【世界遺産の山に登頂】ゆっくりめぐる富士山2022年夏登山!!

二等三角点と最高峰の碑

<トップの画像:山頂剣ヶ峰の様子。二等三角点と日本最高峰の碑、奥の茶色はGPS基準点の設備>

こんにちは!「三度の飯と山が好き!!」のニックネーム、倉山(くらさん)です。

山が好きな皆さま、夏山は楽しんでいますか?9月のシルバーウイークもまだまだ見逃せませんね!

ところで、日本の最高峰、世界文化遺産の「富士山」には登頂されたことはありますか?日頃、登山をされなくても、人生で一度は登りたいと思われている方も多いと思います。

そんな、一度は登ってみたいと思う富士山に、私は毎年登って来ましたが、今シーズンもご縁があり、7月の山開き早々から3回登頂してきました。例年、弾丸登山と言われる日帰りがほとんどどでしたが、この夏はすべて山小屋に泊まるという贅沢登山になりました。満天の星を仰ぎ、ご来光を拝み、山頂をぐるりと一周めぐるお鉢めぐり、そして3,776mの日本最高峰へもゆったり登ることができました。

そんな天候にも恵まれた「ゆっくりめぐる富士山」の様子をご紹介します。

※2020年は、緊急事態宣言により前代未聞の4ルートある登山道が全て閉鎖され、残念ながら足を踏み入れることはできませんでした。2021年以降は感染対策を施しての登山が可能になりました。

目次

1. 富士山の登山口はどこから?そこまでどうやって行くの??

2. ゆったり登山した須走ルートを五合目登山口からご紹介

3. 雑談とワンポイントアドバイス

1. 富士山の登山口はどこから?そこまでどうやって行くの??

例年7月の山開きに合わせて、登山道は静岡県側に須走、御殿場、富士宮の3ルート、山梨県側に吉田の1ルートの全4ルートがオープンして3,776m日本最高峰の山頂を目指すことができます。しかし、登山ができる期間は2022年の場合、9月10日まで。本当に短い間ですね。

昨年の夏にも、富士山登山の記事で登山口の紹介をしましたので、ぜひこちらを合わせてご参照ください。

>>昨年の記事:【富士山登山】やっぱり日本一の独立峰 世界遺産の山からの大パノラマに感激!

アクセスについて

なお、今回は3回とも「須走ルート」を歩きました。特徴は、唯一森林帯から歩き始め、野鳥のさえずりを聞きながら、富士山特有の植物が観察できること。自然を身近に感じる登山道を登り、下山は砂走が楽しめる下りルートが続きます。森林帯は幾分涼しく、登山客も比較的少ないルートなので、自分のペースで歩くこともできますのでおすすめします。

>>アクセスに関する富士山オフシャルサイトはこちら

2. ゆったり登山した須走ルートを五合目登山口からご紹介

五合目登山口まで交通便の良さは、先ほどご紹介しました通りです。3回の登山のうち、最初の五合目登山口からの様子を紹介します。

1泊2日のほぼ実時間での行程

<1日目>

須走口五合目バス停(9:40着)※標高2,000m・・・東富士山荘《昼食:名物きのこパスタ》・・・須走口ルート登山口(11:30スタート)・・・ 登山口で検温と健康チェックと保全協力金を納める・・・古御嶽神社で山岳安全の祈願を参拝・・・七合目付近まで緩やかな森林帯を歩きます・・・各合目の山小屋で小休止(六合目・長田山荘、本六合・瀬戸館、七合目・大陽館は休業中でした)・・・高山植物のオンタデが見頃・・・ 本七合目・見晴館※標高3,200m(16:30到着)・・・到着後、小屋のテラスからは下界の景色や雲海そして影富士を見ることができました《夕食メニュー:名物カレーライス》

