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九州有数のパワースポット霧島神宮と、癒しの霧島温泉を紹介!
「天孫降臨」神話の舞台としていられる高千穂峰の麓にある霧島神宮は、九州有数のパワースポット。天皇家の先祖という瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)を祀る神社には、そのご利益を求めて多くの参拝客が訪れます。また、霧島は鹿児島有数の温泉地としても知られます。参拝の帰りに宿泊して、日頃の疲れを癒してみてはいかがでしょうか。
目次
霧島神宮の歴史
<霧島連山は登山の人気スポットでもある/画像提供:霧島市>
「霧島」の名前の由来は諸説ありますが、韓国岳をはじめとする霧島連山を遠望すると、それらの山々が霧の海に浮かぶ島のように見えたからという説が知られています。
霧島連山の最高峰は標高約1,700mの韓国岳で、その名の由来は山頂から韓国が見えるという言い伝えがあるからだそうです。これらの山々は今も噴火を繰り返す活火山で、現在は国立公園に指定されているほか、周囲も含めてジオパークにもなっています。
霧島連山の中で最も有名なのが標高1,574mの高千穂峰でしょう。「日本書紀」によると、現在の天皇家の祖先とされるニニギノミコト(瓊瓊杵尊)が天上界から地上に降り立った「天孫降臨」が行われたのが、この高千穂峰とされています。ただし、宮崎県北西部の高千穂町にも同じ伝承があり、どちらが本当かは定かではありません。
もともとは高千穂峰そのものをご神体とする山岳信仰だったようで、6世紀ごろ火口近くに神社の社殿が建てられていました。しかし火山の噴火を受けて何度も焼失したため、15世紀に噴火の影響を受けない場所に建立したのが現在の霧島神宮です。この社殿も焼失してしまいましたが、のちに島津氏により現在の場所に再建されました。
霧島神宮を観光するには
<大きな一の鳥居(大鳥居)。観光案内所や霧島神水峡へ行くならここで降りる>
それでは霧島神宮を参拝してみましょう。バスや車で麓の方からやって来て霧島川沿いの赤松並木の参道を通り抜けると、目の前に大きな一の鳥居(大鳥居)が見えてきます。霧島市の観光案内所へ行くなら、ここで降りてください。バスなら霧島神宮へは次の「霧島神宮」バス停で降ります。筆者はスーツケースを持っての移動中だったので、バスの時間を確認した後、バス停のあるロータリーに面した食堂で荷物を預かってもらいました。
<石段を上った上にあるのが二の鳥居>
そこから奥へ進むと、朱塗りの神橋から二の鳥居までは80段の急な石段が続いています。ただし大変なのはここだけで、石段を上り切った二の鳥居からは平坦な表参道が続いています。この参道沿いは、春は桜、秋は紅葉が美しい場所です。
突き当たりは広場のようになっており、左側に展望所と坂本龍馬とお龍のパネルがあります。
1866年1月、龍馬は寺田屋事件で両手指を切られる傷を負います。3月、龍馬は西郷隆盛の勧めもあり、傷を癒すために妻のお龍と共に霧島温泉を訪れ、その時にこの神宮にも参拝しましました。これが「日本初の新婚旅行」として伝えられています。
車で来た場合は、バス停のあるロータリーを右に曲がって進むと、まもなく左に神宮の駐車場へ向かう道があります。駐車場は無料でかなり広いので、なるべく神宮に近い奥の方に停めると楽です。駐車場にはトイレや土産物屋のほか、軽食の販売もあります。その先の広場で徒歩ルートと合流するので途中の道のりを省略できますが、美しい表参道を通らないと少し残念ですね。
<三の鳥居の右側にある「さざれ石」>
天照大御神が天岩戸に閉じこもった時に、アマノウズメがこの木の枝を持って舞を踊ったという「招霊木(オガタマの木)」を見ながら最後の石段を登っていきます。登り切った三の鳥居の右側には、国歌「君が代」にも出てくる「さざれ石」があります。
<社殿の中を拝観できないのが少し残念>
三の鳥居から本殿までは、まっすぐ平らな参道が続いています。
行き止まりにある社殿は、1715年に薩摩藩主の島津吉貴によって建立されたものです。社殿は山の傾斜を利用して建てられており、手前の朱塗りの建物、奥の木々の緑、そして晴れていれば青空のコントラストが鮮やかで美しいでしょう。社殿の中にはご祈祷以外では入れませんが、手前で拝礼してお祈りしましょう。
<両手を合わせて立って拝んでいるように見えますか?>
社殿に向かって右側には、高さ35m、樹齢は約800年という御神木があります。みるからに立派な大木ですが、一度、境内の外の裏側から見てみてください。わかりにくいですが、高さ8mのところの木のこぶの上に「烏帽子を被って手を合わせた神官」が見えます。これも霧島神宮の見どころのひとつです。
霧島神宮
- 住所:鹿児島県霧島市霧島田口2608-5
- 電話:0995-57-0001
- 営業時間:8:00~17:00
霧島神宮へのアクセス
JRの霧島神宮駅から霧島神宮までは7kmほど離れており、バスかタクシーを利用します。
1. 鹿児島空港から
