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【岐阜・揖斐川町】日本の原風景の中で、特別な朝食、ぎふジビエ、お寺カフェに浸る時間
こんにちは!たびこふれ編集部のシンジーノです。
岐阜県の西部に揖斐川(いびがわ)町という地域があります。
のどかで静か。
日本の里山、原風景のムード溢れる優しい空間で、美味しい食べものを堪能してきましたので、とっておきの3軒をご紹介したいと思います。
目次
- TEF TANIGUMI(テフ タニグミ)VILLA & SPA
- シャルキュトリー レストラン 里山きさら
- 縁舎 ENSHA Coffee, Books & Gallery
- 揖斐川町グルメの魅力まとめ
TEF TANIGUMI(テフ タニグミ)VILLA & SPA
まるで日本昔話のような静かな田園地帯が続く揖斐川町谷汲(たにぐみ)エリア。
そんなの中に突如現れたのは・・・
こんな田舎・・・失礼、田園地帯に「えっ?」と思わせる瀟洒なヴィラ。
まるでニュージーランドかカナダのような、シンプルかつ都会的でおしゃれな建物。
ここは、2022年7月オープンしたTEF TANIGUMI(テフ タニグミ)VILLA & SPA。
コンセプトは、自然が紡ぐ音と空間に身を沈める心地よさ。
朝の澄んだ空気は、もやが晴れるように清々しい。
それを全身で浴びる幸せの中、こちらで朝食をいただきました。
地元野菜、旬の食材で供されるシンプルイズベストの身体が喜ぶ朝食。
思い出に残る朝となりました。
<朝食会場兼カフェ>
バタートースト、地元野菜を使った旬のサラダ、季節のスープ又はマッシュポテト、ソーセージ、シェフのきまぐれデザート&フルーツ。
どれも美味しかったですが、特にトーストのふわっサク感、ウインナーソーセージのパッキパキ感に思わず笑みがこぼれました。
ドリンク料金プラス350円でこの朝食がいただけます。
ドリンクも種類豊富な品揃えです。
朝食後、ヴィラの中も見せてもらいました。全部で3棟あります(1棟の定員8名)。
スタイリッシュなデザイン。建物の周りも広々していて貸し切り気分です。
ちなみにTEF(てふ)の名の由来を訊いてみたところ、蝶々の旧仮名づかい "てふてふ" から名づけたのだとか。
ヴィラの屋根はバタフライルーフ(蝶の羽根のような屋根)です。なるほど〜。
いい意味で日本の田舎の既成概念を崩しています。
ヴィラの外のテラスでBBQも楽しめます。
お部屋では調理をすることもできます。
和モダンの要素も入ってくつろげそうです。天井も高くゆったりしています。
2ベッドの洋室が2つ。
お風呂はなんと温泉!窓も大きく、外は自然豊かな田園風景。こんなお風呂ならずっと浸かっていたくなっちゃいますね。
春は桜、夏は蛍が飛び交うそうです。
こんな贅沢ありますか!?
大自然に抱かれて、かつスタイリッシュで機能的に宿泊する。
これからの旅のカタチの羅針盤になるように感じました。
今度は朝食だけでなく、ぜひ泊まってみたい、そう思えるヴィラでした。
>>TEF TANIGUMI(テフ タニグミ)VILLA&SPAの公式サイトはこちら
シャルキュトリーレストラン 里山きさら
店内に入ると思わずよだれが出そうなジューシーで美味しそうな匂いが漂ってきました。私の胃袋がぶるんぶるんとアイドリングを始めます。
こちらシャルキュトリーレストラン 里山きさらは、田園地帯の中に佇むレストランです。
<シャルキュトリーレストラン 里山きさらの外観>
ここち良いそよ風が吹き、ポカポカと日差し暖か。
日本の里山の風景に浸りながら日常から離れてくる価値。
<テラスの周りには田んぼが広がっています>
シャルキュトリーの意味はフランス語で「肉に火を入れる」転じて食肉加工品全般の総称。例えば、ハム、ソーセージ、パテ、テリーヌなどを指します。
"きさら"の意味は、人を喜ばせるという意味が込められているそうです。
オープンは10年前。当時、農家からは鹿などの深刻な獣害が叫ばれていました。鹿が田畑を荒らす、だから害獣駆除をする、のではなく、食材として活かせないか、と考えました。
ヨーロッパでは、獣肉(ジビエ)は高級食材です。食文化を考え直すという視点からもジビエ料理に挑戦しようと考えたそうです。
揖斐川町は、水がきれい、生産者さんとの距離が近いので直接食材を仕入れられるなどの好条件も揃っています。
肉だけでなく、野菜、お米も美味しいものが採れる土地柄です。今ならねぎ、白菜、葉かぶ、里芋、自然薯など。
これは期待できそうです。
ということで一番おすすめのこちらのメニューをいただきました。
ジビエは冬がシーズンだそうです。
実際に供されたのはこちら!
私はこれまで何度か鹿肉を食べたことがあります。
脂肪分が少なくさっぱりしていてクセはない。
ただ、肉肉しいのが好みの人には少々物足りないくらいあっさりしています。
しかし、ここきさらさんの鹿肉は、これまで食べた鹿肉の中で一番美味しかったです。
ここの鹿肉は小鹿肉で柔らかくでジューシー。肉の旨みたっぷり。
ステーキには一番良いもも肉を使用しているそうです。
「鹿肉は焼き立てが美味しいので、すぐ食べてください」と言われかぶりつきましたが美味しかったです。
同行者はこちらのきのこハンバーグ。
うふぉーこちらも旬の野菜たっぷりで美味しそう!
