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新幹線に乗り遅れたときにできる3つの方法
新幹線といえば、国内旅行に欠かすことのできない移動手段。もしも、その新幹線に乗り遅れてしまったとき、どのように対応すればいいのでしょうか?
この記事では、後続の新幹線の利用の仕方から払い戻しの受け方まで、新幹線に乗り遅れたときに対応できる方法を詳しく紹介。具体的な乗り遅れのケースを参考に、わかりやすく解説しています。たった今乗り遅れてしまった! という方も、この記事を役立ててみてください。
目次
<2. その1:後続の、同じ種類の新幹線で自由席を利用する>
<3. その2:後続の、別の種類の新幹線で自由席を利用する>
<5. 指定席しかない新幹線は、乗り遅れたときには利用できない?>
1. どんな新幹線の券を買っているかをまず確認!
<出典元:写真AC>
新幹線に乗り遅れてしまったとき、どんな新幹線の券を買っているかをまず確認することが大切。正規料金で購入した通常の券や一般的な割引タイプの券の場合は、これから紹介する方法で対応することができます。でも、割引率の高い格安の券や旅行会社が特別に販売する券などの場合、乗り遅れた時点で無効になってしまうこともあるので要注意。
たとえば、インターネットで購入できる早期割引タイプの券はどうでしょうか。JR東日本の「えきねっとトクだ値」で予約した新幹線に乗り遅れた場合、乗車券部分は当日に限り有効ですが、特急券部分は無効になります。
JR東海・西日本・九州の「エクスプレス予約」の場合は、たとえ新幹線に乗り遅れても、当日の同じ区間であれば後続列車の自由席に乗車可能。ただし早得で購入している場合、特急券部分は無効になり、他の列車には自由席も含めて乗車できません。このほか、JR西日本の「e5489」、JR九州の「ネット予約」で購入した割引の券なども、乗り遅れると特急券部分が無効になる券が多いので注意しましょう。
また、旅行会社が販売するツアーや券などは、そのプランによってルールが変わるので、よく確認してみてください。一般的には、乗車する列車が限定されたプランの場合は、乗車券・特急券ともに無効になることが多く、列車がとくに限定されていない場合は、後続列車の自由席に乗車できることが多いと言えます。
たとえ新幹線に乗り遅れても、まずは落ち着いて自分の持っている券を確認することから始めましょう。ここからは、通常の新幹線の券を買っている場合に対応できる方法を紹介します。
2. その1:後続の、同じ種類の新幹線で自由席を利用する
新幹線に乗り遅れてしまったとき、指定席特急券は乗り遅れた時点で無効になり、払戻しもできなくなります。ただし、乗り遅れた場合でも、その当日であれば、後続の列車の自由席を利用できるという特例があります。この場合、とくに手続きなどは必要なく、後続の同じ種類の新幹線に乗って、空いている自由席に座ることができます。
ただし、指定席に座りたい場合は、新たに指定席特急券を購入する必要があります。また、乗り遅れた新幹線が最終列車の場合、当日に後続列車がなく、翌日の列車の自由席も利用できないため、指定席特急券は一切使えなくなってしまいます。この場合、乗車券が翌日でも有効期間内であれば、新たに指定席特急券を購入することで、乗車券と合わせて列車に乗ることができます。
では、新幹線に乗り遅れてしまったケースを参考に、どのような方法で対応できるのか確認してみましょう(○は対応可能、×は対応不可)。
こんなケースだと?
