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プロジェクションマッピングが常時楽しめるスポットまとめ
建物などの立体的な物をスクリーンとしてCGなどの映像を投影する「プロジェクションマッピング」。最近では、テーマパーク以外にもさまざまな場所で展示されていて、リアルとバーチャルがシンクロナイズした幻想的な世界を身近で楽しむ機械が増えました。そこで今回は、プロジェクションマッピングの魅力や種類、プロジェクションマッピングが常時楽しめるおすすめのスポットをご紹介します。
目次
1. プロジェクションマッピングとは
建物などのオブジェクトに、CGなどの映像を投影して幻想的な世界を作り出す「プロジェクションマッピング」。映像だけではなく、音楽や効果音などの音響効果も付加されて演出されることもあります。
<出典:写真AC>
「プロジェクション(投影)」と「マッピング(張り合わせる)」というふたつの言葉を語源としていて、2012年に東京駅で行われた光のショー「TOKYO HIKARI VISION」で大規模なプロジェクションマッピングが披露されたことがきっかけとなり、国内での認知度が高まりました。
その特徴は、スクリーンが平面ではなく立体的であるということ。城や寺のような建造物から看板、噴水などさまざまなものをスクリーンとして映像を投影することができるため、見慣れた景色も瞬時に全く異なる新鮮な印象へと変えてくれます。
これまではテーマパークや特別なイベント会場などでしか目にすることがなかったプロジェクションマッピングですが、最新技術の広まりを受けて、アミューズメント施設や観光地などで常設展示するケースや、結婚式や卒業式などの式典で導入されるケースも最近では増えています。
2. プロジェクションマッピングの種類
プロジェクションマッピングは、さまざまなものを投影の対象物とすることができます。お城や寺社、ビルなどの建築物はもちろん、テーブル、お皿、靴、額縁などの身近なものや空、海、湖面、木といった自然界のもの、人の体など、大きく言えば地球上のありとあらゆるものに映像を投影することが可能です。
また、近年は人のアクションに相互作用する「インタラクションマッピング」というものも展開されています。
3. 常設のプロジェクションマッピング
イベント会場など特別なシーンで行われることの多かったプロジェクションマッピングですが、最近では常設で展示しているところも増えています。
そこで、ここからは日本各地で行われているプロジェクションマッピングのなかから、おすすめのものをピックアップ。その魅力を詳しくご紹介いたします。
松島離宮のレツルタワー(宮城県宮城郡)
2020年10月にオープンした宮城の商業施設「松島離宮(まつしまりぐう)」。飲食店や土産物店、博物館などがあり、地元の人たちはもちろん観光客にも人気のスポットです。隣接する「離宮庭園」には日本古来のイロハモミジやヤマモミジ、日本の桜・ソメイヨシノ、ヤブツバキなどが植えられ、景勝地・松島の美しい姿を表現。
一年を通してライトアップが行われていて、松島離宮のシンボルでもあるレツルタワーのプロジェクションマッピングも一年中楽しむことができます。ライトアップとプロジェクションマッピングが作り出す幻想的な世界は必見です。
【松島離宮のレツルタワー】
- 住所:宮城県宮城郡松島町松島字浪打浜18番地
- 定休日:年中無休
- 公式サイト:松島離宮
道の駅きつれがわ(栃木県さくら市)
「道の駅きつれがわ」はさくら市の国道293号にある大正ロマン・大正モダンをコンセプトに掲げた道の駅。良質なナトリウム塩化物泉で「日本三大美肌の湯」として知られる喜連川温泉を体験できることから、地元の人はもちろん観光客も多く訪れる人気スポットとなっています。
2019年には栃木県初の常設型プロジェクションマッピングが導入され、毎週金曜日と土曜日の日没後からは、デジタルサイネージとして利用されるだけでなく、さくら市の観光PR大使「コンタ君」が不思議の世界を冒険するオリジナルストーリーも上映されています。
【道の駅きつれがわ】
- 住所:栃木県さくら市喜連川4145-10
- 定休日:第2・4月曜日(祝日の場合は翌日)
- 公式サイト:道の駅きつれがわ
HANA・BIYORI(東京都稲城市)
