【オーストラリア】春を満喫!ようこそファーム体験ツアー!

私は西オーストラリア州南部のファームで暮らしていますが、春のファームは五感を使って楽しめるものがたくさんあります!

そんな私の日々のささやかな楽しみを、ファーム体験ツアーとして紹介します。

目次

私の住むファームについて

西オーストラリア州の州都パースから南東に約500km下ったところにある敷地面積800haのファームで暮らしています。

敷地面積800haのファーム

800haというのは東京ディズニーランド16個分に相当し、結構広いと驚かれることがありますが、穀物農家の多いこの地域では珍しくもなく普通サイズです。ただ、うちのファームは他とは違っているところがいくつかあります。

まず、穀物栽培をしていないぶん更地が少なく、手つかずの自然を多く残しているということ。また、周りが羊や牛を飼育するなかで、うちだけがヤギを飼育しているということ。そして、なんといっても巨大な湖があることが最大の特徴です。

巨大な湖

これらの特性によって、うちのファームならではの春の楽しみがたくさんあります。ファーム散策をするには、長袖長ズボン、スニーカー(汚れるので白ではないものが好ましい)、帽子は必須アイテムになります!

飼っている動物を散策

先に言っておきますが、動物の糞を避けて歩くことは不可能です。気にしないで付いてきてくださいね!うちのファームを代表する動物はやはりヤギ。現在約400匹います。

ヤギ

ヤギは原っぱの牧草を食べるというよりも、茂みの中で色んな種類の草を食べることを好むので、私たちのような自然の残るファームに適しています。そんなヤギたちにとって、春は出産シーズンでもあります。

ヤギ

あちこちから子ヤギの鳴き声が聞こえてとてもにぎやかです。子ヤギは英語でキッズ(kids)と言いますが、それは鳴き声が人間の子どもに似ているからなんだとか。本当に人間そっくりな声で鳴くので、たまにびっくりしてしまいます。

子ヤギ

母ヤギが子育て放棄をすることがたまにあるので、その子たちを1日3回(7,14,21時)ボトル授乳する必要があります。

ボトル授乳

授乳中には他の子が寄ってたかってきて大変なので、そのときはとりあえず指を吸わせてごまかしましょう。

指を吸わせる

また、ニワトリやカモ、ガチョウ、七面鳥も飼っています。

ニワトリやカモ、ガチョウ、七面鳥

ニワトリはアローカナという品種で、青っぽい殻の卵を産みます。冬の間は産卵が止まり、春になると産卵が開始されて、毎日新鮮な卵がたくさん採れます。

青っぽい殻の卵

カモは家庭菜園や果樹園の虫を食べてもらうために飼っていますが、この子たちも春になると産卵が始まります。今年は巣作りをしている様子は見られませんが、昨年の春はたくさんの雛が産まれました。

昨年の春はたくさんの雛が

ニワトリとカモに関しては卵を食べるために飼っていますが、ガチョウはファームのガードマンとして飼っています。

ガチョウはファームのガードマン

日本人には馴染みの薄いガチョウはただのアヒルの大きい版かと思われがちですが、ガチョウは鴈の仲間で番犬に等しいほどに獰猛な生き物です。危険を感じると両翼を広げて金切り声尾を上げて威嚇します。

ガチョウ

現在約40羽のガチョウがいますが、ファームの天敵であるキツネやヘビが出没したら威嚇して危険を知らせてくれる大切な存在なので、まったく人馴れをさせていません。そのため、うかつに近づかないように注意してくださいね。

ニワトリやカモが春から秋まで産卵するのに対し、ガチョウは冬から春にかけてのみが繁殖シーズンです。ファームのあちこちに巣を作っており、現在2つの巣から9羽の雛が孵りました。

雛

雛に近づこうものならば、翼で叩かれて噛みつかれもしますので、本当に気を付けてください!
最後に七面鳥ですが、飼っている理由は特にありません。私が一時帰国しているうちに、夫が引っ越す人の家から3羽もらってきていました。

七面鳥

特に繁殖予定もなくなんとなく飼っていましたが、2.5mの柵を飛び越えられるほどのジャンプ力があってよく脱走しては私の家庭菜園の野菜を食べて困っていました。ここ最近はメスが行方不明になっていましたが、先日雛9羽を連れて家庭菜園に戻ってきました!

