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日本の避暑地といえばどこ? 夏を涼しく楽しめる旅行先8選
年々暑さが厳しくなる日本の夏。中には、夏休みの旅行に出るのは「ちょっとしんどいかな」と思ってしまう方もいるかもしれませんが、そんな夏だからこそ、涼しく過ごせるスポットに出かけるのもいいものです。エアコンの効いた部屋で閉じこもっているだけでなく、行ったことのない観光地で避暑を楽しんでみませんか。
この記事では、暑い夏を涼しく楽しむことができる、おすすめの避暑地について紹介していきます。
目次
- 2.1 那須高原(栃木県)
- 2.2 奥日光(栃木県)
- 2.3 箱根(神奈川県)
- 2.4 山中湖村(山梨県)
- 2.5 昇仙峡(山梨県)
- 2.6 軽井沢(長野県)
- 2.7 美ヶ原高原(長野県)
- 2.8 尾瀬国立公園(福島県、栃木県、群馬県、新潟県)
1. 日本で避暑地に該当するのはどんなところ?
避暑地というのは、文字通り「暑さを避けられる場所」のこと。酷暑が続く近年は、避暑地が夏の旅行先として人気です。
では、どのような場所を避暑地と呼ぶのかというと、これについては明確な定義というものはありません。暑さを避けるわけですから、涼しい場所であることは当然の条件ですが、人工的に涼しくした場所ではなく、自然環境や立地などによって夏でも気温が低く、涼しさを感じられる場所というのがひとつのポイントになるでしょう。
具体的には、以下のような場所が避暑地の代表的な条件に挙げられます。
1.1 標高が高いところ
一般的に標高が100m高くなると気温は0.6度下がるといわれています。例えば、人気避暑地のひとつでもある軽井沢は標高約900~1,000mに位置していますから、標高40mほどの東京とは約5度~6度の温度差があることになるわけです。長野県をはじめ、那須や蓼科といった高原が避暑地に最適なのも、標高の高さが理由のひとつといえるでしょう。
1.2 緯度が高いところ
東北や北海道のように緯度の高い地域も、避暑地として人気のエリアです。緯度が高い地域と低い地域とでは太陽光の当たり方に違いがあり、緯度が高い地域の方が夏の日照時間は長く、なおかつ地表の広い範囲を太陽光が照らします。ただし、広範囲に太陽光が当たる分その光は弱く、地面が熱せられにくいため気温も上がりにくいというわけです。一般的に、緯度が1度高くなると、気温が1度下がるといわれています。
1.3 涼が感じられるところ
森林や森の中など太陽の日差しを遮るものが多い場所や、渓谷や湖などのように体感的に涼を感じられる場所も、避暑地として人気があります。等々力渓谷や養老渓谷のように、都心から比較的近いところは、夏の日帰り旅行の目的地としてもおすすめです。
2. 日本の有名な避暑地
年々夏の暑さが増す日本でも、まだまだ涼しく過ごすことができる場所がたくさんあります。ここからは、国内の有名な避暑地について詳しくみていきましょう。
2.1 那須高原(栃木県)
<出典元:写真AC>
栃木県北部の那須岳山麓に広がる那須高原。古くから温泉郷としても知られ、皇族が静養する御用邸があることから「ロイヤルリゾート」とも呼ばれています。東京からのアクセスも良く、新幹線で1時間30分、高速を使えば車で約2時間から3時間で気軽に行けるのも人気の理由です。
8月の平均気温は21度前後、最高気温は25度ほどで、晴れの日も多いことから快適に過ごすことができます。ただし、昼間と朝晩との寒暖差も大きいため、夜の外出時には上に羽織れるものがあると安心です。
那須高原のおすすめスポット1:南ヶ丘牧場
那須岳の麓、標高700mに広がる「南ヶ丘牧場」は、那須高原を訪れたらぜひ足を運びたいスポットのひとつ。雄大な那須連山を眺めることができる牧草地帯には、牛、馬、羊、ロバなどが放牧されていて、エサやり体験や乗馬、うさぎのお散歩など、動物とのふれあいを楽しむことができます。また、売店では自家製パンやチーズ、ソーセージなども売られていて、牧場グルメを楽しむことも。
