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ブラジルのコロナウイルスの現状と観光客に役立つ情報
新型コロナウイルスで、これまで60万人以上の死者を出したブラジルもようやく減少傾向、徐々に収束に向かっています。専門家からの慎重論とは裏腹に、各州では次々に行動制限を大幅解除し始めており、リオ市長にいたっては、来年のカーニバルは制限なしで行うと発表も。
今回は、観光が再開され出したブラジルで観光客が知っておきたい今の情報をお伝えしたいと思います。
目次
感染者数の概要
2021年11月13日現在のブラジルの感染者状況は下記の通りです。
- 感染者数合計2,200万人
- 死者数合計61.1万人
一日当たりでは、
- 13日新規感染者数 14,642人
- 13日死者数 731人(7日間の平均260人)
前回ブラジルの新型コロナウイルスの感染状況をお知らせしたのは今年4月でした。その時期は、この国における過去最悪の事態で、3月は約6万7千人、4月は約8万2千人の方が亡くなりました。
>>前回の記事:【新型コロナウイルス】ブラジルの深刻な状況(2021年4月8日現在)
一日当たりの死者数で最も多かった日は4月6日で、4,195人を記録しましたが、現在はパンデミック初期(2020年4月)の死者数と同じぐらいまで減少しています。
とは言え、未だに毎日コロナで百人単位の死者を出しているので、収束するまでにはまだまだ時間がかかりそうです。
ワクチン接種の状況
ブラジルでは今年1月からワクチン接種が開始されましたが、今の状況はというと、必要回数のワクチン接種を完了したのは、約1億2,600万人で、人口の59.4%に相当します。
サンパウロ市やリオデジャネイロ市では18歳以上の成人の接種率がそれぞれ97.8%、94.8%に達しており、これが各都市の規制緩和の理由の一つになっています。現在は12歳以上のワクチン接種が認められています。
ブラジルのボルソナロ大統領は反ワクチン派で、自身の接種を拒否するばかりか、フェイスブックなどのSNS上にフェイクニュースを流したりして、相変わらず問題を起こしていますが、国民の大半はこれに耳を貸していません。ワクチンへの抵抗が強くて、接種率が伸び悩んでいる欧州や米国などに比べると、順調に進んでおり、次の段階として、政府機関とファイザーの間で5歳から11歳の子供への接種が協議されています。
ブラジル政府の入国制限措置と各都市の規制緩和策
ワクチン効果が出てきたのか、現在は感染数が減少傾向にあります。上記の通り一日当たりの感染者数はまだ全国で1万人を超えていますが、ブラジル政府の水際措置を含め、各州・都市で規制緩和が行われています。
2021年11月現在において、ブラジルへの空路での入国には出発前検査結果(陰性証明書)及び旅行者健康状態申告書の提示が必要です。12歳未満の子供については、同伴者全員が陰性証明書を提示すれば不要。ワクチン接種証明書は要件に入っていません。また、入国後の隔離も必要ありません。なお外国人観光客の陸路の入国はまだ認められていません。
観光客が知っておきたいリオデジャネイロの現在の規制(2021年11月現在)
- 10月末に野外でのマスク着用義務が解除されました。それ以外は、引き続きマスクを着用しなければなりません。
- コルコバードやポン・デ・アスーカルといった観光名所、植物園、水族館、博物館・美術館、映画館、劇場、コンサート、スポーツ観戦にはワクチンパスポート(ワクチン接種証明書)の提示が必要です。
- ディスコ、ダンスホール、ライブハウスなどの夜のお出かけスポットは、現在も収容数に制限がありますが、それ以外の商業施設は通常に戻っています。
サンパウロの現在の規制(2021年11月現在)
- 野外・室内問わず、マスク着用義務(野外でのマスク着用義務は、12月5日から解除予定)
- 集客数が500人以上のイベント、ライブ、サッカー観戦などへの参加にはワクチン・パスポートの提示が必要ですが、美術館、博物館、映画館、劇場などの文化施設への入場は制限がなく、収容率100%に戻っています。
- ディスコ、ダンスホール、ライブハウスなどの夜のお出かけスポットを含め、すべての商業施設は通常に戻っています。
リオもサンパウロも美術館・博物館への入館は、日時指定チケットを導入しているところが大半です。行く前に必ず施設のホームページをチェックして、予約の有無やチケット購入方法などを確認することをお薦めします。
PCR検査を受けるなら
コロナ影響下での海外旅行は、帰国時のことも考えなければなりません。現時点では日本帰国時に出国72時間以内に受けた検査による陰性証明書の提出が義務付けられています。旅先で検査をするなんて、どこでどのような手続きをするか分からない、不安だ、と心配される方も多くいらっしゃると思います。
ブラジルの場合、とくにサンパウロには日系の旅行代理店があり、PCR検査の代行予約サービスも行っています。旅行代理店とのやり取りはもちろん日本語でオッケーです。しかも、滞在先によっては、出張検査サービスもあるので、宿泊先のホテルまで検査に来てくれたりもするので、とても便利です。検査結果は、電子メールで受け取れます。
2022年のイベント情報
収束の兆しが見えてきたので、早速、各都市は2022年の大型イベントの実施計画を行っています。来年は、大晦日のカウントダウン花火を皮切りに、カーニバル、音楽フェスなど、1年半以上開催を見送っていたイベントが続々と戻ってくる予定です。もちろんイベントの実現には、コロナ感染者数の減少維持が条件です。
リオデジャネイロのパエス市長は、2022年のカーニバルはマスクなし、ソーシャルディスタンスなしの、制限ゼロで開催したいと発言しました。サンパウロでもカーニバルの人出は1千500万人を予測しており、どの市も来年のイベントの開催実現は楽観視しているようです。
ブラジルの2022年の大型イベント
- 2021年31日~2022年1月1日 カウントダウン花火
- 2022年2月25日~2022年3月5日 カーニバル
- 2022年3月25日~2022年3月27日 サンパウロ、Lollapalooza (音楽フェス)
- 2022年9月2日~4日、2022年9月8日~11日 リオデジャネイロ、Rock in Rio(音楽フェス)
まとめ
以上、ブラジルの現在の新型コロナウイルス感染状況と観光客が知っておきたい情報をお伝えしました。
欧州では再び感染が拡大しており、やっと収束の兆しが見えてきたブラジルにも、再び感染拡大が起こる可能性は否めません。
リオ市は、12歳以上の市民のワクチン接種率が75%に達したら、公共交通機関と病院内を除き、マスク着用義務を解除する予定でしたが、これを見直しました。急いで全面解除することのリスクの高さを、この1年半以上の経験を通じて私たちは思い知らされているからです。
とはいえ、段階的緩和であれ、今まで制限されていたことが解除されると、ついつい気が緩むもの。クリスマス、年末年始、人の移動が激しくなる時期に入っていきますが、このまま感染数の減少・収束を願うばかりです。
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オシャラ
- ブラジル在住19年。今はサンパウロに住んでいます。現地ならではの旅情報を発信していけたらと思います。