岐阜かかみがはら航空宇宙博物館は国内最大規模の航空と宇宙の専門博物館

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館

こんにちは!たびこふれライターの中尾です。

今回紹介するのは岐阜県各務原市にある「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」です。タイトルにもありますように「岐阜かかみがはら航空宇宙博物館」は国内最大規模の航空と宇宙の専門博物館です。見学エリアは屋内メインなので、天候や気温に左右されることなく見学が可能です。

空と宇宙ゆかりの地である岐阜かかみがはら航空宇宙博物館、通称「空宙博(そらはく)」で家族一緒に楽しみましょう!

目次

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館とは

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館は岐阜県各務原(かかみがはら)市にあります。各務原市って読み方が難しい都市のひとつだと思います。

なぜ各務原市に航空と宇宙の専門博物館ができたのかを伺うと、「1917年に国内で2番目となる飛行場が各務原市に作られ、ここに陸軍の航空主要部隊が置かれ、航空機技術の育成が始まったことで、日本有数の航空機技術の拠点として栄えたから」だそうです。

終戦後しばらくの間は航空機の研究や実験、生産を禁じられていましたが、その後はそれまでの産業基盤を活かして生産を再開。今では各務原市を中心に岐阜県のあちこちで航空機や宇宙機器に携わる企業が活躍しています。

そんな空と宇宙ゆかりの地だからこそ、航空・宇宙専門の博物館ができました。

  • 展示されている実機は34機で国内最多です
  • 世界にただ1機の飛燕(ひえん)を復元されました
  • 展示スペースは9,400平方メートルもあります

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館 外観

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館の「航空エリア」

「航空エリア」は約100年の航空史を歩きながらチェックできるエリアです。人類が空に挑んだ歴史と挑戦の物語をたくさんの機体とともにたどります。

航空エリア

A1 航空機と航空機産業の始まり

「人類史に航空機が登場。そして各務原に航空機産業が生まれた。」

まず出迎えてくれるのはライト兄弟が人類初の動力飛行を成し遂げた「ライトフライヤー」と日本で初めて各務原で量産された「乙式一型偵察機(サルムソン2A2)」。それぞれ世界と各務原の航空史の始まりを告げる機体の実物大模型です。

ライトフライヤー
ライトフライヤー(写真上)と、乙式一型偵察機(サルムソン2A2)(写真下)>

「乙式一型偵察機(サルムソン2A2)」の1/1模型です。各務原で量産された最初の飛行機です。

乙式一型偵察機(サルムソン2A2)

A2 戦前・戦中の航空機開発

「外国の技術導入から日本独自の技術開発へ。やがて世界水準の航空機が各務原の地から飛び立った。」

十二試艦上戦闘機(「零戦」試作機)

上は「十二試艦上戦闘機(「零戦」試作機)」(三菱A6M1)の1/1模型、下は「三式戦闘機二型「飛燕(ひえん)」(川崎キ61-Ⅱ改)。唯一現存する実機です。

三式戦闘機二型飛燕

ゼロ戦こと零戦(れいせん)はアニメ映画「風立ちぬ」の主人公のモデルにもなった堀越二郎さんが設計し、日本で最も多く生産された飛行機で、試作機は各務原飛行場で初飛行しました。

飛燕

実機として現存する「飛燕(ひえん)」です。この地で最も多く生産された日本の航空史に名を残す名機です。

飛燕

飛燕

飛燕

A3 戦後の航空機開発

「技術立国としての再起をかけ、航空機開発が再開。日本最多を誇る実機が語る技術者の挑戦の歴史」

広々とした空間いっぱいに並んでいるのは戦後の実機20機。向かって左側には主にジェット機、右側には高揚力の研究に使われた航空機やヘリコプターが時代順に並んでいます。

実機

『UF-XS実験飛行艇』は新明和工業による飛行艇です。1962年に初飛行し、日本の飛行艇の原点と言われる機体です。日本の飛行艇開発の歴史を伝える航空遺産として2014年に日本航空協会より「重要航空遺産」に認定されました。

