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ベルリンに新しく生まれた総合文化施設「フンボルトフォーラム」
ベルリンには170館以上もの博物館や美術館があると言われています。そんなベルリンに新しい博物館が誕生しました。それはフンボルトフォーラムと呼ばれる博物館や大学が集まる複合文化施設です。魅力的なイベントや重要な展示を行う場所ですが、オープンしたばかりであるため、あまり日本では紹介されていないでしょう。そこで今回は新しく誕生した文化施設について紹介したいと思います。
目次
歴史的な場所に建つフンボルトフォーラム
フンボルトフォーラムが建つのは歴史的な場所です。建物が建つのはプロイセン家の宮殿、ベルリン王宮があった場所。第二次大戦の戦禍によって宮殿は廃墟となり、その跡地には東ドイツの共和国宮殿が建てられました。そこでは人民議会が開催されるなど東ドイツのシンボルとも言える場所だったのです。
しかしドイツが再統一を果たした後に建物は撤去されることになり、ベルリン王宮が再建されることになります。そして再建された建物がフンボルトフォーラムと名付けられ、文化の中心地として重要な役割を果たすことになったのです。
多様な文化を紹介する場
フンボルトフォーラムは複合文化施設となっており、複数の施設が同居するスペースです。わかりやすく言ってしまえば、異なるジャンルの展示を見ることできる一つの建物と言えるかもしれません。
入っている施設は、民族博物館、アジア博物館、ベルリン市立博物館、そしてフンボルト大学となっています。ここでの展示では、アフリカ、オセアニア、アジアなどの世界の文化に出会うことができます。また世界に目を向けるだけでなく、ベルリンに関わる展示も行われています。こうした多様な文化を楽しめる場所は、ベルリンではここだけでしょう。
おすすめの民族博物館の展示
<@Staatliche Museen zu Berlin, Ethnologisches Museum / Stiftung Humboldt Forum im Berliner Schloss / Foto: Alexander Schippel>
特にフンボルトフォーラムでおすすめしたいのは民族博物館です。そこで展示されているのはアフリカからオセアニアまでの様々なものです。アフリカのコーナーで展示されているのは呪術的な役割を果たした彫刻。無数の金属が突き刺さる彫像からは特別な力を感じられるでしょう。
またオセアニアのコーナーでは実物大の船も展示されており、どのように使われていたか簡単にイメージすることができます。そのため、たとえ説明が分からなくても、展示されている物から感じたり、イメージすることで、展示を楽しむことができるのです。
<@Staatliche Museen zu Berlin, Ethnologisches Museum / Stiftung Humboldt Forum im Berliner Schloss / Foto: Alexander Schippel>
展示に留まらないフンボルトフォーラムの魅力
フンボルトフォーラムの見所は展示だけではありません。屋上には展望テラスがあり、周りに広がる風景を眺めることができます。そこからは見えるのは、ブランデンブルク門、博物館島、そしてベルリン大聖堂など。素晴らしい眺めを楽しむためだけに訪れるのも悪くないでしょう。
また建物を取り囲むスペースも整備されており、多くの人が利用できるようになっています。建物の横にはシュプレー川が流れていますが、川岸部分にはスペースがあり、そこには椅子が並べられています。こうした場所では、川面を眺めながらゆったりと寛ぐことができるため、観光に疲れた際に休憩する場所としてもおすすめです。
フンボルトフォーラム開館に合わせて、地下鉄の駅もオープン
ベルリン中心部にあることもあって交通アクセスが良く、簡単に訪れることができます。最寄駅となるのはフンボルトフォーラムに合わせてオープンした新しい地下鉄の駅「博物館島」。駅は建物の目と鼻の先にあるため、迷うことはありません。周辺には、博物館島や、ドイツ歴史博物館、ベルリン国立歌劇場などがあり、その際に、こちらの駅を利用することになります。ですので他の場所を訪れた後に、その帰り道がてら、フンボルトフォーラムを訪れるのも悪くないでしょう。
フンボルトフォーラム(Humboldt Forum)
- 住所:Schloßpl., 10178 Berlin
- 開館時間:月・水〜金11〜19時、土曜10〜22時、日曜10〜20時
- 休館日:火曜日
- 入館料:無料(展示は有料。価格は展示ごとに異なる)
- web-site:Humboldt Forum
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K.Hayashi
- 大学卒業後に渡独。フリーランスライターとしてドイツの文化について多くの記事を執筆中。