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【静岡県】箱根西麓三島野菜を富士山を望む絶景の中で食べてきた
みなさん、こんにちは。
今回は、静岡県の三島市に箱根西麓三島野菜の収穫体験と収穫野菜を使った料理の試食に行ってきました。
この体験会では、滅多に関わることのない生産者の農家さんの話を聞き、そこに関わる方々と素敵な出会いがありました。規格外といわれる流通にあがらない野菜の存在の話やそれを使って地域を盛り上げていこうという話も聞けて驚きと気付きがたくさん経験できました。
野菜を通じて三島を知る。そんな旅のレポートです。最後までお付き合いください。
目次
- 三島ってどんなところ?
- 箱根西麓三島野菜とは
- はじかれ野菜を使った田舎風スープ作りにチャレンジ!
- 取れたての新鮮野菜で作った料理をその場で試食
- 新鮮野菜や地域の産品の買い物は"みしまる館"で
- せっかくなので1泊して三島市内を歩いてみた
- 最後に
三島ってどんなところ?
<伏流水イメージ>
三島市は静岡県の東部に位置し、伊豆半島の付け根にあります。
三嶋大社の門前町として、また東海道五十三次の11番目の宿場町として古くから栄えた三島市でありますが、玄関口となる三島駅は新幹線が停車し、修善寺温泉へ向かう鉄道の起点でもあり交通の要衝でもあります。
晴れた日には大きな富士山が出迎えてくれ、市内には富士山の伏流水があちこちに湧き出る水の都でもあります。
箱根西麓三島野菜とは
古くから箱根の西側の標高50m以上の丘の斜面に広がる畑でだいこんや馬鈴薯など露地野菜が栽培されていますが、ここで採れた野菜を「箱根西麓三島野菜」と呼んでいます。
箱根西麓の土は関東ローム層という赤土で水はけが良く保肥性が良いので、野菜の栽培に適しているそうです。味と品質の高さから、首都圏へも多く出荷されています。 標高50m以上で育った野菜は日差しを十分浴びているため味も質も一級品と評判も高い野菜だそうです。
三島駅から国道一号線を箱根峠方面へ車を走らせること20分ほどで眼下に駿河湾を見下ろす高台の前島農園の畑に到着しました。ここらが箱根西麓三島野菜を栽培している一帯とのことで、冬なのにたっぷりの日差しが降り注いでいました。
前島農園は、3haの農地でほうれん草、小松菜、葉しょうが、ブロッコリー、ロメインレタス、ミニ白菜、三島馬鈴薯を栽培しており、加えて20aのビニールハウスにてソフトケールを周年栽培されています。そして、斜面の畑にある小さな作付け面積で多品種の野菜の栽培を端境期対策をしながら新しい野菜作りに果敢にチャレンジされています。
今回は、レタスの収穫とソフトケールのハウス栽培の見学と試食をさせていただきました。
レタスを収穫するための刃先の曲がった包丁で収穫するところを前島さんが見本に見せてくれました。
収穫したばかりのレタスは切り取ったところから水分が滴ってきます。見るからに新鮮さが伝わってくるのですが、実際に食べてみると普段家庭の食卓や外食で口にするレタスとは全く次元の違うものでした。
ところで、いくつか収穫したレタスの中に少し尖った形のものがありました。尖ったレタスを食べてみましたが、先ほど食べたレタスと全く変わらないおいしさです。でも、規格外とされて流通にあがらずに廃棄される運命なのだとか。見栄えが悪いとか、規格外でケースに収まらないという、いわゆる「はじかれ野菜」と呼ばれるものが決して少なくないんだそう。
このはじかれ野菜を廃棄せずに活用できないかと考えられたアイデアの1つが、今回の野菜収穫と試食体験なのです。『とれたての美味しい野菜を食べるために三島を訪れてもらいたい』が形になった企画です。
はじかれてしまう箱根西麓三島野菜を使用したSoup up! MISHIMAという活動もしていますので、下記サイトよりご覧ください。
次にハウスの中で栽培されているソフトケール畑を見学しました。ケールは、青汁の原料となる葉です。
現在、機能性表示「GABA」の実証実験で栽培されていまが、GABAを含むソフトケールは、リラックス効果、高血圧症にの血圧低減、睡眠の質向上が見込めるスーパー野菜なんですって。で、そのまま食べてみると苦くない! しかも甘いんですよ!!
野菜は健康にいいとは思いつつ、どの野菜もみんなこんなに食べやすければいいのにと思いました。
はじかれ野菜を使った田舎風スープ作りにチャレンジ!
収穫体験の後は前島農園さんの畑の近くにある坂公民館の調理室に移動し、地元でCooking Studio My Tableを主宰されている三井友見さんのご指導のもと田舎風スープに入れるすいとん作りを体験しました。
静岡県産の小麦粉と水だけを混ぜてうどんを作るようにすいとんを作っていきました。仕上げる直前にシャキシャキの箱根レタスやせりを鍋に入れて完成です。箱根レタスは過熱に強く、焼きそばやスープの具にも適しているようです。
小麦粉と水を混ぜてこねています。
練り上げて鍋に入れる前のすいとん。
新鮮レタスを水洗い。
春の七草のひとつのせりもこんなにたっぷり。
<写真左:Cooking Studio My Table 主宰の三井友見さん>
すいとんを入れて、ほぼ完成です。
>>Cooking Studio My Tableの公式サイトはこちら
取れたての新鮮野菜で作った料理をその場で試食
調理室でできあがった田舎風スープにセリやレタスを盛り付け直前に鍋に加えて料理の完成です。
富士山を望み斜面に広がる畑を見渡す屋外で試食をしました。鶏の出汁と塩以外の調味料を使っていないのでひとつひとつの野菜の旨味を味わえる逸品でした。
自分が収穫した野菜を収穫した畑を目の前にして食べる、これは何とも贅沢な瞬間です。
この眺めも立派なメニューのひとつです。
<すいとん入り田舎風スープ>
<三島ブランドのひとつである三島セルリーを使ったサラダ>
<デーツのような味わいのデザート>
もうお腹がいっぱいで食べきれないと思っていたのに完食してしまいました!
