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北海道の離島へ旅しよう! おすすめの離島や行き方などを紹介
札幌や函館などの観光地で知られる北海道ですが、北海道本島だけではなく、利尻島・礼文島などをはじめとする離島観光に興味があるという人もいるのではないでしょうか。北海道の離島には、北海道本島とはまた違った独特な魅力が溢れているものです。
本記事では、北海道で観光におすすめの5つの離島を紹介します。それぞれの離島への行き方や特徴・観光スポットなどをお伝えしますので、離島観光に興味がある人はぜひ参考にしてください。
目次
1. 北海道に離島はいくつある?
北海道には数多くの島がありますが、「離島振興対策実施地域」として指定されている島は、下記の6つです。
- 利尻島(りしりとう)
- 礼文島(れぶんとう)
- 奥尻島(おくしりとう)
- 天売島(てうりとう)
- 焼尻島(やぎしりとう)
- 小島(こじま)
すべて有人の島ですが、観光に適しているのは「小島」を除く5つの島となっているため、本記事では「利尻島」「礼文島」「奥尻島」「天売島」「焼尻島」について紹介していきます。
2. 北海道の離島を訪れるのにおすすめのシーズンは?
北海道の離島を訪れるうえで、おすすめのシーズンがいつなのか気になっている人もいるでしょう。
北海道の離島の観光シーズンは旅の目的によっても変わりますが、一般的に過ごしやすいとされている季節は初夏〜夏頃です。本島とは異なり夏でも爽やかな気候のなか過ごせる島が多く、快適に観光できるでしょう。
旅の目的が「利尻島・礼文島などで高山植物や雄大な景色を楽しむ」という場合は、5月〜8月頃に訪れるのがおすすめです。5月下旬〜6月中旬頃であれば、礼文島の固有種である「レブンアツモリソウ」も観察できます。
<出典:写真AC>
奥尻島の透き通った海でマリンスポーツを楽しむなら、6月〜9月頃がベストシーズンだとされています。7月中旬〜8月中旬であれば、新鮮なウニも味わえますよ。
「海鳥の楽園」である天売島でバードウォッチングを楽しむなら、海鳥の繁殖期にあたる5月〜7月がおすすめでしょう。8月上旬にはほとんどの海鳥が繁殖地を離れるので、注意が必要です。
また焼尻島を訪れる場合も、基本的には船の便数が多い初夏〜夏頃の期間が推奨されます。
3. 離島その1「利尻島~美しい利尻富士~」
<出典:写真AC>
利尻昆布などの海産物の産地であり、島のほとんどが「利尻礼文サロベツ国立公園」に指定されている利尻島。
ここでは、利尻島の場所や特徴、観光スポットなどを紹介します。
利尻島の場所とアクセス方法
利尻島は、北海道本島の稚内から南西に約52km離れた場所にあります。最も一般的なアクセス方法はフェリーを使う方法ですが、島内には空港があるため飛行機を利用することも可能。
フェリーはシーズンである初夏〜秋の間は1日3便運行しており、所要時間は1時間40分ほどです。朝から夕方までバランスよく運行されているため、多くの観光客がフェリーを利用します。
飛行機は、札幌の丘珠空港(おかだまくうこう)と新千歳空港から、日本航空と全日本空輸の便が運行しています。基本的に1日1往復かつ航空会社によっては季節運行となっており、座席の数も少ないので早めの予約が必要でしょう。
利尻島の特徴
日本最北の国立公園の一部である利尻島は、島内で山岳や花畑、湿原などの自然豊かな景色を楽しめる点が特徴です。
高山植物や「利尻山」の眺望を見に訪れる人が多く、雄大な自然に触れられるでしょう。
また、利尻昆布やウニなどの海産物の産地でもあるため、グルメを楽しむのもおすすめです。
利尻島内の観光スポット
<出典:写真AC>
多くの観光スポットのなかでも、別名「利尻富士」と呼ばれる「利尻山」はぜひ訪れたいスポットです。利尻山自体は島のどこからでも眺められますが、登頂することで利尻島全体や礼文島・北海道本島を望むパノラマを堪能できるでしょう。
