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【初心者必見】福岡・中洲屋台街で人気のお店を3軒はしごしてみた
福岡に行くのなら、屋台へ行ってみたい。でも、屋台って、なんだかルールが厳しくてハードルが高そうなイメージ......。常連さんがたくさんいて、入りにくいような気が......。
じつはそれ、違うんです。実際に行ってみると、多種多様なお客さんが楽しめるように、お店はもちろん、お客さん同士の思いやりがある温かい世界が広がっていました。
今回は、知っておきたい中洲屋台街の情報と、実際に中洲屋台街のお店3軒を巡ってみた感想をお伝えします!
目次
<1. 初めての方へ! 中洲屋台街をもっと楽しむための基礎知識>
1. 初めての方へ! 中洲屋台街をもっと楽しむための基礎知識
中洲屋台街のお店は、街にある常設のお店同様、初めて立ち寄ったお客さんも大歓迎してくれます。観光客でも、地元のお客さん同様に楽しめるので、心配不要です。
Q. 中洲エリアの屋台ってどこにある?
中洲は福岡随一の歓楽街で、JR博多駅と西鉄福岡駅(天神)の真ん中あたりに位置しています。どちらからも徒歩10分程度で移動ができます。天神の屋台街と比べると、中洲の屋台街は昔ながらのお店が多い印象です。
中洲の屋台エリアは、那珂川にかかる春吉橋付近の那珂川沿いと、昭和通りの博多座や博多リバレイン付近の2か所に分かれています。
春吉橋は、福岡観光の定番であるキャナルシティのすぐそばです。繁華街のそばということもあり、国内外問わずたくさんの観光客が訪れ、賑わっています。
<春吉橋付近は那珂川沿いに店舗が連なる>
博多座・博多リバレイン付近のエリアは地元の常連の方が多い印象です。
<静かな雰囲気で落ち着く>
もちろん、こちらの屋台街も観光客の方は大歓迎です。
オフィス街に構えられた屋台には、お仕事終わりの方や昔ながらの常連さんが訪れています。地元の人たちの空気感を味わいながら、ゆっくり落ち着いて会話や食事が楽しめます。
Q. 中洲屋台街の営業時間や定休日は?
中洲屋台街にあるお店の開店時間は大体、18時半~19時にかけて。閉店時間や定休日は各店舗で異なります。
ただし、雨が降っている・風が強いなどの悪天候の場合は、急遽お休みになる場合もあるので、注意が必要です。
事前に電話をして確認したり、各店舗のSNSをチェックしたりしておくと安心です。
Q. 屋台での食事の流れってどんな感じ?
一般的な居酒屋のように、自由に食事を楽しめます。ただし、周囲のお客さんのことを考え、席を占領し、必要以上に長居をすることは避けましょう。
座席数は10席程度の店舗が多く、人気店だと順番待ちが発生することもあります。たくさんのお客さんに楽しんでもらうため、時間制限を設けているお店もあるので、お店側の案内に従ってください。
Q. 初心者が1人で行ってもいい?
1人で屋台へ行っても、まったく問題ありません。むしろ、1人でいる方が同行者との会話がないため、大将から話しかけられやすく、屋台の醍醐味を存分に味わえるかもしれません。
