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ブエノスアイレスで春を満喫する5つの楽しみ
日本では木枯らしが吹き、冬の支度に入る季節10月。
地球の反対側のアルゼンチンでは、長い冬が終わりを告げて春がやって来る季節です。今回は、「ブエノスアイレスの街で春を満喫する5つの楽しみ」についてご紹介します。
目次
- 日本とは季節が真逆の南半球
- 春の楽しみ1:ボラッチョの木のワタ
- 春の楽しみ2:ハカランダの花
- 春の楽しみ3:公園でマテを飲む
- 春の楽しみ4:オープンカフェで楽しむコーヒー
- 春の楽しみ5:お休みの日は庭でアサード
- まとめ
日本とは季節が真逆の南半球
もし「ブエノスアイレスを観光するのに一番おすすめのシーズンはいつですか?」と聞かれたら私は迷わず「春ですね。」と答えます。
夏も秋も冬も魅力が溢れる街ではあるのですが、春のブエノスアイレスは格別だと思います。といっても、南半球に位置するアルゼンチンは北半球の日本とはまったく逆の季節を過ごしています。つまりサンタクロースは夏にやってきますし、お正月も夏。
9月21日からが「春」の始まりです。皆さんは、冬の寒い日が続く中で少しでも春の訪れを感じると「もう春だねぇ」と春を待ち望む言葉を口にしてしまうことはありませんか?
ブエノスアイレスで9月21日より前に「もう春だね」という言葉を口にすると必ずといっていいほど「まだ春ではないよ。9月21日からだよ。何いっているの?」と訂正されます。物事に対しておおらかな印象のあるアルゼンチン人ですが、春の訪れだけは、こよみをとても大切にしています。もしかしたら、指折り数えて心待ちにしているのかもしれません。
それではブエノスアイレスの街での「春」の楽しみ方についてご紹介します。
春の楽しみ1:ボラッチョの木のワタ
冬の終わりから春にかけて、公園の地面が一面ワタだらけになっていたら、それはボラッチョの木(酔っ払いの木)が実からワタを出しているのです。
夏の終わりに白やピンクの美しい花をつける酔っ払いの木は、木の幹がボトルのように膨らんでいるのが特徴の木。そして木の幹にはたくさんのトゲがついています。
この季節になると、25、6センチほどの実がはじけて中からワタがでてきます。実が木から落ちる前でも不思議な光景ですが、ワタの絨毯を敷いた景色もまた好奇心を掻き立てます。
春の楽しみ2:ハカランダの花
春も本番になってくると、ブエノスアイレスの街が紫色に染まります。
ブラジリアンローズウッドとも呼ばれる「ハカランダ」の薄紫の花は、ブエノスアイレスの世界一広いと言われるヌエベ デ フリオ通りから、郊外の住宅地の街路樹にも多く植えられています。
ハカランダの木は、古くからアコースティックギターの最高級材とされ、現在は絶滅危惧種にもなっているそうですが、ブエノスアイレスでは街の至るところで目にします。
毎年11月の頭から2週間から3週間、花を楽しめて、日本の桜よりも長く咲き誇っています。南米にありながらヨーロッパの風の街並みのブエノスアイレスが紫色に染まる様は、多くの人を魅了する美しい風景です。
春の楽しみ3:公園でマテを飲む
春の陽ざしになった途端、公園にはマテ茶を持って家族や友人とおしゃべりしている人が溢れます。公園の芝生には、敷物を引いて座り込む人、水着になって日光浴する人、犬と昼寝する人、ヨガする人それぞれのスタイルでマテ茶を片手に公園での時間を楽しんでいます。
マテ茶はボンビージャと呼ばれる金属のストローを共有して使うので、コロナの最中は「マテ茶の回し飲み禁止令」もでていたほど。アルゼンチンのベソ文化(知人、友人とは頬を合わせて挨拶する文化)と合わせてコロナ後にどのように変化していくのか、今後が気になるところです。
春の楽しみ4:オープンカフェで楽しむコーヒー
コロナ禍では、店内での飲食が禁止されていた期間、店外であれば営業できたこともあり、ブエノスアイレスではオープンカフェの店舗が今まで以上に増えました。
もともと「心地よい風(ブエノスアイレス)」という名がつく街ですから、季節の良い春と秋にオープンカフェでの飲食は、とても気持ちがよく、新聞片手にカフェを楽しむ紳士や友人とおしゃべりしながらブランチを楽しむ女性同士、親密に話すカップルたちなど、カフェでもアルゼンチン人は心地よい環境でのんびりと時間を過ごすことを楽しんでいます。
春の楽しみ5:お休みの日は庭でアサード
アルゼンチンでは、休日は家族・親戚が集まって食事します。家族によってそれぞれ頻度は違いますが、確実に日本よりも多く家族・親戚で集まります。ちなみに我が家(正確には主人の実家)では、ほぼ毎週末家族・親戚が集合します。
人が集まればアサードをしたいのがアルゼンチン人ですが、さすがに冬の寒い時期は、屋外で火おこしをして数時間待っていなくてはならない(アルゼンチンでは肉を3時間程度焼く)ので、アサードの回数は減ります。暖かい時期になると、休日はあちこちの家から煙が上がり、庭でアサードを楽しんでいる様子がうかがえます。
まとめ
旅行していると、どうしてもその国、その場所の観光名所に、まずは一通り足を運びたくなりますよね。実はブエノスアイレスは、観光名所と呼ばれる場所は少なく、1週間観光目的で滞在していると見る場所はなくなってしまいます。
そんな時、ぜひ街に咲く不思議な花やそこに住む人の休日の過ごし方、楽しみ方も覗いてみると、もっともっとブエノスの街が好きになるかもしれません。
ただその街にいることを感じるディープなブエノスアイレスも楽しんでいただけたら嬉しく思います。
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AKANE
- アルゼンチンのブエノス・アイレス在住のタンゴダンサー、講師。タンゴやブエノス・アイレスの文化・情報について、日本から見て地球の反対側の本場ブエノス・アイレスから情報を発信中。