タンザニアでかかりやすい病気とは?事前に対策を!

今年は流行病に翻弄される1年となりました。筆者も全世界規模の流行にショックを受け、病気にかかることの辛さや大変さを改めて痛感しました。きちんと予防対策をするには、その病気について知ることが大切ですよね。アフリカでかかりやすい病気にはどんなものがあるのか、どう予防すれば良いのか、旅行前に知っておくと安心です。

今回は筆者の体験談を含めた、タンザニアでかかりやすい病気についてお伝えします。

目次

食中毒、食当たり 

海外旅行につきものなのが、お腹のトラブル...と言っても過言ではない筆者は何度も食当たりで苦しみました。もともとお腹が弱いので、他の人が平気でも筆者だけあたる...と言う経験が何度もあります。胃腸の強い人が本当にうらやましいです!!

とは言え、「胃腸が強い」と言うだけでは乗り越えられないのが、細菌性やウイルス性の食中毒。加熱不十分の肉から発症するカンピロバクター、卵を起因とするサルモネラ、果てには原因不明で食中毒の症状が見られることも、アフリカではしばしばです。こういった食中毒は危険ですので、至急病院に行くことが必要です。

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<道で食べ物を買う時は、きちんと火が通っているか確認しましょう>

代表的な症状としては、腹痛・下痢・吐き気・嘔吐・食欲減退・体力の低下などがあります。一般的な食あたりには対処療法しかなく、毒を出し切るために下痢や嘔吐を止めないこと、と地元の医師に言われました。食べた物や飲んだ物に心当たりがあれば良いのですが、心当たりのない場合や3日経っても症状が続く場合、食当たりであったとしても医療機関にかかった方が良いとのことです。

予防としては、なるべく清潔な場所で、火がよく通ったもの、作り立ての物を食べます。特にタンザニアのダルエスサラームやザンジバルは常夏なので、食中毒の可能性は高まります。生野菜を避ける、生水を使わない、お店をよく選ぶ...などの対策を講じましょう。

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<真夏日が続くタンザニア>

アメーバ症

タンザニアに来て2年目に筆者がかかったのが、アメーバ症でした。何だか具合が悪いなー?と思って横になっていた日の夜。腹部に激痛が走り、トイレへ。それと共にずっと続いていた吐き気が頂点に達し、下痢と嘔吐にいっぺんに襲われました。急激に体力が低下し、トイレに行くにも這いつくばらないと体が動かない。寒気がするので熱を測ってみると、38度。長い夜はまだ始まったばかり...。

翌日の血液検査でアメーバに寄生されていることが判明しました。アメーバは顕微鏡でないと見ることができない単細胞の微生物で、大腸や肝臓にダメージを与える寄生虫です。汚染された手や飲食物から経口感染します。2週間〜数ヶ月または数年と、潜伏期間が人によるようです。ひどくなると血便・大腸炎・肝膿瘍といった症状が見られるようになります。

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<地元の人が大丈夫でも、衛生にはご注意を>

アメーバを抹消できる抗生剤を処方され、1週間ほどで回復しました。後で考えてみると、少し前に不衛生な場所で外食してしまったことが原因だったようでした。ここから教訓を学び、食事の前は常に石鹸で手洗い・サニタイザーで消毒・食器類が濡れていたら拭く・コップや瓶の口を拭くといった対策を必ずするようになりました。痛い方法で学びました...。

マラリア 

きっと名前を聞いたことがあっても、日本では未知の病気ではないでしょうか。今年11月30日にWHOが発表した報告書によると、2019年のマラリアによる世界の死者数は推計40万9千人に上ったそうです。感染者は87か国で2億2900万人にも及び、5歳未満の乳幼児罹患率は67%だったそうです。例年より減っているとは言え、命に関わる怖い病気と言えます。

マラリアもアメーバと同じ微生物で、寄生虫の一種です。ハマダラカという種類の蚊がこの寄生虫を持っていて、人の血を吸う時にマラリア入りの唾液を体内に注入してくるのです。マラリアは人間の肝細胞に取り付き、1−3週間かけて増殖します。ついには肝細胞を破壊して赤血球に侵入破壊、血流を阻害するようになります。

