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【日本百名山】4座目はダイナミックな霧島連山の主峰・韓国岳(宮崎県)
<TOP画像:霧島連山の主峰・韓国岳から新燃岳と高千穂峰を望む>
こんにちは!たびこふれライターの中尾です。
韓国岳(からくにだけ)は標高1,700mを誇る霧島連山(きりしまれんざん)の最高峰。えびの高原東南にそびえ、直径900m、深さ300mの火山湖を持つダイナミックな山です。韓国岳の山名の由来は、晴れた日に山頂から遠く韓国まで見渡せると言われていることからこの名前が付いたそうです。何よりも韓国岳山頂からのダイナミックな景色は誰もを魅了すると言われています。初級者向けの登山道もあるので、ダイナミックな景色を求めて僕も登ってきました!
目次
日本百名山4座目 韓国岳
韓国岳(からくにだけ)登山情報
『注意』
えびの高原に面する硫黄山周辺で火山活動が高まっているため、2023年7月7日に火山周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から2(火山周辺規制)に引き上げられました。それに伴い、えびの高原から韓国岳山頂を目指す「えびの高原北側ルート」は通行できなくなっています。韓国岳山頂へはえびの高原南側ルートまたは大浪池ルートを利用することになります。
今回の登山情報
- 登山日:2023年3月18日
- 天候:晴れ
- 日本百名山4座目:韓国岳(宮崎県と鹿児島県の県境)
- 標高:1,700m
- 登山ルート:【登り】えびの高原から韓国岳山頂(えびの高原北側ルート)/【下り】韓国岳山頂から大浪池経由えびの高原(えびの高原南側ルート)
- 距離:【登り】約2.5km/【下り】約3.7km/【標高差:約550m】
- 所要時間:【登り】約2時間/【下り】約2時間30分(僕は登り1時間30分、下り2時間15分でした)
- 公表されている難易度:【登り】初級者向け/【下り】中級者向け
- 僕が体験してみての難易度:【登り】初級者向け/【下り】中級者向けだと思います
- 登山道の特徴:【登り】整備されていますが、活火山のため、火山性の小石・岩が散乱していて滑りやすいです。特に危険箇所はありません。/【下り】木道が滑りやすいのと安定していないぐらぐらの箇所があります。韓国岳山頂から大浪池まではかなり急な坂を下りますので滑り落ちないように気をつけてください
- 服装:暖かかったので長袖と半袖シャツ、登山用のズボン、登山靴を履いて登りました。初級者向けのコースとはいえ、登山靴が必要です
霧島連山は桜島同様、常に活動している活火山です。いつ大規模な噴火が起きるか分かりませんので、登山道の状況は常に情報収集するように心がけてください。
【登り】えびの高原から韓国岳山頂(えびの高原北側ルート)
【注意】2023年7月7日からえびの高原北側ルートは噴火警戒レベル2のため通行できません。
車はえびの高原駐車場へ停めます。大きな駐車場ですので満車になることはないと思います。この駐車場の標高は約1,200mです。
天気が良ければ駐車場からも霧島連山を眺望することができます...。
【10:10出発】えびの高原北側ルート登山口です。
【10:45】硫黄山火口展望所です。目の前に硫黄山(1,310m)が見えます。ゴーと不気味に噴煙を上げる火口を見ると活火山だということが分かります。しかし、ここは登山道ですが、危険箇所の為、長居してはいけません。
噴煙を上げ活動をする火山を動画でご覧ください。
【10:50】三合目を通過します。標高1,410mです。えびの高原駐車場から0.8km、韓国岳山頂まで1.3kmです。
振り返るとえびの高原の施設や駐車場が眼下に見えていました。
【10:55】四合目を通過します。標高1,450mです。えびの高原駐車場から0.9km、韓国岳山頂まで1.2kmです。
【11:05】五合目を通過します。標高1,520mです。えびの高原駐車場から1.2km、韓国岳山頂まで0.9kmです。
五合目には韓国岳登山道休憩所があります。ここは避難所ではありませんが、噴火の際は頭を保護しながら屋内に避難し、噴火が落ち着いたらすぐに下山しましょう。
避難小屋の室内はこんな感じです。トイレはありません。
【11:15】六合目を通過します。標高1,570mです。えびの高原駐車場から1.4km、韓国岳山頂まで0.7kmです。
【11:20】七合目を通過します。標高1,600mです。えびの高原駐車場から1.5km、韓国岳山頂まで0.6kmです。
【11:30】八合目を通過します。標高1,640mです。えびの高原駐車場から1.7km、韓国岳山頂まで0.4kmです。
雲上に出ました。右側に大浪池(おおなみいけ)も見えてきました。光の当たり方によって水面の色が変化します。
左側には直径約900m、深さ約300mの火口が見えてきました。雨が降ると水が溜まり池になるそうです。この日はほとんど水は干上がっていました。
【11:35】九合目を通過します。標高1,670mです。えびの高原駐車場から1.9km、韓国岳山頂まで0.2kmです。
韓国岳山頂までもう少し!大きな岩に足をとられないように気をつけて登ります。
韓国岳山頂
