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【イギリス】知っておきたい!サイクリングの常識・注意点
イギリスでは交通手段・レジャーとして自転車が欠かせません。日本とは違って、かなり厳しい交通ルールや慣れないと思わず二度見してしまうような独特なサイクリングに関する常識などがイギリスには数多くあります。ぜひ、知っておきたいイギリスでのサイクリング事情をご紹介します。
目次
サイクリング大国イギリスの自転車事情
19世紀初頭にドイツで発明された自転車ですが、世界中に広めたのはイギリスと言われるほどイギリスでは、自転車・サイクリングに歴史があります。スポーツとしてのサイクリングも大変人気で、オリンピックはもちろん、日本人が駅伝やマラソン中継を見る感覚で自転車のロードレースをテレビ観戦することも多くあります。また2020年以降のコロナ禍で、混んでいるバスや電車を避けるという目的で自転車通勤・通学にシフトした人も多く、自治体もサイクリング道を整備するなど、イギリスでは一層サイクリング熱が高まっていると言えます。
イギリスの中南部に在住の筆者も通勤には自転車を使っており、週末には家族でテムズ川沿いのフットパス(歩道、自転車ももちろんOK)のサイクリングを楽しんだりしています。ところが、日本からやってきた人から見るとイギリスのサイクリング事情、自転車に関する常識は日本とはかなり違うことに驚くことでしょう。イギリスでは当たり前、でも、ぜひ知っておきたいルールや注意点をご紹介します。
まじめな話!厳しいイギリスでの交通ルール
<歩道、サイクルレーン、車道と分かりやすいイギリスの道路>
まず、サイクリングに関して日本とイギリスでの一番の大きな違いは、「自転車は車と同じ交通ルールを守る必要がある」ということです。イギリスでは、自転車はオートバイやモーターバイクと同等にあたると考えると分かりやすいかもしれません。
<自転車は歩道走行禁止>
イギリスでは、自転車は専用レーンがある場合は自転車用のレーンを、ない場合は歩道ではなく車道を走らなければなりません。左側通行なのでもちろん自転車もそれに従います。歩道をサイクリングしていると罰金(500ポンド)が課せられるのでぜひ気を付けたいところです。ただし、降りて歩くのはもちろんOK。自転車が車道を走るのは当然のことなので、車から煽られるというような心配はありません。自転車が車道の真ん中を走行している光景もよく見かけます。
- 信号を守る、飲酒運転禁止など、車やモーターバイク同様に交通ルールを守る必要がある
- ライトとヘルメットは必須
- 夜間のライト着用が義務づけられており、ライトなしの場合30~50ポンド(約4,800円から9,000円)の罰金が課せられます。ヘルメットはなくても罰金はありませんが、車道を走ることを考えると絶対に準備するのが賢明です。
- 車道を車と並走するイギリスでは、サイクリングへの危険意識が大変高く(実際事故も大変多い)、日本では当たり前に見る2人乗りや傘さしもあり得ません。
右折・左折の意思表示の仕方、手信号
思わず二度見してしまうイギリス独特のサイクリングルールとしては、手信号があります。こちらも「自転車はモーターバイクと同等」という感覚から「右折や左折の場合は周囲に知らせるのが義務」という理由で行うものです。
左折したい場合は、左手をすっと横方向、または腰のあたりに指差ししつつおろすのが一般的で、右折も同様です。右折・左折の直前に片手運転となるため実はちょっと危険なのでは?とも思いますが子どもから大人までこのルールが浸透しています。
自転車の盗難に注意
<街には駐輪スペースが多数>
イギリスでの自転車の盗難は非常に深刻です。電動自転車のように値段が高めの自転車の場合は盗難の多い街の中心では使用せず、信頼できるセキュリティのある駐輪スぺ―スのある職場や自宅の行き来にしか使わない人も多くいます。また、日本では信じられませんが、タイヤだけ、サドルだけ盗まれることも多いため、長い時間自転車を駐輪する場合は厳重なロックが必要です。
ペンチで切断ができるようなロックでは秒殺で盗まれるので、頑丈なものを2個以上使っている人も多くいます。
また、義務づけられているライトもつけっぱなしにして駐輪していると盗難にあうため取り外しのできるものが主流です。
自転車通が多い
日本でも、最近はハイスペックなおしゃれな自転車でサイクリングを楽しむ人が増えてきましたが、イギリスではごく普通の人でも自転車に関しての知識がとても豊富なことが多いです。例えば、パンク程度なら自分で治せる人も多く、レジャーとしてサイクリングに出かけるときなどにはパンクしたとき用にスペアのタイヤを持参することも一般的です。
また、自転車も安いものでも最低200~300ポンド(約36,000円~48,000円)はするため、自分の自転車に愛着を持ってきちんとメンテナンスをしている人が多いのも特徴です。
田舎ツーリング旅がおすすめ!
<ロンドンへつながるテムズ川沿いの遊歩道もサイクリング可能>
ロンドンのようなものすごい交通量の大都会で(サイクルレーンがない場合)車道を走らなければならないサイクリングは、観光や短期滞在で訪れている人には決してハードルが低くないと感じるかもしれません。また、安全面で日本のサイクリングの感覚では「気軽にサイクリングで街巡り」をすることは難しいでしょう。
一方で、イギリス人にも大人気の田舎で自転車でのツーリング旅などはしっかり準備することで、自然豊かなイギリスの別の一面を楽しめる旅のスタイルとしておすすめです!
※2023年12月現在、1ポンド=約180円
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ちき
- イギリス、オックスフォードにイギリス人の夫と4歳の男の子と暮らしています。好きなことは、見晴らしのよいところ、ワイン、マーケット(蚤の市)散策。