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【ギリシャ】フォトジェニックすぎる島、サントリーニ島での一日
今年は少し遅めの9月初めにシミ島にあるサマーハウスへバカンスに行ってきたのですが、帰りのフェリーがタイミングよくサントリーニ島に寄港する時に当たったので、早朝から夕方のフェリーの時間まで、車で島を回ってみました。
サントリーニ島は正式名をティラといい、ギリシャ本土からは約200km南東に位置する島。古代ギリシャの聖地だったデロス島を囲む島々から成るキクラデス諸島の最南端にあります。
ブルードームの教会や高い崖に張りつくように並ぶ白い家々の美しい風景で知られ、ギリシャの島といえばサントリーニ島を真っ先に思い浮かべる人も多いはず。ユニークな風景は、今から3600年前に起きた火山噴火によるもの。ミノア文明の最盛期にあったこの噴火は、記録されている限りでは最も大規模な火山噴火のひとつです。かつてはひとつの島だったサントリーニ島は噴火により形成されたカルデラ地形が特徴的で、三日月形の本島をはじめ5つの島から構成されています。
目次
サントリーニ島の夜明け
夕方にシミ島を出発し、サントリーニ島に着いたのは早朝5時過ぎぐらいだったでしょうか。夜明けまでまだ結構時間があるので、ベーカリーでコーヒーを飲んだりどこかのビーチ(暗すぎてもうあまり記憶に残ってませんが...)を歩いたりして時間を潰したあと、どこか高い場所から朝日を見ようということになりました。
とりあえず高いところ......を目指してたどり着いたのは、プロフィティ・イリア修道院。ごうごうと吹く風に震えながら待っていると、やがて真っ赤な朝日が昇りました。
やっぱり押さえておきたい絶景スポット
サントリーニ島へ来たら、最低限これだけは見ておきたいのがティラやイアのフォトジェニックな風景。まだかなり早い時間ではありましたが、まずはフィラの町へ向かいました。
朝に行ってよかった点は、人が少ないので写真を撮りやすいということ。あと、涼しいので散歩には最適です。フィラからほぼ向かいには、活火山のネア・カメニ島がありよく見えます。
三日月形の島の一番上あたりに位置するイアは、とにかく可愛い町。有名なブルードームはここにあり、早めの時間でもすでに結構な人数が集まって、写真を撮ったりしていました。
あちこち歩き回って風景も堪能したので、そろそろ次の場所へ。ちなみにフィラやイアの飲食店はかなり割高なので、リーズナブルなものを求めるなら少し外れた場所へ行くか、景色も込みのお値段と割り切るか......。
ピルゴス村
島で一番標高の高い集落である、ピルゴス村へやってきました。この村は昔、政庁所在地だったそう。見晴らしはいいですが、海から離れているからか観光客は比較的少ないのでゆっくり散歩を楽しめます。入り組んだ細い路地をぐるぐる歩いていると、まるで迷路のよう。
実はここでお昼を軽く食べようと思って来たのですが、フードメニューはあと1時間くらいしてからとのことで残念!フィラで行きたかったお菓子屋さんも準備中だったし、スケジュールの関係で食べ物運には恵まれなかった今回の旅でした。
レッドビーチ
家族の興味はビーチがメインなので、あちこち巡ったあとサントリーニ島で一番有名なレッドビーチへも行ってきました。アクロティリの遺跡からとても近く、(私達は今回行けませんでしたが)セットで訪れるのが定番です。
火山が生んだ荒々しい地形が魅力のサントリーニですが、レッドビーチは赤い岸壁に空と海の青、黒い砂浜のコントラストが美しく、多くの人を魅了します。
ビーチ自体はあまり広くないことと、崖が崩れてきそうなので、泳ぐよりも観光目的で来る人が多いようです。ビーチへたどり着くまでの道もちょっと怖いので、最後岩を下りるところで立ち止まった人がいて後がつかえていました。ビーチを眺めるだけなら、岩肌の道へ入る手前のフォトスポットまでで十分かも?
ヴリハダビーチとトマト産業博物館
島の南端近くまで足をのばし、ヴリハダビーチへも行ってきました。フィラからは13kmのところにあり、車またはバスでアクセスできる整備されたビーチです。
サントリーニ島のビーチでは東海岸のカマリやペリッサが周辺の飲食店やナイトライフも充実していて人気ですが、そういったものがなく比較的静かなヴリハダは、ただのんびりビーチを楽しみたいという人にはおすすめ。火山島らしい黒っぽい砂や小石のビーチを囲う岩の形状が面白いので、地形マニアにはたまりません。
ヴリハダビーチのすぐそばには、「TOMATO INDUSTRY MUSEUM(トマト産業博物館)」があります。
今では希少になっているサントリーニ島のトマトですが、かつてはギリシャ中へ輸送するほど豊富だったそうで、島の重要な産業のひとつでした。創始者のディミトリオス・ノミコス氏が島の東側のモノリソスに近代的な缶詰工場を建てたのは1922年のこと。1945年にはトマトの一大産地である島の南端にこの工場が建てられました。最盛期の1950年代にはこの小さな島に9つの工場があったというのですから、かなりの生産量だったのでしょう。
その後、観光業の成長と反比例してトマトの生産量はどんどん下がり、80年代には工場も閉鎖され廃墟となっていました。2014年に博物館として生まれ変わったトマト工場では加工に使われた道具や機械などを見学できるだけでなく、アート&カルチャーのイベントスペースとしてもよく使われています。ミュージアムショップには可愛いグッズやトマトペーストも販売されているので、ヴリハダビーチへ行ったついでに覗いてみるといいかもしれません。
まとめ
とりあえず風景の美しさは楽しめたサントリーニ島での一日でした。何日か泊まることができたら、遺跡、ワイナリー、火山ツアーなども行ってみたいですね。
しかし、ギリシャの島で一二を争う人気の島だけあって、かなり人が多いです。パンデミックによる規制があるとは言え、今年はもう普通にバカンスしてる人も多かったよう。日本から来る人はまだまだ少なそうですが、ギリシャは海外からの旅行者も積極的に受け入れているので、来年の夏はぜひバカンスにいらしてください。
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アナグノストゥ直子
- アテネ在住。主婦業の傍ら、ライター、リサーチャー、コーディネーターとしても活動する。ブログ「ギリシャのごはん」にてギリシャ料理レシピやおいしい話題を発信中。