那須高原のおすすめスポット2:那須高原展望台
標高1,048mに位置する那須高原の雄大な自然を体いっぱいに感じられる人気スポットです。晴れた日には八溝山系を見渡すこともでき、絶景の大パノラマが目前に広がります。
那須高原のおすすめスポット3:那須ハイランドパーク
那須の大自然に囲まれたロケーションにある人気テーマパークです。開放感抜群の園内には、10種類のコースターをはじめ、50種類近いアトラクションがあり、子どもから大人まで楽しむことができます。
2.2 奥日光(栃木県)
<出典元:写真AC>
首都圏からのアクセスも良く、人気観光地として知られる日光。その市街地よりも標高の高い場所にあるのが、首都圏の避暑地として知られる「奥日光」です。8月の平均気温は20度前後と涼しく、都会の暑さを逃れ多くの人が訪れます。日本の秘境100選のひとつでもある奥日光は、都会では経験できない雄大な自然を楽しめるのが醍醐味のひとつです。
奥日光のおすすめスポット1:奥日光三大名爆
滝壺に下りて迫力満点の滝を見上げることができる「湯滝」、約200mの長さを誇る「竜頭ノ滝(りゅうずのたき)、約100mの高さから一直線に落下する「華厳の滝」は、奥日光の三大名爆として一度は訪れておきたい絶景スポットです。
奥日光のおすすめスポット2:明智平(あけちだいら)
奥日光の絶景を余すところなく堪能するなら、明智平がおすすめ。標高1,373mの高さまでロープウェイを使って手軽に上がることができ、展望台からは中禅寺湖と華厳の滝を一度に望める圧巻の景色が楽しめます。
奥日光のおすすめスポット3:戦場ヶ原
その昔、男体山の神様と赤城山の神様が戦った場所という言い伝えが残る「戦場ヶ原」は、広大な湿原の中をのんびり散策できる人気のスポットです。
2.3 箱根(神奈川県)
<出典元:写真AC>
人気温泉ランキングでも常に上位に入る箱根は、日本を代表する観光地のひとつ。その中でも標高723mに位置する芦ノ湖エリアは、8月の平均気温が22度前後と快適な人気避暑地としても知られています。芦ノ湖湖畔ではセグウェイツーリングやサイクリングを楽しむことも。
箱根のおすすめスポット1:駒ヶ岳ロープウェー
標高1,356mの駒ヶ岳山頂まで、ロープウェーを使って7分。芦ノ湖や富士山などの絶景を眺めながら手軽に空中散策を楽しむことができます。
箱根のおすすめスポット2:箱根園水族館
海抜723mにある水族館ので、人気のコツメカワウソやバイカルアザラシをはじめ、さまざまな魚が展示されています。
2.4 山中湖村(山梨県)
<出典元:写真AC>
富士五湖のひとつである山中湖を有する山中湖村は、富士山山麓に位置する標高1,000mの高原地帯。周辺をなだらかな山に囲まれ、夏の平均気温は21度前後ととても涼しく、避暑地としても人気です。
山中湖周辺のおすすめスポット1:忍野八海(おしのはっかい)
湧池、出口池、御釜池、濁池、鏡池、菖蒲池、底抜池、銚子池という8つの湧水池からなる忍野八海は、世界文化遺産にも登録されている人気スポットです。8つの中で最も大きい出口池には「出口稲荷大明神」もあり、荘厳な景観を楽しむことができます。
山中湖周辺のおすすめスポット2:山中湖花の都公園
山中湖のほとりに位置する自然公園。約30万平方メートルの花畑にはさまざまな種類の花が植えられていて、四季折々の景観を楽しむことができます。親水広場もあり、子ども連れの旅行にもおすすめのスポットです。
山中湖周辺のおすすめスポット3:山中湖パノラマ台
山中湖から三国峠へ向かう道のりにある絶景スポットです。山中湖の背後に富士山を望む雄大な景色は圧巻です。タイミングが良ければ、富士山の山頂に太陽が重なる「ダイヤモンド富士」が見られることも。
2.5 昇仙峡(山梨県)
<出典元:写真AC>
