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幻想的な雲海の大瀑布!?魚沼「滝雲」の知られざる絶景
秋の風物詩ともいえる自然現象のひとつに雲海があります。近年では観光資源の目玉として雲海を推すような観光スポットや自治体も増えてきており、雲海の中に浮かぶ「天空の城」と呼ばれる竹田城跡や、雄大な雲海を眺める「雲海テラス」が人気の星野リゾート トマムなどが有名ですね。
各地で雲海の名所が注目を浴びるようになりつつありますが、そんな中でも注目度上昇中の新潟県魚沼市の雲海スポットをご紹介します。
目次
魚沼産コシヒカリを育む魚沼市
新潟県は米どころとして名高く、中でも魚沼産コシヒカリといえば国内屈指のブランド米として広く知られていますね。
その魚沼産コシヒカリの産地である魚沼市は周囲を高い山に囲まれた盆地であり、冬になると積雪が2mを超える国内でも有数の豪雪地帯でもあるのです。魚沼のコシヒカリの美味しさはそうした厳しい環境によってもたらされているのだとか。
そして魚沼の特異な環境によってもたらされるのはコシヒカリだけでなく、ここでしか見られない絶景もあるのです!
謎の「滝雲」とは!?
数年前から雑誌等で取り上げられ、徐々にその存在が注目を集めてきたのが「滝雲」です。聞きなれない言葉なので、何のことが分からないという方もいるのではないでしょうか。滝雲とは枝折峠(しおりとうげ)付近で見られる現象を名付けたもの。
枝折峠は国内屈指の大きさを誇る奥只見湖、そして尾瀬へと抜ける難所でもある国道352号にあります。標高が1,000mもある峠付近では奥只見、銀山平で発生し、谷間に溜まった霧が雲海となり、山の尾根を超えて滝のように流れる「滝雲」を目の前で眺めることができるスポットなのです。
まるでナイアガラの滝のように流れ落ちる雲が圧倒的な迫力であるということで話題になっているのです。
滝雲を見るための予備知識
滝雲はもちろん自然現象でもあり、いつでも見られるというわけではありません。滝雲を見てみたいという方は滝雲が発生する条件を頭に入れておく必要があります。
まず、見ることができる時期は例年6月中旬ごろから11月上旬ごろまで。前述の通り魚沼は豪雪地帯でもあり、さらにその山間部を走る国道352号は1年の内でも冬季閉鎖の時期が非常に長くなっています。つまり枝折峠は通年で気軽に足を運べる場所ではないということなのです。
そして滝雲を見られる時間帯は早朝、日の出前後に限られるという点です。イメージとしては日の出前、空が明るくなってきて景色が見え始めるような時刻から、日の出後の1時間程の時間帯がゴールデンタイムといえるでしょう。日の出時刻は季節により大きく変わるので、その点は要チェックです。
天候の条件としてはもちろん晴れの日。前日からの寒暖の気温差があること、そしてある程度の湿度も霧の発生には必要な条件となってきます。さらに適度な風がないと雲海が流れにくいということもあり、諸条件が揃っていたとしても最後には運も必要となるのは間違いなさそうです。
枝折峠攻略法
滝雲の発生条件を確認しましたが、実際に滝雲が見られる枝折峠の案内もしておきましょう。まずは枝折峠へのアクセスですが、基本的には自家用車で向かう形となります。枝折峠の最寄りインターチェンジは関越自動車道の小出インターチェンジで、距離は約20km、時間にして30分以上はかかるものと思ってください。
しばらくは走りやすい道が続きますが、標高が高くなりはじめ、奥只見シルバーラインの入口を過ぎた後からは離合も困難な程に道幅も狭くなり、本格的な山岳路へと変貌します。早朝のまだ薄暗い時間帯を走らなくてはいけないということもあり、なかなか神経を使う道のりとなることは確かです。
なお枝折峠には駐車場が設けられていて50台程度のスペースはあるものの、一番のシーズンとなる10月の週末は登山者も利用するため、混み合うので注意が必要です。