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<雨季や水が溜まる所には蚊が繁殖しやすいです>

マラリアには5種類あり、タンザニアで多く見られるのは熱帯熱マラリア原虫です。このタイプの潜伏期間は12日前後で、悪寒と共に熱を発症します。寒気を感じ、熱が出、汗をかいたら具合が良くなった...と思いがちですが、このサイクルが一定の頻度で繰り返されます。関節痛や筋肉痛もこの病気の特徴です。

恐ろしく思えるマラリアですが、早急にきちんと専用の薬を飲めば治る病気です。血液検査をしてマラリアと確定したら、何日間か飲み続ける薬をもらえます。値段も安価で、どの薬局でも買うことができます。地元の人はマラリアのことを日本で言う風邪のように思っていて、怖い病気という認識はないようです。

予防には蚊に気をつけること、栄養のとれる食事をすること、十分な睡眠を確保することです。蚊除けスプレーはもちろん、蚊の出やすい雨上がりや夕方には、肌の露出を避けることが一番です。筆者はまだマラリアにかかったことはないのですが、蚊除けスプレーやクリームは常備しています。

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<夜のお出かけは特に注意が必要です>

デング熱 

2019年の初夏、タンザニアでデング熱が流行しました。周囲の友人たちがかかっていく中、筆者ももれなくこの病気になりました。通常のデング熱にかかりましたが、デング出血熱も流行っていたので、死ぬのではないかという恐れに駆られました。病気にかかると、身体だけでなく心も沈んでしまうものなのですね。

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<病院には早めにかかりましょう>

デング熱とはウイルスによる感染症で、主にネッタイシマカという蚊によって感染します。潜伏期間は3〜7日間で突然の発熱で始まり、頭痛・筋肉痛・食欲不振・腹痛といった症状が現れます。出血熱の場合は出血・腹水・胸水などの症状が現れ、死亡率が高くなります。

筆者は運転中に突然寒気を感じ、何かがおかしい...と思いながら帰宅。熱が37.5度あり、徐々に筋肉や関節の痛みを感じるようになりました。ルームシェアしていた友人も同日同じ症状が出ていたので、デングではないか?と言うことで翌日に血液検査へ。予想通り、デング熱にかかっていました。

発症から3日までは何とか動けていたので、デング熱は大したことないなーと軽口を叩いていた矢先。熱はだんだん上がっていき、下痢と嘔吐に襲われることになります。吐き気止めはおろか水すら体が受け付けず、2日間吐き続けて睡眠不足になり、結局点滴で吐き気止めと水分を補填してもらう事態に発展。回復し始めた頃には身体中に赤い湿疹のようなものが現れ、数日赤肌になりました。

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<全身が赤く。痒みはありません>

興味深かったのが、もともと胃腸の悪い私は下痢嘔吐、発熱しやすい友人は高熱...と、同じデング熱でも症状の出方が少し違ったことです。その後も体力はなかなか戻らず、全快するまでに2ヶ月かかりました。3ヶ月後には謎の抜け毛が始まり、1ヶ月間抜け続けて毛量が半分になったんじゃないかと思うほどでした。地元の仲間から抜け毛はデング熱の後遺症と聞き、少しホッとしたのを覚えています。

デング熱は治療薬がなく、対処療法でやり過ごすしかない病気です。頭痛薬、吐き気止め、下痢止めなど、その症状一つ一つに対応していく方法になります。ちなみに日本で市販されている頭痛薬は、デングが引き起こす頭痛には逆効果だそうなので、地元の薬を使うことをオススメします。

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<地元の薬を使った点滴>

対策としてはマラリアと同じで、蚊に刺されないよう気をつけること!蚊除けスプレー、露出の少ない衣服、蚊が湧きそうなところに近寄らない。また大体のホテルはベッドに蚊帳がついているのですが、穴あきである可能性が高いです。クリップや洗濯バサミなど、つまめる物を持っていっておくと応急処置ができます。

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<いろんな形の蚊帳があります>

終わりに

タンザニアでかかりやすい病気を幾つか挙げて見ましたが、いかがだったでしょうか?まだ大手を振って旅行に行くのは難しいですが、また満喫できる時がきっと来るはず。海外にお出かけできるようになった際には、衛生グッズと蚊除けグッズをお忘れなく!皆様の健康と安全を願っています!!


<楽しく美味しい旅を!>

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