ロンドン中心部にある自治区のひとつ、ケンジントン・アンド・チェルシー王室特別区は、イギリス屈指の高級住宅地を有する地区として知られています。今回ご紹介するのは、その一角に位置するホランド・パーク。ロンドンで「ジャパニーズ・ガーデンがある公園」といえばまずその名があがる公園で、都会の喧騒を忘れて自然を楽しんでみましょう。

目次

• 基本情報
• キョウト・ガーデンとフクシマ・ガーデン
• その他の見どころと園内施設
• アクセス・開園時間

基本情報

ホランド・ガーデンが位置しているのは、ロンドン中心部の西端。北側のノッティング・ヒル（カーニバルや映画の舞台でおなじみ）と、南側のケンジントン・ハイ・ストリート（有名なショッピング街）に挟まれたエリアにあり、公園の周辺はいわゆる高級住宅地です。その大きさは22.5ヘクタールで、近くのハイド・パーク（142ha）や、そのお隣のケンジントン・ガーデンズ（111ha）などと比べるとずっと小ぶりですが、見どころは満載です。

＜ホランド卿の像＞

公園はもともと、17世紀初期にサー・ウォルター・コープが建てた邸宅「コープ・キャッスル」の敷地でした。その後、邸宅はコープの娘、ホランド伯爵夫人が相続したことにより「ホランド・ハウス」と名前を変え、その名が公園の名前の由来となっています。残念ながら、邸宅は第二次世界大戦でその多くが破壊されてしまいましたが、一棟は保存され、現在でも園内にあるユースホステルの一部として使用されているほか、同じく保存されたフロントテラスの一部も園内の屋外劇場に組み込まれています。

キョウト・ガーデンとフクシマ・ガーデン

ホランド・パークの見どころといえば、まずは日本庭園！1992年にオープンしたKyoto Garden（京都庭園）はロンドン市民にも良く親しまれています。ロンドンでのジャパン・フェスティバルの開催を祝して、ケンジントン・アンド・チェルシー王室特別区と京都商工会議所の合同プロジェクトとして設営されました。

京都庭園のすぐお隣にあるのが、2012年に開園したFukushima Garden（福島庭園）。こちらは、東日本大震災の後、英国民から寄せられた福島の人々へのサポートに対するお礼として開設されたガーデンです。

＜「ケンジントン＆チェルシー王立区の福島庭園と本宮市の英国庭園の友好の記念として」の文字が刻まれた石碑＞

どちらの庭園内も、静寂が重んじられ、穏やかな時間が流れているのが印象的でした。

その他の見どころと園内施設

南北に伸びるホランド・パークのほかの見どころもいくつかご紹介します。まずはオランダ・ガーデン（Dutch Garden）。

鮮やかな花が満開の花壇は、まさに圧巻です。春に訪れれば、一面のチューリップが楽しめます。

そして運が良ければ出会えるのが、こちら！

こんなクジャクが、園内をうろうろしているのです！普段は羽をたたんで座っているのですが、おもむろに雄たけびを上げ、ゴージャスな羽を広げて見せてくれることもあります。羽を広げた体の大きさと、声の大きさ、そして羽をバサバサ震わせる音の大きさにはビックリしてしまいます。座っているクジャクに遭遇したら、また時間をおいて会いにいってみると、羽を見せびらかしてくれるかもしれません。

ノース・ローンから真っ直ぐに伸びた道をのんびりとお散歩するのもおすすめです。芝生でピクニックをするもよし。なんともいえない開放感が味わえます。

そしてロンドン市内にいるとは思えぬほどの、手つかずの自然もホランド・パークの魅力です。ロンドンの地下鉄ゾーン２圏内にいながら、森の中にいるような感覚に浸ることができます。

こちらはスポーツ・フィールド。奥に見える、とんがり屋根の建物はデザイン・ミュージアムです（敷地外）。公園内には、他にもテニスコートやゴルフスクール、子供向けプレイグラウンド、エコロジーセンター、カフェなど、さまざまな施設があります。

アクセス・開園時間

• 住所：Ilchester Place, W8 6LU
• 最寄駅：地下鉄Holland Park駅（北側）、High Street Kensington駅（南側）、Kensington（Olympia）駅（西側）
• 開園時間：7:30～日没30分前まで
• 入園無料
• 公式サイト：ホランドパーク
  

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