2月11日(土)に、東京(10:21発)→新大阪(12:48着)のぞみ221号に乗り遅れた場合
- ○同じ日の、東京(10:24発)→新大阪(12:54着)のぞみ321号の自由席を利用する
- ○同じ日の、東京(12:30発)→新大阪(15:00着)のぞみ33号の自由席を利用する
- ○同じ日の、東京(21:24発)→新大阪(23:45着)のぞみ265号の自由席を利用する
- ×同じ日の、東京(10:24発)→新大阪(12:54着)のぞみ321号の指定席を利用する
- ×翌日の、東京(10:09発)→新大阪(12:36着)のぞみ23号の自由席を利用する
3. その2:後続の、別の種類の新幹線で自由席を利用する
<出典元:写真AC>
さて、たとえば新幹線「こだま」に乗り遅れた場合、同じ「こだま」でなければ、後続の列車の自由席を利用できないのでしょうか。実はこの場合、「のぞみ」や「ひかり」の自由席も利用することができるのです。すなわち、同じ日の同じ区間であれば、別の種類の新幹線でも自由席を利用できるということ。もちろんこの場合も、手続きなどは必要なく、そのまま自由席に座ることができます。
ただし、旅行会社が販売する新幹線とホテルを組み合わせたツアーの場合、たとえ乗車する列車が限定されていなくても、乗り遅れたときに自由席を利用できるのは「同等以下の列車」に限られるのが基本。つまり、たとえば「こだま」に乗り遅れた場合、「のぞみ」や「ひかり」の自由席は利用できず、「こだま」の自由席のみ利用できるということ。同じように、「ひかり」に乗り遅れた場合は、「のぞみ」の自由席は利用できず、「ひかり」や「こだま」の自由席を利用できるのです。プランによっても異なるので、よく確認するようにしましょう。
では、通常の新幹線の券を購入していることを前提に、ここでも新幹線に乗り遅れてしまったケースを見てみます。
こんなケースだと?
2月12日(日)に、新大阪(15:54発)→東京(19:48着)こだま740号に乗り遅れた場合
- ○同じ日の、新大阪(15:57発)→東京(18:24着)のぞみ160号の自由席を利用する
- ○同じ日の、新大阪(16:18発)→東京(19:12着)ひかり658号の自由席を利用する
- ○同じ日の、新大阪(16:54発)→東京(20:48着)こだま744号の自由席を利用する
- ×同じ日の、新大阪(15:57発)→東京(18:24着)のぞみ160号の指定席を利用する
- ×同じ日の、新大阪(16:54発)→東京(20:48着)こだま744号の指定席を利用する
- ×翌日の、新大阪(08:54発)→東京(12:48着)こだま712号の自由席を利用する
4. その3:乗車券分の払い戻しを受ける
ここまで紹介してきたように、新幹線に乗り遅れてしまったとき、指定席特急券は乗り遅れた時点で払い戻しはできなくなります。でも、それは指定席特急券のみで、乗車券は払い戻しを受けることが可能。たとえば、乗り遅れた新幹線が最終列車で、代わりに夜行の高速バスで目的地へ向かうことにした場合など、乗車券の払い戻しを忘れないようにしましょう。
乗車券の有効期間内であれば、手数料220円を差し引いた額が払い戻しされます。つまり、少なくとも乗り遅れた当日中であれば、乗車券の払い戻しを受けられるということ。有効期間を過ぎてしまった場合は払い戻しができなくなるので、新幹線に乗ることを取り止めたら、すぐに駅の窓口へ行って払い戻しを受けるのがいいでしょう。また、クレジットカードで購入している場合、購入時に使用したクレジットカードが必要なので気をつけて。
ちなみに、インターネットで購入できる乗車券と指定席特急券が一体になった券の場合、種類によって払い戻しのルールも異なるので注意。たとえば、JR東海・西日本・九州の「エクスプレス予約」で購入した券は、手数料として区間毎の特定額を差し引いた額が払い戻しされる仕組み。自分の購入した券のルールを確認してみましょう。
では、通常の新幹線の券を購入している場合、次のケースではいくら払い戻しされるのか見てみます。
こんなケースだと?
東京→博多「のぞみ」(乗車券14,080円+指定席特急券9,310円=計23,390円)に乗り遅れ、払い戻しを受ける場合
乗車券:14,080円(支払い額)-220円(手数料)=13,860円(払い戻し額)
指定席特急券:9,310円(支払い額)-9,310円(払い戻し不可)=0円(払い戻し額)
<払い戻し合計額>13,860円(乗車券)+0円(指定席特急券)=13,860円
5. 指定席しかない新幹線は、乗り遅れたときには利用できない?
