池田湖と周辺の見どころや観光スポットガイド

池田湖と周辺の見どころや観光スポットガイド

九州・薩摩半島の最南端にある指宿(いぶすき)市と言えば砂むし温泉で有名ですが、池田湖の観光もおすすめです。火山活動によってできたカルデラ湖としては日本最南端にある池田湖には、開聞(かいもん)岳をバックにしたフォトジェニックな風景、日本で一番早く咲く菜の花畑、さらには謎の生物「イッシー」伝説など、気になるポイントが盛りだくさん。

今回はそんな池田湖や周辺の見どころを紹介します。南薩地方を訪れたらぜひ立ち寄ってみてくださいね。

目次

<1. 池田湖とは>

<2. 「カルデラ湖」ってどんな湖?>

<3. 九州最大のカルデラ湖・池田湖>

<4. 池田湖名物「大うなぎ」は必見!>

<5. 謎の生物「イッシー」で有名!>

<6. 池田湖から開聞岳を望む絶景>

<7. 池田湖の絶景といえば菜の花畑>

<8. いけだ湖パクスでゆったり過ごす>

<9. 池田湖周辺で棚田(新永吉/尾下)の風景を満喫しよう>

<10. 池田湖のイベントといえば「いぶすき菜の花マラソン」>

<11. 池田湖周辺のグルメ>

<12. 池田湖へのアクセス>

<13. 池田湖のとなりにある鰻池もチェック!>

1. 池田湖とは

池田湖は、鹿児島県・薩摩半島の南端にある指宿市に位置しています。湖の周囲は約15km、面積は約10.9平方kmあり、直径は3.5kmのほぼ円形。九州では最大のカルデラ湖です。また、深いところでは水深が233mにも及んでおり、日本では田沢湖、支笏湖、十和田湖に次いで4番目に深い湖です。

藍色の水をたっぷりとたたえ、鹿児島のシンボルでもある開聞岳まで臨むことができる湖の風景は、訪れた人々をゆったりと出迎えます。湖畔の花壇には四季折々の花が植えられており、どの季節に行っても美しい風景に心が和むことでしょう。

2. 「カルデラ湖」ってどんな湖?

火山が噴火した後にできる陥没した地形のことを「カルデラ(スペイン語で鍋の意味)」と呼びます。そこに雨水や湧き水などが溜まって湖となった場所がカルデラ湖です。

火山国である日本には多くのカルデラ湖があり、たとえば前出の田沢湖、支笏湖、十和田湖や美しい湖として知られる摩周湖、屈斜路湖などもその中に含まれます。

3. 九州最大のカルデラ湖・池田湖

池田湖の誕生は、約5,700年前にもさかのぼります。1回だけの噴火で現在の形が作られたわけではなく、周辺部まで含めると、およそ6回の噴火を経て現在の形状に至っているそうです。

湖底にはいまだ直径約800m、湖底からの高さが約150mにもなる湖底火山が静かに眠っており、まさに自然の神秘を体現する場所と言えるでしょう。江戸時代から残されている古書には、こうした池田湖に対する昔の人々の畏怖の念が記されており、古くから地元の生活に池田湖が密着してきたことがうかがえます。

年間を通じて温暖な気候に恵まれる池田湖は、南薩地方の休憩どころとして人気のスポットです。湖畔に咲く季節ごとの花、湖越しに見える開聞岳の絶景など、心安らぐポイントがたくさん。周辺には2022年に新規オープンした「いけだ湖パクス」(詳細は後述します)や、「旅の駅 池田湖パラダイス」など、食事や休憩、お土産の購入にぴったりの施設も点在しています。

4. 池田湖名物「大うなぎ」は必見!

池田湖には、太平洋やインド洋に多い「大うなぎ」が群棲していることで知られており、昭和44年には指宿市の指定文化財にも指定されています。最大級のうなぎは体長が1.8m、胸回りが60cm、重さが20kgもあるというから驚きですね。

この大うなぎがカルデラ湖である池田湖にどのように入ってきて増えたのか、諸説ありますが、現在でもはっきりとしたことはわかっていません。

旅の駅 池田湖パラダイスにあるお土産物屋さんでは、展示されている大うなぎを見ることができます。旅の想い出にぜひ立ち寄ってみてください。

5. 謎の生物「イッシー」で有名!

