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【インド】奇想天外!?ローカルインド人から聞いた謎理論で異文化を感じよう
世界で一番手っ取り早く異文化を感じられる国ともいえるインド。
- 「ガンジス川に死体を流し、その横で洗濯や歯磨きをする」
- 「毎食カレー(か、カレー味のもの)を食べる」
など、有名な異文化エピソードが尽きませんが、宗教的な風習や土着の文化を「謎理論」とまとめてしまうのは野暮というものです。ですが、インドに5年住んでいると「宗教的にも文化的にも、どう考えても筋が通ってない」という謎理論に出会うことがたびたびあります。
今回は、地元の人たちから聞いたインドの謎理論・おもしろ理論をまとめてみました。これらを知るとインドのミステリアスさがさらに深まるかもしません!(すべて、個人的な体験に基づきます。すべてが全インド人の意見を代表するものではないこと、ご了承くださいませ。)
目次
- モンスーンの時期は魚がうまくなる
- ターメリックとヨガは万能の治療法
- マンゴーは一晩水に浸けてから食べるべし
- 革製のサンダルを履くと目がよくなる
- ミルク・砂糖なしの紅茶を飲むと肌がきれいになる
- 逆流性食道炎には炭酸水がよい
- 赤い顔のサルは凶暴、黒い顔のサルは神様の遣い
- 飲酒は絶対悪、ストレス解消はマッサージで
- はさみは手渡しをしてはダメ
- 朝ごはんの前にシャワーを浴びるのはダメ
- インド謎理論・おもしろ理論から感じる世界観の違いを楽しんで!
モンスーンの時期は魚がうまくなる
南インドのビーチリゾート・ゴアはインドで一番海鮮がおいしい場所といっても過言ではありません。ピークシーズンはとても混むため、閑散期であるモンスーン(雨期)に訪れた時、レストランの店員に教えてもらいました。
「モンスーンの時期は真水が海に増えるから、魚が新鮮で味がよくなる。乾期よりも魚がずっとおいしい」
私には「海に真水が増えると魚の味がよくなる」の理論がどうしてもつながらず...。「モンスーンで海が荒れるから、魚の運動量が増えて身が締まる」ならわかるのですが。
「モンスーンの時期は水の味がよくなる」という理論もよく聞きます。
ターメリックとヨガは万能の治療法
<引用:Nadia>
ありとあらゆる不調をターメリックとヨガで治そうとするインド人に何人も出会いました。確かにターメリックには殺菌効果があります。しかし、消毒液や絆創膏などがあっても切り傷にはターメリックパウダーをふりかけ、喉が痛いとターメリックミルクを飲むのは、西洋医学に親しんだ自分にとっては不思議な光景です。
同じく、ヨガも万能として扱われます。友人がインドの診療内科にかかったところ「対処としてヨガを毎日すること」と言われ、処方箋に「毎日1時間のヨガ」が書かれていました。
また、ヨガのクラスでは先生が生徒に「どこか痛いところはない?」と聞きます。痛みのある場所に配慮したり、痛みのあるところに効くポーズを取り入れるためなのですが、ある時「歯が痛い」と答えている人がいました。さすがに先生も、「ヨガで歯は治らない」と苦笑いしていました...。
マンゴーは一晩水に浸けてから食べるべし
<引用:News18>
輸出量世界No.1のマンゴー大国インド。6月〜8月はマンゴーの季節で、マンゴーがずらっと屋台にもスーパーにも並びます。そんなマンゴーは熱を持っているそうで、そのまま食べると体温が上がってしまうそうです。そのため「マンゴーは一晩冷蔵庫の中で水に浸けてから食べないといけない」と教えてもらいました。
「マンゴーは体を冷やす果物」という記述が日本語では見られるので、「熱を持っている」という主張の真偽は謎です。ですが、マンゴーは農薬がたくさん使われているそうなので、もしかしたら農薬を体内に入れないためにはじまった風習かもしれないと感じています。
革製のサンダルを履くと目がよくなる
<引用:Fabindia>
インド人の謎理論の中でも、1、2を争う謎具合です。街で見るインド人男性の3〜5割くらいが革製のサンダルを履いています。革製のサンダルを履いているおじさんに、「これを履くと目がよくなって、夜でも遠くまでものが見やすくなる」と力説されました。
私も履いてみたのですが、視力の差は実感できませんでした...。
ミルク・砂糖なしの紅茶を飲むと肌がきれいになる
