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私のマイクロツーリズム宿泊編〜白山登山で愛される平瀬「温泉民宿 いで湯 山水」で前乗りの旅〜
純粋な旅行以外に、登山も大好きな筆者。全国各地へ遠征登山に出かけていますが、その中で密かな楽しみが、山麓の鄙びた温泉宿に泊まることです。長時間の歩行が必要な登山道の近くには、必ずと言って良いほど、登山客に愛される名宿が存在します。
そこで今回ご紹介したいのは、日本三大霊山の1つ「白山(はくさん、標高2,702m)」の山麓・平瀬温泉にある温泉民宿「いで湯 山水」です。郷土の味覚たっぷりのお料理と、野趣ある源泉掛け流しの露天風呂で、たっぷり元気をいただけました。
目次
岐阜県から白山へ登る「平瀬道」
石川県・岐阜県・福井県の3県にまたがる名峰・白山(はくさん、標高2,702m)。日本百名山にも選ばれており、登山愛好家の憧れの山です。夏には高山植物が咲き誇り、秋には一面鮮やかな絵画のような風景が広がります。
一般的には、福井県の別当出合からよく登られますが、密かに人気なのが岐阜側から登る「平瀬道(ひらせどう)」です。往復7〜8時間ほどかかるため、日の出前から登る方も多いです。
今回、日没の早い秋ということもあり、「いで湯 山水」で1泊して登山へチャレンジすることに。
平瀬温泉の温泉民宿「いで湯 山水」へ
温泉民宿「いで湯 山水」があるのは、平瀬(ひらせ)温泉。高山市荘川(しょうかわ)から白川郷へ抜ける途中にある小さな温泉街です。広義的には白川郷に含まれるため、近年は「白川郷平瀬温泉」と呼ばれるようになりました。
国道156号から少し外れた路地裏に佇む、1軒の古民家がお宿です。町並みに溶け込んでおり、昭和レトロな温泉街の雰囲気を残しています。
チェックインすると優しい女将さんが迎えてくれました!人情味が溢れる方で、おしゃべりも楽しみます。案内していただいたお部屋はこちら。
畳に布団とシンプルですが、まるで自分のおばあちゃんの家に上がり込んだような飾らない空間が好きです。登山で宿泊する山荘では相部屋が普通なので、個室を用意していただけるだけでも嬉しいですね。
貸切で利用できる!レトロな内湯と野趣ある露天風呂
日本三名山のひとつ白山の麓・大白川(だいしらかわ)を源泉とする「平瀬温泉」は、メタケイ酸が豊富で、美肌効果の高い含硫黄ナトリウム塩化物泉です。婦人病に効能があるとされ、「子宝の湯」とも称されています。
温泉民宿「いで湯 山水」には、内湯と露天風呂の2つの浴槽があり、源泉掛け流しのお湯が供給されています。
内湯は、北アルプス・乗鞍岳を背景に、善五郎の滝が描かれたレトロな銭湯風。山好きの筆者にはたまらない空間でした。
内湯は熱めですが、露天風呂はゆったりと入れる快適な湯温です。それにしても巨石で囲って作り上げた、野趣ある浴槽がなかなか素敵!
正直、道を歩いている人が、お風呂を覗き込めば見えなくもない仕様なのですが、このワイルドさがまた味わい深いです(笑)
巨石にもたれかかりながら、すべすべのお湯で身体を芯から温めます。滞在中、24時間何度も入れるのが素晴らしいですね。
温泉民宿「いで湯 山水」は4部屋の小さなお宿で、これらの温泉は男女共用。そのため事実上、貸切で利用することができます。
明日は早朝に登山を開始するので、1泊夕食付きのプランを予約しましたが、一人7,000円ほど。源泉掛け流しの貸切風呂もついて、この宿泊料金は破格ではないでしょうか。
そして、この後に豪華すぎる夕食が待っていました!
飛騨牛も!地元の郷土料理が詰まった豪華な夕食
夕食は、地産地消の田舎料理。ご主人が育てた野菜や、地元で採れた山菜などが並びます。川魚も地元で釣ったもので、85%以上の食材が地元のもの、という充実ぶりです。
またリーズナブルな宿泊料金ながら、飛騨牛の陶板焼きも含まれていたのが驚きでした!おかわり自由なご飯は、なんと赤飯。なんだか特別感を感じながら、夕食をお腹いっぱいいただきます。
山菜はどれもご飯に合いますし、口の中でとろける飛騨牛は最高です!
中でも抜群に美味しかったのは、自家製の「栃餅(とちもち)」。自家栽培のもち米と、大白川の山中で採れた栃の実を混ぜて作った郷土料理です。
香ばしくもちもちとしたお餅に、自家製味噌の相性が抜群です。病みつきになる弾力があり、1個が大きく食べ応え抜群でした。
野菜や山菜の天ぷらも美味。小鉢類も充実していて、食べきれないぐらいのボリュームがありました。
明日は登山をしてエネルギーを使うので、「たくさん食べても大丈夫」と言い聞かせて、完食!アクティビティと組み合わせた旅にすると、食べ過ぎの罪悪感も無くなって良いですよ(笑)
日の出前から秋の白山へ日帰り登山
ということで温泉と夕食を満喫し、たっぷりと睡眠をとって、早朝5時から白山登山へチャレンジしてきました。
天気は快晴で、紅葉はちょうど見頃。ほのかに赤く染まる朝焼けの時間を味わい、山頂では青空の下で日本海まで見渡せる、360度の絶景を楽しみました。
登山は自分の趣味でもあり、親子がコミュニケーションをとるツール。今まであまり一緒に宿泊するという経験はなかったのですが、このように前乗りをすれば、親子で旅をするきっかけを作ることができます。
素晴らしいお宿への出会いと、もたらしてくれる充実した時間に感謝です!
温泉民宿 いで湯 山水
- 住所:岐阜県大野郡白川村平瀬353-32
- TEL:05769-5-2033
- 予算:1泊夕食付き7,000円〜/1人
- HP:山水
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土庄雄平
- 1993年生まれ、愛知県豊田市出身。同志社大学文学部文化史学科・英文学科卒。サラリーマンの傍ら、自転車旅&登山スタイルで、日本各地を駆け巡るトラベルライター。春は桜を愛でながらサイクリング、夏は冷涼な北日本へ自転車で大冒険、秋は秘境の紅葉を求めて山登り、冬は輝く樹氷と白銀の世界に魅了される。そんな自然の中へ身を投じる旅がルーティーン。