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【ペルー】雄大な景色と美味しい伝統料理はいかが?アヤクチョのアクチマイ展望台
中央アンデスに位置するアヤクチョ州の州都アヤクチョは、地元文化を反映した民芸・工芸品の生産が盛んなことから「民芸品の首都」として知られる風光明媚な街。中心部には植民地時代に建てられた古い教会が数多く残っており、土産物屋を覗きながらそぞろ歩きするのにもってこいです。
街を探検する前に、まずはその全景を把握してみるのはいかがでしょうか?市内東南部のカルメン・アルト地区にあるCerro Acuchimay(アクチマイの丘)には、展望台のほかレストランや土産物店、遊具施設などがあり、地元の人々の憩いの場になっています。acuchi(アクチ)はケチュア語で「コカを噛む」、machay(マチャイ)は「場所、または洞窟の意。かつてここにはタンボ(休憩所)があり、旅人がコカを交換したり、ゆっくり食んだことにちなむのだとか。
今回は、市内発の日帰りツアーでもほぼ必ず立ち寄るポイント「Mirador turistico de Acuchimay(アクチマイ観光展望台)」をご紹介しましょう。
目次
『聖なるハヤブサ』の名を持つ街
アルマス広場からアクチマイ観光展望台へは2kmちょっと。歩けない距離ではありませんが、アヤクチョ旧市街の標高がすでに2,760mもあるので、ちょっとした登坂でも息切れは必至。タクシーかコレクティーボ(乗り合いバス)ならあっという間なので、高山病が心配な方は車を利用しましょう。
展望台エリアの入り口には、立派なハヤブサの像がありました。
独立以前は、「Huamanga(ワマンガ)」と呼ばれていたアヤクチョ。Huamangaはケチュア語で『聖なるハヤブサ』という意味です。
またこの地方に遠征していたインカ皇帝ヴィラコチャが、肩に止まったハヤブサに「Guaman ka(ハヤブサよ、食え)」と言いながら自ら餌を与えたという伝承もあるそう。ここは勇猛なハヤブサが舞い降りた聖なる地、というわけですね。
アヤクチョの街を一望!
展望台の手前には土産物屋や屋台が並んでいます。中に入ってみましたが、地元の人向けというか、あまり質はよくなさそう・・・。市内には良質な民芸品を扱う店がたくさんあるので、ここはさっと流してしまっていいかもしれません。
展望エリアに到着!巨大な十字架の向こうに、両手を広げたキリスト像と白いアーチが見えてきました。
アヤクチョの街に祝福を授けようとする慈悲深いキリストと天使たちの像に、平和を望む人々の気持ちが表れています。
展望エリアの壁には、何やらカラフルな絵が描かれていました。向かって左からコンドルと教会、アヤクチョの伝統舞踊「ハサミ踊り」、パンパ・デ・キヌア(キヌア平原)に建つ戦勝記念碑、ビクーニャ、ワリの遺跡、ロバで荷物を運ぶ農夫、サボテンとワリ文化の壺・・・どれもアヤクチョを象徴するものばかりですね。
展望エリアには3階建ての展望台があり、その屋上からワマンガの街を一望できます。この日はきれいに晴れたこともあり、素晴らしい景色を眺めることができました。オレンジ色の瓦屋根が集まるあたりがアルマス広場を中心とする旧市街、そこからどんどん周辺へ、山肌を埋め尽くすように家並みが広がっています。
アヤクチョの伝統料理を堪能しよう
素晴らしい風景を思う存分楽しんだら、次は腹ごしらえと参りましょう。アクチマイ観光展望台にはレストランや屋台が数件あり、アヤクチョの郷土料理をいただくことができます。この日は地元市民に人気の「El Mirador de Cruz(エル・ミラドール・デ・クルス)」に入ってみました。
多くの人で賑わう店内。1階と2階には明るいテラス席もあります。
お店のイメージマスコット、巨大なクイがお客様をお出迎え!モルモットの一種であるクイは、アンデスの人々にとって貴重な蛋白源。揚げたりオーブン焼きにするのが一般的な食べ方です。
お店のイチオシはクイのフライ、「Cuy Chactado(クイ・チャクタード)」。半身でも十分なボリュームです。
ジャガイモの横にあるのは、「Qapchi(カプチ)」というアヤクチョ地方でよく食べられるサルサ(ソース)。ケソ・フレスコ(フレッシュチーズ)に激辛トウガラシのロコトや青ネギ、ハーブを加えた優しい味わいで、ジャガイモには必ずといっていいほど添えられています。
赤いジャガイモの煮込み料理、「Puca Picante(プカ・ピカンテ)」。ジャガイモをアヒ・パンカという辛味の少ないトウガラシとビーツで煮込んだアヤクチョの伝統料理で、チチャロン(豚肉の唐揚げ)を添えるのがお約束です。
食後は童心に帰って遊んでみては?
アクチマイ観光展望台には遊具コーナーがあり、子供たちが楽しそうに遊んでいました。
懐かしい手動のサッカーゲームも、アヤクチョでは現役。さすがサッカー大好きな国民だけあって、大人たちも大盛り上がりでした。
「ガラガラガラ・・・」という音に惹かれて目を向けてみると、ひとりのセニョーラが氷の入った発泡スチロール製の桶の中にステンレス製の鍋を沈め、それをゆっくりと手で回しているところでした。
ステンレス鍋の中にはアイスクリーム液が入っており、その鍋を手でぐるぐる回すと、遠心力でアイスクリーム液がステンレス鍋の内側に付着し、少しずつ凍っていくというわけです。ミルクの風味が生きた、手作り感あふれる素朴なアイスクリーム。晴れ渡ったアンデスの空の下、最高のデザートになりました。
Mirador turístico de Acuchimay/アクチマイ観光展望台
- 住所:El distrito de Carmen Alto, La Provincia de Huamanga Ayacucho
- 営業:8:00~22:00 無休
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原田慶子
- ペルー・リマ在住ライター。ペルーの観光情報からエコやグルメの話題などを幅広く執筆。ペルーに関する情報誌等の取材協力。