また、湖面に映る「逆さ利尻富士」の美しさで有名な「姫沼」も観光客に人気。神秘的な雰囲気が漂う人口の沼で、約20分でまわれる散策路も整備されています。
ほかにも、利尻島最大の湖沼で遠くに利尻富士を望む絶景が見られる「オタトマリ沼」、「白い恋人」のパッケージに描かれた雪山と同じ角度で利尻山を眺められる「白い恋人の丘」なども、利尻島らしい景観を楽しめるスポットとしておすすめです。
※利尻島の観光スポットについて詳しくは「一度は行きたい。北海道の離島、利尻島のおすすめスポット5選」のページもご覧ください。
利尻島のグルメ
利尻島では、濃厚なウニや利尻昆布などの名産品を味わえます。鴛泊港フェリーターミナルにある「食堂 丸善」の「うにめし丼」は、旬となる7月頃に訪れたのであればぜひ口にしたい一品です。
また、利尻町沓形本町にある「利尻らーめん味楽」も選択肢に入れたいお店のひとつ。利尻昆布をふんだんに使用したラーメンが人気で、各種メディアでも多数紹介されている有名店です。ラーメン好きの人は、ぜひ訪れてみるとよいでしょう。
4. 離島その2「礼文島~花の浮島~」
<出典:写真AC>
利尻島の横にあり、「花の浮島」や「花の島」とも呼ばれ、多くの固有種が見られる礼文島。
ここでは、礼文島へのアクセス方法や礼文島の観光スポットなどを紹介します。
礼文島の場所とアクセス方法
礼文島は稚内から西へ約60km離れた場所に位置している、国内最北部の島です。礼文島には空港がなく、移動手段はフェリーのみ。稚内のフェリーターミナルから1日2〜3便運行しており、所要時間は約2時間です。
一部利尻島を経由する便もあり、利尻島・礼文島間でもフェリーが運行されているため、2つの島をセットで訪れるのもよいでしょう。
礼文島の特徴
礼文島の大きな特徴として挙げられるのが、固有種を含む約300種もの高山植物や花々を見られる点です。
例えば、礼文島のマスコットキャラクター「あつもん」のモチーフにもなっている「レブンアツモリソウ」や「レブンキンバイソウ」などが固有種として挙げられます。
美しい景色を満喫できる7つのトレッキングコースや高山植物園などもあり、自然が好きな人にぴったりの観光地です。
礼文島内の観光スポット
<出典:写真AC>
7つのトレッキングコースのなかでも一番人気のコースとなっているのが、「桃岩展望台コース」です。桃の実のように見える形が特徴的な「桃岩」を見られる展望台や、高山植物の花畑などの景観を楽しめるコースで、風光明媚な礼文島を堪能できることでしょう。
また、島一番の景勝地ともいわれる「スコトン岬」もぜひ訪れたいスポット。礼文島最北端の岬で、どこまでも広がる大海原や、晴れた日には遠くにサハリンを望むことも可能です。
スコトン岬と同じく、トレッキングコース「岬めぐりコース」で訪れる場所のひとつである「澄海岬」も人気があり、夏には美しい「レブンブルー」の海を堪能できます。
礼文島のグルメ
礼文島も利尻島と同じくウニが有名で、さまざまな場所でウニを使ったメニューを楽しめます。
礼文島の玄関口「香深フェリーターミナル」の2階にある「武ちゃん寿司」は、おまかせ寿司や海鮮丼などが食べられるお店。一番人気は「エゾバフン生うに丼」で、最高級品である利尻昆布を食べて育った甘みのあるウニの味を堪能できます。
また、ホッケにネギと秘伝のタレを乗せて焼く「ホッケのちゃんちゃん焼き」も島の名物のひとつ。フェリーターミナルの近くにある「炉ばた ちどり」は「ホッケのちゃんちゃん焼き」で有名なお店で、脂が乗った食べ応えのあるホッケを味わえます。
5. 離島その3「奥尻島~大自然と海鮮グルメを堪能~」
<出典:写真AC>
奥尻島は、北海道の南西端に位置する手つかずの自然が残る島です。ここからは、奥尻島の特徴や観光スポットなどを紹介していきます。
奥尻島の場所とアクセス方法