UF-XS実験飛行艇

UF-XS実験飛行艇

低騒音STOL実験機「飛鳥」はJAXA航空技術部門が1962年から1989年にかけて開発したSTOL飛行実験機です。STOLは短距離離着陸のことで、短い滑走路で離発着できるように設計されています。この「飛鳥」は1機しか製造されていないとても貴重な機体です。

低騒音STOL実験機「飛鳥」

A4 航空機のしくみ

「飛行機やヘリコプターはどうして飛ぶのか?シミュレーターで体感しながら学習しよう。」

飛行機の仕組みを学び、旅客機や小型機の操縦などを体験することができます。

シミュレーター

小型ジェット機で航空祭さながらの曲技飛行にも挑戦できるシミュレーター。「乗ってみたい!」を叶えてくれます。

シミュレーター

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館の「宇宙エリア」

ロケットで地球から飛び出し人工衛星の浮かぶ軌道上、そして惑星探査へ。宇宙への挑戦の物語と最新テクノロジーを「宇宙の旅」気分で味わえます。

宇宙エリア

宇宙エリア

S1 空から宇宙へ

「飛行機の発明から半世紀。人類の宇宙への挑戦が始まった。そこには地球とは全く異なる世界が広がっていた。」

重力を振り切って空から宇宙へ旅立ちました。宇宙エリアへの入口では、H-Ⅱロケットを打ち上げた初の国産エンジン「LE-7エンジン」が展示されています。

LE-7エンジン

衛星等の積み荷を守る「フェアリング」です。高さ12mの巨大なフェアリングは試験用に各務原で製造された実物です。

フェアリング

S2 宇宙への出発-ロケット-

「宇宙までは約100km。遠い距離ではない。しかし特別な乗り物が必要だった。」

ロケットに夢と希望を乗せて打ち上げです!

日本の歴代ロケットが勢ぞろい。奥からH-ⅡAロケット、H-ⅡBロケット、H3ロケットの1/20模型です。

打ち上げ

S3 宇宙から地球のくらしを支える-人口衛星-

「天気予報、カーナビ、衛星放送、衛星通信。私たちは意識せずとも日々、宇宙を利用している。」

地球の周りを飛んでいるたくさんの人工衛星。ここでは、ごろんと寝転びながら衛星から見た地球の画像を眺めることができます。

人工衛星

S4 人を宇宙に送る−有人宇宙開発−

「宇宙に行きたいという太古からの人類の夢。だれもが宇宙に行ける時代はくるのだろうか。」

エリアの中央には、宇宙の有人実験施設『国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」』の1/1模型が鎮座しています。

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館 宇宙エリア

国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」の内部です。

日本実験棟「きぼう」の内部

JAXAの協力を得て作られた「きぼう」の1/1模型は、内部の様子もリアルに再現されています。

日本実験棟「きぼう」の内部

右側にはスペースシャトルの1/25模型が展示されています。

スペースシャトルの1/25模型

船外の実験プラットフォームで様々な作業を行うときに着ている宇宙服をイメージした(?)立体顔出しパネルです。

宇宙服

S5 宇宙と生命の謎を探る-宇宙探査-

「宇宙の始まりの謎は解き明かされつつある。しかし生命の始まりはまだわからない。そのカギはきっと宇宙にある。」

宇宙と生命をめぐる謎。そのカギを探るべく、宇宙では数多くの探査機が活躍しています。火星に生命が存在した証拠になるかもしれない有機物を発見した「キュリオシティ」や今注目の「はやぶさ2」など、現在進行形で宇宙を探査している機体の実物大模型に出会えます。

小惑星探査機「はやぶさ2」の1/1模型です。小惑星イトカワへの探査が映画やドラマの題材にもなった「はやぶさ」の後継機です。2014年に打ち上げられ、2018年6月27日に目的地の小惑星リュウグウに到着しました。2020年にリュウグウのサンプルが入ったカプセルを地球に届けた後、現在は次の目的地へと向かっています。

