炭鉱が栄えた時代にタイムスリップ 三笠市は「いぶし銀」の魅力の魅力に溢れている

旅行機運の高まりを受けて、北海道には国内外を問わずたくさんのツーリストが訪れています。その中には、「人気の観光スポットよりも、ガイドブックに載っていないようなディープなエリアを旅してみたい」と考えている人も少なくないでしょう。

そんな方におすすめしたいのが三笠市です。炭鉱が栄えていた面影が随所に残り、タイムスリップしたような時間旅行も楽しめます。街全体がジオパークに指定されていることから、見どころがたくさん。三笠ICまでは札幌から車で約30分、新千歳空港から約1時間とアクセスも最高です。


※ジオパークは、科学的に重要で貴重な価値を持つ地形や地質を保全するとともに、地球活動が生み出したダイナミックな大地と、その環境が生み出した生態系、文化、歴史、産業、暮らしなどを教育やツーリズムに活用しながら、持続可能な発展を推進する地域認定プログラムです。

目次

日本で3番目の鉄道が開通したエネルギーを担った重要拠点

日本で3番目の鉄道が開通したエネルギーを担った重要拠点

三笠市は、北海道中部に位置する街です。 1868年(慶応3年)に幌内地区で石炭が発見。それ以降も市内のあちこちで石炭が採集されたことから、北海道開拓の重要拠点として位置づけられていました。

日本で3番目の鉄道が開通したエネルギーを担った重要拠点

1879年(明治12年)に幌内炭鉱が開かれ、1882年(明治15年)11月13日に、石炭を小樽港から本州に輸送するために、官営幌内鉄道(手宮~幌内)が全通しました。鉄道の開業としては全国で3番目と早いことから、当時の三笠の位置づけが伺えます。

SLの鼓動が響き渡る「三笠鉄道村」

SLの鼓動が響き渡る「三笠鉄道村」

昭和40年代以降は、石炭から石油にエネルギー転換が図られ、市内で稼働していた炭鉱が次々と閉山します。石炭輸送の役割を終え、鉄道も1987年7月13日に廃止されました。石炭輸送の要だった幌内駅の跡地は、「三笠鉄道村」として活用されています。かつて活躍した車両がたくさん展示されており、敷地内にある「三笠鉄道記念館」は、鉄道の歴史を後世に伝えています。

SLの鼓動が響き渡る「三笠鉄道村」

廃線を利用して小型蒸気機関車「S-304」が、黒煙をあげて約400mを力強く走行しています。約90年前に製造された車両で、汽笛の音や動輪の鼓動は本物の迫力。土日祝日のみの運行で、30分おきに乗車体験できます。訪れた際は必ず乗車してください。

三笠鉄道記念館

  • 住所:三笠市幌内町2丁目287
  • 電話:01267-3-1123
  • 開館期間:4月中旬~10月中旬
  • 開館時間:9:00~17:00
  • 休館日:毎週月曜日
  • 公式サイト:三笠鉄道記念館

有志の手によって保存される「旧唐松駅」

有志の手によって保存される「旧唐松駅」

鉄路を失った今でも三笠は「鉄道の街」として発展した誇りを捨てていません。幌内地区から幾春別地区に向かう途中にある「旧唐松(とうまつ)駅」は、有志によって修繕され、現役さながらの状態を保っています。

有志の手によって保存される「旧唐松駅」

「ギャンブレル」と呼ばれる特徴的な屋根は、まるで農家の納屋のよう。今にでも列車がやってきそうな雰囲気ですが、きまぐれに旅行者が訪れるだけで、すぐに静けさが戻っていきます。

旧唐松駅

  • 住所:三笠市唐松町1丁目
  • 電話:なし

今もなお君臨する炭鉱時代のランドマーク「旧奔別炭鉱立坑櫓」

今もなお君臨する炭鉱時代のランドマーク「旧奔別炭鉱立坑櫓」

幾春別地区も石炭で栄えた集落です。高らかにそびえる「旧奔別(ぽんべつ)炭鉱」の立坑櫓は、ランドマークと呼べるでしょう。奔別炭鉱は、明治33年に奈良炭鉱として開鉱しました。いくつか経営会社を変えながら、昭和5年に住友炭鉱に移ります。昭和46年に閉山されるまでに、累計約2,650万トンの石炭が採掘されました。

今もなお君臨する炭鉱時代のランドマーク「旧奔別炭鉱立坑櫓」

旧奔別炭鉱立坑櫓は昭和34年に完成し、翌年に操業を開始しました。櫓の高さは約51メートル、深さは約735メートルを誇ります。地表と坑内深部を結ぶ主要通路で,炭鉱夫たちは高速エレベーターで地下まで運ばれていました。中は私有地のため公開日以外は立ち入り禁止ですが、通常は敷地外から見学することができます。

旧奔別炭鉱立坑櫓

  • 住所:三笠市奔別町260
  • 電話:なし

創業約100年の歴史を誇る「更科食堂」を"地域おこし隊"が承継

創業約100年の歴史を誇る「更科食堂」を"地域おこし隊"が承継

旧奔別炭鉱を見学した後に、おなかがすいていたら、すぐ近くにある「更科食堂」で食事をしましょう。約100年前に開業した老舗店で、上品な味の手打ちそばがおいしいと評判です。現在の店主は4代目で、一度休業した店を再開するために「地域おこし協力隊」として起用されました。試行錯誤の末に受け継いだ味は、常連も納得するほど。先代の味を知らなくても、素直に「おいしい」と感じます。

更科食堂

  • 住所:三笠市幾春別町1丁目174
  • 電話:01267-6-8323
  • 開館時間:11:00~15:00
  • 休館日:毎週火曜日
  • 公式サイト:更科食堂

「湯の元温泉旅館」の天然温泉でまったり

「湯の元温泉旅館」の天然温泉でまったり

三笠の見どころは多く、日帰りでは足りません。1泊でも2泊でもして、余すことなく楽しみましょう。宿泊はダムのために作られた人造湖「桂沢湖」の近くにある「湯の元温泉旅館」がおすすめ。温泉は無色無臭な単純硫黄冷鉱泉で、神経痛・関節痛・慢性皮膚病などに効用があります。野鳥の声が聞こえる露天風呂もあり、とてもリラックスできます。

「湯の元温泉旅館」の天然温泉でまったり

「湯の元温泉旅館」は、昭和32年に開業し、工事関係者の癒しの場として親しまれてきました。オーナーの杉浦一生さんは、先代から宿を引き継ぎました。工事が終了した現在は、一般客の集客に力を入れており、敷地内にキャンプ場もオープンしています。

北海道を中心に活動している北都プロレスで、「北海熊五郎」というリングネームで活躍

杉浦さんは元新日本プロレスの選手です。現在は裏山のヒグマをレスラーにとして調教し、北海道を中心に活動している北都プロレスで、「北海熊五郎」というリングネームで活躍させています。本人は「別物」と言い張っているので、宿泊して真相を確かめてください。

湯の元温泉旅館

なんも考えないで、三笠に来たらいっしょ

北海道開拓の歴史を色濃く残す三笠

三笠には紹介しきれないほど、魅力が溢れています。ガイドブックに載せると地味なスポットでも、実際に訪れてみると、何時間でも離れられない素晴らしさがあります。北海道開拓の歴史を色濃く残す三笠を堪能してください。

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吉田匡和

札幌市在住のよろずライターです。美味しい食べ物から温泉、穴場スポットや定番スポットの知られざる楽しみ方など、地元ライターらしい視点でワクワクを紹介します。

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