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【日本百名山】6座目はGWでも雪山!尾瀬の至仏山(群馬県)
こんにちは!たびこふれライターの中尾です。
日本百名山シリーズの6座目です。至仏山(しぶつさん)は尾瀬ヶ原の西側にどっしりと腰をおろした大きな山。標高2,228mの頂上から、眼下に尾瀬ヶ原、その先に燧ヶ岳(ひうちがたけ)、さらに遠くに会津駒ヶ岳や日光の山々、新潟の山々まで360度の眺望を楽しめる山として人気があります。
世間はゴールデンウイークですが、至仏山はまだまだ雪山。その時のレポートをお伝えします。
目次
日本百名山6座目 至仏山
至仏山(しぶつさん)は日本百名山のひとつで、標高2,228m。高山植物の宝庫として知られ、山頂から眼下に広がる尾瀬ヶ原を望み、遠くに燧ヶ岳(ひうちがたけ)や会津駒ヶ岳なども展望できます。標高1,700mあたりを境に、蛇紋岩(じゃもんがん)の山肌になります。
登山概要
- 登山日:2023年5月1日
- 天候:快晴
- 日本百名山6座目:至仏山(群馬県)
- 標高:2,228m
- 登山ルート:【登り】山ノ鼻(やまのはな)から頂上、【下り】頂上から山ノ鼻ルート ※同じルートの往復
- 距離:【登り下り】片道約3km
- 標高差:約830m
- 所要時間:【登り】約180分 【下り】約120分(僕は休憩を含み登り2時間50分、下り1時間45分でした)
- 公表されている難易度:【登り下り】中級者向け
- 僕が体験して感じた難易度:【登り下り】上級者向け(ゴールデンウイークを想定)
登山道の特徴
- 登山口は、鳩待峠(標高1,591m)と山ノ鼻(標高1,400m)の2か所のみ。登山道は鳩待峠から小至仏を経由して頂上、山ノ鼻から直登して頂上へ向かう2ルートのみです。
※ただし、登山可能時期とコースが限定されていますので、下記をご参照ください
- ゴールデンウイークでも雪山
- アイゼンなど冬山登山装備が必要
- 天候の急変に注意が必要
- 晴れていれば汗ばむ陽気。しかし天候次第で急激に気温が下がるので脱ぎ着できるような服装が理想です
- 道迷いに注意が必要
- 木道はぐらぐらしている箇所、朽ちている箇所があるので、足の置き場など十分注意が必要
- 蛇紋岩(じゃもんがん)の岩場は滑りやすいので滑落に注意が必要
- 植生保護のため、木道が設置されているところでは木道外を歩いてはいけません
山ノ鼻の登山口から頂上までの道のりを赤いラインで記しました。
至仏山登山のルールと注意点
- 山ノ鼻から至仏山頂へのルートは、植生保護および登山者の安全のため「登り専用」です
- 至仏山頂から山ノ鼻への下りは、残雪期(4月21日頃~5月6日頃)しか下ることができません
- 山ノ鼻から至仏山頂へのルートは、例年ゴールデンウイーク明けの5月7日頃から6月30日頃まで、閉鎖(通行禁止)になります
- 残雪期は山スキーを楽しむ方も多く登山します。スキーヤーのシュプール(滑り跡)を頼りに下山しては迷子になる可能性があります
- 至仏山の周辺は、全域が植生保護区域です
- 残雪期は、残雪の薄い場所には立ち入らないように
- 登山者の足跡を安易に信じてはいけません
- 携帯電話はほぼ通じません
- 至仏山にはトイレがありません。携帯トイレを持参してください
- 誘導ポールに従いましょう
- 午前9時以降の入山は自粛しましょう
- 地形が急峻で天候の変化が激しい山なので、安易に入山せず、十分な準備や装備を整えましょう
登りルート紹介
前日、4月30日に尾瀬に入りました。本来なら、4月30日に鳩待峠(はとまちとうげ)から小至仏を経由して至仏山頂上を目指す予定でしたが、天候は雨...。鳩待峠の方にお伺いするもやめた方がいいと言われたのでおとなしく鳩待峠に下りました。
5月1日...快晴です!山ノ鼻から朝日を浴びた至仏山が綺麗に見えています。登山決行です!
【7:10出発】山ノ鼻の山小屋は2連泊のため、不要な荷物は山小屋に置いて出発です。まずは植物研究見本園を通って登山口へ向かいます。
【7:15】至仏山の山ノ鼻側の登山口です。最初は階段から始まります。(標高1,400m)
【7:23】すぐに雪道になります。ここでアイゼンを装着します。
【7:30】最初は樹林帯を登ります。木の根っこや枝が露出しているところもあるのでアイゼンが引っかからないように注意しながら登ります。
【7:51】視界が開けてきました。このあたりは足跡があちこちに延びているので(雪道なので登山通りには登っていない...)道に迷いやすいです。
【8:28】樹林帯を抜け、大きな斜面を登っていきます。トレース(前の登山者の足跡)を頼りに進みます。
【8:36】写真では分かりづらいですが、かなりの急登です。僕は6本爪のアイゼンを持っていったのですがズルズルと滑ります。12本爪が必要だと反省...。
【8:50】この先は頂上ではないことを後ほど知ります...。
振り返ると尾瀬ヶ原と燧ヶ岳が見えます。下の方がかすかに見えますが、ここで足を滑らせると下まで落ちていきそうで怖かったです。ピッケルも必要だと反省...。
【9:03】この先が頂上なのか???