屋台のお客さんには観光客の方が多く、海外の方もたくさん来店しています。1人や屋台初体験の人は、とても多いので、まったく心配はいりません。
席に着いたら、ご店主や隣のお客さんと会話するもよし、静かにご飯を楽しむもよし。
屋台は自分のペースで空気感を味わいながら過ごせる空間。気負わずに楽しむことが一番です。
Q. 入る時にどうしても勇気が出ません。
「○人なんですが、入れますか?」と、大将に尋ねてみてください。その一言で、自然に屋台へ入れます。
Q. 何を注文したらいいの?
すぐに出てくるのはおでんや、煮込み料理です。まずは飲み物と煮込み料理を頼んで、ゆっくりメニューを選んでみてはいかがでしょうか。
それでも、何を注文したらいいかわからず迷ってしまうときは、素直に店員さんに伝えてみましょう。
「お店の1番人気は何ですか?」「福岡らしいものを食べたいけど、どれがおすすめですか?」
自分の好みや食べてみたいもののイメージを伝えると、アドバイスをもらいながらメニューを決められます。そこから生まれる会話を楽しむのも、いいですね。
Q. 支払い方法は?
現金払い以外の支払い方法(QR決済・電子マネーなど)を選べる店舗が増えています。不安な場合は、入店前に支払い方法を確認しておくと安心です。
Q. トイレはある?
基本的に、トイレは事前に駅や宿泊先で済ませておくことをおすすめします。
中洲屋台街の中にも一応、公衆トイレは存在します。春吉橋・那珂川沿いのエリアは、春吉橋のそばと清流公園内。
博多座・博多リバレイン付近のエリアにも、1箇所公衆トイレがあります。
Q. 服装や持ち物はどんなのがいい?
冬の場合、アウターを着たまま食事をします。
寒さ対策のシートをかけている店内は意外と暖かい可能性があります。脱ぎ着しやすい格好だと、温度調節が簡単です。
バッグや手荷物は、コンパクトなサイズが便利。足元や膝下に置くため、周りのお客さんの邪魔にならないように配慮できると、お互い気持ちよく食事を楽しめます。
大きめのスーツケースを持っている場合は、中洲川端駅や近所のコインロッカーに預けるか、宿泊先のホテルに預けるようにした方がよいでしょう。
なるべく身軽な状態にしておくのが、屋台を楽しむためのポイントです。
2. 実際に中洲屋台街の3軒をはしごしてみた!
この日は12月中旬。寒空に負けないよう厚着で中州エリアにやってきました。
クリスマスシーズンのイルミネーションを楽しみながら、さっそく、中洲屋台街を巡ってみます。
2.1 中洲屋台街での1軒目:小島商店featシラチャンラーメン
春吉橋をキャナルシティ方面に進むと現れる人気店「小島商店featシラチャンラーメン」。
開店直後からすでに満席で、行列がなかなか途絶えません。到着したときには、4組ほどのお客さんが並んでいました。
行列に並びながら、店先にあるメニューをチェックします。どれも魅力的で目移りしてしまう......。そうこうしているうちに順番がやってきました。悩んだ末の一品目は「明太子まぜそば(950円)」をチョイス!!
店先のメニュー表で目立っていて、心惹かれてしまいました。「明太まぜそばって、何?」と思って......。
見た目はまるでパスタ!!予想していたものとは違っていました。
つやつやの麺の食感はモッチモチで、生パスタのようです。
全体に振りかけられているチーズと、上に乗った大葉、明太子、レモンピールを混ぜていただきます。
チーズがとっても濃厚なのに、明太子やブラックペッパーが味を引き締めていてしつこくなく、ペロッと完食しちゃいました。
「店舗で使う麺は全て特注で、まぜそばは、生パスタ風の食感を楽しめる太めを選んでいる」とのこと。美味しすぎて、海外からのお客さんが3日連続で食べに来たそうです。わかる......。
続いて気になったのは「明太オムレツ(800円)」。
届いた瞬間、マヨネーズとバターの香りが漂い食欲をそそります。スプーンで割ってみると、中にも辛子明太子がたっぷり......!!