宿泊した山小屋:見晴館(みはらしかん)感染対策にも十分な努力と施しを感じる宿でした。

<2日目>

山小屋のテラスより御来光を拝む(4:30頃)・・・朝食もボリューム満点で登山の準備もOK!・・・見晴館(6:00出発)・・・各合目の山小屋で小休止(八合目・下江戸屋、本八合目・上江戸屋、八合五勺・御来光館)・・・須走口山頂に登頂!※標高3,720m(8:20頃)・・・久須志神社で無事登頂を参拝・・・天気も良くお鉢めぐりへ(3km約90分が目安です)・・・山頂山口屋で一服休憩・・・富士山頂郵便局で投函・・・ 最大斜度41%の急勾配の馬の背を登り日本最高峰※標高3,776mへ・・・須走口の下山専用道を下る(11:00頃)・・・砂払い五合目の吉野屋※標高2,235mで一服休憩(13:30)・・・須走口五合目(14:50ゴール)・・・東富士山荘(ご褒美に良く冷えた生ビールに冷たい梅うどん、そして甘酸っぱく疲れを癒すコケモモのソフトクリームをいただきました)・・・須走口五合目バス停(16:45発)・・・帰宅の途へ

ここでゆっくりめぐる富士山をご紹介します

3回の登山のうち2・3回目は山頂から五合目まで一気に下山することはなく、下山途中「見晴館」に再び宿泊して2泊3日のコースでした。このコースだと、なんと!3日目は御来光を拝み朝食をのんびり取って五合目へゆったり下山するだけなのです。

登る前はどれだけ時間が余ってしまうのかと逆に不安でしたが、見るもの聞くもの食べる物の全て先を急ぐことはなく時間に余裕があるので、安心感が持てる登山になりました。

また、2日目の登頂するときに必要な荷物だけを背負って登れるので、何とも身軽で贅沢を感じました。ちょっぴり体力に自信がない方、初めて富士山にアタックされる方にはぴったりな行程だと思いますよ。そして2泊するということは、満天の星と御来光のチャンスが1回の登山で2度あるので嬉しい話ではないでしょうか?

ルートに沿って写真でご紹介!

須走口五合目
<この日の須走口標高約2,000mは、若干ですがガスの中でした。とくに気にしません>

きのこたっぷりのパスタ
<きのこがたっぷり入ったパスタの昼食を食べながら、ゆっくり高所順応をします>

登山準備を整えスタート
<登山準備を整え、いよいよ山頂を目指してスタートします>

登山口の様子
<こちらが登山口に設置された健康確認と協力金を納める建物です>

登山口では、検温と健康チェックが行われ、問題が無ければ写真にある確認済み反射材のリストバンドが発行されます。缶バッチは保全協力金1,000円を納めると貰える証明の記念品で、色は登山ルートによって異なりますが、須走は赤色で登山道の道標も赤色で表示されています。

保全協力金バッチ
<これが保全協力金と引き換えの須走口ルートの2022年記念缶バッチ。ぜひ収集してください>

登山口に創建されている古御岳神社で山岳安全祈願
<登山口に創建された古御岳神社で山岳安全祈願をしました>

六合目
<森林帯を歩くこと約60分。六合目の長田山荘に到着していっぷく>

4ルートのうち、唯一森林帯登山が楽しめるのもここ須走ルートのポイントです!

