【神奈川県三浦市】三浦大根と青首大根の違いってなに?どうして激減したの?

三浦大根

三浦大根を知っていますか?

食べたことはなくても名前は聞いたことがあるのではないでしょうか?

その名の通り、神奈川県は三浦半島(三浦市)で作られている大根です。

以前は、三浦半島で採れる大根の主力品種でしたが、ある出来事により、生産量が激減し、現在では収穫量全体の1%にも満たない状況です。

今回、私は初めて三浦大根を食べ、その美味しさに驚きました。

なぜ、三浦大根は激減してしまったのか、そして少量ながらも現在も作り続けられている理由をご紹介しましょう。がんばれ、三浦大根!

目次

三浦大根とは?

三浦大根とは、神奈川県三浦半島特産の大根です。在来種の高円坊系の大根に練馬大根を交配して誕生しました。

三浦半島では、大根は江戸時代の寛永年間から栽培されていたようです。大正14年から東京市場に出荷されて「三浦大根」の名が付けられました。

三浦大根は、白首大根の一種で、重さは通常2kg〜8kg、長さは約60cmほどで、青首大根よりかなり大きめです。首の部分が細くて尻に向って太くなる形をしているため、収穫時ひっこ抜くにはかなりの力を要します。地元では、ひっこ抜くことを "こぐ" というそうです。

肉質は詰まっており、柔らかく煮崩れしにくいので、煮物やおでんの具に向いています。辛味は強めです。

三浦大根 青首大根 比較

青首大根と比べてみるとその大きさは一目瞭然。青首大根も他の野菜と比べたら決して小さくはないので、三浦大根がいかに大きいのかがわかります。

三浦半島の農業の特徴とは?

三浦半島の農業の特徴は「間作(狭い間に別種の野菜を植える)」です。耕地面積が少ないので、そのデメリットを最大限に活かした農法です。

また三浦半島は三方を海に囲まれているので、海のミネラル分が風に運ばれて降り注がれ、太陽を浴び、強くて栄養たっぷりの野菜が育ちます。
三浦市の専業農家率は65%で神奈川県一を誇っています。厳しい環境下ではありますが、農業に向いている土地なのでしょう。

野菜畑

畑にはびっしりと隙間なく作物が植えられています。他の土地ではあまり見かけない風景です。

なぜ三浦大根の生産量は激減してしまったのか

昭和53年の台風20号により、三浦大根は壊滅的被害を被りました。

三浦大根は、育つのに時間がかかるのが難点です。じっくり時間をかけて栄養を蓄えていくのです。

台風によってその年の三浦大根が全滅してしまい、収入の目途がたたなくなったため、苦肉の策として、青首大根の栽培に切り替えました。

青首大根は早く育ち、軽くて収獲しやすいので、農家側も楽です。そしてその年をどうにか凌ぎ、その年以降、青首大根の栽培に移行していきました。

三浦大根を作り続けている人たち

青首大根の方が三浦大根よりも、早く簡単に育てられます。そうであれば青首大根の栽培にすべて移行しても良さそうなものですが、三浦大根は今も少ないながらも作られ続けています(全体の1%)。

なぜでしょうか?

それは三浦大根がとても美味しいからです。

今回私は初めて三浦大根を食べました。そうしたら想像を超える美味しさでした。

旨味がすごいんです。柔らかく、芳醇な香りとコクが口いっぱいに広がります。「これが本当の大根というものなのか!」感動すら覚えました。

大根は料理の主人公にはなれない(大根さんごめんなさい)と思っていましたが、三浦大根は主人公になれます。

三浦大根を今も作り続けている伊藤農園の伊藤さんです。400年続く専業農家です。

伊藤農園 伊藤さん

伊藤さんは、農業の傍ら、三浦の野菜をより多くの人たちに伝える活動にも積極的に取り組んでおられます。

伊藤さん

子供たちの教育の一環として、農業体験、収獲体験なども受け入れておられます。

三浦大根

今回私も三浦大根を引っこ抜きました。想像以上に重労働です。下ぶくれの三浦大根は大きく重く、簡単には抜けません。膝を使って重心深く体を沈め、体全体でゆっくり持ち上げるようにひっこ抜きます。腰を痛めないように注意が必要です。

自分で抜いた大根は、両腕で抱えて帰りました。帰りの電車、重かった~。(電車内ではかなり奇異な目で見られました笑)

野菜直売所

伊藤さんのお家の前では、採れたての新鮮野菜が売られています。こういう直売所が自宅の近くにあったら最高ですね。

うずまきビーツ

うずまきビーツ。蕪に似ていますが、ほうれん草の仲間だそうです。私たちの知らない野菜ってまだまだあるんですね~。

三浦大根の美味しさとは

味の深さ、ふくよかさ、ジューシーさ、甘さ、柔らかさです。「これぞ大根!」という存在感。青首大根は出荷用に作るけれども、自分たちが食べるために三浦大根を作っている農家も多いそうです。

三浦大根

青首大根は煮たら縮みますが、三浦大根は縮みません。中身が詰まっている証拠ですね。
甘く柔らかく芳醇な香りと食感、辛みもあり、食べ応えある三浦大根。どうか絶えることなく、受け継がれ続けて欲しいですね。

青首大根は一年中食べられますが、三浦大根の旬は冬です。12月~2月頃に出回ります。大きさもあり、お値段は青首大根より少々高めですが、スーパーで見かけたら、即買い!です。

ぜひ三浦大根の美味しさを体感してください。あなたもきっと虜になることでしょう。

野菜畑
<栄養たっぷりに育つ三浦半島の野菜たち>

伊藤農園は、三浦大根だけではなく、一年中その季節の旬の野菜を作っています。

ぜひ伊藤さんのブログもご覧ください

>>>伊藤農園のブログ

>>>三浦市観光協会公式サイト

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シンジーノ

3人娘の父で、最近は山歩きにハマっているシンジーノです。私は「お客さまが”笑顔”で買いに来られる商品」を扱う仕事がしたいと思い、旅行会社に入って二十数年。今はその経験を元にできるだけ多くの人に旅の魅力を伝えたいと“たびこふれ”の編集局にいます。旅はカタチには残りませんが、生涯忘れられない宝物を心の中に残してくれます。このブログを通じて、人生を豊かに彩るパワーを秘めた旅の素晴らしさをお伝えしていきたいと思います。

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