick upピックアップ特集

全国の動物園&水族館 徹底取材レポート特集!デートや家族のおでかけなど是非参考にしてみてください♪

特集をもっと見る

たびこふれメールマガジン「たびとどけ」
たびこふれサロン

たびこふれ公式アカウント
旬な情報を更新中!