お箸で掴めないほど、ふわふわとろとろ。頬張ると、ピリッと辛めの明太子とバターの甘味が口に広がります。
卵を3個も使っている人気メニューのため、毎日、大量の卵を消費しているそうです。あっという間に100個を超えちゃうのだそう......。
最後に頼んだのは、人気No.1メニューの「博多豚骨ラーメン(700円)」。
歯ごたえある麺は、製麺屋慶史に頼んでいる特注品です。
豚骨の旨味をはっきり感じるコクのあるスープですが、まったくクドくありません。きっと観光客の方も食べやすいはずです。
美味しいお料理はもちろんですが、小島商店最大の魅力はフレンドリーな大将です。
10年前から屋台を営んでおり、現在は春吉で別店舗も出店されているのだとか。
屋台の中で、みんなでわいわい笑顔で食事を楽しんでいる様子がとても印象的でした!おいしかった......。
「小島商店featシラチャンラーメン」の基本情報
- 住所:〒810-0801 福岡市博多区中洲1丁目(清流公園内)
- 営業時間:月~土 19:00~翌2:00
- 定休日:日曜日
- 電話番号:090-9575-1200
- アクセス:地下鉄七隈(3号線) 天神南駅 徒歩5分
- Instagram:中洲の屋台小島商店featシラチャンラーメン
2.2 中洲屋台街での2軒目:山幸(やまこう)
小島商店を後にして、キャナルシティ方面に少し歩くと見つけた「山幸」。歴史を感じる提灯に、自然と引き寄せられました。
年季が入った味のある提灯。
店内のお客さんたちの楽しそうな声が決め手です。よし、2軒目はここにしよう!
まず頼んだのは人気No.1メニュー。山幸オリジナル「ナスのメンタイチーズ焼(900円)」。
ナスを噛んだ瞬間、口いっぱいにじゅわっと広がる旨味。
チーズはトロトロ。端っこはカリカリ。噛むごとに変化する食感がクセになります。ナスと明太子の組み合わせがこんなに美味しいなんて知らなかった......。
タバスコをかけるのもおすすめ。
明太子の代わりにベーコンを乗せたものを提供していた当時、お客さんから「明太子を乗せてほしい」と頼まれて生まれたそうです。お客さん、グッジョブ!!
今では、常連さんから「家で真似するけど同じようにはできない!」と言われるほどの看板メニューへと成長したそうです。これは絶品でした!
続いて、「焼ラーメン(800円)」を注文。
とんこつスープが少し入っていて、あっさりしているけど、コクがあります。紅生姜を合わせると、味が引き締まりました!
麺は弾力があり、食感が楽しめます。お腹いっぱいかなとも思ったんですが、どんどん食べられちゃいました。
「焼ラーメン」も、屋台定番のメニューで、お店によって味がかなり違うそうです。いろいろ食べて比べてみたくなりますね。
山幸は創業から35年以上経つ、老舗の屋台です。
元々シェフだった大将は、店舗を構えるよりも自分には屋台が合うと考えたそうです。
長い歴史の中で、試行錯誤を繰り返して、厳選されたメニューが残っていると話してくれました。今でも大将の経験と発想を活かして、新たなメニューを提供することがあります。
時代の流れとともに、メニューだけではなく、客層も変化していったのだそうです。昔は繁華街に勤めている方や地元の方がメインでしたが、今はかなり観光客が多くなりました。
この日は、韓国やシンガポールなど海外の方が食事を楽しんでいました。屋台の文化は、時代に合わせて、柔軟に変化していっているんですね。
海外の方が訪れるたび、その国の言葉で挨拶する大将。お客さんは嬉しそうな笑顔をのぞかせます。
気がつけば、筆者以外は全員外国人。まるで、私たちが旅行に来たみたいです。地元の方が多いのかと思っていたので、意外でした。
福岡にいながら海外にやって来たような不思議な体験ができるのも、屋台ならではの面白さかもしれませんね......!
