古い水郷の街並みとしっかり観光も楽しめる「新場古鎮」~中国・上海~

中国 新場古鎮

中国一の経済都市と言われる上海。その郊外には昔ながらの街並みがまだ残されています。中国語ではそのような古い街並みが残されたエリアは「古鎮(日本語読み:こちん)」と呼ばれ、都市の中心部に住む人が気軽に旅行気分を味わえる場所として人気です。

今回は上海にいくつかある古鎮の中でも近年人気が高い「新場古鎮」をご紹介します。

目次

かつて塩の一大生産地だった「新場」

新場は上海と海外との窓口である「上海浦東空港」のある、浦東エリアに位置します。その歴史は古く、12世紀の南宋の時代にこの地に集落ができたと言われます。元々この地域一帯は塩の一大生産地でした。当時この地では海の水から塩を精製していました。海岸線の移動と共に、塩の製造基地が移転し、「新」しくできた製塩「場」所の意味で「新場」の地名が生まれたそうです。

中国の歴代朝廷は塩に対して生産管理と税の徴収を行っており、塩は重要な財源の一つでした。付近には塩を管理する役所も建てられており、新場は人の往来が盛んになり、集落も栄えました。浦東のエリアの集落の中でも特に栄えていたそうです。その後海岸線は移動し、新場では塩の生産はされなくなりました。

新場は江南(上海や蘇州、浙江省の一帯)エリアの古くからの街同様、集落を流れる川を中心に商店や民家が立ち並び、河にかかる多くの橋や川岸の白壁・黒レンガ造の建物の立ち並ぶ姿は見る人の目を楽しませてくれます。

新場古鎮のメインストリート「新場大街」

新場古鎮には「新場大街」という道が南北に走っています。この道が新場古鎮のメインストリートとなり、この道の両側に各種商店、レストラン、かつてのお屋敷が立ち並んでいます。「新場大街」の中でも特に賑やかな場所は500m足らずですが、様々な表情があり散策がとても楽しいです。見どころをご紹介します。

第一楼茶園

今回の記事の最初の写真に見えるアーチ形の橋・洪福橋とそのたもとに建つ茶楼が「第一楼茶園」。この茶楼は清の時代1875年築です。かつてはお客にお茶と演芸を楽しめる茶館兼旅館でした。2007年公開の映画「ラスト、コーション」では新場古鎮がロケ地として使われ、この第一楼茶園でも撮影が行われたそうです。

外見は古めかしい茶館の建築ですが...

第一楼茶園

中に入ってびっくり!なんと上海老舗カフェ・凱司玲(カイスリン)の看板が掲げられたカウンターが。

凱司玲

映画「ラスト、コーション」の時代が1942年の上海旧租界時代だったこともあり、カフェにリニューアルされたようです。また凱司玲は映画の原作となった「色・戒」の作者アイリーン・チャンのお気に入りカフェだったということで、考えて納得のリニューアルでした。

古鎮の中心に位置する清時代建築の茶館の大胆リニューアルでしたが、店内は平日にも関わらず多くの人でにぎわっていました。映画の撮影で使われたのは2階で、今は展示コーナーになっています。

▼第一楼

  • 住所:上海市浦東新区新場鎮新場大街424号
  • 営業時間:9:00-18:00

新場古鎮の歴史がわかる「新場歴史陳列館」

新場歴史陳列館は元はこの一帯で最大の質屋・信隆典当の建物を改装して作られました。こちらの展示で新場の歴史や文化、この地から輩出された文化人などの情報を知ることができます。この白壁の塀の中が新場歴史陳列館です。立派なお屋敷であることが伺えます。

歴史陳列館

新場の繁栄を支えた塩業。かつての製塩の様子を古い資料を基にジオラマで再現。

塩業

こちらは塩の運搬を管理する役所。

役所

興味深い展示の数々でした。

▼新場歴史文化陳列館

  • 住所:上海市浦東新区新場鎮新場大街367号
  • 営業時間:9:00-16:30
  • 入館料:18元

門前には新場古鎮でも有名な臭豆腐(発酵させた豆腐を油で揚げたもの)のお店があります。

臭豆腐

人気店とあっていつも買い求める人が列を作っています。臭豆腐は揚げている時の匂いが日本料理でいうところのくさやのような強烈なにおいがしますが、食べるとそれほど匂いません。辛めのタレにつけて食べると美味しいですよ。

そのまま新場大街を南下していくと、碑楼(パイロウ)と呼ばれる石造りのアーチにさしかかります。かつてこの地にあった碑楼を近年復元したものです。

碑楼

新場大街が特ににぎわっているのはこの碑楼より北のエリアです。南にも見どころがあるので新場大街の南下を続けます。

ひなびた「新場大街」の南を歩く

碑楼から南は人通りも減り、ひなびた風景が広がっています。

ひなびた風景

ご当地の演芸を紹介する「鑼鼓書芸術館」

橋のたもとに建つ古民家を改造した「鑼鼓書芸術館」。

鑼鼓書館

ここではこの地に古くから伝わる民間演芸「鑼鼓書」の紹介展示をしています。上海郊外、浙江省の一部に伝わっており、伝統楽器の演奏に合わせて話し手が演説、歌を交えて地域に伝わる民間伝承や歴史故事を語ります。

鑼鼓書館

訪れたのが平日ということもあってか、入館はできるものの、管理人もおらず映像が流れていなかったりと、私の他に見学していた方たちも少々戸惑っていました・・・。週末に行くとしっかり見学者にも対応されている事と思います。