今から40年ほど前にもなる1978年。日本中をざわつかせる「事件」が池田湖で起こりました。巨大な2つのこぶを持つ謎の生物が、湖面をかなりのスピードで泳ぎ、その後水面下に潜っていったのを、一度に20人ほどの人々が目撃したのです。その後も、この謎の生物の目撃情報は何度か寄せられるようになりました。

この謎の生物はイギリス・ネス湖のネッシーになぞらえて「イッシー」と呼ばれ、その姿を一目見ようと多くの人が池田湖を訪れました。さまざまな方法で探索され、監視カメラなども設置されましたが、結局その正体はつかめないまま。大うなぎや巨大魚だという説もありますが、いまだはっきりとは解明されていません。

深みのあるブルーの湖水を静かにたたえる池田湖の神秘的な雰囲気が、人々にイッシーの存在を信じさせてきたのかもしれませんね。

イッシーの像
<出典:写真AC

湖の周辺には、池田湖駐車場、池田湖パラダイス、えぷろんはうす池田等にいくつかの趣向の異なる「イッシー像」が設置されていますので、見比べるのも面白いかもしれません。また、池田湖畔の児童公園である池田湖遊園地には、芝生広場にイッシーをモデルにしたアスレチック遊具があります。イッシーと遊びながら、池田湖や開聞岳を眺められるスポットなので、ぜひこちらも訪れてみてください。

6. 池田湖から開聞岳を望む絶景

この記事でもすでに何度も出てきた開聞岳。鹿児島のシンボルともいえる存在です。

 池田湖と開聞岳
<出典:写真AC

開聞岳とは

開聞岳は日本百名山のひとつに数えられる美しい山で、その見事な円錐形の稜線は、別名「薩摩富士」とも呼ばれるほど。今でも活動を続ける「活火山」です。標高は924mとそれほど高い山ではありませんが、周囲に山がないため、その端正な姿は南薩地方のどこからでも眺めることができます。

開聞岳の登山道はらせん状に緩やかに整備されており、全長は約5km。3時間程度で頂上まで登れることから、老若男女を問わずいつも多くの登山客で賑わっています。頂上からは霧島、池田湖、屋久島など、鹿児島の名だたる観光地を一望できることも人気の理由。

指宿へ来たなら外せない観光スポットのひとつと言えるでしょう。

開聞岳について詳しくは「【日本百名山】3座目は特攻機が目指して飛んだ開聞岳(鹿児島県)」の記事もご覧ください。

開聞岳が望めるのはここらへん

池田湖畔からは随所から開聞岳をきれいに眺められますが、

  • 池田湖北岸
  • 池田湖遊園地
  • えぷろんはうす(売店/食堂)

などが特におすすめのスポットです。

また池田湖畔付近では、海を挟んで開聞岳を眺められる「瀬平公園」や、その反対側に位置する「長崎鼻」などから見る開聞岳が、間に遮るものがなく、特によく見えるスポットです。

南薩地方からは、比較的どこからでもよく見える開聞岳。ぜひ「マイベストスポット」を探してみてくださいね!

7. 池田湖の絶景といえば菜の花畑

菜の花といえば、早くても3月くらいから咲くというイメージの方が多いのではないでしょうか?しかし年間の平均気温が19℃と温暖な指宿市では、全国でも最も早く12月半ばにはもう菜の花が開花しはじめ、1月には満開となります。この時期は街中に菜の花が見られる指宿ですが、中でも絶景ポイントに挙げられるのが池田湖。

池田湖と菜の花
<出典:写真AC

池田湖畔の中でも菜の花の見どころといえば、湖の北岸や中浜エリアの駐車場付近です。ここから遊歩道を歩くと、すぐに見えてくる一面の菜の花畑。鮮やかな黄色が目にまぶしいほど、生き生きと輝いています。

遠くに開聞岳、そして湖面のブルー、さらに黄色い菜の花が一度にファインダーに収められる湖畔は、最高にフォトジェニックなスポットで大人気。

開花時期は12月下旬~2月上旬となっていますので、ぜひこの時期も狙ってみてください。

8. いけだ湖パクスでゆったり過ごす

2022年10月、池田湖の湖畔に観光施設公園「IKEDAKO PAX(いけだ湖パクス)」が新たにオープンしました。

芝生広場や水上デッキ、ホワイエなどを備え、さまざまなイベントが開催されています。スタイリッシュな外観に最高の眺望が魅力的。地元の人々にとって貴重な交流のスペースであることはもちろん、観光客にとっても池田湖と開聞岳を一望できる絶好のビュースポットです。駐車場やトイレも完備、そして後述するおすすめカフェ(ダンケンコーヒー)もありますので、旅の途中に休憩を兼ねてぜひ立ち寄ってみましょう。

