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タンザニアで長距離バスを利用してみよう!
寒波の厳しい日本ですが、皆さま体調を崩されていないでしょうか?タンザニアはダルエスサラームの2月は残暑厳しい状態になっています。通常は3月後半から雨が降り始め、8月に向けて暑さが和らいでいくので、それまでの辛抱です。
暑さがあるものの、乾季でありシーズンオフでもある2月は、お安く観光できるいい時期でもあります。今回はタンザニア各地を結ぶ、長距離バスについてお伝えします。
目次
タンザニアの国土事情
タンザニアの国土は広く、面積は94.5平方kmで、日本の約2.5倍もあります。対してタンザニアの人口は、2021年の世銀データサイトによると約6,358万人。1億2500万人以上の日本人口に比べると、一人あたりの土地も相当大きくなることが分かります。
人の住んでいない荒野が多くあり、国土の約1/4は政府が定める保護区域になっています。そのため動物たちがのびのび暮らせていて、都市から出ればすぐ野生動物に遭遇するということもよくあります。キリンやゾウが住むようなサバンナだけでなく、チンパンジーが住む森林もあり、バラエティに富む環境がある国です。
タンザニアにはたくさんの部族があり、その数は130以上とも言われています。都市によって住んでいる部族が異なり、タンザニア人同士は出身地を聞けばどの部族なのか、だいたい抵分かるそうです。例えばキリマンジャロコーヒーで有名なモシという都市は、チャガ族の故郷です。ケニアとの国境近くはマサイ族が住んでいますし、南部のマラウイと隣り合わせのムベヤは、ニャキウサ族の居住地です。
タンザニア一の大都市ダルエスサラームには、各地から人々が集まっています。仕事や学校、医療のために上京してくるので、色んな部族の人たちと出会うことができます。ほとんどのタンザニア人は故郷を想う気持ちが強いので、様々な機会に帰郷します。そこで長距離移動が必要になるのです。こういう旅のことを、スワヒリ語で「サファリ」と言います。
タンザニアの移動手段
サファリをする時に、地元の人たちはどんな手段を使っているのでしょうか?主に3種類あります。1つずつご紹介していきます!
1. 飛行機
ここ数年で、飛躍的に需要が伸びているのが国内線の飛行機です。ダルエスサラームの国際空港をハブとする、国内線で代表的な空港会社は2つあり、その他各都市に属する小さいものがあります。2023年2月現在で、片道1万円前後で国内各地に飛んでいるようです。
他の交通手段と比べると段違いに高い価格なので、地元の人よりも外国人がよく使っています。地元の裕福なビジネスマンや有名人も、利用しています。各地に30分〜1時間ほどで着いてしまうので、時間の節約&体力温存に最も有効な交通手段です。
2. 鉄道
国一番の商業都市ダルエスサラームと、国内の主要都市を結ぶ鉄道ラインが何本かあります。一番有名なのがザンビアまで続いているタザラ鉄道です。他にも国内の大体真ん中を東西に走る中央ライン、その中央線から南北の都市に伸びるラインが幾つかあります。
<Railways in Tanzania.svg, 著作:Jkan997, ソース: http://sharemap.org/jkan/railway/Railways%20in%20Tanzania>
現在、サミア大統領の指示のもと、トルコの融資を得てさらなる鉄道ラインを建設中です。ダルエスサラームから、北西に位置するビクトリア湖に面するムワンザをつなぐ165kmの線で、2022年7月から42ヶ月で完成するとされています。鉄道は一度に人も荷物をたくさん運ぶことができるので、より活発な経済発展に貢献するだろう、と言われています。
鉄道の寝台車はちょっとお高めですが、一般席であればバスよりも安く行けます。田舎からたくさんの農作物を、都会から物資を輸送するのによく使われています。隣国に行く経路としても使われていて、市民になくてはならない経路の一つです。
3. 長距離バス
この手段が一番市民の間でポピュラーです。ダルエスサラームからはたくさんの路線が出ていて、普段は前もってチケットを買わずとも当日券で乗れる、庶民の味方です。ただクリスマスの時期やラマダン(断食)明けの祝日は、多くの人が実家に帰るため、早めに予約する必要があります。
長距離バスのチケット購入方法
では長距離バスに乗りたい場合、どうしたらいいのでしょうか?
