【ポルトガル】一度は訪れてみたい!ポルトガルのワイン産地、ヴィーニョ・ヴェルデのワイナリー巡りでお気に入りのワインを見つけよう

<TOP画像:ポルトガルの最北端、メルガッソにあるワイナリー「ソアレェイロ」で働くジョアンさん。ワイン造りの情熱を直に聞けるのもワイナリー巡りの醍醐味>

日本でも人気が高まっているポルトガルのワイン、ヴィーニョ・ヴェルデ。フレッシュで微発泡な白ワインというイメージがありますが、実は種類はさまざま。現地では個性豊かなワイン造りが行われています。そこで今回は、ヴィーニョ・ヴェルデとポルトガルグルメを楽しむワイナリー巡りに出かけました。

今注目のワイナリーを、2回に分けてご紹介します。

前回の記事:【ポルトガル】ヴィーニョ・ヴェルデの個性派ワイナリー巡り。ポルトの人気レストランとスーパー事情もご紹介!

目次

そもそもヴィーニョ・ヴェルデって何?

ポルトガル第二の都市、ポルト。
<ポルトガル第二の都市、ポルト。ヴィーニョ・ヴェルデはもちろん、ポートワインの産地としても有名。ドウロ川の対岸はヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア市>

ヴィーニョ・ヴェルデとは、ポルトガル北部ミーニョ地方で造られるワインの原産地呼称のひとつ。ヴィーニョ・ヴェルデとはポルトガル語で「緑のワイン」を意味していますがこれは、ワインの色を指すのではなく降水量が多く水に恵まれ豊かな森に囲まれている、緑豊かな風景に由来していると言われています。

ポルトガルには14のD.O.P. (Denominação de Origem Protegida/保護指定原産地呼称ワイン)があり、ヴィーニョ・ヴェルデはポルトガルのスティルワインのD.O.P.の中で最大規模。9つのサブリージョン(小地区)に分かれており、各地域に適したブドウを栽培しています。

ヴィーニョ・ヴェルデのMAP
<ヴィーニョ・ヴェルデには9つのサブリージョン(小地区)がある>

世界一飲まれているヴィーニョ・ヴェルデ「カザル・ガルシア」の圧巻ワイナリー「アヴェレーダ」

美しいブドウ畑が広がる「アヴェレーダ」のワイナリー
<美しいブドウ畑が広がる「アヴェレーダ」のワイナリー>

「カザル・ガルシア」は、世界一飲まれていれるヴィーニョ・ヴェルデ。日本のスーパーでも見かけることが多い1本です。

そんな「カザル・ガルシア」を手掛ける「アヴェレーダ(Aveleda)」は、ヴィーニョ・ヴェルデで最大規模を誇るワイナリー。ポルトガルの第二の都市ポルトから約40kmの場所にあり、アクセスも良好です。テイスティングルームでワインの飲み比べを楽しんだら、テラスに移動してワインランチ。食事と合わせることで、ワインがさらに美味しく感じました。

テイスティング
<アルヴァリーニョ、ロウレイロ、アルヴァリーニョとロウレイロのミックスなど、4種のワインをテイスティング。一番右のボトルが「カザル・ガルシア」>

絶景を眺めながらの食事は最高!

絶景を眺めながらの食事は最高!
<絶景を眺めながらの食事は最高!バカリャウなどのポルトガル料理とヴィーニョ・ヴェルデのペアリングを楽しみました>

ワインボトルのラベルにも描かれている建物
<ワインボトルのラベルにも描かれている建物>

樽が並ぶセラー
<樽が並ぶセラーでは、グレゴリオ聖歌が流れています>

1870年に創設され、ゲデス家によって運営されているワイナリーは、見事な庭園も必見!庭園にはさまざまな花が咲き誇り、山羊がいたり、野生の孔雀が歩き回ったりと、見どころも満載です。

紫陽花
<季節の花々が咲き誇る庭園。6月は紫陽花が見頃を迎えていた>

まるで絵本の中の世界
<歴史を感じる建物が至るところに点在していて、まるで絵本の中の世界>

ワインテイスティングやランチタパス、ピクニックなど、さまざまなアクティビティが用意されているので、ゆっくり時間を確保して訪れるのがおすすめです。

>>アヴェレーダ(Aveleda)の公式サイトはこちら

ビオディナミワインの先駆者「アフロス・ワイン」のこだわりワインを飲んで心も体も癒やされる

ワインメーカーのミゲルさん
<自然の摂理に沿ってのワイン造りはとてもチャレンジングなものと言うワインメーカーのミゲルさん>

ビオディナミとは、バイオダイナミックとも言われるワイン造りのこと。ドイツの思想家ルドルフ・シュタイナー氏が提唱した「土壌が本来持つエネルギーと自然界に存在する力で農作物の生命力を高める」という考え方に基づいたバイオダイナミック農法で造られています。

ステンレスやコンクリートエッグ、壺など、ワインによって使い分ける
<ステンレスやコンクリートエッグ、壺など、ワインによって使い分ける>

ヴィーニョ・ヴェルデで初めてビオディナミワインを手掛けたのが「アフロス・ワイン(APHROS WINE)」のヴァスコ・クロフトさん。同社のワインはフランスのBiodyvinとEU加盟国のEuro Leafの認証を受けています。

バイオダイナミック農法とは、有機栽培に加え月の満ち欠けなど天体の動きに合わせて作物を育てることで自然本来の潜在能力を引き出す農法のこと。通常のワイン造りに比べて手間もコストもかかり、ブドウの栽培が難しいためヴィーニョ・ヴェルデでビオディナミワインを手掛けるワイナリーはまだ少数です。