【11:45到着】韓国岳山頂に到着です。標高は1,700mです。
正面西側には手前に新燃岳(しんもえだけ・1,421m)の大きな噴火口、奥左側に高千穂峰(たかちほのみね・1,574m)のダイナミックな山並みが見えます。異空間に迷い込んだ感覚です。
※新燃岳は活火山のため、登山はできません。
正面は大浪池(おおなみいけ)、左に新燃岳(しんもえだけ)、高千穂峰(たかちほのみね)が見えます。
エメラルドグリーンのような水をたたえた大浪池です。
韓国岳山頂から火口を見下ろします。切り立った崖になっているので注意が必要です。
【下り】韓国岳山頂から大浪池経由えびの高原(えびの高原南側ルート)
【12:05下山開始】それでは大浪池に向けて下山を開始します。韓国岳避難小屋まで約1.2kmです。
大浪池もはっきり眼下に見えてきます。
木道を下ります。ところどころ痛んでいて足場が悪いところもありますので、注意が必要です。
大浪池に向け下っていく木道。
場所により木の階段もあります。急なのでゆっくり下りましょう。登りと下りが同じ木道や木の階段を使いますので譲り合って通行します。
場所により、木道が痛んでいたり、崩壊していたりしますので、足元には十分気をつけて歩きましょう。
【12:50着】韓国岳避難小屋まで下ってきました。ここで標高1,337mです。韓国岳山頂から約45分かかりました。ここは大浪池東回り、大浪池西回りの分岐点になっていて、どちらを通っても大浪池登山口まで約2kmです。
ここにも避難小屋はありますが、トイレはありません。
避難小屋の内部です。きちんと清掃されています。
【13:00通過】えびの高原南側ルート(右)と大浪池ルート(左)の分岐点です。大浪池を見たかったので左に進みます。
少し急な坂を約10分登ると大浪池西側に出ます。
後方には先ほどまで登っていた韓国岳がそびえています。
【13:25通過】大浪池は一周回らず、再び同じ道を下って分岐点まで戻ってきました。分岐点からえびの高原南側ルートを通ってえびの高原の駐車場まで約2.5km、約50分でした。ただし、このルートは利用している人は少なく、登山道もいまいち整備されていなくて、ところどころ悪路になっていました。駐車場に戻ってきた時は靴がドロドロになっていました。
最後の方はなだらかな樹林帯を進みます。枝にリボンが付けられていますので、それを目印に進まないと道に迷ってしまいます。
【14:15到着】登山口に到着しました。ここから道路を歩いて駐車場へ向かいます。
【14:20到着】駐車場に戻ってきました。こちらにはえびのエコミュージアムセンターや土産店が併設されています。
駐車場に面した休憩所とトイレ。韓国岳へ登り始めるとトイレがありませんので、不安な方は携帯トイレを持参しましょう。僕は登山開始が10:10、登山終了が14:20でしたので、4時間10分かかりました。スムーズに進んでも4時間くらいはトイレに行けません。
このトイレはとても清潔で、男女別で着替えルームがありました。
また外には登山靴をあらう水道とブラシがありました。えびの高原南側ルートは悪路だったので、靴を洗うことができ、とてもありがたかったです。
えびの高原の駐車場代は1日500円です。
登り始めは韓国岳の山容を見ることができませんでしたが、下山後、見ることができました。右が韓国岳、左の噴煙を上げているところが硫黄山です。
えびの高原駐車場から宮崎方面へは週末の昼間だけ通行が可能でした(火山噴火状況により通行止めになります)。ただし、窓を開けてはいけないと言われ、止まることなく進むように指示を受けました。
こちらは大浪池ルートの登山口です。
えびの高原に比べ駐車場は小規模です。
こちらにも登山口にトイレがあります。
携帯トイレの処理用のゴミ箱が設置されていたのには驚きました。
大浪池ルートの登山口です。しばらく急登が続くようです。
避難壕もありました。目の前は火山だということを実感させられます。
韓国岳登山の感想
<鹿児島空港へ着陸進入中に撮影>
- えびの高原北側ルートは2023年7月7日から噴火警戒レベルを2に引き上げたことにより、立ち入り禁止になりました。大浪池ルートかえびの高原南側ルートの利用となります
- 登山ルートにはトイレがありません。携帯トイレを持参しましょう
- 登山ルートには避難小屋しかありません。売店はありませんので、飲料や食料は多めに持って行きましょう
- 登山ルートには山小屋はありません。キャンプや野営もできません
- 韓国岳避難小屋から韓国岳山頂にかけては急登になります。木道もメンテナンスができていない箇所がありますので、通行の際は十分気をつけてください
- えびの高原南側ルートは悪路です。雨天時は沼地になりますのでスリップしないように気をつけてください
>>「ライター・中尾の『日本百名山』登山レポート」(一覧)はこちらから
※当記事は2023年3月18日に登山した時のものです。最新情報や火山情報は、現地SNSで事前に調べておくことをおすすめします
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中尾勝
- 旅が大好き!国内海外を問わず飛び回っていますが、海外へは2011年に渡航して以来、出国していません。今は原点に戻り国内を旅しながら日本の良さを体感中。