チケットは各バス会社によって売り場が違います。有名どころであればチケット売り場が各所にあり、買いやすいです。お目当てがある場合は、ネットで近くの売り場を調べ、買いに行くことができます。
ネットで購入したい!と思い、筆者も色々調べたのですが、結論としておすすめできません。サイトを持つバス会社の中には、ネットで予約ができるように見えるものもあります。ところが実際ネットワークエラーになったり、空席自体調べられなかったりしました。カードで支払ったことになっているのに、実際は予約できていなかった...なんてこともありそうです。
バス会社も分からず、ネットでも調べられない...という状況の場合は、バスターミナルまで買いに行くのが一番分かりやすいです。ダルエスサラームには大きなバスターミナルが2つあり、そこにはどのバス会社の売り場も勢揃いしています。特に2021年にオープンしたダルエスサラーム最大のムベジ・マグフリバスターミナルに行けば間違いありません。
ただ上記のマグフリターミナルは郊外にあるので、行くのが大変かもしれません。その場合はシェキランゴチケット売り場まで行くといいでしょう。バスもこのシェキランゴから乗ることができるので、近くのホテルに泊まると安心です。レストランや小売店もたくさんあるので、ちょっとしたお買い物も楽しめます。
チケットを買う手順をご紹介します。
- 前日までに、バス会社の売り場まで行く。
- 目的地と日付を伝える。
- 空席確認後、席を選ぶ。
- 金額を支払う。
- 紙のチケットをもらう。
基本的に現金で支払うことになります。携帯電話のアカウントから支払うこともできるのですが、一時滞在の観光で来る場合この選択肢はないと言えます。同じ目的地でも金額は会社によって違いますので、何か所か売り場をチェックするといいかもしれません。
<シェキランゴのチケット売り場たち>
バスの選び方ですが、安いからというだけで選ぶと、途中で故障して立ち往生したり、運転が荒くて事故に遭ったりという可能性が高まります。一番いいのは地元の人から情報を仕入れることです。ホテルの受付などで、いいバス会社の名前を教えてもらいましょう。
おすすめ観光都市
では長距離バスで行ける、おすすめの観光都市をご紹介します!
キリマンジャロ山の都市モシ
ケニアとタンザニアの国境に聳え立つ、東アフリカ1高いキリマンジャロ山。その麓にあるのがモシ(Moshi)という都市です。キリマンジャロ登山を楽しむのもいいですが、キリマンジャロコーヒーの農園があり、それを見学することもできます。自然豊かでアボカドの美味しい場所です。ダルエスサラームからバスで10時間くらいです。
ビクトリア湖の都市ムワンザ
ケニアとウガンダ、2つの国に隣接した、アフリカ最大の湖に面しているのがこのムワンザ(Mwanza)。漁が盛んで魚がよく食されています。タンザニアで一番人口が多いスクマ族が住む地で、湖を中心にせり出ている大岩が多いところから「石の街」とも呼ばれています。有名なセレンゲティへのツアーもここから出発できます。バスで18時間くらいです。
気軽に行ける国立公園のあるミクミ
タンザニアで四番目に広い国立公園があるところです。こじんまりしていて、半日から1日あれば十分な広さです。なんと言ってもダルエスサラームから一番近いのが魅力で、300kmほど、バスで6時間もあれば着きます。
終わりに
タンザニア国民の足、長距離バスについてお伝えしました。バスに何時間も揺れるなんて退屈...と思われるかもしれませんが、外の景色をぼーっと見ていると、案外あっという間に着いてしまいます。旅の途中で動物が見られますし、遊牧するマサイ族を見かけることもあります。
自然の中を走る長距離バスで、脳と心をリラックスさせてみるのもいいかもしれません。
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