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富士五湖とは? 湖ごとの特徴や富士山を望む絶景ポイント
富士山麓に点在する富士五湖は、豊かな自然が広がり、それぞれに魅力の溢れた5つの湖。いずれも世界文化遺産に登録され、湖越しに見る富士山の風景は、日本の象徴として世界的に知られています。
この記事では、そんな富士五湖の魅力をピックアップ。それぞれの湖で楽しめる観光スポットはもちろん、アクティビティ、富士山を望む絶景ポイントも紹介します。気になる湖を見つけたら、さっそく富士五湖の旅へ出てみましょう!
目次
1. 富士五湖とは
<出典元:写真AC>
富士五湖とは、富士山の北麓、山梨県側にある5つの湖の総称。本栖湖(もとすこ)、精進湖(しょうじこ)、西湖(さいこ)、河口湖(かわぐちこ)、山中湖(やまなかこ)のことを「富士五湖」と呼ぶのです。
いずれの湖も、富士山の噴火による溶岩流で堰き止められて生まれた堰止湖(せきとめこ)。噴火の度に形を変え、9世紀頃に現在の形になったと言われています。その自然は富士箱根伊豆国立公園にも指定され、やがて富士急行の創設者である堀内良平によって「富士五湖」の名前が定着しました。
富士五湖の最大の魅力は、湖越しに見る美しい富士山。湖によって周囲の景観や地形が異なるため、それぞれの湖でそこでしか見られない富士山の絶景を楽しめるのです。また、春には桜、夏にはヒマワリやラベンダー、秋には紅葉と、四季折々の彩りが富士山を輝かせます。さらに、冬には富士山の山頂に太陽の光が重なる「ダイヤモンド富士」も楽しめ、まさに1年を通して美しい富士山を見られるのです。
遊覧船に乗れる湖もあるほか、ウィンドサーフィンやカヌー、フィッシング、キャンプ、トレッキングなど、それぞれの湖はアクティビティも充実しています。周囲には観光スポットも多く、子どもから大人まで楽しめるのも富士五湖の魅力。また、ドライブはもちろん、鉄道とバスを使って気軽にアクセスできるのも富士五湖の良さです。
そして富士五湖は、「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」として、ユネスコの世界文化遺産にも登録。江戸時代に成立した民衆信仰・富士講で、その参加者は富士五湖などで身を清めてから富士山を登ったこと、また葛飾北斎や歌川広重の浮世絵に富士五湖が描かれ、なかでも湖面に富士山が映った「逆さ富士」は広く海外にも伝わったことから、富士五湖もまた構成資産のひとつとして登録されたのです。その信仰や芸術は現在にまで受け継がれ、今でも富士五湖越しに見る富士山は、日本を象徴する美しい風景として愛されています。
2. 本栖湖(もとすこ)
<出典元:写真AC>
富士五湖で最も西に位置する本栖湖は、その水深が最も深いことでも知られる湖。また、本州一の透明度を誇り、その輝くような湖面、そして周囲の豊かな自然と、手つかずのままの美しさが魅力的な湖です。
2.1 本栖湖の観光スポット
観光開発されていない本栖湖では、その自然や歴史に触れる観光がおすすめ。自然を満喫するなら、本栖湖の南に位置する竜ヶ岳へ。標高1,485m、かつて「小富士」と呼ばれた山で、2時間ほどの道を登った山頂からは、富士山や青木ヶ原樹海を一望。元旦には、ダイヤモンド富士の初日の出を見られます。
また、武田信虎・信玄の時代に築かれた石塁は、歴史に触れられるスポット。このほか、富士本栖湖リゾートでは、毎年春に富士芝桜まつりが開催され、鮮やかなピンク色の花の絨毯が一面に広がります。
2.2 本栖湖でできる体験
本栖湖のアクティビティで人気なのは、潜らない潜水艦型遊覧船「もぐらん」。船底窓から湖に棲む魚を眺められるほか、デッキからは湖と富士山の絶景を満喫できます。また、春と秋の間だけ解禁されるヒメマス釣りは本栖湖の名物です。
2.3 本栖湖から富士山を望む絶景ポイント
<出典元:写真AC>
本栖湖から富士山を眺めるなら、なんといっても中ノ倉峠がおすすめ。実はここ、写真家・岡田紅陽が撮影し、現在の1,000円札の裏面に描かれている逆さ富士が見られるスポットなのです。片道30分ほどの登山道を歩くので、ちょっと大変という人は、湖畔の本栖湖展望公園からもほぼ同じ構図の富士山を見られます。
2.4 本栖湖へのアクセスと宿泊事情
富士河口湖町と身延町(みのぶちょう)にまたがる本栖湖へは、富士急行線の河口湖駅から富士急行バスに乗って約50分。湖畔には浩庵キャンプ場をはじめとするキャンプ場のほか、ペンションもあり、自然の中でゆったり滞在できます。
