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生活の基本!アルジェリアのお家事情 ~アルジェ編~
皆さんが海外旅行に行かれて、日本と変わった風景に釘付けになることも多いと思います。
それは一般的な家であっても同じことがいえます。現地の人にとっては "ありきたりな家"であっても、初めてその国を訪れる人にとっては特別に感じる異国の風景となります。
今回はそんな異国の風景の一つである アルジェリアの首都アルジェの"家"にフォーカスし、アルジェリアの生活を探っていきます。
旅行では見ることのできない家の中の違いを隅々までご案内します!
目次
一般的なアルジェの家とは
ヴィラ
アルジェリアでは一つのお家に何世帯もの家族が同居できるようなヴィラが数多くあります。この暮らしのスタイルは昔から引き継がれているもので、親戚同士で共同で使用する部屋とプライベートがある寝室がいくつもあるのが特徴です。
近年では、こういった風潮が減ってきていることもあり、共同生活をせず各家族が別々のアパートを持って暮らす人も増えています。
外からは想像し難い造り
アルジェリアで外から家を見るのと中に入るのとでは全く印象が異なります。外から見ると隣の家との間隔が狭く、高さがあるため、奥行きなどが分からず家の構造を把握することが難しいのです。
しかし一歩入ってみると、どのお家も見た目からは想像しにくい、広々とした空間が広がります。
コンクリートと煉瓦の造り
日本の家との最大の違いは、木造建築ではないことです。アルジェの気候からしても夏は太陽の光が強いため、コンクリートと煉瓦の家は自然の冷却機能があります。
屋根がない?
一般的にアルジェの家には屋上があります。
そこで洗濯物を干したりすることもしばしばありますが、そのほかによく見られる光景は、鉄骨が剥き出し状態である屋上です。これは、将来的に階を増やすことを意味する建築途中のものです。
現在住んでいる者が結婚する際など、その家族分をもう一階増やす家が多いのです。
ここが違う!おさえておきたい見どころ
ここでは実際にアルジェの家でよく見かけるものについて説明をしていきます。
セントラルヒーター
アルジェには日本と同じように四季がありますが、冬はエアコンを使いません。
各家に装備されているのはこのセントラルヒーターです。中にある水をガスで温めて熱を出す仕組みですが、このヒーターが各部屋はもちろん、廊下などにも設置されているため、家全体が温まるのです。
日本のように凍えながら廊下を歩くことがありません。
ミニテーブルセット
かなりの確率で見かけるこのテーブルセット。
アルジェリアではたくさんの人を家に招くことが多く、座る場所によっては中央のテーブルから遠い人がいます。そんな人のために、このミニテーブルを置き、お菓子やお茶などをすぐ傍に置けるようにするのです。
長いソファ
上記で述べたように、たくさんの人が来る機会が多いアルジェリアでは、このような長いソファが主流です。
ティーセット
アルジェリアで代表的な飲み物でもあるミントティーですが、このような小さなティーカップに入れて出します。各家々にはこういったティーセットがおもてなしに欠かせません。
ティーポットとコーヒーメーカー
おもてなしの場面では、ミントティーの他にコーヒーも必要不可欠です。ミントティーは、鍋などで煮出してから左に写っているポットに入れてテーブルへ運びます。
コーヒーは、アメリカンではなくイタリアンコーヒーが好まれます。右に写っている容器でコーヒーを煮出してから別の容器に移します。この容器は本場イタリアで使用されているものと同じです。
香辛料
アルジェリアのどの家庭にもたくさんの種類の香辛料があります。アルジェリア料理は香辛料がたくさん入っているためです。
購入するだけではなく、自身で調合している人も多いのだとか。
ジャベル(漂白剤)
アルジェリア人は漂白剤信者が多くいます。というのも、日々の食器洗いや掃除は常にこの漂白剤を使用して殺菌しなければ気が済まない人がたくさんいるのです。
この黄色い容器はどの家庭にも必ずあります。
パティオ
アルジェの家には外から見える庭というのはあまりありません。
代わりにパティオという中庭のような空間がある家が多いです。カラフルなタイルや、植物などを植えたりしてリラックスできるステキな空間です。ティータイムやランチなどにも利用できます。
窓
日本のように引き戸ではありません。古い家だとしっかり閉まらず強い風で開いてしまったりと少し扱いづらいのがこのタイプの窓。
ちなみに網戸がないのが普通ですが、一年中蚊がいます。夏場は電気式の蚊取り用品などで対策をしています。
鍵
鍵は、家だけでなくあらゆる建物に共通していますが、扉を閉めると自動で鍵が閉まるオートロックタイプです。扉を閉める際にある程度の力で閉めなければ閉まりません。
鍵の閉め忘れがないのは良いかもしれませんが、病院などでもこのタイプの扉が多く、一度閉めてしまった後に忘れ物に気づいた際にはインターホンを鳴らして再度開けてもらうしかないという少し面倒な一面もあります。
床
ほとんどの家の床は大理石などの石のタイルでできています。夏はひんやりとして気持ちがよいのが利点です。
日本のように素足で生活している人はおらず、スリッパのようにバブーシュやサンダルを履いていたり、靴のまま家の中に入ったりして生活しています。
トイレのミニシャワー
アラブ地域のトイレには欠かさず設置されているのが、このミニシャワー。ウォシュレットがない代わりにこのミニシャワーがその役割を果たします。慣れるのにはちょっと時間がかかるかもしれません。
ハマム
家によってはハマムという浴室があります。ハマムとはアラブ地域に古くから伝わるサウナ式の浴室で、サウナほど高温ではなく、どちらかというと岩盤浴ほどの室温に保たれています。そこでアカスリなど体を洗ったりします。
日本と比べて特に良いところ
冷え性の人には有難い
日本では家中を暖かくすることはかなり難しいですが、アルジェリアの家はそれが可能です。廊下も暖かいなんて、冷え性の人にはもってこいのお家です。
広い
海外では珍しくありませんが、やはり日本と比べると広いです。のびのびとした生活を実現できます。
日本と比べて悪いところ
掃除が大変
日本のように掃除機をかければ終わりというわけにはいかず、石のタイルの床は水拭きをすることで光り輝くようになります。水を使わなければ汚れも落ちないため、水拭きが必須です。
色々と壊れてくる
日本でももちろん年月が経てば色々な場所が傷み壊れてきますが、アルジェリアの家はその期間が短く、頻度が多いです。理由は、日本が高品質なものを使用し、高い技術を持っているからです。
まとめ
アルジェリアに来たらぜひ注意して見ておきたいお家事情をお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。
旅行の際に一般家庭のお家の中まで見るのは至難な技ですが、レストランやお店などにもこういったポイントが見られます。チェックしてみると旅行がより一層面白いものとなるかもしれません。
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川面 朝美
- 神奈川県出身。旅行好きな両親のおかげで幼い頃から外国に行く機会があり、自然と海外に興味を示す。大学ではフランス文学科を専攻、アメリカとフランスでの語学留学を得て、異文化コミュニケーションの大切さを学ぶ。その後ファッション業界に就職したのち、日本で出会ったアルジェリア人と意気投合。2018年11月に結婚し、現在はアルジェリアの首都アルジェにて刺激的な毎日を送っている。趣味: ダンス、テニス、ジム、旅行