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【モスクワ】チェーホフの家博物館がリニューアルオープン
こんにちは!チェーホフ全集をすべて読了するほど、チェーホフが大好きで、モスクワに住んでいるチェブラーシカです。
2018年11月1日にモスクワ市内のチェーホフの家博物館が修復のために閉まりました。4年5か月後の2023年4月1日、ついに、リニューアルオープンしました。
博物館の再開はいつになるかと心待ちにしていた私は、オープン初日に行ってきました。今回は、新しくなったチェーホフの家博物館と、モスクワ市内にあるチェーホフゆかりの地を紹介します。
目次
チェーホフの家博物館
チェーホフは、1860年1月29日にロシア南部のタガンローグで生まれました。
医学部を卒業し、書類上の職業は医者とありますが、作品を書き、その数は500以上にのぼります。結核になってから、馬車でシベリアを横断し、サハリン島へ行き、流刑者の様子を書き記した『サハリン島』は読みごたえ抜群です。
サハリン島の後は、日本へも行く予定でしたが、当時、日本でコレラが流行していて、日本渡航を断念しました。チェーホフがサハリン島へ出発する前の1886年から1890年にチェーホフが住んだ家が博物館になっています。
今回の改装で、新たに発見された資料の展示が増えました。引き出しがたくさんあり、そこに展示されています。
チェーホフが実際に住んでいた時の部屋の再現は、改装前と同じように残っています。
2階に行くと、メーリホヴォ、ヤルタ、サハリン島に関する展示もあります。サハリンで、日本大使館の職員と一緒に撮った写真や、大使館職員からもらった貝などの展示があります。
チェーホフの家博物館
- 住所:Sadovaya-Kudrinskaya Ulitsa, 6, Moscow, 123242
- TEL:8(495)691-61-54
- 公式サイト: チェーホフの家博物館
- 最寄り駅:バリカドナヤ駅(7号線・紫色の地下鉄)、クラスナプレスネンスカヤ駅(5号線・茶色の地下鉄・環状線)
チェーホフがモスクワ市内で住んだ家紹介
モスクワ市内で博物館になっているのは、先ほど紹介した家だけですが、チェーホフは、モスクワ市内の他の所にも何度も引っ越しをして住んでいました。100年以上前なので、現存していない家もあります。
今回は、チェーホフが住んだことがあるところで、現存していてプレートなどがあるところを4か所紹介します。
1879年に住んでいた家の建物が残っています。
チェーホフの作品の中に「トルーブナヤ広場にて」というのがありますが、この家は、トルーブナヤ広場の近くにあります。現存していませんが、この辺りで他に4か所の家に住んでいました。
チェーホフがモスクワ市内で住んだ家
- 住所:Trubnaya Ulitsa, 23-21, Moskva, 127051
- 最寄り駅:ツヴェトノイ・ブリバール駅(9号線・灰色の地下鉄)、トルーブナヤ駅(10号線・黄緑の地下鉄)、スハレフスカヤ駅(6号線・オレンジの地下鉄)
1890年から1892年に住んだ家の建物も残っています。
2023年4月現在は、ワシリー・ネステレンコという画家のギャラリーになっています。
ワシリー・ネステレンコのギャラリー
- 住所:Ulitsa Malaya Dmitrovka, 29, стр. 4, Moscow, 127006
- 最寄り駅:マヤコフスカヤ駅(2号線・緑色の地下鉄)
1899年に住んだ家の建物も残っています。
1899年に住んだ家の建物
- 住所:Ulitsa Malaya Dmitrovka, 12, Moskva, 127006
- 最寄り駅:チェーホフスカヤ駅(9号線・灰色の地下鉄)、プーシキンスカヤ駅(7号線・紫色の地下鉄)、トヴェルスカヤ駅(2号線・緑色の地下鉄)
1899年に住んだ家の建物も残っていて、先ほどの家のはす向かいにあるので、一緒に見てしまうといいです。そして、この建物は、現在ヒルトン系列のホテル・チェーホフになっていて、泊まることもできます。
ホテル・チェーホフ
- 住所:Ulitsa Malaya Dmitrovka, 11, Moscow, 127006
- 最寄り駅:チェーホフスカヤ駅(9号線・灰色の地下鉄)、プーシキンスカヤ駅(7号線・紫色の地下鉄)、トヴェルスカヤ駅(2号線・緑色の地下鉄)
4つ紹介したうちの最後の3つは、すべて同じ通りにあるので、散策もしやすいと思います。
チェーホフが結婚式をした教会
1901年に女優のオリガ・クニッペルと結婚式をした教会もモスクワ市内に残っています。
教会の壁には、チェーホフが挙式したことが書かれており、結婚記念日の6月7日には、教会内でセレモニーも行われます。
フラム・ヴォスドヴィジェニヤ・クレスタ・ゴスポドニャ
- 住所:1-Y Truzhenikov Pereulok, 8/1, Moscow, 119121
- TEL:8(499)248-44-36
- 公式サイト: フラム・ヴォスドヴィジェニヤ・クレスタ・ゴスポドニャ
- 最寄り駅:キエフスカヤ駅(3号線・青い地下鉄、4号線・水色の地下鉄、5号線・茶色の地下鉄・環状線)
チェーホフの銅像
モスクワ市内に、チェーホフの銅像もあります。
チェーホフは演劇の戯曲を書いていたことも有名で、モスクワ芸術座という劇場の近くに銅像があります。
チェーホフの銅像
- 最寄り駅:アホートヌイ・リャト駅(1号線・赤い地下鉄)、ティアトラリナヤ駅(2号線・緑色の地下鉄)
チェーホフのお墓
チェーホフは、ドイツのバーデン・ヴァイラーで7月15日に亡くなりました。その後、ご遺体がモスクワに運ばれ、ノヴォデヴィチ墓地に眠っています。
ノヴォデヴィチ墓地
- 住所:Luzhnetskiy Proyezd, 2, Moscow, 119048
- TEL:8(499)246-66-14
- 公式サイト:ノヴォデヴィチ墓地
- 最寄り駅:スポルティブナヤ駅(1号線・赤い地下鉄)
まとめ
いかがでしたか?チェーホフが好きな方は、ぜひモスクワでチェーホフゆかりの地を散策してみてください。また、チェーホフの作品をまだ読んだことがない方は、短編をいくつか読んでみることをおすすめします。
ロシア文学というと、トルストイやドストエフスキーを思い浮かべる人が多く、長くて難しいというイメージがあると思いますが、チェーホフの作品は短編が多いので、読みやすいと思います。
NHKラジオで放送中の『まいにちロシア語』の2023年6月には、チェーホフの『ワーニカ』が放送予定になっています。悲しく、せつない話ですが、私が好きな作品の1つです。絵本にもなっています。
モスクワで平穏な生活を送れるにも関わらず、あえてサハリン島を目指したチェーホフ。『シベリアへの旅』を読んで、『サハリン島』を読むと、困難な道を選ぶチェーホフの姿に感銘をうけます。チェーホフの作品はなかなかハッピーエンドで終わるものは少ないのですが、なかなか思うようにいかない現在の世の中において、何か勇気をもらえると思います。
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チェブラーシカ
- 高校3年生の時に好きになったロシア。音楽、文学、歴史、美術、バレエ、料理、ロシア人気質などに興味をもちました。でも、ロシア語を専門に学んだことはありません。ロシアが好きでいろいろ知るうちに、2016年12月にロシア人男性と結婚し、2017年4月からロシアに住むことになりました。普通のガイドブックには載っていない情報をお届けします。