【9:11】あれ?雪道が終わりです。この先でアイゼンを外します。
【9:19】アイゼンを外し、岩山を登ります。蛇紋岩は滑りやすいので慎重に足を進めます。
【9:20】至仏山自体が植生保護区域なので木道や階段が整備されています。
【9:26】どことなく天空の階段みたいです。しかし、破損している箇所やシーソーのようにぐらぐらしている箇所があるので注意が必要です。
【9:29】頂上に向かって階段が延びています。
【9:32】頂上までもうすぐだと思うのですが...。下山者の方に上部の積雪状況を聞いたら、まだ雪道があると聞きました。
【9:35】この先、やはり再び雪山のような気がする...。
【9:41】頂上までのラストスパートはやはり再びアイゼンを着装しなければなりませんでした。
【9:45】あと100m程度ですが、ここを登らないといけません...。
【9:49】稜線上にこんもりとしたところが小至仏です。鳩待峠から登るとこちらのルートを登ってくることになります。
【9:55】まもなく頂上です!
至仏山頂上
【9:59到着】至仏山の頂上に到着しました。7:10に出発しましたので、2時間49分かかりました。
頂上の三角点にもタッチ!
頂上はこのような岩山です。そこそこ広いです。
【東】至仏山頂から東側の山並み。
【西】至仏山頂から西側の山並み。
【南】至仏山頂から南側の山並み。
【北】至仏山頂から北側の山並み。
尾瀬ヶ原、燧ヶ岳が美しいですね。左後方は会津駒ヶ岳です。
こちらは日光方面の山々(北東)です。
さぁ頂上からの眺望を満喫しましたので、下山しましょう!
下りルート紹介
【10:13出発】下山を開始します。
【10:16】下りはアイゼンを履いていても滑りますので慎重に(傍から見たらぎこちない)下ります。
【10:16】下りは正面に尾瀬ヶ原と燧ヶ岳を眺めながら下っていきます。
【10:21】雪が積もっていても植生保護のため、ルート上にポールが設置されています。
【10:28】尾瀬ヶ原に飛び込んでいくような下り坂です。
【10:28】こんな急な下り坂を下りてきました。
【10:30】ここでアイゼンを外します。無冠雪部分の登山道は荒れていますので、下りは特に注意が必要です。
【10:34】手前は小至仏です。よく目を凝らすと稜線上に登山者が見えます。
【10:51】再びアイゼンを装着します。
【10:58】この先、2回、足を滑らせ尻もちをついてそのまま滑り落ちました...。下りでは皆さん滑り下りていました。100円均一で購入したレジャーシートをお尻に敷いて滑って下りるのもいいかもしれません。ただし、滑り下りる方向を間違えると谷へ落ちてしまいますので、注意が必要です。
【11:28】まもなく樹林帯へ入ります。
【11:32】2023年は積雪量が少ないと伺いました。ところどころ地面が見えていました。このようなところでは踏み抜き(ズボッと足がはまること)に十分注意が必要です。
【11:34】燧ヶ岳ともこの辺りで一旦見納めです。樹林帯へ入ると登山道が分かりづらいので、道に迷わないように注意が必要です。
【11:54】まもなく登山口です。ここでアイゼンを外します。
【11:57】至仏山登山口に到着しました。頂上を10:13に出発しましたので、下りは約1時間45分かかりました。
尾瀬ヶ原と燧ヶ岳
尾瀬ヶ原と燧ヶ岳は至仏山から眺望するのが一番美しいと思います。至仏山を下山しながら尾瀬ヶ原と燧ヶ岳を撮影しましたのでご覧ください。まずは頂上から。
登山口(山ノ鼻)からの燧ヶ岳です。
至仏山登山のリンク集と注意点まとめ
午前中(登山中)は快晴でしたが、午後から曇り空になりました。夜は雪になりました。まだまだ尾瀬は冬です。
リンク集
※僕は登山の際、YAMAP(ヤマップ)を使っています。GPS機能がついているので雪道でも迷いにくいです。おすすめします
注意点まとめ
- ゴールデンウィークは雪山です。防寒、雪山登山装備で入山してください
- 至仏山は登り始めるとすぐに森林限界を超えます。森林限界を超えると目印がなく、トレース(前に登った登山者がつけた足跡)が非常に分かりづらいです
- 天候が悪い時は無理せず登山を中止しましょう
- 無冠雪の登山道は蛇紋岩に要注意です。ツルツル滑ります。特に雨天時は危険です
- 登山道にはトイレがありません。携帯トイレを持参しましょう
- 売店もありません。食事、非常食、飲料を必ず持参しましょう
- アイゼンは軽アイゼン(6本爪)ではズルズルと滑ります。12本爪アイゼンをおすすめします
- 雪道を登るのはそれほど苦になりませんが、斜めに横断する箇所は歩行に十分気をつけましょう
- 滑落防止のため、トレッキングポールまたはピッケルを持参しましょう
- 山岳保険の加入を強くおすすめします
>>「ライター・中尾の『日本百名山』登山レポート(これまでに登った日本百名山)」はこちらから
※当記事は2023年5月1日に登山した時のものです
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中尾勝
- 旅が大好き!国内海外を問わず飛び回っていますが、海外へは2011年に渡航して以来、出国していません。今は原点に戻り国内を旅しながら日本の良さを体感中。