「HANA・BIYORI」は、2020年3月によみうりランド遊園地に隣接する日本庭園にオープンした新感覚フラワーパークです。関東最大級のフラワーシャンデリアがある1,500平方メートルの温室をはじめ、コツメカワウソとのふれあい体験やワークショップ、海水魚とサンゴの森が広がる大型アクアリウムなど多彩な魅力に溢れています。
HANA・BIYORIのプロジェクションマッピングは、日本で初めての常設となる「花」と「デジタル」を融合したショー。壁面だけでなく植物までも投影の対象となっており、季節に合わせて異なるプログラムを楽しむことができるエンターテイメント性の高さが人気です。音や観客参加型の仕掛けを取り入れることで、観客が幻想的な世界に入り込むことができるだけでなく、観客の感情を分析してエンディングが切り替わる「マルチエンディング」を採用するなど、驚きと感動のプログラムを満喫できます。
【HANA・BIYOR】
- 住所:東京都稲城市矢野口4015-1
- 定休日:季節によって異なる
- 公式サイト:HANA・BIYOR
こまつ80スクエア(石川県小松市)
2020年12月、石川県小松市の市制80周年を記念してオープンした「こまつ80(はちまる)スクエア」。JR小松駅の東口と、「サイエンスヒルズこまつひととものづくり科学館」をつなぐアプローチ部分にあり、全長70mx幅10mという規模は常設のプロジェクションマッピングとしては日本海側最大級の大きさを誇ります。季節に合わせて投影される映像が変わり、四季折々の煌びやかで幻想的なプログラムを楽しめる人気スポットです。
【こまつ80スクエア】
- 住所:小松市日の出町一丁目180番地
- 関連サイト:こまつ80スクエア プロジェクションマッピング(小松市ホームページ)
丸岡城(福井県坂井市)
<出典:写真AC>
北陸唯一の現存天守で最古の建築様式を持つ「丸岡城」。織田信長の命によって築かれた城で、築城400年には城周辺に400本のソメイヨシノが植えられた日本庭園式公園が造られ、市民の憩いの場として親しまれています。
また、近年はプロジェクションマッピングの常設スポットとしても人気で、丸岡城にまつわる武将のイラストや季節ごとに変わる本編映像などが天守を彩り、色鮮やかな丸岡城を楽しめます。丸岡城西側にあるお天守前公園で取り入れられている、人の動きを感知して光が動くインタラクションマッピングも必見です。また、春には城周辺のソメイヨシノが満開になり、美しい花と光の饗宴を楽しむことができます。
【丸岡城】
- 住所:福井県坂井市霞町1-59
- 定休日:毎年6月21日、6月28日、7月7日
- 公式サイト:丸岡城
大阪市立長居植物園(大阪府大阪市)
大阪市立長居植物園で2022年7月に新しく誕生した「チームラボ ボタニカルガーデン 大阪」。人気のアート集団「チームラボ」が手掛けるプロジェクションマッピングの常設展で、「自然が自然のままアートになる」をコンセプトにした幻想的な光のアートを楽しむことができます。
【大阪市立長居植物園】
- 住所:大阪府大阪市東住吉区長居公園1-23
- 定休日:季節によって異なる
- 公式サイト:大阪市立長居植物園
マリーナホップ(広島県広島市)
瀬戸内海に隣接した複合型商業施設「広島マリーナホップ」。ヨットハーバーに臨むシーサイドレストランや、愛犬と一緒に買い物を楽しめるショッピングエリア、水族館などを有する人気スポットで、世界遺産・宮島への定期高速船も就航しています。ヨットハーバーに面した海辺の遊歩道『プロムナードデッキ』では、一年を通してプロジェクションマッピングが行われていて、季節ごとにプログラムが変わるだけでなく、毎日計8回の上映もそれぞれ異なる映像を楽しむことが可能。映像と音楽が織りなす不思議な空間を体感できます。
【マリーナホップ】
- 住所:広島県広島市西区観音新町4丁目14-35
- 定休日:季節によって異なる
- 公式サイト:マリーナホップ
大分県立歴史博物館(大分県宇佐市)
貴重な文化財を多数展示する「大分県立歴史博物館」は、大分の文化や歴史を知ることができる施設。宇佐・国東の仏教文化をテーマのひとつとしてさまざまな展示がされていて、その目玉である12世紀創建・九州最古の木造建築である「富貴寺大堂」と11世紀に創られた大分県最古の磨崖仏「熊野磨崖仏大日如来」の実物大模型は、国東半島の仏教文化を伝える著名な文化財です。大分県立歴史博物館では、このふたつの実物大模型の壁面をスクリーンにしたプロジェクションマッピングを常設。公式キャラクターの「ごりんくん」が磨崖仏の特徴を解説したり、寺をめぐる季節ごとの風景や極楽浄土世界を大迫力の映像で楽しむことができます。