甲府市北部に位置する御岳昇仙峡(みたけしょうせんきょう)は、石と清流の渓谷美が人気のスポットです。国の特別名勝にも指定されていて、長い歳月によって削り取られた断崖や奇岩、豊かな水の流れは「日本一の渓谷美」と称されることもあり、富士山と並ぶ山梨県の人気観光名所となっています。
秋の紅葉で有名な昇仙峡ですが、渓谷に沿って整備された遊歩道では、夏の暑さが和らぐ涼やかな時間を楽しめます。大自然を思い切り満喫したいという人には、渓流沿いの山路を散策する片道6kmのトレッキングコースがおすすめです。
2.6 軽井沢(長野県)
<出典元:写真AC>
「避暑地といえばここ」というほどに有名なのが、長野県東信地方にある「軽井沢」です。標高1,000m前後にあり、年間の平均気温は8度前後で、8月の平均気温も20度前後ととても過ごしやすい気候となっています。曇りや雨など天候によっては肌寒さを感じることもあるため、お出かけの際には上着は必須です。
軽井沢のおすすめスポット1:軽井沢高原教会
大正時代に建てられ、内村鑑三や北原白秋といった時の文化人たちにも愛された歴史ある教会です。森の中にある小さな教会ですが荘厳な美しさを感じられ、結婚式場としても使われています。夏にはサマーキャンドルナイトやゴスペルコンサートなどのベントも。
軽井沢のおすすめスポット2:旧軽井沢銀座通り
かつてイギリス人宣教師によって開かれ、文化人や財界有名人たちの避暑地としても栄えた旧軽井沢のメインストリートです。グルメやファッション、クラフトなどのお店が並び、ショッピングと食べ歩き散策が楽しめます。
軽井沢のおすすめスポット3:ハルニレテラス
ハルニレテラスは、高さ2mほどのウッドデッキ上にカフェやレストラン、おみやげものなどのショップが並ぶエリアです。ハルニレに囲まれているため、森林の中を散策しているような気分を味わいながらショッピングを楽しむことができます。
軽井沢珈琲で有名な「丸山珈琲」や、ワインやデリを楽しめる「セルクル」、自家製ミルクを使って毎朝作られている濃厚ジェラートが人気の「HARVEST NAGAI FARM」など、SNSでも話題のお店が満載です。
2.7 美ヶ原高原(長野県)
<出典元:写真AC>
長野県と山梨県にまたがる八ヶ岳中信高原国定公園の一番北側に位置する「美ヶ原高原(うつくしがはらこうげん)」。日本百名山のひとつとしても知られていて、日々の喧騒から離れて雄大な自然の中でゆったりとした時間を過ごしたい方におすすめの避暑地です。
また、標高2,000mの美ヶ原は空気が澄んでいることから、全国屈指の星空スポットとしても知られています。晴れた日の夜には、地平線まで広がる満天の星空を楽しめることも。
美ヶ原高原周辺のおすすめスポット1:王ヶ鼻
美ヶ原高原の有名なパワースポットとして人気の「王ヶ鼻(おうがはな)」。標高2,008mほどに位置し、南アルプスや御嶽山をはじめ、天気の良い日には遠くに富士山も望める絶景スポットです。美ヶ原自然保護センターから片道30分ほどで歩いて行くことができ、ハイキングを楽しみたい方にも人気があります。
美ヶ原高原周辺のおすすめスポット2:美ヶ原高原美術館
箱根彫刻の森美術館の姉妹館として1981年に誕生した美ヶ原高原美術館は、約4万坪の広大な草原に350点を超える現代彫刻を常設展示している野外彫刻美術館です。子どもたちがアートを体験できる「子ども美術館」や中世ヨーロッパの古代ギリシャ彫刻を模した「ビーナス城」、室内ギャラリーなども併設されていて、子どもから大人まで楽しむことができるアートスポットになっています。
美ヶ原高原周辺のおすすめスポット3:美ヶ原牧場
美ヶ原高原美術館から美ヶ原自然保護センターの両側に広がる美ヶ原牧場。400ヘクタールという広大な牧草地に300頭ほどの子牛や馬が放されていて、のどかな牧草地の光景が広がります。天気の良い日には青空と牧草の緑の見事なコントラストが美しく、映えスポットのひとつとして人気です。
