反政府抗議デモの最中に世界遺産のマチュピチュ遺跡へ【ペルー】

ペルー マチュピチュ遺跡

去年の10月から、ペルーの首都リマから2か月かけてのんびりと一人旅をしていました。

ペルー旅行のゴールは、かの有名な世界遺産のマチュピチュ遺跡。

ずっと行きたかった夢が叶う!と思った矢先に、大きな抗議デモが勃発し一時マチュピチュ遺跡は閉鎖。しかし、幸運なことにマチュピチュ遺跡をじっくり楽しむことができたので、今回はこの経験をシェアします。

目次

1. クスコにいた時に、突然!反政府抗議デモが起きました

ペルー ピサック
<Pisac Archaeological Site, PERU>

日本でも大きなニュースになっていたようですが、2022年のクリスマスの前に大きな反政府デモが勃発して、ちょうど私はその時クスコの近くの、ピサック(Pisac)というヒッピーが集まる小さな村に滞在していました。

アヤワスカセレモニーを体験しに来るバックパッカーも多く、少し不思議な雰囲気が漂い、村ならではのの~んびりとした空気と、インカ文明の残した大変美しいピサック遺跡がある、とても味のあるおすすめの場所です。

2. ピサックも橋が封鎖され、小さな村から動けない状況に

ピサック 土産物店
<Pisac, PERU:普段はのどかな村でお土産屋さんやカフェが並んでいます>

しかし、そんなピサックに架かる橋が抗議デモをする人々によって封鎖されてしまい、私も運悪くどこにも行くことができない状況に陥ってしまいました。

食料を売るお店も、一様に扉を閉めてしまっていて、食料確保すらも不安な状況。まさか、自分がこんなことに巻き込まれるとは思ってもいなかったので、晴天の霹靂とはこのこと。

その時すでにマチュピチュへ行く電車のチケットも(2人分で3万円ほどなので安くはありません)、マチュピチュに入る入場券なども揃えていたので、もしこの抗議デモが続けば全てをキャンセルして予定変更を考えていました。

3. そもそも、今回のペルーの抗議デモはなぜ起きているのか?

クスコ
<Plaza de las Armas, Cusco, PERU:クリスマスのイベントが行われる広場・クスコ>

そもそもこの大規模な抗議デモは、なぜ起きているのかご存知でしょうか?

カスティージョ前大統領は汚職疑惑で拘束され、副大統領だったボルアルテ氏が急遽大統領になりましたが、カスティージョ前大統領の解放を求めるデモ活動と言われています。

私はあまりペルーの政治には詳しくありませんが、山間部の貧困層である人々は、同じく山間部出身のカスティージョ前大統領を熱く支持しています。

ここまで大きなデモが起こるくらい、支持されていた大統領だったというのは、ある意味すごいことだと思いました。私はここまで大きな抗議デモは、見たことがありません。

ここ数年続いたパンデミックや、急速に進むインフレーションなどで生活が困窮し、今回そんな日々の鬱憤やストレスが大爆発したのかもしれませんね。

4. マチュピチュ遺跡も閉鎖と再開を繰り返している

マチュピチュ
<Macchu Picchu, PERU>

ペルーの国の情勢はさておき、2か月前から準備してきたマチュピチュ遺跡に私はどうしても行きたくて、しかも既に目の前にいるのに!簡単に全てをキャンセルする気にはなれませんでした。

幸か不幸か、ちょうどこの抗議デモが起こったのはクリスマス直前。クリスマスや年末年始を、平和に家族や友人と楽しくお祝いしたいという気持ちは、抗議デモをしている人々だって同じ。

