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【四季と宿をめぐる旅】長野県〜ピーポロ乗鞍と乗鞍山上の紅葉〜
11月を過ぎてから本格的に見頃になる紅葉ですが、実は早いところでは9月に最盛期を迎えるのはご存知でしょうか。その場所とは、標高が2,500mほどとなる山の上。
中でも有名なスポットが、北アルプス「乗鞍岳(のりくらだけ、標高3,026m)」です。そこで今回は乗鞍岳の紅葉鑑賞と合わせて泊まりたい、乗鞍高原のお宿「ピーポロ乗鞍」をご紹介したいと思います。
目次
9月から始まる乗鞍岳の紅葉
日本で一番早く紅葉を迎える山域として知られる北海道・大雪山系。およそ9月上旬から中旬にかけて最盛期を迎えます。この後、本州の日本アルプスや御嶽山、白山といった標高2,000m後半〜3,000m級の山々が色づいていきます。
いずれの山もアクセスが大変だったり、登山をする必要性があったりと、中々手軽に見に行きにくいですが、その中で比較的行きやすいのが今回ご紹介する「乗鞍岳」です。
乗鞍高原から畳平までバスが出ており、そこから少し歩くだけで乗鞍山上の紅葉を楽しむことができます。
オレンジに色づくダケカンバや、赤いナナカマドが緑のハイマツの中で、パッチワークを織りなします。
天気が良ければ、北アルプス穂高連峰を背景に大スケールの紅葉の山肌を鑑賞できますよ。一度鑑賞したら忘れられない感動的な山岳紅葉です。
ピーポロ乗鞍へ前泊
山は午前中の方が天気が良いことが多く、紅葉シーズンにはバスは大変混み合います。そのため乗鞍高原に前泊をして、翌日の早朝行動に備えるのがオススメです。
乗鞍高原にはたくさんの旅館がありますが、筆者イチオシは「ピーポロ乗鞍」。レトロな山小屋の風情が感じられるお宿で、温泉もお食事も素晴らしく、1泊2食付き約12,000円/人〜とコストパフォーマンスも抜群です。
チェックインすると、まず迎えてくれるのは先代オーナーが作り上げたというロビー。コーヒーカウンターもあり、200円で自分好みのコーヒーを淹れることができますよ。
暖炉が置かれているのは、1年を通じて乗鞍高原が涼しい証拠。日中は涼しく、暑さは全く感じられません。
客室は、畳6畳ほどのこじんまりとした和室。窓の外に宿を取り囲む鮮やかな樹林の風景が広がります。天気が良ければ乗鞍岳を眺められることも。
華やかさはありませんが、秘境らしい素朴なお部屋に癒されますね。
乗鞍高原の自然を味わえる露天風呂
ピーポロ乗鞍に宿泊する醍醐味といえるのが、源泉掛け流しの露天風呂です。東北の総ヒバ作りを思わせる空間で、深緑の窓を眺めながら入浴することができます。
川のせせらぎや鳥のさえずりといった心地良いBGMに耳を傾け、思わずお湯に浸かりながらうたた寝をしてしまいそうです。
化粧水のように肌に染み入っていくような泉質やお湯に香る硫黄の匂い。水面には、周囲の木々が水鏡となって反射し、キラキラと輝きます。
1つの浴槽のなかで乗鞍高原のメルヘンチックな自然を楽しめるのが、このお風呂の最大の魅力と言えるでしょう。
山の恵みが詰まったお料理に舌鼓
温泉とともにもう1つの魅力が、山の幸が詰まったボリューム抜群の夕食。乗鞍高原周辺で採れた野菜や山菜を中心として、バリエーション豊かな内容になっています。
どれもご飯に合うものばかりなので、夕食前にはたっぷりお腹を空かしておくのがおすすめです。
とても嬉しかったのは、お肉とお魚それぞれ2品ずつ提供していただいたこと。信州牛の陶板焼きに馬刺し、岩魚の唐揚げに鮎の塩焼きなど、どこから手をつけようか悩んでしまう豪華さとなっています。
程よい塩加減で焼いた鮎はホカホカのうちに。そのままでも美味ですが、身をほぐしてご飯と混ぜた鮎ご飯も美味しいです。
イチオシはリピーターさんにも好評のコーンスープ。ひと口すすると、素朴な甘さが口いっぱいに広がります。身体だけでなく、何だか心まで温まる優しい味わいです。
いかがでしたでしょうか。9月下旬~10月上旬にかけて乗鞍山上の紅葉を鑑賞するなら、ぜひ乗鞍高原の旅館で1泊するのがおすすめです。翌日しっかりと行動できるだけではなく、満足度の高い旅行を楽しめますよ。
ピーポロ乗鞍
- 住所:長野県松本市安曇4306
- TEL : 0263-93-2728
- 予算:1泊2食付き約12,000円/人〜
- 公式サイト:ピーポロ乗鞍
- 公式SNS:X(旧:Twitter)
四季と宿をめぐる旅シリーズ
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土庄雄平
- 1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍ら、自転車旅&登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。春は桜を愛でながらサイクリング、夏は冷涼な北日本へ自転車で大冒険、秋は秘境の紅葉を求めて山登り、冬は輝く樹氷と白銀の世界に魅了される。そんな自然の中へ身を投じる旅がルーティーン。