長田山荘の飲食代金は良心的
<長田山荘の飲食料金はなかなか良心的ですね!チューペットアイスが100円>

長田山荘の横にシャクナゲの群生地
<長田山荘の横にはシャクナゲの群生地があり、7月中旬までなら楽しめます>

本六合の瀬戸館まで約30分で到着
<本六合の瀬戸館まで約30分で到着。小屋前のテラスからは雲海や御来光が素晴らしいところです>

七合目の大陽館は休業中
<七合目の大陽館まで約60分で到着。でも、今年は休業中。これもコロナ禍の影響です>

太陽館ではなく大陽館で正解だそうです。汚点にならないようにと点を取ったと以前聞きました。

間もなく標高3000mに到達
<間もなく標高3,000mに到達しますが目的地の宿を目指し黙々と登ります>

ところどころ見掛ける高山植物オンタデ
<富士山ではところどころで見掛ける高山植物の「オンタデ」が咲き誇ります>

本七合目の宿泊先「見晴館」
<本日の目的地、本七合目の宿泊先「見晴館」が目の前に見えて来ました。もう一息>

到着!
<到着!登り始めてここまで約5時間とゆったり登山。でも酸素濃度は既に下界の70%です>

13℃
<天然クーラーも心地よい気温で13℃。湿度も低くてとても過ごしやすい気候です>

影富士
<雲海や麓の風景に富士山の稜線が映し出される現象、噂の「影富士」>

見晴館のテラスからの眺望ですが箱根の山に影が届きそうですね

虹の下に山中湖
<虹の下には山中湖がくっきり望めます。素晴らしい夕暮れ時の景色に恵まれました>

ボリューム満点カレーライス
<見晴館名物のボリューム満点カレーライスの夕食です。とてもおいしかった!>

寝床
<寝床は衛生管理も良く、ゆったりぐっすり寝ることができました。(人数制限をしています)>

雲海より素晴らしいご来光
<2日目の朝、見事な雲海より素晴らしいご来光が顔を出し、拝むことができました>

ご来光
<ご来光参拝客もいっしょに輝きます!?間違いなくご利益がありますね>

朝食はお代わり自由
<朝食のご飯はお代わりができ、ボリュームも満点!炊き立てのご飯がとてもおいしいです>

本八合の小屋
<出発して約50分で本八合の小屋が見えてきました。この先から吉田ルートと合流し混雑します>

浅間大社の境内
<鳥居をくぐると本八合で浅間大社の境内です。急な斜面が伝わる1枚ですね>

見事な雲海
<快晴の中、見事な雲海を眺めながら山頂を目指します。「浅間大社境内の碑」>

九合目
<さらに登り鳥居をくぐるといよいよ九合目です。急斜面は続きますが山頂はすぐそこ>

富士山本宮浅間大社の奥宮「久須志神社」で参拝.JPG
<須走口ルート3,720mに登頂!富士山本宮浅間大社の奥宮「久須志神社」で参拝>

山頂を一周めぐる「お鉢めぐり」のイラスト図
<これが山頂を一周めぐる「お鉢めぐり」のイラスト図です。歩行約3kmですので、90分は必要です>

富士山本宮浅間大社奥宮
<頂上に石造りで創建されている「富士山本宮浅間大社奥宮」で山岳安全を祈願します>

開山期間中限定で開設される「富士山頂郵便局」
<開山期間中限定で開設される「富士山頂郵便局」郵便料金は全国共通ですよ>

富士山登頂を記念して郵便
<登頂を記念して思いを郵便でお届けします。配達まで1~2週間が必要です>

3776m日本最高峰の頂き「剣ヶ峰」
<いよいよ目指すは3,776m日本最高峰の頂き「剣ヶ峰」。急登の馬の背に挑みます>

急な坂道
<本日最後の難関、急な坂道。振り向いてはいけません。上を向いて歩こう!>

3776mの頂き
<無事に登頂した今回のメンバー3,776mの頂きです!感無量の顔つきしていますか?>

剣ヶ峰にある富士山気象測候所跡
<剣ヶ峰にある富士山気象観測所跡。活躍したレーダードームは現在下界で保管され見学することができます>

【ちょっとブレイク】

1964年(昭和39年)過酷な気象条件の場所に完成した富士山レーダー建設の物語は、NHKのプロジェクトX~挑戦者たち~『巨大台風から日本を守れ~富士山頂・男たちは命をかけたプロジェクト』で当時、高山病と強風に闘いながら工事に携わった方々の汗と涙と苦労の結晶が紹介され、その魂にとても感動を覚えました。

>>富士山測候所の詳細はこちら(富士山NET)

