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野菜や果物から始まる野菜ソムリエ的旅の組み立て方~新潟への旅(エディブルフラワー)
野菜ソムリエの私が旅に出ようと思う時は、「気になる農産物の生育を見たい」とか、「それらを育てている生産者にお話を聞きたい」ということから始まります。
地図を広げてアクセスを確認し、周辺の観光情報を収集して旅のプランを固めていきます。
今回は新潟を旅しました。
目次
- 今回、旅のきっかけ
- ところでエディブルフラワーって何?
- エディブルフラワーの種類や特徴
- 「見る」のと「育てて出荷する」のとでは大違い!
- 新潟のエディブルフラワーを使った料理!
- 米どころ新潟は酒どころでもあり!
- おわりに
今回、旅のきっかけ
ずいぶん前のことになりますが、新潟の野菜ソムリエ友達がSNSにアップしていたポスターに目が留まり、その方に「とてもきれいなお花ですね」と書き込みをしたら、「こちらは食べられるお花なのですよ」と教えてくださいました。まだ、世の中に「エディブルフラワー」という言葉をほとんど見聞きしたことがない頃の話です。
そのやりとりの後、ご縁があって新潟の「エディブルフラワー(株)脇坂園芸」のエディブルフラワーを取り寄せて料理に添えてみたり、自分でもエディブルフラワー認定講座を受けて「エディブルフラワー講座」の講師をしたりしていました。
そのうちに、これらの美しくて美味しいお花を栽培している脇坂さんにお会いしたい、栽培しているところを見学させてほしいということで、やっと新潟へ。ショップ入ると、まず私の目に飛び込んできたのが、壁にかかっていたこの写真です。
<このポスターの美しさに目を奪われたわけですよ!>
そう、今回の私の旅のきっかけになったのは「エディブルフラワーのポスター」!
ところでエディブルフラワーって何?
「エディブルフラワー」とは、「Edible(食べられる) Flower(花)」のこと。文字通り、「食用花」のことを指します。主に、農林水産省が定めるガイドラインに基づき、食品として安全面に配慮して栽培された花であれば、安心して食べることができます。
園芸用に栽培された花には、食用にならない農薬が使われていることもありますので食べられません。たとえどんなに美しくても...。食用として栽培された花を「エディブルフラワー」として利用します。(スズランやスイセンなど、元から毒性のある花は、栽培方法を変えても食べることができません。)
<オレンジの大きな花がナスタチウム、その右隣からナスタチウムの葉、ストック、ボリジ、パンジー、ビオラ、スナップドラゴン、スイートアリッサム、ベゴニア、カレンデュラ>
「花を食べる」という文化自体は、古代中国でも不老長寿食などとして親しまれ、日本では江戸時代、菊を食べる文化から始まったとされています。
<日本人になじみのある食用菊。お浸しやサラダに入れて食べると美味しい>
主にアメリカで発祥したエディブルフラワーは、1980〜1990年代頃に日本に伝わって広まりました。
近年ではエディブルフラワーに含まれるビタミンやミネラルなどの栄養素に注目されるだけでなく、インスタ映えを意識して使われることも増えています。
<ドライアップルとバナナ、オレンジ、ベリー類とパンジーとストックをちらしています>
<フルーツとエディブルフラワーの組み合わせは華やかで楽しい!
エディブルフラワーの種類や特徴
エディブルフラワーには多くの種類があります。
サクラの花の塩漬けは、私たち日本人にはとてもなじみのあるエディブルフラワーです。和菓子や、お湯を注いで桜茶にされるなどして親しまれています。
<桜を使ったチーズケーキ>
パンジーやビオラ、カーネーション、ナデシコ、ストックなどもパックに入れられて販売されていますし、バラはジャムにされているのも見かけます。
味は甘みのほかに、苦味や辛味を感じるものがあります。食感はシャキッとして、野菜にたとえるとレタスのような感じです。赤やピンク、黄色、オレンジ、紫色、ブルーなどカラーバリエーションもあるので、料理やスイーツに添えると映えるのもうなずけます。
<カラフルなエディブルフラワー>
「見る」のと「育てて出荷する」のとでは大違い!