2.8 尾瀬国立公園(福島県、栃木県、群馬県、新潟県)
<出典元:写真AC>
福島県、栃木県、群馬県、新潟県の4県にまたがる尾瀬国立公園は、東西6km、南北2kmに渡って広がる、日本最大の山岳湿地です。毎年多くの人が訪れる人気観光名所ですが、国の特別天然記念物であり、ラムサール条約登録湿地でもあるため、生態系や景観を守るための保護や保存が厳しく行われています。
とにかく敷地が広大なため、尾瀬の絶景を思い切り堪能するためには、山小屋に1泊して散策をするのが理想的。体力に自信のある人は、尾瀬の美しい景色が一望できる山登りコースに挑戦してみるのもおすすめです。
長い年月をかけて育まれた尾瀬の素晴らしい自然を守るために、尾瀬では観光で訪れる人々に対してさまざまなルールが決められています。
尾瀬散策のルール1:湿原には入らない
歩くのは設置されている木道や登山道のみ。道から外れて湿原や樹林の中に入ることは禁止されています。一度踏まれてしまった湿原は回復するのに大変な時間がかかるからです。湿原の中に三脚などを立てて写真の撮影をすることもNGです。
尾瀬散策のルール2:右側通行・登り優先
尾瀬では右側通行の登り優先が暗黙のルールになっています。特に木道では人とすれ違う際にぶつかることがないよう、譲り合いの気持ちが大切です。
尾瀬散策のルール3:山登りの服装・装備で
観光地とはいえ、尾瀬は標高2,000m級の山々に囲まれた山岳エリアです。急な天気の悪化などにも対応できる服装と、歩きやすい靴で訪れましょう。
3. 避暑地への旅行での注意点
暑い夏を快適に過ごすことができる避暑地ですが、旅行をする際にはいくつか注意点もあります。ここからは、避暑地への旅行で気をつけたいポイントについて詳しく見ていきましょう。
3.1 寒くなるときもあるので、上着を用意!
<出典元:写真AC>
涼しい気候が魅力の避暑地ですが、朝晩は思った以上に寒さを感じることもあります。また、曇りや雨など天気によっては気温がぐっと下がることもあるため、パッと羽織れる上着を用意しておきましょう。標高の高い避暑地では天気が変わりやすく、急に雨が降り出すことも。手軽に羽織れて、尚かつ少しの雨なら弾いてくれる薄手のマウンテンパーカーなどがあると便利です。
3.2 標高の高い避暑地では紫外線対策も忘れずに!
避暑地でついつい忘れてしまいがちなのが、紫外線対策。涼しいからといって油断していると、いつの間にか日焼けして肌が赤くなっていたなんてことも。特に、標高が高い場所にある避暑地の場合、平地と比べて紫外線が強くなる可能性があります。ゴルフや山登り、自然散策など外で長時間過ごす場合には必ず日焼け止めを塗り、帽子やサングラスなどで紫外線対策をしましょう。
3.3 熱中症にも要注意!
<出典元:写真AC>
避暑地ではいつもより涼しく過ごせているので、ついつい水分補給を忘れてしまいがち。ですが、長時間外で過ごしたり、身体を動かしていたりすると、自分が思っている以上に体力を消耗して、熱中症のリスクが高くなります。喉の渇きを感じた時には、体内の水分がかなり失われているサインです。そうなる前に、避暑地にいてもこまめな水分補給を忘れないようにしましょう。
3.4 夏の人気観光地になるので、早めに予約!
暑い夏は涼しいところで快適に過ごしたいと考えている人はとても多く、避暑地は夏の旅行先としても大変な人気です。観光スポットなどの見どころの多い場所は、特に人気が高いため、夏本番になってからでは宿泊先を見つけるのにもひと苦労。せっかくお休み取ったのに泊まる場所がなくて断念! なんてことにならないためにも、ホテルやペンションなどの予約は早めにしておくのがおすすめです。
今年の夏は、暑さから逃れて涼しい避暑地で快適な時間を過ごしてみませんか? 今回紹介した内容を参考にして、ぜひ素敵な旅行のプランを計画してみてくださいね。
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