新鮮野菜や地域の産品の買い物は"みしまるかん"で
試食を終えて三島駅へ戻る途中に、10月26日にオープンしたばかりの直売ファーマーズマーケット「みしまるかん」に立ち寄りました。三島・函南エリアの生鮮野菜やここでしか購入できない加工品が広い販売スペースに並んでいます。
糖度が13~14%もあり果物にも匹敵するほどの甘さの三島甘薯 これも三島ブランドのひとつです
生産者の名前入りの地元三島産のみかん
前島さんの名前入りの箱根レタス
こちらは前島さんたち若手農家 のうみんず(※) が作るミニ白菜
地元丹那牛乳を使った加工品もありました。
静岡と言えば海、魚ですよね!
県内産のお米もありました!
自動車で立ち寄るのに便利な広い駐車場もありましたので買い過ぎに注意が必要かもです。
(※)のうみんず
2015年に同世代の若手農家6名で結成しました。
地域で栽培されていないロメインレタスやミニ白菜の栽培に挑戦したり、産地の宣伝部隊としてメディアに登場したりスーパーの店頭に立ち宣伝活動を行っています。宮川大輔の料理バラエティ番組にも出演されました。なんと、ポストカードまであるんです!
せっかくなので1泊して三島市内を歩いてみた
せっかく三島まで行ったので、体験の後は市内のホテルに泊まって翌日はまち歩きをしてきました。徒歩で回れる範囲に三島らしいスポットが点在していました。
1. 楽寿園
楽寿園は明治維新で活躍された小松宮彰仁親王が明治23年に別邸として造営されたのがはじまりで、園内では約1万年前の富士山の噴火の際流れ出た溶岩(三島溶岩流)の上に実生した樹木などを見ることができます。
<楽寿園正門>
<楽寿館>
小浜池から見た楽寿館
苔むした三島溶岩流
溶岩流が迫る遊歩道
菊祭りが開催されてました
【基本情報】
- 住所:静岡県三島市一番町19-3
- TEL:055-975-2570
- 開園時間:4~10月 9:00~17:00(最終入園 16:30)/11~3月 9:00~16:30(最終入園 16:00)
- 休園日:月曜日(祝日・振替休日の場合は開園し、翌日休園)/年末年始(12月27日~1月2日)
- 料金:300円(15歳以上)
- 公式サイト:楽寿園
2. 水辺の文学碑
楽寿園正門前の白滝公園から三島大社にかけての道路沿いに太宰治や大岡信など三島ゆかりの12人の文学者たちの文学碑が並んでいます。
清流が自宅前を流れているなんて凄い!
ふと足を止めて文学碑を見るのもいいですね
三嶋大社の西鳥居に到着、デザインマンホールがありました
3. 三嶋大社
伊豆一の宮として源頼朝が挙兵に際し祈願を寄せ緒戦に勝利したことでも有名な神社です。
参拝当日は七五三のお宮参りでたくさんの家族が参拝していました。
<大鳥居>
<本殿>
源頼朝と北条政子が休息に座ったといわれている石に座れます。
神鹿園、大正時代に奈良の春日大社からやってきた鹿の子孫たちがいました。
【基本情報】
- 住所:静岡県三島市大宮町2-1-5
- TEL: 055-975-0172
- 公式サイト:三嶋大社
4. 源兵衛川水辺の散歩道
伊豆箱根鉄道の三島広小路駅あたりから、川の中に木道や飛び石からなる散策路が設けられていてせせらぎを耳にしながら散策ができます。ここは癒されました!
散歩道の入り口。
カラーが自生(?)していました。
石の橋もくぐります、探検気分。
こちらは三島梅花藻の里。
最後に
実は恥ずかしながら三島に降り立ったのは人生初でした。でも、今回の野菜の収穫体験と試食をするために三島に降りて、今回の体験とその後に市内を歩いてみて、「なんで今まで来なかったのだろう!」と思うほど素敵なところでした。
首都圏からの伊豆半島への観光客は、鉄道でくる場合に新幹線で三島駅から伊豆箱根鉄道に乗り換えるか東海道線の特急踊り子号を利用するのですけど、かなりの割合の人が三島で途中下車して市内を町歩きしているということをこの体験で耳にしました。
私が三島市内を町歩きして感じたことは、まず第一にシャッターが閉まっている店が非常に少ない。町歩きがしやすいように適度な割合でカフェなどがある。そして、市内のあちこちに富士山からの伏流水が湧き出て水の流れの風景がある水の都なのです。東京から新幹線を利用して1時間ほどでこんな素晴らしいところにたどり着けるなんて本当に目からうろこでした。だから途中下車する人が多いんですねぇ、納得です。
今回の野菜収穫体験と試食ツアーはツアーとして販売開始前のものなのですが、一般販売に向けて現在調整中だそうです。販売開始となりましたらぜひとも三島の素晴らしい自然と美味しい野菜のおいしさを皆さんにも体験していただきたいと思います。今後は三島市観光協会さんの公式サイトなどをこまめにチェックしてください。
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えいた
- 旅の臨場感が届けばうれしいです