▼鑼鼓書芸術館

  • 住所:上海市浦東新区新場鎮新場大街254-1号

お昼は名物「ナマズ菜飯」を食べる

ここまで来たところで、そろそろお腹が減ってきました。賑やかな北に戻ろうかとも思いましたが、ちょうど目の前に「昂刺魚菜飯」の看板が。

ナマズ菜飯

「昂刺魚」とはナマズ、「菜飯」とはラードと塩漬け肉、刻んだ青菜で炊き上げた、上海ではとても庶民的な炊き込みご飯です。興味をそそられ、ここでお昼にします。

このお店、メニューはただ一つ、「昂刺魚菜飯套餐(ナマズ菜飯セット)」しかありません。代金35元(560円)を支払い、待つと運ばれてきました。

ナマズ菜飯

ナマズを菜飯に炊き込んでいるのかと想像していましたが、ナマズのほぐし身が菜飯の上に載っています。スープはナマズだしが効いたあっさりとした味です。左上には付け合わせの煮込み肉が。煮込むときに植物の繊維で縛っているのですが、出された時は紐が切ってある親切設計。

そしてそして!筆者びっくりだったのが右下のおこげ!このお店の菜飯のウリは昔ながらの農家のかまど炊きの菜飯なのですが、ちゃんとかまどで炊いていますよ~の証のおこげがしっかり添えられていました。電気ジャー炊飯ではお目にかかれないおこげです。これはうれしい。「淡水魚の泥臭さがあったらどうしよう...」と身構えていたのですが、そんな懸念は食べてすぐに消えました。おいしかったです。

かまど

店内には今は使われていない旧かまどが展示されています。素朴なフォルムが素敵です。実際の調理は店内奥にある厨房で行っています。

▼昂刺魚菜飯

  • 住所:上海市浦東新区新場鎮新場大街210号
    ※週末など人が多い日は早めに行かないと売り切れになるそうです。

お店を出て更に新場大街を南下していきます。途中の川岸のカフェバーがとてもいい雰囲気です。ここでゆったりとした時間を過ごせそうですね。

カフェ

古鎮最南端にある仏教寺院「南山古寺」

南に行くほど更に観光客の姿は減っていき、静かな街並みを歩いていきます。道路は整備されており歩きやすいです。

更に南下

途中、川の流れがある横道に入り、散策を楽しむこともできます。

横道

古鎮最南端にある「南山古寺」を目指して行きました。

南山寺

とても立派なお堂です。このお寺は元の時代1306年に開山。境内には開山当時から植わっている1対の大イチョウが有名で、秋の紅葉の季節にはたくさんの人が訪れます。

ふと見上げた屋根の上にある「国泰民安」の文字を見つけ心が動きました。「国が安定し民が安らかである」との意味の言葉、今コロナ禍の時期に心から願わずにいられない事です。その後境内に内に入り、お参りをしました。この記事を読んでいるみなさんもいつか心から旅行を楽しめる日が来ますように。

▼南山古寺

  • 住所:上海市浦東新区新場鎮新環南路269号(新場大街の最南端)
  • 営業時間:7:00-16:30

ここで古鎮の街並みは終わります。また元来た道を引き返して賑やかなエリアへ戻る事にしました。

新場古鎮おすすめのお土産

古鎮ならではのものはないかお土産探索をしました。筆者の目に留まったのはご当地で織られる素朴な布。こちらでは「土布」と呼ばれます。ここで今の時期にもぴったりな、ゆるっとした土布ズボンを購入しました。全てフリーサイズ。今も履いていますが、足さばきもしやすくとても気持ちいいです。新場古鎮の中にこうした土布のお店が数軒あり、バッグやぬいぐるみを販売しています。

土布ズボン

▼土布褲

  • 住所:上海市浦東新区新場鎮洪東街

こちらは感度高めのスタイリッシュなお土産品の販売や、中国茶の茶道体験や工芸品作成体験ができるスペース。体験は週末を中心に行われている模様です。

缶文化館

▼缶+

  • 住所:上海市浦東新区新場鎮梅泉街46号
  • 電話:021-58011503
  • 営業時間:10:00~18:00

新場大街を歩いていると地域の特産物のお店もたくさんあるので、食べ歩きをしたり、お土産にしたりするといいですよ。

街並み

また、新場古鎮は川岸に屋根付きのベンチが多く設置されており、ひと休みしたり涼をとるのにもってこいです。食べ歩きメニューをここでゆっくり食べることもできます。

河岸の廊下

そぞろ歩きが楽しくて、もっとここに居たいという気持ちのままで新場古鎮を後にしました。また訪れたい私のお気に入り、観光にもおすすめの古鎮です。

新場古鎮の行きかた

上海市内より新場古鎮へは地下鉄で行くのが便利です。16号線「新場」駅で下車します。

新場駅

2番出口を降りるとバス停があります。新場古鎮へ行くバスは1068路。新場駅が始発です。運賃は1元(16円)。

1068路

下車停留所は「新奉公路碑楼東路」です。バスを降りたら道路を横断し、左に進みます。

バス停

小川にかかる橋を渡ると古鎮入り口に到着します。ここから入ると古い街並みが広がっていますが、メインストリートの新場大街へは直進し5分強歩いた頃に到着します。

入口

今記事を書いている私も近々また再訪したい古鎮です。次回は食に重点を置いて、食い倒れミニ旅もいいかも?!などと考えています。みなさんも機会があればぜひ足を運んでみてください。

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上海在住9年目に突入、奥深い上海の路地を隅々まで探検する「上海ほじくり」にハマった阿信が上海の観光情報をお届けします。どうぞお楽しみに!

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