本栖湖の基本情報
- 住所:山梨県
- 関連サイト:本栖湖 | Lake Motosuko Tourist Information
3. 精進湖(しょうじこ)
<出典元:写真AC>
周囲約6.8kmと、富士五湖で最も小さい精進湖は、その複雑な形も個性的な湖。明治時代、日本の自然に魅せられたイギリス人、ハリー・スチュワート・ホイットウォーズによって世界に広く宣伝され、「東洋のスイス」とも称えられた湖です。
3.1 精進湖の観光スポット
<出典元:写真AC>
自然豊かな精進湖で訪れたいのは、北岸の諏訪神社に佇む「精進の大杉」。高さ約40m、周囲約10mの巨木は、国の天然記念物にも指定されているご神木。樹齢は約1200年と、見上げるだけで不思議なパワーをもらえる大杉です。
また、運が良い人だけ見られるのが、富士五湖の6つ目の湖といわれる「赤池」。精進湖の東岸に、たくさんの雨が降ったときにだけ現れる小さな池で、幻の富士六湖とも呼ばれる姿は神秘的です。
3.2 精進湖でできる体験
静かな精進湖で楽しみたいのは、湖岸やボートでのフィッシング。発祥地として知られるヘラブナ釣りのほか、コイやワカサギ釣りも人気。また秋になると、湖岸の紅葉を眺めながらカヌーをゆったり楽しめます。
3.3 精進湖から富士山を望む絶景ポイント
<出典元:写真AC>
湖面が穏やかな精進湖は、逆さ富士を美しく撮れるスポットとして、カメラマンにも人気の湖。なかでも北岸の他手合浜(たてごうはま)から望む富士山は、手前にある大室山を抱っこしているようにも見え、「子抱き富士」の名で親しまれています。このほか、西岸の高台にあるパノラマ台は、ハイキングコースを1時間ほど登ると辿り着く絶景スポット。精進湖と青木ヶ原樹海の向こうに、雄大な富士山を望みます。
3.4 精進湖へのアクセスと宿泊事情
精進湖へのアクセスは、富士急行線の河口湖駅から富士急行バスに乗って約40分。湖畔には、山田屋ホテルや精進マウントホテルなど、美しい富士山を目の前に望むホテルが並ぶほか、民宿村やキャンプ場などもあります。
精進湖の基本情報
- 住所:山梨県南都留郡富士河口湖町精進
- 関連サイト:精進湖 | 富士五湖ぐるっとつながるガイド(富士五湖観光連盟)
4. 西湖(さいこ)
<出典元:写真AC>
富士五湖で真ん中に位置する西湖は、青木ヶ原樹海に囲まれた自然溢れる湖。2010年、タレントのさかなクンによって、70年前に絶滅したと考えられていたクニマスがギョギョッと発見されたことでも話題となった湖です。
4.1 西湖の観光スポット
<出典元:写真AC>
かつて湖畔に、「日本一美しい」と称された茅葺き屋根の集落があった西湖。その集落を再現した「西湖いやしの里根場(ねんば)」は、西湖でも指折りの観光スポット。陶芸や手漉き和紙、和風小物の手作り体験ができるほか、山梨名物のほうとうを味わえるレストランもあります。
さらに、富士山の噴火によって生まれた溶岩洞窟も、西湖の見どころ。なかでも西湖コウモリ穴は、富士山麓で最大の溶岩洞窟で、冬でも暖かいため、コウモリが冬眠する場となっています。少し足を延ばせば、富岳風穴や鳴沢氷穴もあり、いずれも探検気分で洞窟内を見学できます。
4.2 西湖でできる体験
西湖では、カヌーやウィンドサーフィンのほか、フィッシングが人気。とくに、春と秋に解禁されるヒメマス釣りが名物で、湖畔のレストランでは美味しいヒメマス料理も味わえます。また、ブラックバスは東日本屈指の釣り場とも評判です。
4.3 西湖から富士山を望む絶景ポイント
<出典元:写真AC>
西湖から富士山を眺めるなら、北西岸の根場浜がおすすめ。青木ヶ原樹海の向こうに富士山を望み、穏やかな入り江が広がるので、美しい逆さ富士も見られます。また、高台に位置する紅葉台は、南に富士山、北に西湖を望む絶景スポット。さらに15分ほど歩いて登れば、西湖はもちろん、精進湖や本栖湖まで一望できる三湖台に辿り着きます。
4.4 西湖へのアクセスと宿泊事情
西湖へのアクセスは、富士急行線の河口湖駅から富士急行バスに乗って約40分。湖畔には、クラシックな雰囲気が評判のマ・メゾンといったホテルのほか、民宿やキャンプ場があります。
西湖の基本情報
- 住所:山梨県南都留郡富士河口湖町西湖
- 関連サイト:西湖 | 富士五湖ぐるっとつながるガイド(富士五湖観光連盟)
5. 河口湖(かわぐちこ)
<出典元:写真AC>
富士五湖の観光拠点となっている河口湖は、周囲約21.0kmと、5つの湖の中で最も長い湖岸線を持つ湖。早くから観光開発が進み、温泉にも恵まれていることから、多くの観光客に親しまれている湖です。
