【愛知】1300年の伝統漁法、木曽川で鵜飼遊覧を体験しよう

1300年以上前から日本で続く伝統的な漁法、鵜飼。現在は、全国11カ所でしかみることができない貴重な鵜飼を、今回は愛知県犬山市、木曽川で見学してきました。

目次

鵜飼とは?

鵜飼

そもそも鵜飼とは何か?鵜飼とは、1300年以上前から続く日本の伝統的な漁法のことで、飼いならした鵜を使って鮎などを捕っていきます。現在鵜飼を行っているのは、全国で11カ所のみ。夏の風物詩としても有名で5月~10月に行われることが多いようです。

日本の鵜飼で活躍しているのは、体が大きく、丈夫だと言われている「海鵜」。鵜飼を行う漁師、「鵜匠」が人間になつきやすい鵜を飼いならし、一心同体で漁を行っていくのです。鵜匠は船の上で篝火を焚き、その火に驚いた鮎などの魚たちを鵜が次々に丸飲みしていきます。何匹か魚を丸飲みした鵜は、鵜匠によって船の上に引き上げられ、そこで喉にためておいた魚を吐き出すことで漁がなりたっています。この漁が行えるのは鵜と鵜匠の絆があってこそ。10~12羽の鵜たちの性格を見極めながら、鵜匠が鵜を先導していきます。

ちなみにこの漁法で捕れた鮎などの魚は、鵜の食道を通る際に気絶してしまうため、傷がつかず鮮度が保たれるとのことで、昔から献上品として扱われてきました。現在でも長良川などでとれた鮎は、皇室に献上されたり、全国の神社に奉納されたりしています。

木曽川鵜飼遊覧を初体験

木曽川鵜飼遊覧

日本三大鵜飼と呼ばれる、岐阜県長良川愛媛県肱川大分県三隈川で行われる鵜飼もとても有名ですが、今回は愛知県犬山市木曽川で行われる鵜飼を見学してきました。2023年の木曽川鵜飼遊覧が行われた期間は6月1日~10月15日。夜鵜飼はもちろんのこと、木曽川では全国で唯一ここだけで行われている昼鵜飼も楽しむことができます。

1時間ほど遊覧と鵜飼を楽しんで、乗船料は大人1名3,000円。木曽川では、船上食事付プランもあるので、好きな時間帯、好みの形態を選べるのも魅力です。ちなみに私は2023年7月末の鵜飼見学を行うべく、約2ヶ月半前に下記サイトで予約をしました。土日はすぐにいっぱいになってしまうので、日程を決めたらすぐに予約をするのがおすすめです。

木曽川鵜飼・遊覧

いざ、乗船!

のぼり

今回は夜鵜飼プランを予約したので、19時に集合場所へ。集合場所にあるこののぼりが目印です。集合場所には待合室も完備。早めに着いてしまった方もゆっくり休むことができます。広めの駐車場もあるので、車で訪れた方にも安心です。

木曽川鵜飼遊覧

木曽川鵜飼遊覧では、遊覧船乗船の前に、鵜匠自ら鵜飼の見どころを紹介してくれます。鵜飼の歴史や鵜飼の行い方、鵜のプチ情報まで。とってもかわいい鵜とともに15分程の説明が入り、鵜飼の情報を頭に入れたところで乗船です。

木曽川鵜飼遊覧

19時には明るかった空が、15分であっという間に薄暗くなり、まずは木曽川遊覧のスタートです。木曽川の歴史や犬山市の情報を聞きながら、ライトアップされた犬山城を見ることができました。

ライトアップされた犬山城

15分程の木曽川遊覧を楽しんでいる間に辺りは真っ暗に。ここから、いよいよ鵜飼のスタートです。鵜舟には4名の鵜匠と12羽の鵜が乗り、その鵜舟をはさむように遊覧船が並走。

思っていた以上に近くで鵜飼が見られることにびっくり。篝火の熱気や鵜の水しぶきも感じられ、迫力満点でした。

鵜飼観覧

鵜飼観覧は20分程。一生懸命漁に取り組む鵜たちにお客さんから拍手喝采でした。鵜飼観覧の締めには、鵜匠による鵜飼のより詳しい説明がありました。どうやって鵜が鮎を飲みこみ、吐き出すのか、漁のあとの鵜の様子など実際に実演してくれる場面もあり、とても有意義な時間となりました。

木曽川鵜飼の特徴

木曽川鵜飼

木曽川鵜飼は、他の鵜飼と少し異なる特徴がいくつかあります。

1. 昼間に鵜飼観覧ができること

先程も述べましたが、木曽川鵜飼は夜間だけでなく、昼間にも鵜飼観覧が可能です。夜間の鵜飼はとても美しいですが、鵜や鵜匠の様子が少し分かりづらいのが難点。昼間は鵜の表情まで事細かくみられると人気なようです。

2.間近で鵜飼観覧が楽しめること

木曽川鵜飼は、他の鵜飼よりもかなり近くでみることができます。その理由は、遊覧船が鵜舟の真横を並走するためです。遊覧船のスピードもあり、他では味わえない、迫力満点の鵜飼が楽しめます。

3. 鵜匠が犬山市の職員であること

木曽川鵜飼最大の特徴は、鵜匠が皆犬山市の職員であるということです。他の地域の鵜匠は皆、宮内庁の職員、さらに世襲制なので、鵜匠になりたい人がなれるわけではないのに対し、木曽川の鵜匠は希望すればなれるチャンスがあるということ。そのため、格式よりも親しみやすさが売りとなっており、子どもからお年寄りまで楽しめるような工夫がされています。

鵜飼参加の注意点

鵜飼は基本的に夏季シーズンに行われますが、遊覧船は少しスピードが出るため、風がそこそこあります。夜だと少し肌寒く感じる人もいるかもしれないので、要注意。また、遊覧船は以外と水面ギリギリを走るので、少し汚れても良い服装、かつ動きやすい服装を心がけましょう。舟の乗り降りもありますので、履きなれた靴で行くのも忘れずに。

最後に

いかがでしたか。大迫力の鵜飼を間近で見られるのは、夏から秋にかけてのこの期間だけ。日本の伝統に触れられる、またとない機会ですので、ぜひ一度体験してみてください。きっと素晴らしい経験になるはずです。

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Maki

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