本記事で紹介する5つの島のなかで、唯一道南エリアに位置している奥尻島。フェリーと飛行機にてアクセスすることが可能です。
フェリーの場合は日本海に面した檜山郡江差町から乗船し、所要時間は2時間10分程度。1日に1〜2便運行しています。
飛行機の場合は、函館空港から奥尻空港まで日本航空で移動します。所要時間は約30分と短めですが、基本的に1日1便の運行(金曜・日曜以外)となるため、飛行機を希望する場合は早めに予約しておきましょう。
なお、函館便が運休となる金曜日と日曜日は、札幌の丘珠空港と奥尻島を結ぶ便が運行しています(2023年は3月26日〜8月31日までの期間)。
奥尻島の特徴
奥尻島は島のほとんどが森林に覆われており、飾らない自然が魅力の島です。透明度が高くエメラルドブルーに輝く海は「奥尻ブルー」と呼ばれており、SUPやカヤックなどのマリンレジャー、海水浴・釣りなどを満喫できます。
また、隠れた絶景ポイントなどを徒歩でめぐる「奥尻フットパス」もおすすめのアクティビティの1つ。
新鮮な海の幸を味わえるグルメやワインも有名で、さまざまな楽しみ方ができる島です。
奥尻島内の観光スポット
<出典:写真AC>
奥尻島のおすすめ観光スポットとしては、まず島のシンボルになっている「鍋釣岩(なべつるいわ)」が挙げられます。高さ19.5mにも及ぶドーナツ型の奇岩で、夜間はライトアップされ幻想的な景観を楽しめますよ。
マリンスポーツをしたい場合は、更衣室・シャワー・トイレを完備した「東風泊海岸(やませどまりかいがん)」を訪れるのがおすすめ。水深25mの透明度を誇る奥尻の海で、快適にマリンレジャーを満喫できるでしょう。
ほかにも、夕陽に照らされた数々のモニュメントの景観や星空を眺められる「北追岬公園(きたおいみさきこうえん)」や、奥尻島随一の大パノラマを楽しめる「球島山」など、美しい景観を堪能できるスポットが点在しています。
奥尻島のグルメ
海の幸に恵まれた奥尻島には、ウニやアワビなどの海産物を味わえるレストランが多数あります。
奥尻町にある「お食事処 まつや食堂」は、創業50年の伝統を持つお店。奥尻産の生ウニが入っており、塩味をベースにした「うにラーメン」はぜひ味わいたい一品です。
また、ワイン好きの人に訪れてほしいスポットとして、「奥尻ワイナリー」が挙げられます。奥尻島の自然環境のなか育ったワインにはミネラル分が豊富に含まれており、個性的な味わいを楽しめるでしょう。ワイン愛好家にも好評で、お土産として購入するのもおすすめです。
6. 離島その4「天売島~バードツーリズムを推進~」
<出典:写真AC>
北海道北部の羽幌町沖にある天売島は、バードウォッチャーの憧れの島として知られる海鳥の楽園です。
ここでは、天売島へのアクセス方法や天売島の特徴・魅力などを紹介します。
天売島の場所とアクセス方法
天売島は、苫前郡羽幌町から西に約30kmほどの場所にある小さな島です。羽幌町へは札幌から高速バス「沿岸バス特急はぼろ号」が出ており、約3時間で到着します。
その後、下車地である「羽幌本社ターミナル」から徒歩または羽幌港連絡バスにて移動し、羽幌フェリーターミナルへ。船はフェリーと高速船の2種類があり、GW中や夏場には1日4〜6便が運行しています。所要時間は高速船が約1時間、フェリーが1時間40分ほどです。
天売島の特徴
さまざまな海鳥を見られることが天売島の最大の特徴で、「天売島海鳥繁殖地」として国の天然記念物にも指定されています。
3月〜8月にかけて、絶滅危惧種のウミガラス(オロロン鳥)や世界でも稀少なケイマフリ、北太平洋に分布する海鳥であるウトウなどが飛来・繁殖します。
ウミガラス(オロロン鳥)の国内唯一のコロニーであること、ウトウの世界一の繁殖地であることから、バードウォッチャーがぜひ訪れたい観光地といえるでしょう。
天売島内の観光スポット
<出典:写真AC>
天売島の観光スポットとして知られているのが、シンボルである「赤岩」を望む「赤岩展望台」です。
