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屋久島のベストシーズンは何月? 雨の少ない月や目的別の選び方など
世界自然遺産にも登録されている鹿児島県の離島、屋久島。屋久杉をはじめとした多くの樹木に覆われた神秘的な自然の風景は、ジブリ映画『もののけ姫』を彷彿ともさせ、一度は見たいと思っている人も多いのではないでしょうか。
「せっかく屋久島まで足を運ぶなら、ベストシーズンを選びたい」と考える人も多いはず。屋久島のベストシーズンは旅の目的や優先順位によって変わってきます。そこで、「気温、天気を元にしたベストシーズン」「縄文杉トレッキングを楽しむ場合のベストシーズン」など、パターンごとのベストシーズンをご紹介します。
目次
<3. 縄文杉トレッキングを楽しむ場合の屋久島ベストシーズン>
<5. ウミガメの産卵を観察したい場合の屋久島ベストシーズン>
<8. お祭りやイベントに参加したい場合の屋久島ベストシーズン>
1. 気温、天気を元にした屋久島のベストシーズン
屋久島の自然に囲まれてアウトドアを思いっきり楽しむなら、気候の良い時期を選びたいものですよね。屋久島の気候の特徴として、雨が多いこと、日差しが強いこと、年間の気温差が比較的小さいことなどが挙げられます。気温や天気の面から屋久島旅行にぴったりなのはどのシーズンなのでしょうか。
一般的に、屋久島旅行のベストシーズンは5月と7月~10月だといわれていますが、屋久島で何を楽しみたいかによってベストシーズンは変わります。有名な縄文杉トレッキングは3月~11月頃まで楽しめますが、より快適に楽しむなら涼しい春と秋がおすすめです。一方、海水浴やダイビングなど海のレジャーを楽しむなら7~9月がベストシーズンになります。
屋久島のベストシーズンは、旅の目的に応じて人それぞれ。以下で春夏秋冬それぞれの特徴を押さえて、旅の目的に合ったシーズンを選んでください。
春(3月~5月)
<出典元:写真AC>
3月に入ると、次第に山から雪がなくなりはじめ、トレッキングや登山を楽しむ人が増え始めます。春とはいえ、3月はまだ山では冬のような寒さなので、服装選びには注意してください。
4月と5月の梅雨入りまではトレッキングや登山のベストシーズン。4月は長雨が多いものの、5月になると晴れの日も増えてきます。
3月下旬〜4月上旬には、白谷雲水峡(しらたにうんすいきょう)の太鼓岩からヤマザクラが楽しめ、3月~5月には、屋久島の森の美しい新緑が堪能できます。
- 春の屋久島の平均気温/14.6~21.0℃
- 春の屋久島の平均降水量/387.0~444.1mm
※気象庁の平年値による平均気温、月降水量を参照(他季節も同)
夏(6月~8月)
<出典元:写真AC>
梅雨入りの時期は年によって異なりますが、例年5月下旬または6月上旬に梅雨入りし、7月上旬~中旬頃に梅雨明けを迎えます。6月は1カ月間まるまる梅雨にあたるため、アウトドアを満喫するには不向きといえるでしょう。
梅雨明けから9月頃までは、海や川のレジャーにぴったりの時期。7月中旬頃に海開きがされ、一湊海水浴場(いっそうかいすいよくじょう)などでは海水浴やシュノーケリングなどが楽しめます。
7月中旬~8月は1年の中でも比較的雨が少なく、年間で最も多くの観光客が訪れるタイミングでもあります。ただし、7月~9月は台風が多い時期でもあり、台風に遭遇してしまうと一気に荒天になるリスクもあります。夏に屋久島を訪れる場合は、台風の動向を注視しておきましょう。
- 夏の屋久島の平均気温/23.7~27.5℃
- 夏の屋久島の平均降水量/256.5~860.3mm
秋(9月~11月)
<出典元:写真AC>
9月後半~11月中旬もトレッキングや登山にぴったりの季節。連休を外せば比較的静かなので、落ち着いてトレッキングなどを楽しみたい人にはぴったりのシーズンかもしれません。ただし、10月を過ぎると山でのトレッキングは防寒を意識した服装が必要になり、11月下旬になると山では積雪の可能性が出てきます。
10月下旬~11月上旬にかけては紅葉が見頃を迎えるので、屋久島でもみじ狩りを楽しむのもいいですね。
- 秋の屋久島の平均気温/18.2~25.7℃
- 秋の屋久島の平均降水量/309.6~450.7mm
冬(12月~2月)