山頂の火口は直径約780m深さ200m

ここからはお鉢めぐりの様子をご紹介します。

山頂の火口は、直径約780m、深さ200mという大きさを誇ります。火口に下りることも可能ですが、自力で登ることになりますのでその覚悟が必要です。

途中、残雪に戯れる
<途中、わずかな残雪に戯れるメンバー。氷の様にザックザック>

金明水の祠
<金明水の祠。山頂に出る貴重な水ということで信仰の対象にもなり、祠が祭られています>

須走ルートの下山専用道
<7km弱に及ぶ長い長い須走の下山専用道を思い出いっぱいに下ります>

砂走道中、砂払い五合目
<砂走道中、砂払五合目まで下りて来ました。ここまで来ればゴールまでもう一息>

須走口五合目にゴ~~ル!
<須走口五合目にゴ~~ル!2日間大変お疲れ様でした>

冷たい梅うどん
<冷たい梅うどんがのど越し良く、するするっと胃に吸い込まれました!>

コケモモのソフトクリーム
<コケモモのソフトクリームは甘酸っぱくて疲れた身体に沁みるおいしさです!!>

飲み物
<ご褒美の飲み物もよく冷えていますよ。下山後に一杯どうぞ>

富士山頂登拝証
<無事に下山しました!富士山頂登拝証を記念にもらえます>


【再び、ちょっとブレイク】

夏山時期の富士山登山客数は、ここ10年間の平均で約27万人です。2020年はコロナ禍で閉鎖していましたので実質ゼロですが、2021年は約7万9千人と報道されています。ここ最近でいかに登山客が少なかったか証明されています。外国人登山客を見掛けることが少なかった2022年ですが、どのくらいの登山客が戻って来たのか、気になるところです。

早く全てが平和な世の中になることをお祈り申し上げます。

>>2021年夏期の富士山登山者数についての詳細はこちら(環境省)

3. 雑談とワンポイントアドバイス

今回ご紹介しました須走ルートは、日本最高峰の剣ヶ峰との標高差で約1,770m、標準登山時間は休憩を含めない歩行時間のみで登りが約6時間、下りで約3時間、歩行往復約14kmです。下りは70%程が砂走のルートなので、健脚な方は頑張れば2時間を切ることは難しくありません。森林帯を歩き富士山の自然を身近に感じることができる唯一のルートなので、他のルートで既に登頂された方にもおすすめしたいルートの1つです。

しかし、富士登山で欠かせないのはやはり体力です。溶岩や砂地の急勾配が続きますので、初めての登山が富士山では、勾配も酸素濃度も他の山とは全く違いますので簡単に歩くことなどできません。あらかじめ登山体力の増強と登山技術を十分に身に付けてからアタックしてください。

また、高所の登山で心配されるのは落雷と高山病です。遠くでゴロゴロと聞こえたら早めの行動です。高山病は人それぞれなので、登山中症状が出てしまったら決して無理はしないで下山する方が安心です。大変な事態になってからでは遅いですから。

>>高山病についての情報はこちらから(山岳医療救助機構)

そして登山準備としてはどの登山でも共通しますが、登山道具3点セットはしっかりした物を用意してくださいね。

  1. 登山靴:自分の足にフィットし、履き慣らした靴
  2. レインウェア:透湿耐水性機能が高い素材の物を入手
  3. 登山ザック:荷物は全てザックの中にしまい登山中は両手が使えるようにしてください。また、必要以上に大きなサイズを準備して余分な荷物を増やさないよう、自分の荷物は自分で背負って登山できる重さで準備してください

まあなんといっても世界文化遺産である富士山は、流石に何度登っても毎回新たな感動があります。4つあるルートを登山と下山で分けてアレンジして周遊することもできるので何度でも楽しめます。

>>富士山を知るのに便利な「富士さんぽ」はこちらから

最後に、今シーズン2回目に登った御来光の様子を写真と動画でご紹介します。

山小屋前のテラスから御来光
<山小屋前のテラスから御来光。山中湖や周辺の山塊そして遠くの景色もはっきり見えました>

テラスからの動画です。

この時は河口湖、山中湖、御坂山塊、八ヶ岳、秩父の山々、丹沢山塊、箱根の山々、江の島、大島、三浦半島、房総半島など数えきれない景色を見ることができました!

こんなに素晴らしい富士山に時間を掛けてゆったりめぐりながら登ってみませんか。

・・・登山の紹介はまだまだ続く

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倉山(くらさん)

2013年富士山が世界文化遺産登録の夏、50歳を迎えるこの年に富士山登頂を人生の思い出にしようと体力作りに近郊の山を歩き始めました。最初は息切れ筋肉痛や転倒など情けない状態でしたが、大自然に抱かれる心地よさに魅了されてしまい今では低山から日本アルプスまで登山なしではいられない生活になりました。仲間でお弁当持ってく歩く山が楽しくて大好きです。単独行でストイックに歩く山も好きです。素晴らしい景色、美味しい空気、そして大自然のありがたさを仲間の皆さまに感じて頂きたいと思う毎日です。目の疲れもストレスも景色を見ると癒されます。体調がとても良くなり食事が美味しくなります。きっと良いことが待っている山歩きを私と一緒に始めてみませんか。

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