地元のアーティストを招いての音楽会なども開かれる
<地元のアーティストを招いての音楽会なども開かれる>

クロフトさんがオーガニックガーデンで採れた食材を使った手料理を振る舞ってくれました
<クロフトさんがオーガニックガーデンで採れた食材を使った手料理を振る舞ってくれました>

ワインや食材が食卓に上がるまでのストーリーを聞くことで、食事がさらに美味しく感じられました
<ワインや食材が食卓に上がるまでのストーリーを聞くことで、食事がさらに美味しく感じられました>

ロゼや赤など、さまざまなワインを堪能!
<ロゼや赤など、さまざまなワインを堪能!>

この日は幸運にもクロフトさんの手作りディナーをいただくことに。食卓に並ぶ食材もバイオダイナミック農法で育てられたものです。

クロフトさんの「人も食べ物も同じ。ワインからエナジーを受け取って欲しい」との言葉に、ワイン造りに対する哲学を感じました。今後はバイオダイナミック農法を伝える場所としても充実させていく予定とのことで、これからも目が離せません。

>>アフロス・ワイン(APHROS WINE)の公式サイトはこちら

今注目のブドウ品種アルヴァリーニョを最初に植えた「ソアレェイロ」で年代物のヴィーニョ・ヴェルデを堪能

ブドウ品種アルヴァリーニョ
<注目を集めるブドウ品種アルヴァリーニョ>

ボルドーで2021年以降に新たに植えられる品種としても選ばれ、今注目を集めているブドウ品種、アルヴァリーニョ。

1974年にジョアン・アントニオ・セルデイラ氏が最初のアルヴァリーニョを畑に植え、1982年に「ソアリェイロ(Soalheiro)」を設立しました。

「ソアリェイロ」とは、ポルトガル語で「日なた」の意味。ポルトガル最北端メルガッソの山脈に囲まれた場所に位置し、アルヴァリーニョ種の熟成に必要な雨量、気候、日照量などを満たしたマイクロクライメイト(微小気候)に恵まれています。

エリアによって土壌が全く異なる
<エリアによって土壌が全く異なる>

「ソアリェイロ」は地域での持続可能なワイン造りをコンセプトに掲げており、現在約150軒の農家がワイン造りに参加。また、同じ志を持つ多くのメンバーがワイン造りに情熱を捧げています。

建物の外壁には「CONTINUAR」の文字が。この地域での持続可能なワイン造りが会社の理念
<建物の外壁には「CONTINUAR」の文字が。この地域での持続可能なワイン造りが会社の理念>

ワインのさらなる品質向上のため、さまざまな設備を完備

ワインのさらなる品質向上のため、さまざまな設備を完備
<ワインのさらなる品質向上のため、さまざまな設備を完備>

建物内はテイスティングルームも充実

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<建物内はテイスティングルームも充実>

建物の最上階にあるテラスからは、周りの景色が一望。メルガッソの山々に囲まれている地形がよくわかります。

最上階のテラスからは、メルガッソの山々が見渡せる

最上階のテラスからは、メルガッソの山々が見渡せる
<最上階のテラスからは、メルガッソの山々が見渡せる>

ワインのテイスティングランチではさまざまなワインとローカルフードを堪能。2013年もののアルヴァリーニョを飲んで、ヴィーニョ・ヴェルデはフレッシュなワインという概念が覆りました。

さまざまなワインをテイスティング
<さまざまなワインをテイスティング>

特別に開けてもらった2013年と2021年のアルヴァリーニョ
<特別に開けてもらった2013年と2021年のアルヴァリーニョ>

サラミは自社で作ったもの。併設のショップで購入できる

サラミは自社で作ったもの。併設のショップで購入できる
<サラミは自社で作ったもの。併設のショップで購入できる>

アルヴァリーニョが1974年に植えられてから約50年。最初は車のガレージから始まったワイン造りは、今では世界的に定評のあるワイナリーにまで発展しました。

現在は2代目のアントニオ・ルイス・セルデイラさんが当主として、持続可能なワイン造りにチームで取り組んでいるところですが、このスピード感に驚かされました。

多くの才能を持った人たちがチームとして参加しているのがこのワイナリーの強み。ここからどんどん美味しいワインが誕生するのも納得です。

>>ソアリェイロ(Soalheiro)の公式サイトはこちら

お気に入りのヴィーニョ・ヴェルデを見つけたら、インポーターをチェックしよう

名物のサーディンとヴィーニョ・ヴェルデ
<ポルト市内のレストランでは、名物のサーディンとヴィーニョ・ヴェルデをいただきました>

今回のワイナリーツアーで訪れたワイナリーは、すべてが日本への輸出も行っていました。

もちろん、ワイナリーでワインを購入するのが一番リーズナブルなのですが、日本に何本もワインを持ち帰るのは困難。そこで、気に入ったワインを見つけたら、日本のインポーターを教えてもいましょう。

帰国後に近くの店舗で見つけられなくても、インポーターのWEBサイトから購入することができますよ。

取材協力: vinho verde

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美濃羽佐智子

出版社勤務を経てフリーランスとなり、2011年から3年間をタイのバンコクで暮らす。エディター・ライターユニットTom☆Yamのメンバー。共著に『タイ行ったらこれ食べよう!』(誠文堂新光社)ほか。

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