鹿児島空港から国分駅までバスで25分。ここで霧島いわさきホテル行きのバスに乗り換え26分、「霧島神宮」下車。7km手前の「霧島神宮駅」バス停とまちがえないように。国分駅からのバスは平日1日10本、土日祝日は7本で、その後に霧島温泉郷まで行きます。車の場合は、空港から所要35分。
2. 鹿児島中央駅から
JR日豊本線特急「きりしま」で、霧島神宮駅まで約50分。駅から霧島神宮まではバスで13分ですが本数が少なく、時間によってはタクシー利用が便利(2,300円前後)。
3. 霧島神宮から霧島温泉郷へ
霧島神宮から霧島温泉郷(「丸尾」バス停)までは路線バスで約15分。
ジオパーク・霧島神水峡をウォーキング
<霧島川沿いに遊歩道が続く>
霧島神宮を見学した後、まだ時間があるようなら、霧島川沿いの散策コースを歩いてみてはいかがでしょうか? 霧島連山のある地域は、火山活動の痕跡があちこちに残るジオパークです。この霧島神水峡のウォーキングは、一周1.8kmと短いコースで、一時間もかかりません。
出発地点は、観光案内所です(駐車場あり)。ここでマップをもらいましょう。そこから国道223号沿いに霧島川に架かる橋を渡ると、右側に橋の下に回り込む歩道があります。ここを降りていくと、川沿いの遊歩道が続く霧島神水峡の始まりです。
川沿いに降っていくと数分で向かいに「柱状節理」の崖が見られます。これは火山から流れ出た溶岩がゆっくりと冷えて固まる時に、六角形や五角形のように規則正しい形の柱のように固まってできるものです。
<かつてここまで溶岩が流れていたことがわかる柱状節理の崖>
川沿いの崖は切り立ち、渓谷の中を美しい景色を眺めながらしばらく歩きます。戸崎橋の人工滝が見えてくるとそろそろこのコースも終わり。橋を渡り、赤松並木が続くバス通りに戻り10分ほど歩くと、大鳥居に戻れます。
宿泊するなら霧島温泉に
<霧島神宮温泉郷の温泉/画像提供:霧島市>
霧島の温泉
霧島には4つの温泉郷があります。有名なのは霧島温泉郷ですが、霧島神宮に近い霧島神宮温泉郷もあります。
- 霧島温泉郷:霧島を代表する温泉郷で、丸尾温泉を中心とした多くの温泉からなる。旅館やホテルの数も多い
- 霧島神宮温泉郷:霧島神宮近くにある比較的新しい温泉地。自家源泉ではなく、4kmほど離れたところから引いている
- 妙見安楽温泉郷:霧島温泉郷よりも鹿児島空港寄りで、安楽温泉は湯治場の名残を残す旅館が多い
- 日当山温泉郷:西郷隆盛も訪れたという温泉地で、二十数軒の旅館、公衆浴場、家族湯が充実している
今回はもっともポピュラーな霧島温泉郷を紹介します。
霧島温泉郷
<湯煙が立ち登る霧島温泉郷/画像提供:霧島市>
丸尾温泉を中心に多くの源泉があり、ホテルや旅館が立ち並んでいます。混み合うのは避暑となる夏から紅葉シーズンにかけて。
T字路の「丸尾」バス停で降りると、目の前に土産物屋、レストラン、観光案内所(荷物預け可)などが入った複合施設の霧島温泉市場があります。そこから徒歩5分には、高さ23m、幅16mの丸尾滝があります。この滝の水は、豊富なミネラルを含む温泉水で、滝壺から流れる水の色がエメラルドグリーンなのはそのためです。
霧島温泉市場
- 住所:鹿児島県霧島市牧園町高千穂3878-114
- 電話:0995-78-4001
- 開館時間:8:30~18:00(店舗により異なる)
- 定休日:不定休
- アクセス:丸尾バス停下車、すぐ
おすすめ温泉ホテル/旅行人山荘
<人気の貸切露天風呂「赤松の湯」は要予約>
海外旅行雑誌『旅行人』(現在休刊)の発行者であり、『ゴーゴーインド』などの旅行エッセイで知られる作家・蔵前仁一氏のご実家で、創業百年という老舗。1998年に「霧島プリンスホテル」から「旅行人山荘」に改名しました。
温泉は、単純泉と硫黄泉の2種類があり、男女別の大浴場では内湯に単純泉、露天風呂に硫黄泉を引いています。宿泊客は無料で4つある貸切露天風呂の利用が可能。図書室やギャラリーなどのパブリックスペースも広く、スタッフのホスピタリティも申し分なし。半年で2回も行ってしまいました。
【旅行人山荘】
- 住所:鹿児島県霧島市牧園町高千穂3865
- 電話:0995-78-2831
▼旅行人山荘を紹介した記事はこちら:【鹿児島】旅好き・温泉好きが満足する霧島温泉。泊まるなら「旅行人山荘」へ!
まとめ
今回は、霧島神宮を中心に霧島の見どころを紹介しました。
九州屈指のパワースポットとして知られる霧島神宮へ参拝して、ジオパークを歩き、最後は温泉で湯に浸かってみるのはいかがでしょうか?
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前原利行
- 東京出身で、現在は神奈川在住。今までに訪問した国はアジア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカなど90か国以上。現在は海外旅行や映画、音楽、アートに関する、ライター及び編集者として活動中です。一番多く訪れているのはインドで、仕事も含めて20回以上。プライベートではロックミュージックや映画、そして世界史好きなので、欧米旅行も多く、映画のロケ地や音楽フェス、ロックの聖地、世界史の場所など、テーマを持った旅をしています。