9. 池田湖周辺で棚田(新永吉/尾下)の風景を満喫しよう

新永吉の棚田
<出典:写真AC

池田湖の東北岸、緩やかな斜面に新永吉(しんながよし)の棚田が広がります。総面積は約3.4ヘクタール、整然と並ぶ棚田に一面の水が張られた風景は圧巻です。また、青々とした稲が風にそよぐ季節も違った風情を感じられることでしょう。4月末から5月中旬にかけての夜には、運がよければホタルが飛び交う姿を見られることもあります。

棚田の上方を走る県道247号からは、棚田、池田湖、さらに開聞岳までが見える素晴らしい景色を一望することができますので、ぜひ車を停めて眺めてみてくださいね。

棚田に向かってこの県道から降りていく道は、狭い林道で行き違いができません。地元の方が作業のために使用する道なので、邪魔にならないように県道247号の路肩に車を停めたら、徒歩で降りていくことをおすすめします。

一方、池田湖の東岸に広がるのが、平家落人伝説も残る風情ある集落、尾下(おさがり)の棚田です。尾下の棚田は、最下段がほぼ池田湖の水面と同じ高さにあり、そこから背面にそびえるカルデラの断崖絶壁に向かって広がるという特徴的な地形をしています。こちらも県道247号から脇道に入ってからは、狭い道を延々と走り、棚田の上に到着します。棚田の上からは、気を付けて徒歩で降りていくようにしましょう。棚田と棚田の間は、道がわかりづらく地元の人でも隙間に落ちる危険があります。棚田の内部は、必ず地元の人と一緒に歩くようにしてください。

10. 池田湖のイベントといえば「いぶすき菜の花マラソン」

毎年1月の第2日曜日に開催される「いぶすき菜の花マラソン」は、1年で最も早く開催される公認コースを使用した市民マラソンです。指宿市を大きく囲むように走るコースの途中には池田湖のほとり、開聞岳のふもとなどの絶景ポイントもしっかり押さえてられています。コース脇で一斉にランナーの背中を押してくれるのは、地元住民の暖かい声援と、早くもこの時期に満開となった菜の花。心弾むこのコースは全国のランナーから大人気です。

制限時間が8時間と長いため、誰でも自分のペースで完走が狙える一方で、アップダウンもあり、なだらかで長い心臓破りの坂もありとハードな面もあるため、初心者からベテランまで楽しめるコースとなっています。

給水の公設エイドのほか、地元民による私設エイドも多く、豚汁、ぜんざい、トマト、金柑など、地元食材によるおもてなしも充実。マラソンのあとは、「指宿名物 砂むし温泉」でぜひ疲れを癒して帰りましょう。

11. 池田湖周辺のグルメ

池田湖周辺にはぜひ立ち寄って行きたいグルメスポットが点在しています。ここでは、中でもおすすめのお店を紹介します。

指宿市営 唐船峡そうめん流し

たらいのような入れ物の中をぐるぐるとそうめんが回る「回転式そうめん流し」を見たことがあるでしょうか? 実はその発祥の地が、ここ指宿なのです。

唐船峡そうめん流し
<出典:写真AC

池田湖の南西部に位置する唐船峡(とうせんきょう)。この渓谷からは1日に約10万トンもの清涼な水が湧き出ており、地域の水がめともなっています。この豊かで清涼な湧き水を利用した名物が、回転式の「唐船峡そうめん流し」です。

唐船峡そうめん流しの施設は屋外にあるため、渓谷の水の音や、木の香りに包まれた中で、自然を感じながら食事ができます。屋根付きなので雨の日も安心。暑い夏、渓谷の冷涼な空気に浸りながら食べるそうめんは最高です。

また、ここの湧き水は年間を通して「水温13度」が保たれているため、冬場でもストーブに当たりながらそうめんが食べられます。そんな味わいやユニークさが受けて、いまや唐船峡そうめん流しは全国から年間に20万人もの観光客が訪れる人気のグルメスポットです。市営なので、単品のそうめんが580円からと、リーズナブルな価格で楽しめるのも嬉しいところ。鯉の洗いやマスの塩焼きなど、その他の指宿名物も一緒に味わうのもおすすめです。