「山幸(やまこう)」の基本情報
- 住所:〒810-0801 福岡市博多区中洲1丁目(清流公園内)
- 営業時間:月~土 19:00頃~翌3:00(開店時間は毎日インスタに投稿されます)
- 定休日:日曜日
- 電話番号:090-8837-5557
- アクセス:地下鉄七隈(3号線) 天神南駅 徒歩5分
- Instagram:博多屋台 山幸
2.3 中洲屋台街での3軒目:おけい
3軒目は思いきって博多座・博多リバレインの屋台エリアまで足を伸ばしてみることに。
春吉橋からゆっくり歩いて15分くらい。昭和通り沿いの東中島橋の近くで屋台を見つけました。
そのまま東中島橋にいちばん近い「おけい」へ吸い込まれるように入店。春吉橋近くの雰囲気から一転して、落ち着いた雰囲気です。
メニューは「おすすめ!」やラーメンに加えて、日によって変化する、本日の逸品が用意されています。まず頼んだのは「どて焼き(700円)」。
「どて焼き」って、初めて頼みました。福岡の居酒屋さんではあまり見かけないかも......。いったい、どんな料理なんでしょう。
「焼き」ですが、煮込み料理でした。牛すじ肉は軽く噛むだけでほろほろ。スジの部分はとろっとろ。
牛の脂と醤油の甘みがジュワッと溢れ出ます。
うむ。美味しい牛すじの煮込みですね。
大将に「どて焼き」についてお尋ねしてみたところ、鍋のふちに味噌を土手のように盛り、牛すじ肉をじっくり煮込む調理法が名前の由来だそうです。
煮込みは1日作業。火を入れて熱を冷ます、を繰り返してゆっくり味を染み込ませていくのだとか。ものすごい手間です。到底、家庭では作れる味ではありませんでした。
続いて、「いわし明太(700円)」を注文。
いわしは肉厚でふわふわ。しっかり脂がのっています。
いわしの中にはぎっしりの明太子が!しっかり辛さのあるタイプの明太子です。いわしと相性バツグン。
つけ合わせのすだちや大根おろしと一緒に食べると辛さがマイルドになります。そして、〆に「ラーメン(650円)」をいっちゃいましょう!!
サッパリしてるのにしっかり味わいあるスープは、お酒を飲んだ後にぴったり。
とんこつラーメンにピッタリな細麺にスープがしっかり絡んでいます。次はチャーシューにロックオン。お箸で持ち上げると...
おおっ。なんだこれは。
チャーシューと思いきや、スライスされたバラ肉でした。
大将によると「バラをスライスしてチャーシューと同じ味付けで煮込んでいる」のだそうです。食べ口が軽くて、チャーシューよりもしつこくなくて美味しい。
お腹いっぱいでも、スルスルいけちゃうラーメンでした。
「おけい」の大将は2代目。先代である叔父さんからのれんを受け継ぎ、27年以上の月日が経ちました。
「中洲屋台と言えば、春吉橋近くの屋台街の印象が強いから、ここら辺は比較的雰囲気が落ち着いている」と話してくれました。
ゆっくり落ち着いた時間を楽しみたい人は、博多座・博多リバレイン近くの屋台がおすすめです。中洲の屋台でも、エリアごとにけっこう雰囲気に違いがあるんですね。
「おけい」の客層は常連さんが7割程度だそうです。この日もお仕事終わりの常連さんが1人でご来店。大将との会話を楽しみながら、お酒と料理に舌鼓を打っていました。
「おけい」の基本情報
- 住所:〒810-0801 福岡県福岡市博多区中洲5-6(昭和通り)
- 営業時間:月~土 19:30~翌2:00
- 定休日:不定休
- 電話番号:090-3667-1328
- アクセス:地下鉄空港線(1号線) 中洲川端駅 徒歩5分
3. 中洲屋台街へ行ってみよう!
いやー、たのしかった。おいしかった。
筆者は屋台初心者なので、「屋台って伝統やしきたりがありそうで、入るのが怖い人も多そうなんですが......」と大将や常連さんに打ち明けました。
すると、常連さんも大将も「そんな決まりはないから大丈夫だよ。気軽に楽しむのがいちばん。」とやさしい笑顔で話してくれました。
1人も初心者も関係なくすべての人が楽しめる場所、それが屋台なんですね。また行きたくなってきちゃったなぁ。一緒に行きませんか。
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大塚たくま
- 福岡をこよなく愛する編集者。株式会社なかみ代表。自身でスポンサーになるほどのアビスパ福岡サポーター。