<出典元:写真AC>
12~2月の冬は屋久島観光のオフシーズンにあたるため、静かに過ごせるのが魅力。1月は年間で最も寒く、12月と2月は降水量が比較的少なくなります。
冬でも温暖な屋久島ですが、山岳部は例外で、九州最高峰の宮之浦岳山頂の年間平均気温は札幌と同程度。山岳部では積雪もあり、宮之浦岳のような高山では雪が解けないため、雪山経験者でないと登山は難しいでしょう。
縄文杉や白谷雲水峡などは冬でもトレッキングが可能ですが、寒波がきて積雪があると低山でも入山できなくなってしまう可能性があります。
- 冬の屋久島の平均気温/11.8~13.9℃
- 冬の屋久島の平均降水量/281.8~289.2mm
2. 安く行きたい場合の屋久島ベストシーズン
「少しでも安く屋久島に行きたい」という場合は、どの時期を選べばいいのでしょうか。屋久島旅行の費用が安くなるのは、梅雨にあたる6月と、年末年始を除く冬の12月~2月です。この時期は、航空券や宿泊費などが安くなるだけでなく、観光客が少ないため、のんびり過ごせるというメリットもあります。
一方、屋久島への交通手段が欠航する可能性は年間を通してありますが、6月と12月~2月は特に荒天による欠航の可能性が高まる時期。この時期に屋久島に行くなら、欠航や条件付き運航が発生した際に、旅行代金の払い戻しが受けられるツアーを利用するなど、リスクヘッジを考えておくといいでしょう。
梅雨と冬の時期であっても、毎日ずっと雨が降るというわけではないので、運よくお天気に恵まれれば人の少ない屋久島を安く満喫することができますよ。
屋久島一口メモ
まるで物語の世界に迷いこんだかのような神秘的な森に、エメラルドブルーの海。季節ごとにさまざまな表情を見せてくれる屋久島は、日本人なら一度は訪れてみたいものですよね。
屋久島へのアクセスは、飛行機を利用する方法と、鹿児島港から高速船またはフェリーを利用する方法があります。遠方からは飛行機を利用したほうが効率的。羽田空港から屋久島空港までは、鹿児島空港での乗り継ぎ時間を含めて3時間程度の道のりです。大阪伊丹空港、福岡空港からは屋久島への直行便も運航しています。
屋久島に行くならツアーの利用が便利で、ツアー日程は2泊3日と3泊4日が一般的。縄文杉トレッキングは歩くだけでも10時間ほどかかるので、縄文杉トレッキングがお目当てなら3泊以上の日程がおすすめです。鹿児島市内の観光と組み合わせたツアーやトレッキングツアーつきのツアーなど、さまざまなツアーがあるので、ぜひご自身に合ったツアーを見つけてください。
<時間と費用>(目安)
- 飛行時間:約3時間(羽田~屋久島)※乗り継ぎ時間含む
- 旅行日数:3~4日間
- ツアー費用:約90,000円~約290,000円
3. 縄文杉トレッキングを楽しむ場合の屋久島ベストシーズン
<出典元:写真AC>
確認されている中で最大級の屋久杉といわれる、縄文杉。屋久島の代名詞といっても過言ではないだけに、縄文杉トレッキングを屋久島観光のメインイベントと考えている人も多いのではないでしょうか。
屋久島でのトレッキングは積雪がなければオールシーズン可能ですが、縄文杉トレッキングに特におすすめの時期は、4月と5月の梅雨入りまでと、9月後半~11月中旬ごろまで。この時期は寒すぎず、暑すぎない、過ごしやすい気候であることに加えて、荒天のリスクも比較的低いため、トレッキングにはぴったりの時期なのです。
縄文杉トレッキングは往復10時間、25km近くを歩くことになるので、少しでも歩きやすい時期を選ぶのが吉。この時期は、ゴールデンウィークや連休を外せば、極端に混雑することがないのもメリットです。
4. 高山植物の観察がしたい場合の屋久島ベストシーズン
<出典元:写真AC>
独特の生態系を有し、固有の高山植物も多数生息する屋久島。高山植物を観察したいなら7月~10月頃がベストシーズンで、8月~9月にはヤクシマシオガマやヤクシマリンドウといった、屋久島固有の高山植物の花が開きます。
5月中旬~6月上旬にかけては、屋久島の固有種であるヤクシマシャクナゲの花が咲き誇る時期。ピンクや白の可憐な花々が山一面を覆う光景は、まさに桃源郷を思わせます。
5. ウミガメの産卵を観察したい場合の屋久島ベストシーズン
<出典元:写真AC>