これは、インドの紅茶土地ダージリンに行った時、紅茶屋さんの店員に聞いたことです。ダージリンにはアジア系の私たち日本人のような顔つきの人と、いわゆるインド人の顔つきの人が一緒に暮らしています。「ローカル(アジア系)の人たちは、自分たち(インド系)と違って紅茶にミルクも砂糖も入れない。だから肌が白くてツルツルしている」
そう言われ、紅茶をすすめられました。うーーん関係ない気がします...。
逆流性食道炎には炭酸水がよい
インド人は油っこい食事が大好きです。インド人のメイドさんに料理を頼むと、5lの油が2ヶ月でなくなるほど油を使います。しかもインド人は晩ごはんの時間が遅く、9時以降、中には12時以降に晩ごはんを食べ始める人もいます。そして満腹になった眠気を利用して寝るせいで、逆流性食道炎に悩まされる人が絶えないそうです。
そして、逆流性食道炎には無糖の炭酸水がよいらしいです。家でレモンと砂糖を入れて飲むためによく炭酸水を買うのですが、「お前も逆流性食道炎か?」と聞かれることが多々あります。朝起きて炭酸水を飲むと、胃液やガスが落ち着くと言っていました。
赤い顔のサルは凶暴、黒い顔のサルは神様の遣い
<引用:Zee News>
インドでは街中でも山でもサルがいて、よく悪さをしています。おもしろいのが、顔の色でサルの扱いが変わることです。
ニホンザルのような赤い顔のサルは「凶悪、凶暴、絶対近づくな」と言われるのですが、顔の黒いサルは「優しいのでビスケットをあげろ、握手してもいいぞ」と言われました。
私からすると両方怖いのですが...。
黒いサルはハヌマンラングーンと呼ばれます。「ハヌマーン」というヒンドゥー教の神様の名前が入っていることからもわかるように、特にヒンドゥー教徒から手厚く保護されています。
ハヌマンラングーンは赤い顔のサル(アカゲザル)の敵だそうで、赤い顔のサルは害獣として人に悪さをすることが多いようです。敵(赤いサル)の敵(黒いサル)は味方ということで、この理論は謎というよりも、理にかなったものかもしれません。
飲酒は絶対悪、ストレス解消はマッサージで
日本ではお酒で仲を深めますが、インドでは飲酒は悪い習慣として見なされることがよくあります。特に信心深い人、年配の人、田舎出身の人にその傾向が見られます。
ある日、近所の人と出会い「今日は疲れたからこの後ビールを買いに行く」と言うと驚かれ、「そんな悪い習慣今すぐやめろ、マッサージにしておけ!」と言われました。飲酒への捉え方がまったく日本とは異なることに異文化を感じました。
と言っても都会ではパブやバーが週末には満席になり、飲酒や喫煙を楽しむ女性もたくさんいます。
はさみは手渡しをしてはダメ
これは風習的なものでしょうか、日本で「夜に爪を切るな」と言うことと似ている気がします。インドでははさみを手渡しするとその人との縁が切れてしまうと信じられているため、「はさみは手渡しせずに一度置いてから渡す」と教えてもらいました。
でもお店などでは気にせずはさみを手渡ししてくる人もいました。
朝ごはんの前にシャワーを浴びるのはダメ
インドでは朝にシャワーを浴びる人が多数派です。あるインド人の友人は「朝ごはんの前にシャワーを浴びてはいけない。体が冷えるから。食べる前に体を冷やすとよくない」と、朝ごはん前のシャワーを頑なに拒んでいました。
消化が悪くなるのでしょうか?水でシャワーを浴びる人たちもたくさんいるので、その影響かもしれません。家にシャワーがない人たちも一定数いるのですが、バケツにお湯を張って体を洗う人、ホースで水シャワーする人、山間部なら湧水を浴びる人、など生活スタイルによりさまざまです。
インド謎理論・おもしろ理論から感じる世界観の違いを楽しんで!
上記は、私が聞いたインド謎理論・おもしろ理論のほんの一部でしかありません。宗教的な風習も入れると、数え切れないくらいさまざまな理論や習慣があります。私としては論理的に???となるものが多いのですが、彼らの生活や世界観を理解する上で彼らの理論を受け入れ、学ぶことはとても大切だと感じています。
インド旅行時、インド人から謎理論を聞いてもその論理を問い詰めるのではなく、おもしろいな〜と耳を傾けてみてください。異文化を肌で体感できることと思います!
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やまもと
- インドのバンガロール・ムンバイの2拠点で活動している翻訳者・ライターです。インドの野良犬とヨガが大好きです!