枝折峠付近にはいくつかの滝雲ビューポイントがあり、地元魚沼市の観光協会では7箇所のビューポイントを紹介した滝雲ウォッチングマップを作成しています。代表的なビューポイントは枝折峠から伸びる登山道沿いにあるビューポイント1とその先にあるビューポイント2。こちらは駐車場から登山道を約10分ほどかけて歩いて行った先にあります。
一方、登山道を行かずとも国道沿いからでも見られるビューポイント3は駐車場から徒歩約3分と一番近く、その先にはビューポイント4や5もあるので山道は辛いという方はこちらから眺めましょう。
ビューポイント1で滝雲を見よう
魚沼市観光協会が設定しているビューポイントの1番は高さや角度のバランスがよく、カッコイイ写真も撮れる代表的なポイントでもあるので少し掘り下げてご紹介します。
出発点はやはり枝折峠の駐車場で、そこから越後駒ヶ岳へと続く登山道が伸びています。
登山道である看板も出ていますので、間違わないように山上の方面へ向けて歩いていきましょう。本格的な登山に出かける方たちもこの道を行きます。約10分程度の道のりではありますが、れっきとした登山道であるため足元の装備に関しては注意が必要です。
基本はこうした歩きやすい登山道が続いていくので安心していると・・・
小さな沢沿いに出て、足元がぬかるんでいる箇所もありますし
油断すると滑落してしまいそうな、ちょっと怖い岩場のポイントもあったりします。足元は慎重に、そして滑りにくいトレッキングシューズなどは必須といえますね。しかし、頑張って歩いたその先には、思わず声が漏れるほどに見事な滝雲の絶景ポイントが待っています。
遠くの山々まで見渡せ、目の前で雲が流れ落ちる大迫力!
撮影のために長時間待機するようなカメラ愛好家もこのポイントではたくさん見かけるのではないでしょうか。ただし、このポイントはあくまでも登山道です。登山者の方の通行を妨げないように十分配慮しつつ撮影や滝雲鑑賞を楽しみましょう。
裏技も!?シャトルバスでもアクセス可能!
滝雲が絶景なのは十分にご理解いただけたかとは思います。が、やはり早朝から山道を運転となると辛いなとお考えの方もいることでしょう。そんな方に耳寄りな情報が!なんと枝折峠に向けて運行しているシャトルバスもあるのです。
これは魚沼の滝雲が話題を集めたことにより、今期から新しく運行が始まったもので、2022年は見頃を迎える9月17日~10月30日までの土日祝日のみ期間限定の運行。運行ルートはふたつあり、1つは大湯温泉(交流センターユピオ前)から枝折峠を結ぶルート、もう1つは峠を反対側に下りた側にある銀山平温泉(白銀の湯駐車場前)と枝折峠を結ぶルートです。
それぞれ日の出前の早朝を始発とし、20分~40分間隔で運行されています。片道500円、往復1,000円で乗車することができます。そして魚沼市内で宿泊した場合は無料で乗車できるというのがポイント。利用希望なら宿泊施設にチェックインする際にフロントへその旨を伝えましょう。
シャトルバスを利用すれば早朝から山道を苦労しながら運転する煩わしさからも解放されますし、何よりも枝折峠の駐車場が満車になるかもしれないという懸念からも解放されるのも大きいポイントです。本格的な登山・行楽シーズンになると車で向かう方も増えるので出遅れると車を停めるスペースがなくなってしまう恐れも十分に考えられるためです。
どうしても滝雲を見たい!滝雲メインで魚沼に行く!という方は大湯温泉や銀山平温泉の宿泊施設で予約を取り、そこをベースにシャトルバスで滝雲を見に行く、という流れがおすすめ。
なお、滝雲シャトルバスの運行や詳細に関しては魚沼市観光協会のサイトをご参照ください。
以上を踏まえまして、滝雲の絶景が待つ魚沼の枝折峠へぜひ足を運んでみてください。まだまだ地名度は高くありませんが、そこには感動的な光景が待っていますよ!
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- 最北端、最南端などの端っこスポットや、日本一〇〇なスポットなど、どちらかというとニッチな観光スポットやB級スポットが好きです。