<出典元:写真AC>
ところで、新幹線の中でも「はやぶさ」、「こまち」、「はやて」、「つばさ」、「かがやき」については全車指定席のため、自由席がありません。こうした列車に乗り遅れた場合、どのような対応ができるのでしょうか?
実は、全車指定席の列車に乗り遅れた場合は、当日のうちであれば、後続の列車を立席で利用できます。立席とは、デッキに立って乗ることを意味します。また、指定席に空席がある場合は、その席に座っても構いません。もちろん、その指定席特急券を持った客が乗ってきたときは席を譲らないといけません。
また、「はやぶさ」と「こまち」については、立席を利用できるのは「はやぶさ」、「こまち」の指定席特急券を持っている場合のみ。たとえば、「はやて」に乗り遅れた場合は、後続の「はやぶさ」の立席を利用することはできず、同じ「はやて」の立席を利用することになります。このほか、乗り遅れた区間に自由席のある列車が走っている場合、後続の列車の自由席を利用することもできます。
では、全車指定席の新幹線に乗り遅れたケースを参考に、対応できる方法を確認してみましょう。
こんなケースだと? その1
3月21日(火)に、東京(09:36発)→仙台(11:06着)はやぶさ13号に乗り遅れた場合
- ○同じ日の、東京(10:04発)→仙台(11:39着)はやぶさ15号の立席(空いている場合は指定席)を利用する
- ○同じ日の、東京(09:40発)→仙台(11:43着)やまびこ55号の自由席を利用する
- ×同じ日の、東京(09:40発)→仙台(11:43着)やまびこ55号の指定席を利用する
こんなケースだと? その2
3月24日(金)に、新青森(06:32発)→新函館北斗(07:24着)はやて91号に乗り遅れた場合
- ○同じ日の、新青森(07:56発)→新函館北斗(08:58着)はやて93号の立席(空いている場合は指定席)を利用する
- ×同じ日の、新青森(09:04発)→新函館北斗(10:01着)はやぶさ95号の立席(空いている場合は指定席)を利用する
- ×翌日の、新青森(06:32発)→新函館北斗(07:24着)はやて91号の立席(空いている場合は指定席)を利用する
6. 前日までなら指定席の時間変更なども可能
<出典元:写真AC>
ここまで紹介してきたのは、乗り遅れてしまったときの対応方法ですが、指定した列車の発車時刻に間に合わないことが事前にわかっている場合など、指定席の時間を変更することはできるのでしょうか?
この場合、指定した列車の発車時刻前であれば、1回に限って同じ種類の券に手数料なしで変更できます。乗車日を変更したり、列車の時間を早くしたり遅くしたりすることも可能。さらに、「東京→新大阪」で購入していた券を、「東京→仙台」に変えるなど、区間を変更することもできます。差額分は、不足があれば支払い、余りがあれば返される仕組み。指定した列車の発車時刻後になると、変更は一切できなくなるので、発車時刻前に変更の手続きを行うようにしましょう。
また、変更が2回目になる場合は、券を払い戻したうえ、新たに券を購入し直す必要があります。この場合の払い戻し手数料は、乗車券が220円、指定席特急券が列車出発日の2日前までなら340円、出発日の前日から出発時刻までなら30%(ただし最低340円)になり、手数料を差し引いた額が払い戻しされます。
このほか、インターネットで購入できる早期割引タイプの券などは、プランによって変更のルールも異なるので、自分の購入した券のルールをよく確認しましょう。
いざ新幹線に乗り遅れてしまうと、つい慌ててしまいがちですが、落ち着いて対応すれば大丈夫。まずは自分の持っている券を確認して、後続の新幹線で自由席を利用するなど、ルールに従って対応しましょう。ともあれ、できるかぎり乗り遅れることのないように余裕を持って行動することも大切。もしも乗り遅れてしまったときは、この記事を参考にしてみてくださいね。
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手塚 大貴
- 沢木耕太郎氏の『深夜特急』がきっかけで、アジアやヨーロッパ、南米など世界各地をひとり旅。オリンピックやサッカーワールドカップなど、スポーツ観戦の旅も好き。実は世界遺産検定マイスター。旅エッセイやコラムも得意としています。