周辺の地表にはウトウの巣穴が集まっており、40万つがいものウトウが群れをつくりながら巣へ帰っていく絶景が見られる「ウトウ帰巣ナイトガイド」が人気のアクティビティーとなっています。
また、50倍の無料望遠鏡で海鳥を観察できる「海鳥観察舎」や、断崖絶壁を一望できる観音岬展望台もぜひ訪れたいスポットです。
天売島のグルメ
天売島のグルメとしては、ウニをはじめとした新鮮な海産物が挙げられます。港から徒歩3分のところにある「炭火海鮮 番屋」は、天売島自慢の「キタムラサキウニ」を贅沢に炭で炙って食べられるお店。自慢のウニ丼は、たっぷりウニが乗った状態で提供されます。
天売島に宿泊する場合は、旅館でグルメを味わうのもおすすめ。海の目の前という恵まれたロケーションにある「萬谷旅館(よろずやりょかん)」では、ウニやタコなどの新鮮な海産物が提供されています。通年営業している宿なので、観光のピークシーズン以外でも宿泊できますよ。
7. 離島その5「焼尻島~原生林に覆われた島」
<出典:写真AC>
天売島のすぐ隣にあり、島のおよそ3分の1が原生林に覆われている焼尻島。ここでは、焼尻島の特徴や観光スポットを紹介していきます。
焼尻島の場所とアクセス方法
焼尻島は、北海道本島の羽幌町から西に約25km離れた場所にあります。天売島と同じく札幌から高速バス「沿岸バス特急はぼろ号」にて羽幌町に移動し、羽幌フェリーターミナルへ。
焼尻島・天売島へは同じ船便で向かうため、1日4〜6便が運行(GW中や夏場)、フェリーと高速船の2種類があるといった条件は同じです。焼尻島に先に寄港するため、所要時間は高速船が約35分、フェリーが1時間ほどと天売島より短くなっています。
焼尻島の特徴
原生林に囲まれており、約50種・15万本もの天然記念物の森が広がっている点が焼尻島の特徴。野鳥や野草の宝庫となっており、すばらしい自然に触れられます。
さらに、森を抜けると広大な牧草地が広がっていて、頭と足が黒いサフォーク種の羊に出会えます。焼尻島の牧草を食べて育った羊は「焼尻サフォーク」として高級フレンチレストランでも使用されるほどで、希少なラム肉を味わえる点も焼尻島の魅力でしょう。
焼尻島内の観光スポット
焼尻島でぜひ訪れたい観光スポットのひとつが、5万本のオンコ(イチイ)が地を這うように自生する景勝地「オンコの荘」です。
通常上に伸びるオンコがこのように横へと枝を張るのは、日本海の強風や豪雪による影響だとされており、この土地ならではの珍しい景観を楽しめるでしょう。
また、原生林とは対照的な景観を望めるのが、島内随一のビュースポットとして知られる「鷹の巣園地」です。草原が広がる開放的な空間で、隣の天売島や日本海、利尻島の島影などを眺められます。
そのほか、森林浴をしながら水辺のスイレンや水芭蕉などを観察できる「雲雀ヶ丘公園(ひばりがおかこうえん)」、バードウォッチングスポットである「ウグイス谷」なども観光スポットとして挙げられます。
焼尻島のグルメ
焼尻島を訪れるなら、やはり「焼尻サフォーク」を味わいたいという人も多いでしょう。
フェリーターミナルのすぐ横にある「島っこ食堂」では、焼尻島の雄大な自然のなかで育った羊肉を炭火焼で堪能できます。肉質が柔らかく臭みも少ない希少なお肉を、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。
北海道には観光に適した離島が5つあり、それぞれの離島で固有の植物の観察やバードウォッチング、マリンスポーツなど違った楽しみ方ができるようになっています。
基本的に初夏〜夏場(5月〜9月頃)が観光シーズンになっている離島が多いものの、旅の目的によって多少ベストシーズンが異なるため、目的を定めたうえで計画を立てるとよいでしょう。
北海道の魅力あふれる離島を、ぜひ訪れてみてください。
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