【大分県立歴史博物館】
- 住所:大分県宇佐市高森字京塚
- 定休日:月曜(月曜が祝日の場合は翌日)、12月28日~1月4日
- 公式サイト:大分県立歴史博物館
4. プロジェクションマッピング関連の有名なイベント
いつでもプロジェクションマッピングの幻想的な世界を楽しめる常設展示も素敵ですが、イベントなどで行われる期間限定のプロジェクションマッピングはスケールの大きなものも多く、常設展示とは違った魅力を楽しむことができます。ここからは、プロジェクションマッピング関連の有名なイベントをチェックしていきましょう。なお、最新情報については公式ホームページなどで事前にご確認ください。
KAMORI WONDER LIGHTS(北海道虻田郡)
北海道虻田郡留寿都村にある人気リゾート施設「ルスツリゾート」で開催されている「KAMORI WONDER LIGHTS 生命の大地・北海道」。ホテルの壁面にある50m×13mの巨大なガラスをスクリーンにして映像を写す期間限定のイベントで、アイヌの物語と音楽を融合しながら美しい自然に恵まれた北海道を表現します。
もともとは、2018年に北海道の150周年事業として旧北海道庁赤れんが庁舎で行われたイベントで、約1ヶ月という短い開催期間のなかで13万人もの人が来場。大好評につき場所をルスツリゾートに移し、その続編を公開することになったそうです。ガラスをスクリーンにしているため、屋内・屋外の両方からプロジェクションマッピングを見ることができ、それぞれ異なる美しく幻想的な世界を楽しむことができます。
【KAMORI WONDER LIGHTS】
- 住所:北海道虻田郡留寿都村字泉川13番地(ルスツリゾート)
- 定休日:公式サイトでご確認ください
- 公式サイト:ルスツリゾート
TOKYO LIGHTS(東京都新宿区)
2021年からスタートした東京の新しい風物詩「TOKYO LIGHTS」。エンターテイメントやアートを通して世界中に希望を届けるために企画された光の祭典で、明治神宮外苑、聖徳記念絵画館、明治神宮外苑総合球技場軟式球場を舞台に、最先端の映像テクノロジーとファイバービーム技術などを取り入れた、新感覚の光の演出を楽しむことができます。
期間中にはアジア最大級のプロジェクションマッピング国際大会も開催。2022年には世界54ヵ国、241組がエントリーし、その中から選出されたファイナリスト19作品が上映され、圧倒的な映像美で訪れた人々を魅了しました。2023年度の開催日は現時点で未定ですが、公式YouTubeチャンネルでは過去の作品や大会の様子を配信しています。
【TOKYO LIGHTS】
- 主催 : TOKYO LIGHTS実行委員会
- 共催 : 東京都
- 後援 : 新宿区
- 公式サイト:TOKYO LIGHTS
大阪市中央公会堂壁面プロジェクションマッピング(大阪府大阪市)
昨年10周年を迎えた大阪の冬の風物詩「大阪・光の饗宴」。大阪のシンボルストリート・御堂筋で行われる「御堂筋イルミネーション」をはじめ、大阪府のさまざまな場所でエリアプログラムが実施される光の祭典で、期間中は大阪の夜が色鮮やかな光で美しく彩られます。
そのコアプログラムのひとつが、「水の都市」として知られる中之島で行われる光のプログラム「OSAKA光のルネサンス」。中之島の水辺の風景を活かした美しい光のアートを楽しむことができ、その中でも国指定重要文化財「大阪市中央公会堂」をスクリーンにして幻想的な光の映像作品を投影する「大阪市中央公会堂壁面プロジェクションマッピング」は、息を飲むほどの美しさです。
【TOKYO LIGHTS】
- 主催 : 大阪・光の饗宴実行委員会
- 公式サイト:大阪・光の饗宴
上記でご紹介した内容を参考に、最先端技術と光が作り出す幻想的なプロジェクションマッピングを楽しんでみてください。ご紹介内容は2023年5月時点でのものになりますので、実際に訪れる際には公式ホームページなどで最新情報のチェックもお忘れなく。
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