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【タンザニア】ダルエスサラームでティンガティンガ絵画を体験!
ティンガティンガ(Tingatinga)というアートをご存知でしょうか?ティンガティンガは、東アフリカに位置するタンザニア連合共和国の首都ダルエスサラームで、1960年代後半に誕生したアフリカの現代アートです。今回は、ティンガティンガ画家が一つの工房に集まって絵画を制作・販売している、ティンガティンガ村(英語名: Tingatinga Arts Cooperative Society)についてご紹介します。
目次
ダルエスサラーム、ティンガティンガ村へのアクセス
日本からダルエスサラームへアクセスするには、中東系航空会社を使ってドーハやドバイを経由する方法か、エチオピア航空でアジスアベバを経由するルートが一般的です。タンザニア入国の観光ビザ(90日間の滞在)は、ダルエスサラーム空港到着時に50アメリカドル(現金のみ)で簡単に取得できます。
なお、黄熱病汚染地域からの入国の際には、予防接種証明書(イエローカード)の提示が求められるため、黄熱病の予防接種を受けておくことをおすすめします(予防接種は生涯有効です)。そのほか、腸チフスなどの予防接種やマラリア予防薬、虫除けスプレーを持参すると良いでしょう。
1タンザニアシリング=0.06円(2022年8月時点)ですが、日本円を扱う金融機関は限られるため、アメリカドルを持参して、ホテルや市内の両替所で両替すると便利です。ダルエスサラームには、日本人が経営するJATAN TANZANIA TOURSという旅行会社も存在し、英語やスワヒリ語が不得意な場合は日本語で旅行の相談も可能です。
ティンガティンガ村はムササニ半島のオイスターベイと呼ばれる、エキスパットが多く住む地域に位置しています。ダルエスサラームに滞在する場合、この地域にあるホテルに滞在する方も多いでしょう。バジャジ(トゥクトゥクのような乗り物)やピキピキ(バイクタクシー)、ダラダラ(乗合バス)を使うこともできますが、安全面を考えた場合、ホテル手配のタクシーを利用するかUberなどの配車アプリを使うと安全です。運転手に行き先を「Shrijees Supermarket と Best Western Peninsula Hotelの近くにあるティンガティンガ村」と伝えると、ほとんどのドライバーは場所を知っているはずです。
ティンガティンガとは?
ティンガティンガとは、1960年代後半に、エドワード・サイディ・ティンガティンガ氏によって考案された絵画の技法です。ティンガティンガ氏はダルエスサラームで無職であったため、自転車用のエナメルペンキを使って、合板に動植物や日常風景の絵画を作成し始めます。その後、彼の技法は家族や友人によって広められました。1972年、ティンガティンガ氏は警察の銃撃によって命を落としますが、その後も彼の弟子たちによって、その技法は受け継がれていきました。
1990年、ティンガティンガアーティストが集い、Tingatinga Arts Cooperative Societyと呼ばれる共同体を形成します。今日では、100人近いアーティストが所属し、ティンガティンガの作成・共同販売をしています。この共同体は、1996・7年にスイスの貧困支援NGOであるHelvetasから援助を受け、スイス国内で個展を開きました。この個展の成功により、ティンガティンガ村の施設を建設し、さらに活動を拡大させたのです。
ティンガティンガに決まったルールはないものの、身近な動植物や神聖とされている自然物がモチーフとされることが多くみられます。頻繁に見られるのは、アフリカ大陸最高峰のキリマンジャロ山、精霊が宿っているとされるバオバブの木、動物やライオンなどのサファリ動物です。動物は、特にアーティストの個性が表れ、色や目の描き方などにティンガティンガ独特のタッチが表現されます。
オリジナルのティンガティンガを作成!
ティンガティンガ村では、アーティストの作成した絵画を購入することが可能ですが、アーティストに教わりながら、自ら筆を取り、オリジナルのティンガティンガを作成することもできます。白のエナメルペンキをキャンパスに塗った下地が既に準備されており、その上にカラフルなペンキを重ねていきます。第一の工程として、平筆をつかって、背景を塗っていきます。この時、夕焼けや夜の闇などをイメージしながら、グラデーションを作っていきます。背景を塗り終わったら、太陽の光にあててペンキを乾かします。
背景が完全に乾いたら、細筆を使ってモチーフの輪郭を描いていきます。アーティストの作品をお手本に描きますが、動物などの複雑なモチーフは、アーティストにお願いをして描いてもらうことも可能です(筆者は動物に関しては、目以外のパーツはアーティストにお任せしてしまいました)。この輪郭にアーティストの個性が大きく表れます。
輪郭が完成したら、その輪郭に沿ってモチーフに色を塗っていきます。再度、太陽の下で乾燥。最後に白いペンキでハイライト部分や細部を書き入れ、動物の目を書き入れて命を吹き込みます。全てのペイントを終え、作品を乾燥させたら、サインを入れて完成です。
各工程間の乾燥の時間をつかって、村内で作業をするアーティストを見学したり、お土産を購入したりすることが可能です。
まとめ
タンザニア連合共和国の首都であるダルエスサラームですが、国北部に位置するサファリやキリマンジャロ山、インド洋に位置するザンジバル島などの観光地が有名なため、ダルエスサラームに滞在する方はあまり多くないでしょう。
一方で、サファリやザンジバルへの経由地として、ダルエスサラームに立ち寄る際には、ぜひ数日滞在して、アフリカを代表するアートであるティンガティンガに触れてみてはいかがでしょうか?ティンガティンガのポップな作風は、アフリカのエネルギーを感じられるオリジナルのお土産、そして経験になること間違いなしです!
Tingatinga Arts Cooperative Society
- 住所: Haile Selassie Road, Morogoro Stores, Oyster bay, Dar es Salaam, Tanzania (near Shrijees Supermarket and Best Western Peninsula Hotel)
- 営業時間:9:00〜17:00(土・日曜は〜18:00)
- 定休日: なし
- 電話番号:+255 686 075548
- 公式サイト:Tingatinga Arts Cooperative Society
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Saori K. Courtois
- 西アフリカ在住の国際公務員。アフリカの日常的観光スポットから~旅行に役立つ情報まで幅広くお届けします。