森や山のイメージが強い屋久島ですが、屋久島北西部の永田浜は北太平洋最大のアカウミガメの産卵地。毎年6月頃になると多くのウミガメが屋久島のビーチに上陸して産卵します。永田浜では5月中旬~7月中旬頃にかけて「ウミガメ観察会」が開催されていて、スタッフのレクチャーを受けた後、ウミガメの産卵を観察できます。
6月に入ってからのほうがウミガメの上陸数が増えるため、6月~7月に屋久島を訪れるとウミガメの産卵が見られる確率がアップします。
6. 沢遊び・沢登りがしたい場合の屋久島ベストシーズン
<出典元:写真AC>
「水の島」ともいわれるほど、水が豊富で美しいことで知られる屋久島。シュノーケリングやダイビングといった海のアクティビティのほかに、沢や渓谷を舞台にしたアクティビティの種類も豊富です。
滝や渓流のあるところで泳いだり、魚を捕まえたり、探検したりして楽しむ「沢遊び」や、沢沿いを歩きながら登山を楽しむ「沢登り」をするなら、7月下旬~8月がベストシーズン。屋久島のエメラルドグリーンの沢は癒し効果抜群です。
屋久島での沢遊びや沢登りは初心者やお子さん連れでもOK。安全に楽しむには、ガイドツアーへの参加がおすすめです。
カヌーやSUP(スタンドアップパドル)も川で楽しめる屋久島の人気アクティビティ。カヌーやSUPを楽しみたい場合は、7~10月がおすすめです。
7. グルメを楽しむ場合の屋久島ベストシーズン
<出典元:写真AC>
屋久島で水揚げされるブランドサバ「首折れサバ」を堪能するなら、12月~2月の冬がベストシーズン。屋久島では、ゴマサバの首を折り、血抜きをすることで鮮度を保つという技法が古くから受け継がれてきました。刺身で食べる首折れサバの、ほかにはないゴリッとした食感を体験してみてください。
首折れサバのほか、12月~2月は、ぽんかんやたんかんといった柑橘類も旬を迎えます。
8. お祭りやイベントに参加したい場合の屋久島ベストシーズン
人口1万人ちょっとの屋久島ですが、賑やかなお祭り、変わったイベントも多数開催されています。特に7月~8月は夏祭りが多く、この時期に旅行する際はあらかじめチェックしてみましょう。
屋久島一周ウルトラエコマラニック:1月中旬頃。屋久島を一周する100kmの部のほか、50kmの部、25kmの部があるマラソン大会。THE HOTEL YAKUSHIMA OCEAN&FORESTからスタート。
一湊浜まつり:7月中旬頃。船団パレード、鯖のつかみ取り、餅まきなど多様な催しが開かれます。一湊漁協揚場で開催。
屋久島ご神山祭り:8月の第一土曜日・日曜日。ご神火起こしなどの神事のほか、パレードや太鼓のステージ、花火大会なども開かれます。宮之浦火之上山埠頭で開催。
屋久島夢まつり:11月上旬頃。1万4千の灯籠に灯りが灯されるイベント。安房川沿い如竹通りで開催。
屋久島一口メモ
まるで物語の世界に迷いこんだかのような神秘的な森に、エメラルドブルーの海。季節ごとにさまざまな表情を見せてくれる屋久島は、日本人なら一度は訪れてみたいものですよね。
屋久島へのアクセスは、飛行機を利用する方法と、鹿児島港から高速船またはフェリーを利用する方法があります。遠方からは飛行機を利用したほうが効率的。羽田空港から屋久島空港までは、鹿児島空港での乗り継ぎ時間を含めて3時間程度の道のりです。大阪伊丹空港、福岡空港からは屋久島への直行便も運航しています。
屋久島に行くならツアーの利用が便利で、ツアー日程は2泊3日と3泊4日が一般的。縄文杉トレッキングは歩くだけでも10時間ほどかかるので、縄文杉トレッキングがお目当てなら3泊以上の日程がおすすめです。鹿児島市内の観光と組み合わせたツアーやトレッキングツアーつきのツアーなど、さまざまなツアーがあるので、ぜひご自身に合ったツアーを見つけてください。
<時間と費用>(目安)
- 飛行時間:約3時間(羽田~屋久島)※乗り継ぎ時間含む
- 旅行日数:3~4日間
- ツアー費用:約90,000円~約290,000円
屋久島は春夏秋冬、それぞれに違った魅力があり、旅の目的によってベストシーズンも変わってきます。まずは「屋久島でやりたいこと」の優先順位を決めて、目的に合ったベストシーズンを選んではいかがでしょうか。
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