5.1 河口湖の観光スポット
<出典元:写真AC>
富士五湖の中でも、たくさんの観光スポットが集まる河口湖。歴史に触れたいなら、富士山中で最古の神社・冨士御室浅間神社(ふじおむろせんげんじんじゃ)と、「縁結びの杉」が人気の河口浅間神社(かわぐちあさまじんじゃ)へ。ともに富士山の神様を祀り、世界文化遺産にも登録されています。
また、春には北岸の桜、夏には大石公園のラベンダー、秋にはもみじ回廊の紅葉と、四季折々の彩りを楽しめるのも河口湖の魅力。多くの絶叫マシンがある富士急ハイランドも近く、家族連れやカップルにもおすすめです。
5.2 河口湖でできる体験
河口湖で乗りたいのが、富士山の絶景を楽しめる遊覧船「天晴(あっぱれ)」。純和風なその姿は、甲斐武田軍に属していた水軍の船をモチーフにしたもの。有名なブラックバス釣りのほか、カヌーで無人島「うの島」を目指すツアーも人気です。
5.3 河口湖から富士山を望む絶景ポイント
<出典元:写真AC>
古くから文人に愛されてきたのが、北東岸の産屋ヶ崎(うぶやがさき)から望む富士山。逆さ富士の名所として知られ、春には桜とのコントラストも楽しめます。その産屋ヶ崎から延びる河口湖大橋は、富士山を一望するドライブスポットです。
河口湖と富士山を眺めるなら、「~河口湖~ 富士山パノラマロープウェイ」に乗って、天上山を目指すのもおすすめ。また、河口浅間神社の遥拝所は、「天空の鳥居」の向こうに富士山を望む絶景スポットとして、近年注目を集めています。
5.4 河口湖へのアクセスと宿泊事情
河口湖へは、富士急行線の河口湖駅から徒歩で約15分。湖畔には富士河口湖温泉郷があり、うぶや、風のテラスKUKUNAなど、旅館やホテルが多く並びます。
河口湖の基本情報
- 住所:山梨県南都留郡富士河口湖町
- 関連サイト:河口湖 | 富士五湖ぐるっとつながるガイド(富士五湖観光連盟)
6. 山中湖(やまなかこ)
<出典元:写真AC>
富士五湖で最も東に位置する山中湖は、その面積が最も広いことで知られる湖。さらに、標高約980mと、5つの湖の中で最も高所に広がり、夏は爽やかな避暑リゾート、冬は白鳥が飛来する湖として有名です。
6.1 山中湖の観光スポット
<出典元:写真AC>
山中湖で観光を楽しむなら、四季折々の花で彩られる花の都公園へ。春はチューリップ、夏はポピーやヒマワリ、秋はコスモスと、富士山を望む花畑が広がり、撮影スポットとしてもおすすめです。
また、富士山の雪解け水が湧き出ている忍野八海(おしのはっかい)は、世界文化遺産にも登録された湧水池。澄み切った清水がこんこんと湧き出る光景は、見惚れてしまうほど神秘的。このほか、ハイキングでしか行けない隠れスポットとして、割れた巨岩がそそり立つ石割神社もあります。
6.2 山中湖でできる体験
山中湖のアクティビティなら、白鳥の形が可愛い遊覧船「白鳥の湖」と、陸上から湖へダイブする水陸両用バス「KABA BUS」が人気。どちらも、多くの鉄道を手掛けた水戸岡鋭治氏のデザインです。冬になれば、暖かいドーム船でのワカサギ釣りも楽しめます。
6.3 山中湖から富士山を望む絶景ポイント
<出典元:写真AC>
秋から冬の夕暮れどきに、輝くダイヤモンド富士を見られる山中湖。その絶景ポイントとしては、北東岸の平野の浜、北岸の長池親水公園がおすすめ。湖面が穏やかなら、逆さ富士にも太陽が重なる「ダブルダイヤモンド富士」を見られます。
さらに、三国峠へ至る県道沿いのパノラマ台は、眼下に山中湖が広がり、富士山はもちろん、南アルプスまで一望する展望スポット。夏から秋にかけて、早朝に富士山が赤く染まる「赤富士」は絵画のような美しさです。
6.4 山中湖へのアクセスと宿泊事情
山中湖へは、富士急行線の富士山駅から富士急行バスに乗って約20分。幻想的な雲海を楽しめるホテルマウント富士をはじめ、多くのホテルや旅館、ペンションなどがあります。
山中湖の基本情報
- 住所:山梨県南都留郡山中湖村
- 関連サイト:山中湖 | 富士五湖ぐるっとつながるガイド(富士五湖観光連盟)
1000円札に描かれた本栖湖、子抱き富士が見られる精進湖、樹海に囲まれた西湖、観光スポットが集まる河口湖、ダイヤモンド富士が輝く山中湖......。あなたは、どの湖に行ってみたいですか? 富士五湖は、それぞれに個性豊かな魅力がいっぱいです。この記事を参考に、富士五湖へ旅に出て、好みの湖を見つけてみるのもいいかもしれませんよ。
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