経済をまわさないといけないという観点からも、この期間は抗議デモは一旦お休みするという情報を教えてもらい、希望を見出しました。

5. マチュピチュ遺跡に行けたのはラッキーでした

マチュピチュ
<Macchu Picchu, PERU>

結果的に、クリスマスの前にはきちんと道路も整備されて、マチュピチュ村は観光客が少なく閑散としていましたが、無事にたどり着くことができました。

マチュピチュ遺跡もとても観光客が少なく、観光客だらけの「ザ・観光地!人だかりしか見えません!」というわけでなく、その日の一番乗りの入場券だったということもあり、誰もいない貸し切り状態のマチュピチュ遺跡に入れて、スーパーラッキーだった。としか、言いようがありません。

私はお正月にアメリカに戻って参りましたが、どんどんこの抗議デモが激化しているという報道を見て、あの平和なペルーが今は全然違う状況になっているという事実に悲しくなります。

6. 友人のNGOが主催する恵まれない子供たちにクリスマスプレゼントを配るプロジェクトに参加させてもらった

クリスマス プロジェクト
<Chinchero,PERU>

ところで、この抗議デモの最中にもうひとつ素敵な体験ができました。

アレキパのホステルで偶然出会って友達になったアメリカ人・アルの運営するボランティアグループのクリスマスプロジェクトに参加させてもらいました。

アルは、ペルーで電気のない世帯に小さな太陽光発電のランプを配ったり、津波で被害の受けた場所に行って食料を配ったりと人道支援をする活動をしています。

今回は、貧困地区の子供達にクリスマスプレゼントをあげよう!ということで、一緒にその活動に参加させてもらいました。

縄跳び・綱引きといったプチ運動会をして、最後にはホットチョコレートを作って、パンを食べておもちゃを配るというものでした。

突然起こった抗議デモの最中だったので、たくさんの人が絶対このプロジェクトを終わらせるのは無理だから諦めた方がいい。と、何度もアルに言ったそうですが、諦めずに準備し続けた彼の気持ちが通じたようです。

道を塞がれることもなく、無事にイベントは成功。笑顔の溢れる、晴天の素晴らしい楽しい一日になりました。

チンチェロ
<Chinchero, PERU>

ペルーの中でも山間部のクスコエリアは貧困地区と呼ばれていて、さらにその中でもこのチンチェロという村は貧困率が高いそうです。

デモが続いて過激な部分が大きくメディアに取り上げられてしまいます。さらに、抗議デモと貧困は深く関係していますが、こうやって目立たないところで地道に笑顔を作る活動をしている人もいることをここで知ってもらえればと思い、シェアさせていただきました。

7. 最後に | これからマチュピチュ遺跡に行く計画をしている方へ

マチュピチュ

Twitterで数名の方から「マチュピチュに行こうとしているが、状況はどうか?」という問い合わせをいただきました。

これだけ有名な世界遺産、マチュピチュ遺跡に行きたいと、前々から計画してきた人もたくさんいらっしゃると思います。

とにかく現地の情報を集めましょう。治安が悪くなっているなら、計画を変え、時期を変えて行くのが賢明だと思います。

なぜなら、空港が占拠されて飛行機が飛ばなかったらどうしよう。。。などと心配するのは、ただただ不安でせっかくの旅行が楽しめなくなるし、治安悪化で何が起こるか分からないのはリスキーです。

クスコにいる時に情報を教えてくれた、seigomaruishi マチュピチュガイド UKHU TRAVELさん(Twitter : @seigomaruishi1)が、情報を日々アップデートして下さっています。私がピサックでオロオロしていた時に、温かいメッセージを送って下さり、お会いすることはできませんでしたが、気配りの塊のような方なのが文面から伝わってきました。

日本人向けのガイドサービスを探していらっしゃる方は、ぜひ相談してみてはいかがでしょうか?

そして1日も早く、平和で落ち着いたペルーが戻ってくることを心から祈っています。

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Ai Nishino

メキシコ大好きな旅するフォトブロガー。25歳の時に、青年海外協力隊としてタンザニアで2年間職業訓練校にて活動。そして、バックパッカーに。英語、スワヒリ語を話し、スペイン語を習得中です。ライター、デザイン、翻訳などをして海外ノマド旅中。AiWorld Exploreというサイトを運営。

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