念願かなって「エディブルフラワー(株)脇坂園芸」を視察させていただきました。私のイメージは、畑のように一面花が植えられていると思ったのですが、一株ごとに花が植えられたポットが品種別に台の上に並べられていました。
>>エディブルフラワー(株)脇坂園芸の公式ホームページはこちら
<ポット栽培の方が収穫など管理しやすいですね>
収穫はもちろんすべて手作業。一つ一つ丁寧に積みます。そして、一番手がかかるのが、虫などがついていないか、中に入っていないかなど刷毛などを使いながらチェックする作業です。野菜もそうですが、水で洗ってしまったら日持ちがしません。この作業に結構時間を費やされます。
<収穫したエディブルフラワーを丁寧にきれいにし、パックに詰めます>
その後、パックに詰められ、出荷されます。
ポスターが貼られたショップに、お花を乾燥させて作った花塩やクッキー、お茶などの可愛い商品がありました。
<押し花をクッキー生地につけて焼いたクッキー>
新潟のエディブルフラワーを使った料理!
「エディブルフラワー(株)脇坂園芸」のエディブルフラワーを使った料理を出すお店は新潟県にはとても多く、それも洋食だけではなく和食でもきれいに、そして効果的に使っていました。
乾燥させたエディブルフラワーを混ぜた塩は天ぷらの付け塩に。肉厚のエディブルフラワーは揚げ物にもいいと聞いていましたが、カレンデュラが天ぷらにされているのを見て、納得!そしておいしい!
<左側がカレンデュラという花の天ぷら>
<黄色や紫色の乾燥した花びらが混ぜられた、見た目もきれいな塩>
ベゴニアはとても酸味が強い花ですが、甘いデザートに添えると、お互いを引き立ててとても美味しいと実感。
<ワイングラスに入ったデザートには新潟の美味しい「越後姫」というイチゴとエディブルフラワーが。花の味も異なるので楽しい!>
米どころ新潟は酒どころでもあり!
海の幸が美味しい新潟なので、お魚料理をたくさん食べましたが、料理のほかに、もちろん美味しいお酒も堪能しました。
新潟は全国一の酒蔵数を誇り、日本酒の年間出荷量は国内第3位。いろいろな日本酒を飲んでみたい方におすすめなのが、新潟駅構内にある「ぽんしゅ館」です。ここなら県内のいろいろな酒蔵の日本酒を飲み比べできます。
<3人で行ったので、9種類の日本酒を飲み比べしました>
<気に入ったお酒を自分お土産に買いました!>
ぽんしゅ館
- 住所:新潟県新潟市中央区花園1-96-47
- TEL:025-240-7090
- 営業時間:9:00~20:30(チケット購入は20:15) 年中無休
▼関連記事:新潟全酒蔵の代表銘柄を唎き酒できる「ぽんしゅ館」
おわりに
今回は、美しくて美味しいエディブルフラワーを求めて新潟に出かけましたが、最後は美味しいお酒も堪能。インスタ映えし、これからますます注目される「エディブルフラワー」から始まる、野菜ソムリエ的な新潟の旅をご紹介しました。
やっぱり新潟の魚料理とお酒は美味しいねー。
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吉川雅子
- 札幌生まれ、札幌在住。2003年に北海道で最初の野菜ソムリエとなる。現在は野菜ソムリエ上級プロ、青果物ブランディングマイスター、フードツーリズムマイスターなどの資格がある。
野菜や果物が好き。形や色、におい、育って行く過程、美味しさ、そして健康に良いこと。だから興味のある農産物のところに出かけ、その魅力を見聞きし、さらにお楽しみはお取り寄せ。それらを使って料理するのも好きです。