七面鳥の親子

なんと、家庭菜園のラズベリー畑の中に巣を作っており、約1ヶ月間誰にも気づかれずに抱卵し続けて雛を孵したのです。

卵

ここまで動物を散策したら靴の裏は動物の糞だらけになりますが、草の上で擦りつけてきれいにしましょう。

家庭菜園・果樹園にて

夏には30種類ほどの野菜や果物が採れますが、春の家庭菜園はどちらかといえば植えることに忙しく、まだ成長段階のものも多くたいした収穫物はありません。

菜園

果樹園は開花シーズンなので、ちょっとしたお花見気分を味わえます。

桃の花
<ピーチの花、すなわち桃>

桜
<サクランボの花、すなわち桜>

ほとんどの果樹が夏収穫ですが、春に収穫期を迎えるのがマルベリー(桑の実)です。

マルベリー(桑の実)

30本ほど木があるので食べ放題!すぐに傷むので、摘んだらすぐに食べましょう。手が紫に染まりますが、そんなの気にしない♪

マルベリー

この紫は水で洗う前に、マルベリーの葉やまだ熟していない白い実を擦りつけるとけっこうきれいに落ちますよ。

ブッシュウォーク

ブッシュ(bush)とは茂みを意味する単語で、つまりブッシュウォークとはハイキングのことです。手つかずの自然が多く残るファームなので、個性豊かな植物や野生動物が多く見られます。

ブッシュウォーク

ブッシュウォークに行くときは長ズボンと靴の着用が必須です!というのも、草の生い茂っているところにはヘビが出ることがあります。うちのファームに出没するヘビはジューガイとタイガースネークという猛毒のものです。

蛇
<タイガースネークは腹が黄色いのが特徴>

特にタイガースネークに関しては、世界猛毒ランキングでも上位のものなので噛まれたら人間でも死に至ります。うちでは、毎年ヤギやニワトリが何匹か犠牲になっています。春は冬眠から目覚めたてでお腹も空いているでしょうし、毒も更に強いらしいので視界の悪い草むらには入らないように!

毒ヘビに気を付けながら自生の花であるワイルドフラワー散策を楽しみましょう。西オーストラリア州には約12,000種類のワイルドフラワーが存在し、私の住む南西部にはそのうちの半数が、そしてそのうちの80%は世界でもここにしか咲いていない固有種なのです。そこら辺に色んな形をしたワイルドフラワーが見られます。見れば見るほど面白い形をしており、興味がそそられますよ。

ワイルドフラワー

ワイルドフラワー

ワイルドフラワー

耳を澄ますと、蜂の音が聞こえてきますね~
蜂にとってもワイルドフラワーの開花はうれしいのです。木の中に巣を作っている様子も見られます。

ハチの巣

蜂に寄ってこられると慌てて手で払う人がいますが、蜂は人間の恐怖心を感じとって攻撃してくるので、冷静を保ってください。そうすれば、どこかへ行ってくれますよ。茂みからヘビのしっぽが見えたかと思ってびっくりしたら、実は体長70cmほどあるオオトカゲでした!

オオトカゲ

他にも青い舌を持つアオジタトカゲやずんぐりむっくりしたボブテールトカゲ、エミューやカンガルーの親子に遭遇する可能性もあるので、よく観察しながら歩きましょう。

エミュー

自給自足のティータイム

オーストラリアでは学校でも職場でもティータイム休憩が欠かせません。ということで、ブッシュウォークのあとはちょっと休憩。今回は、昨秋に採れたカボチャと自家産のハチミツと卵を使ったパンプキンスコーンをご用意しました。

昨秋に採れたカボチャと自家産のハチミツと卵を使ったパンプキンスコーン

材料はカボチャと小麦粉、バター、小麦粉、ハチミツ、ベーキングパウダーだけです。

湖にてカヤック・SUP体験

腹ごしらえをしたところで、最後に湖でカヤックを楽しみましょう。

カヤック

この湖の水は全て雨水です。このエリア一帯で一番の低地になっているので、大雨が降るとその水が流れこんで溜まってできたものです。つまり、雨が降らないと水がないということになりますが、表面積は約40haで中央部分は水深3mあるため、そうそう空になることはありません。

夫はこのファームに30年住んでいますが、空になったのは過去3回だそうです。直近だと2019年に百年に一度の大干ばつにあい、そのときには完全に空になりました。

2019年に百年に一度の大干ばつ
<空になった湖>

目の当たりにしたときは信じられませんでしたが、翌年からの大雨で今ではここまで回復しました。湖には魚はいませんが、首の長いカメやヤビーと呼ばれるザリガニがいます。

ザリガニ

また多くの水鳥も生息しており、春から夏にかけては野生のカモの雛が親子そろって泳いでいる姿なんかも見られますよ。

野生のカモの

カヤックだけでなく、SUP(スタンドアップパドルボード)もあるので、こちらも挑戦してみてくださいね。

SUP(スタンドアップパドルボード)

まとめ

こんな感じで春のファームは色鮮やかでにぎやかで、新鮮な食べ物も採れはじめ、毎日が楽しく忙しくもあります。

私はこれから家庭菜園の手入れと子ヤギの授乳があるので、これにて失礼しますね!

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西オーストラリア州南部のド田舎でヤギとアルパカの世話をしながら建築業を営む兼業農家。都会のオシャレな情報よりも、僻地のクセある情報に強いです!

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