小惑星探査機「はやぶさ2」の1/1模型

火星探査機「キュリオシティ」の1/1模型です。

火星探査機「キュリオシティ」の1/1模型

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館の「屋外展示」

駐車場から建物入口までは、戦後日本で初めて開発・量産された旅客機「YS-11」実機など4機を展示しています。実際の飛行機やヘリコプタ-の大きさや迫力を、間近で楽しむことができます。

不定期で機内公開が行われます。最新情報は公式サイトやSNSでご確認ください。

屋外展示

川崎 V107-Aヘリコプター
<川崎 V-107Aヘリコプター>

日本航空機製造 YS-11A-500R 中型輸送機
<日本航空機製造 YS-11A-500R 中型輸送機>

新明和US-1A救難飛行艇
<新明和US-1A救難飛行艇>

川崎P2-J対潜哨戒機
<川崎P-2J対潜哨戒機>

展望デッキへ出ると屋外展示機を上から見下ろすことができます。これだけ大きな飛行機を上から見下ろすのは、なかなか体験できないことですね!

展望デッキ

シアタールーム

航空宇宙への挑戦の物語を伝える映像の上映、講演会などを行っています。

シアタールーム

空宙博カフェ

大人も子どもも楽しめる、博物館オリジナルメニューを提供しています。空宙博カフェだけの利用は入館料は不要です!

宇宙博カフェ

店内は白を基調としたとても明るく清潔な空間です。

宇宙博カフェ

カレーライス
<飛騨牛カレーライス(800円税込)>

オムライス
<ふわっとろオムライス(800円税込)>

デザートも充実しています。

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館 宇宙博カフェ
<ギャラクシーケーキ(650円税込)>

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館 宇宙博カフェ
<飛騨牛ロケットかれいぱん(300円税込)>

テイクアウトも可能です!

テイクアウト

ミュージアムショップ

博物館オリジナルグッズや航空宇宙に関連する素敵な商品を多数取り揃えています。

オンラインショップも開設中!⇒空宙博ミュージアムショップ

ミュージアムショップ

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館 ミュージアムショップ
<パイロットベア そらはく(3,300円税込)>

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館 ミュージアムショップ

岐阜かかみがはら航空宇宙博物館の詳細

  • 住所:岐阜県各務原市下切町5丁目1番地
  • 開館時間:平日 10:00~17:00(入館16:30まで)、土日祝日 10:00~18:00(入館17:30まで)
  • 休館日:第1火曜日(休日の場合は翌平日)、年末年始(12月28日~1月2日)※その他、メンテナンスのため臨時休館する場合があります
  • 入館料:大人 800円/高校生・60歳以上 500円/中学生以下 無料
    ※団体割引は20名以上
    ※年間パスポートは大人2,000円 高校生・60歳以上1,300円
  • 公式サイト:岐阜かかみがはら航空宇宙博物館
  • 公式SNS:TwitterInstagram

アクセス

  • 【車の場合】東海北陸自動車道 各務原ICより約10分。駐車場完備(無料)
  • 【電車の場合】名鉄各務原線 各務原市役所前駅下車、ふれあいバスまたはタクシーで約10分/JR高山線 那加駅下車、タクシーで約10分

最後に

子どもから大人まで楽しめる空宙博(そらはく)、いかがでしたか?

この夏、ご家族でいかがでしょうか?小さなお子さん連れの方には、ベビールーム・キッズルームもありますよ。もちろん、カップルや友達グループにもおすすめです!

大空のロマンと歴史をたっぷり味わいましょう。

※当記事は岐阜かかみがはら航空宇宙博物館より写真・資料の提供を受け、内容の承認を得て公開しています。写真や文章の二次利用は固くお断りします
※最新情報は公式サイト・SNSでご確認ください

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中尾勝

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