  • 住所:指宿市開聞十町5967番地

池田湖パラダイス

池田湖の駐車場からすぐ近く、白いイッシー像が目印の池田湖パラダイス。昔ながらのドライブインといった風情で、土産物屋やレストランが利用できます。レストランでは鹿児島名物の黒豚丼や、指宿発祥の回転式そうめん流しも楽しめます。

また、ここの名物の1つは大うなぎ。店内の水槽では、現在8匹の大うなぎがのんびり暮らしているのを見学できます。想像をはるかに超えるその大きさには、きっとビックリされることでしょう。

開聞岳や池田湖、季節の花々も一緒に写真撮影できる絶好のポイント。ぜひ立ち寄ってみてください。

  • 住所:指宿市池田5269

dankenCOFFEE(ダンケンコーヒー) いけだ湖パクス店

鹿児島で大人気のベーカリーを展開する「danken」によるコーヒーショップ。天文館やイオンモールなど、県内に数軒を構える人気店が、池田湖にも出店しました。

いけだ湖パクス店では、店内席からも、テラス席からも、開聞岳と池田湖が一望。最高の景色の中、サクサクのパンやスイーツと相性抜群のコーヒーが楽しめます。ウッドデッキに出て楽しむのも良いですし、ちょっと変わった形の屋根の上は、なんと実は芝生!屋根の上で遊ぶこともできちゃいます。

早速、池田湖の新名所として大賑わいの人気カフェ。ぜひ充実の休憩時間を過ごしてみてくださいね。

  • 住所:指宿市池田5123番地7

yokatoko cafe

2022年にオープン。こちらも開聞岳や池田湖を眺められる、とてもロケーションの良いカフェです。すべて手作りの焼き菓子やタルトなどのスイーツ、ドリンクはドライブの休憩に最適。土日及び不定期営業のお店ですが、タイミングが合ったらぜひ立ち寄ってみたい場所です。そして、なんとお店そのものまで手作り(DIY)というこだわりには驚き!外観も内装もウッディで可愛らしく、まるで映画か小説の中に入り込んだかのような時間が過ぎていきます。

天気の良い日は、ぜひテラス席やハンモックで、池田湖からの心地よい風を感じながら過ごしてみましょう。

  • 住所:指宿市池田3143-1

12. 池田湖へのアクセス

池田湖への移動は車が便利です。バスは1日数本の運行なので事前にスケジュールを確認するようにしてください。

[車]

  • 鹿児島空港から約1時間35分(高速利用)
  • 鹿児島市から約1時間20分
  • JR指宿駅から約25分
  • 指宿スカイライン頴娃ICから県道17号経由で約17分

[公共交通]

  • JR指宿駅から鹿児島交通路線バスで約1時間、池田湖バス停下車すぐ

13. 池田湖のとなりにある鰻池もチェック!

鰻池
<出典:写真AC

大きな池田湖の陰にそっと隠れるように水をたたえているのが「鰻池(うなぎいけ)」。

マグマが噴出した火口の跡に水が溜まってできた火口湖です。直径は約1.3km、周囲約4.2kmのほぼ円形で、水深はおよそ56.5m。周囲をうっそうとした木々に覆われた崖が囲っているため、外界から隔絶されたような、ひっそりと神秘的な雰囲気が漂います。

ここにはかつて大うなぎが棲息していたといわれ、一時期にはうなぎの養殖もされていました。

鰻池に来たら、ぜひ東岸の鰻温泉に寄ってみましょう。ここは、かの西郷隆盛が気に入って湯治に訪れたことで有名です。民宿のほか、区営の浴場もあるので、日帰りでも気軽に温泉に浸かることができます。泉質の良い単純硫黄泉と、池田湖の賑わいとは対照的な静かな環境が、全国の温泉ファンからひそかに愛される理由です。

また、この一帯の一般家庭で使用されている独特の調理道具、「スメ」も体験してみましょう。スメとは、地下の蒸気を地上に吸い上げて、カマドにつなぎ、蒸し料理に利用するものです。鰻温泉のスメ広場には観光客向けのスメがあり、誰でも格安で使用できますので、卵やイモなどを持ち込んで、天然エネルギーの蒸し料理を体験してみてはいかがでしょうか。

  • 住所:指宿市山川成川6517(区営鰻温泉)

九州の南端、南薩地方の観光に来たら、ぜひこの記事を参考に、池田湖やその周辺を巡ってみてください。

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