鹿のサイコロステーキセットについて来るデザートは、バニラアイス、かぼちゃのプリン、ブルーベリークリームチーズ。盛り付けもとてもおしゃれです。
きさらさんはレストランだけではなく、キャンプ事業なども揖斐川の町を活性化する事業も積極的に推進しているそうです。
町の持つ良さを残しつつ、新しいことへ積極的にチャレンジしていく、地域でこういう牽引的存在は貴重ですね。
>>シャルキュトリーレストラン 里山きさらの公式サイトはこちら
縁舎 ENSHA Coffee, Books & Gallery
「お寺の中にカフェがあるって〜?」
ありました、実際。。。
なんか、お寺が経営している保育園のような雰囲気。
そうなのです。
このカフェは昔、お寺の保育園として使われていた築100年の舎をほぼそのまま利用したカフェだったのです。
カフェの名前は、縁舎 ENSHA Coffee, Books & Gallery。
園舎(えんしゃ)から縁舎(えんしゃ)へと、読み方の音を変えずに残されました。深い思いが感じられます。
お店の中はどんな感じなのでしょうか。
温かく居心地の良さそうな空気が流れています。
窓から見える風景はお寺の境内です。
天井から伸びているランプもとてもおしゃれで柔らかな光。
縁舎は水、金、土のみ営業。
カフェ営業だけでなく、ギャラリー、詩の朗読会、読書会、演奏会などが開かれているそうです。
カフェは、お寺の長男のお嫁さんが店主として日々切り盛りしています。お寺の跡継ぎであるご主人は、エチオピアが専門の文化人類学者で、店内にはこれまでに出版されたエッセイや詩集が並んでいます。
いったいなぜお寺の中にカフェを作ろうと思ったのか、店主に尋ねてみました。
「お寺にはさまざまな用事で人が集まってこられます。お寺で様々な学びの場作りをする中で、人が集うときにお茶があると会話が弾むことに気づきました。また、グリーフケアを学び、大切な人を亡くされたご遺族の方と出会う中で、ゆっくりとお茶を飲んで、亡き人を思い、亡き人のことを語れる場を作りたいとも思っていました。お寺にカフェがあったら、もっと沢山の人が気軽にお寺に足を運べるだろうなと。この古い園舎はきっと必ず素敵な空間になるという直感が結婚当初からあったので、コロナ禍で人の動きが止まった時、やるなら今だ、と決行しました。大工さんの力も借りましたが、多くは自分でコツコツと1年かけて内部を改装しました。」
店内には居心地の良いBGMが流れていました。
ご夫妻が出会われた土地であるエチオピアの雑貨やアートや人類学系の本も沢山置いてあります。
こういうカフェは若い女性客が多い傾向があると思いますが、ここは年齢層はやや高め、独りで訪れるお客さんも多いそうです。
カフェとは単に珈琲や紅茶を味わうだけでなく、そこで心地よい時を過ごす場です。
縁とはまさにお寺が存在する場。これはカフェの新しいカタチかもしれませんね。
では、こちらでいただいたものをご紹介しましょう。
スポンジはしっとりやわらか。クリームは独特のコクと深みがあって美味しかったです。
しっとりまろやかクリーミー。かぼちゃは住職が畑で育てたもの。
カフェで一番人気のキッシュ。里芋がこれほどキッシュにベストマッチングだとは思いませんでした。ねっとりまろやかな舌触り。絶妙の塩加減が秀逸でした。
ご住職は野菜作りもやられているそうです。
境内には採れたての野菜がどっさり。
青葉がとっても元気です。採れたばかりの新鮮な野菜を余すことなく使った食事がいただけます。
>>縁舎 ENSHA Coffee, Books & Galleryの公式サイトはこちら
揖斐川町グルメの魅力まとめ
日本昔話の世界に突如現れるスタイリッシュなヴィラ。焼きたてパンと旬の野菜、パッキパキのウインナーソーセージ。とてもしあわせな朝の時間を過ごすことができました。
害獣駆除ではなく、美味しい食材としての獣肉の活かし方、それは生産者さんとの距離が近い揖斐川町だからこそ実現できることなのでしょう。
お寺の中のカフェ。事業戦略としてではなく、人々が集い、語りあい、縁をつなぐ場を作りたいというご夫婦の思いから生まれた空間、それはこれからの地域創生の羅針盤になるのではないか、そう思いました。
揖斐川町のグルメはこれ!という誰かが作り上げたものではなく、それぞれが自分たちにできることで町を元気にしようとする姿勢から生まれたものです。そこにとても好感を持ちました。
今回の旅で感じたことは、岐阜県の人たちは、人当たりが柔らかく、「自分が自分が」とアピールする人は少ないように思います。控えめというかガツガツしていません。
岐阜県、特に南部西部は全国的に有名な観光地はありませんが、のんびりゆったり心が癒される魅力的な場所があちこちにありました。
大勢の人が押し寄せ、人の波にごった返し、疲れ切って帰途に就くというどこかの観光地とは対極にある場所です。
そこがここの良いところだと感じました。
あなたもぜひ揖斐川町にお出かけください。
きっと「あ〜ここ、また来たいな」と思うことでしょう。
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シンジーノ
- 3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。